昨日の【スタンダード・デッキ・ピックアップ】でご紹介した「緑白トークン」のように、ローテーション前から活躍していたデッキもまだまだ姿を見ることができそうな、新環境。
しかし、デッキのキーカードを失い、姿を見ることができなくなったデッキも存在します。
その代表とも言えるのが、前環境の覇者、「バントカンパニー」です。
デッキ名にもなっている《集合した中隊》が使用できなくなったことで、このアーキタイプは過去のものとなってしまいました。「やっと見なくて済む」という安堵の声も多数聞こえてきそうですが……。
しかし「カンパニー」は消えても、「バント(白青緑)」は不滅!
本日最初にご紹介するのは、こちらのバントカラーデッキです。
5 《森》 4 《平地》 1 《島》 4 《進化する未開地》 4 《霊気拠点》 4 《植物の聖域》 4 《大草原の川》 -土地 (26)- 4 《森の代言者》 4 《導路の召使い》 1 《無私の霊魂》 4 《反射魔道士》 4 《呪文捕らえ》 4 《不屈の追跡者》 4 《新緑の機械巨人》 -クリーチャー (25)- |
2 《顕在的防御》 3 《石の宣告》 4 《実地研究者、タミヨウ》 -呪文 (9)- |
3 《断片化》 3 《否認》 2 《首絞め》 2 《高木背の踏みつけ》 2 《儀礼的拒否》 2 《生命の力、ニッサ》 1 《即時却下》 -サイドボード (15)- |
《反射魔道士》《無私の霊魂》《呪文捕らえ》《森の代言者》《不屈の追跡者》と、「バントカンパニー」で活躍したクリーチャーの姿、再び!
「バントカンパニー」が、なぜ強力だったか?と改めて考えてみると、「《集合した中隊》が呼び出すクリーチャーが強かった」という答えに行き着きます。上記のクリーチャーを見れば、「まともに相手したくない」と思ってしまう人も多いと思います。《森の代言者》や《反射魔道士》は、普通にプレイされても強いですからね。
『カラデシュ』から新たに加わったクリーチャーは、昨日ご紹介した《新緑の機械巨人》、そして優秀なマナクリーチャーである《導路の召使い》です。
《導路の召使い》は、2/2というサイズを持つ非常に優秀なマナクリーチャーです。マナを生み出すにはエネルギーが必要なのですが、追加のエネルギーを得る手段がなくとも、2個のエネルギーを用いて序盤の色事故を解消しつつ、《新緑の機械巨人》や《実地研究者、タミヨウ》に素早くアクセスできると考えれば、文句のない能力でしょう。
サイドボードに採用されている《儀礼的拒否》は、アーティファクトに刺さるのはもちろんですが、各種エルドラージや「現出」クリーチャーに効果的な点もお忘れなく。《断片化》や《自然のままに》と同様、サイドボードに採用される1マナの呪文として、更に活躍しそうです。
また、「バントカンパニー」には強力な派生系が存在していました。「バント人間」です。
【プロツアー殿堂入り】を決めた【Team Cygames】所属のプロプレイヤー、渡辺 雄也さんによって世に送り出され、瞬く間にトップメタの一角に。前環境を締めくくる【世界選手権】では、グランプリマスターであるBrian Braun-Duinが使用し、世界チャンピオンの座に輝く原動力となりました。
こちらもやはり、《集合した中隊》を失ってもまだまだ強力なようです。デッキリストはこちら。
6 《平地》 2 《森》 4 《植物の聖域》 4 《港町》 4 《要塞化した村》 2 《伐採地の滝》 1 《梢の眺望》 -土地 (23)- 4 《町のゴシップ屋》 4 《スレイベンの検査官》 2 《造命の賢者、オビア・パースリー》 4 《サリアの副官》 4 《ラムホルトの平和主義者》 4 《反射魔道士》 2 《異端聖戦士、サリア》 2 《大天使アヴァシン》 -クリーチャー (26)- |
4 《石の宣告》 3 《永遠の見守り》 2 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》 2 《実地研究者、タミヨウ》 -呪文 (11)- |
4 《否認》 3 《自然のままに》 3 《グリフの加護》 2 《即時却下》 2 《次元の激高》 1 《大天使アヴァシン》 -サイドボード (15)- |
新たなる「バント人間」は、更にアグレッシブなビートダウンを目指して構築されています。1マナの《スレイベンの検査官》《町のゴシップ屋》を並べて、それらを《サリアの副官》で強化する、という動きが強力なのは、前環境の「白単人間」の活躍を見ても明らかでしょう。
『カラデシュ』からの新戦力として、《造命の賢者、オビア・パースリー》が加わっています。マナフラッドを解消しつつ、1/1の霊気装置トークンを出してクリーチャーの数を増やし、十分に並んだところで構築物トークンを生成!《ハンウィアーの民兵隊長》を変身させてしまったときの鬱陶しさを味わった人ならば、この強さがわかるはずです。それから、《最後の望み、リリアナ》の「+1」能力で落とされないタフネス2も評価点ですね。
自己完結した能力を持つカードは、いつの時代も強力無比。《造命の賢者、オビア・パースリー》、注目です!
また、《異端聖戦士、サリア》は「機体」が流行っている現在の環境にピッタリなカードです。
各種「機体」が強い理由として、「『搭乗』コストを支払うためにタップするクリーチャーは、召喚酔いの制限を受けない」というものがあります。例えば、2ターン目に《密輸人の回転翼機》、3ターン目に《模範操縦士、デパラ》とプレイすれば、そのまま「搭乗」して《模範操縦士、デパラ》の効果を受けて4/4、飛行で3ターン目から攻撃することが可能なわけですが、この圧倒的速度を《異端聖戦士、サリア》は見事にブレーキを掛けてくれます。
イニストラードを救うために奔走したサリアの力、まだまだ頼りになりそうです!
《集合した中隊》が不発で終わる心配がなくなったため、クリーチャー以外のカードを自由に増やすことができるわけですが、このデッキでは必要最低限に。先手4ターン目の《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》や《実地研究者、タミヨウ》は相変わらず「あ……」と遠い目になるくらい強力です。
そして、《永遠の見守り》も「白単人間」で活躍していたカードですね。居並ぶクリーチャーが、カードの名称に違わず“盤面を永遠に見守り続ける状況”は、頼もしくもあり、恐ろしくもあり……。
それから、「人間しか出てこないのかな?」と油断していると、《大天使アヴァシン》が即座に降臨するので油断は禁物です!
「《反射魔道士》と《サリアの副官》が《集合した中隊》によって戦場に出て、相手をバウンスしつつ強化しながら展開!」といった驚きはなくなりましたが、優秀なクリーチャーを展開していく動きは当然強力!
「《集合した中隊》が使えなくなった」と考えるのではなく、「クリーチャーを3マナ以下でまとめたり、ある程度の数を確保したりする必要がなくなって、自由な構築が可能になった」と考えてみてください。「バントカンパニー」「バント人間カンパニー」を使っていた方は、数枚のカードを入れ替えて、さぁ、大会へ!
【バントカラーのビートダウンデッキを検索】
晴れる屋の平日大会は、新環境のスタンダードを楽しむ方で連日大盛況となっています。【デッキ検索】も少しずつ充実してきたので、ぜひ、ご覧ください。
「あれ?自分の作ったデッキはまだ誰も使っていないみたいだな……」
と思ったら、新たなアーキタイプを登録するチャンス!あなたの名前を、デッキ検索に刻みつけてください!
では、また明日!
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