アップデートされたデス&タックス

Michael Bonde




みなさんこんにちは、僕の記事へ再びようこそ。

今日はレガシーについて少し話したいと思う。

レガシーはとても楽しいフォーマットだ。このゲームで印刷された大半のカードで遊べる環境がここにある。モダンでは使えない『第8版』より前のプールが存在し、レガシーはそれらを存分に楽しめる環境だ。多少の禁止カードなどはあるものの、このフォーマットをより良くするための小さな修正だろう。

デッキを作るためにこの膨大なカードの選択肢があることは幸福であると共に試練でもある。何故なら自分ですべての判断を下さなければならず、どのカードを採用するか、どうすれば相手に勝てるかを考えなければならない。さらに相手も同じ量のカードプールを使用して、違ったシナジーや戦略で襲ってくる。

新規のプレイヤーにレガシーの話をすると、大半の人が1ターンで負けてしまうような、運が左右してスキルの入り込む余地のない、怖いフォーマットだという声を聞く。この考えは100%違うと断言しよう。レガシーはとにかくスキルが必要なフォーマットだ。フォーマットに存在するとても膨大なカードの知識が必要で、どんなカードがどんなデッキに入って、そのカードが何と連携して武器となるのか、という知識が必ず必要になる。

この発言を確かなものにするため、僕が最も好きなレガシーのデッキ、そして【グランプリ・ストラスブール2013】で僕をトップ4まで連れて行ってくれた「デス&タックス」を紹介しよう。


Michael Bonde – デス&タックス
GP Strasbourg 2013

9《平地》
1《魂の洞窟》
1《地平線の梢》
3《カラカス》
1《永岩城》
4《リシャーダの港》
4《不毛の大地》

-土地 (23)-

4《ルーンの母》
4《ファイレクシアの破棄者》
4《石鍛冶の神秘家》
4《スレイベンの守護者、サリア》
3《ちらつき鬼火》
3《ミラディンの十字軍》
2《エイヴンの思考検閲者》
2《コロンドールのマンガラ》
1《悪鬼の狩人》

-クリーチャー (27)-
4《剣を鍬に》
4《霊気の薬瓶》
1《梅澤の十手》
1《殴打頭蓋》

-呪文 (10)-
2《エーテル宣誓会の法学者》
2《萎れ葉のしもべ》
2《大変動》
2《安らかなる眠り》
2《忘却の輪》
2《大祖始の遺産》
1《はらわた撃ち》
1《真髄の針》
1《梅澤の十手》

-サイドボード (15)-
hareruya


この上にあるリストは2013年に使ったもので、現代の形とは少々違った部分もある。だがこのデッキのメインテーマと、このデッキを回す上で必要な部分はそのまま残っている。そこで今回、このデッキのマッチアップなどの話をするのではなく、「デス&タックス」愛好家たちが頭の中で何を考えているか、2つのカードを使って紹介しよう。

《聖域の僧院長》《護衛募集員》


聖域の僧院長護衛募集員


共に白のカードとしてはとてもユニークな効果を持つカードだ。《護衛募集員》《石鍛冶の神秘家》のように目的の何かを持ってくるカードである。 そして《聖域の僧院長》牢獄のような効果をもたらし、《虐殺》《剣を鍬に》《夜の戦慄》《終末》などを機能させなくする


虐殺剣を鍬に夜の戦慄終末


初めて見たとき、このカードは最高に見えて、検証しなくても「デス&タックス」にはそのまま入ると思っていた。しかし、よく見てみれば、このデッキのエンジンとゲームプランは多種多様なクリーチャーで成り立っていて、マナカーブが綺麗に1、2、3マナで収まっている。2枚とも3マナ、というところも実は重要だ。

霊気の薬瓶不毛の大地ルーンの母


「デス&タックス」は多彩な攻撃方法を持っている。大体《霊気の薬瓶》《不毛の大地》《ルーンの母》から始まる1ターン目はレガシーの標準を少し下回るくらいかもしれないが、このデッキがメタゲーム上で成功する要因は、レガシーの多くのデッキが、とてもフェアなことを行ってくるからだ。

「ストーム」や「グリセルストーム」(Tinfins)などは1ターン目や後攻2ターン目に勝ちにくるが、そんな勝利は現実的な確率ではなかなか起きないだろう。そういったときに《スレイベンの守護者、サリア》《迷宮の霊魂》《ファイレクシアの破棄者》などがこのアンフェアな戦略に蓋をすれば、機能不全に陥るだろう。特に相手の要となるカードをこれらが抑え込んでいたならなおさらだ。これらのカードが2マナ域であることでゲームを左右させることができ、MVPとなることが多い。



スレイベンの守護者、サリア迷宮の霊魂ファイレクシアの破棄者グリセルブランド


ここまでだと僕はこの2枚のカードを推してないように見えるかもしれない。だが、僕はこの2枚の大ファンだ。明日グランプリでレガシーをやるなら、自分なら2枚《護衛募集員》をメインに入れて、1、2枚の《聖域の僧院長》をサイドボードに忍ばせておくと思う。

《護衛募集員》はその状況にあった的確なクリーチャーを探してくれるが、このカードがポテンシャルを最大限に引き上げられるのは「奇跡」とのマッチングだ。

終末


「奇跡」は脅威となるクリーチャーの排除を《終末》に頼っている。そしてそのままゆっくりとゲームを支配し、盤石な状態に持っていく。おもしろくなってくるのが、この《終末》のテキストで、”ライブラリーの一番下に置く”という書いてあるところだ。《霊気の薬瓶》と各種装備品があれば、対戦相手は効果的に《終末》を使い、たった1体の装備しているクリーチャーしかボード上に存在していない状態で、2対1交換を挑むのは難しいだろう。

このマッチアップでは、不用意に2体以上のクリーチャーをボード上に出すのは望ましくない。そして、そんなとき《護衛募集員》を使うことにメリットが出てくる。《護衛募集員》を出したら相手にプレッシャーを与えるカードをサーチするか、そういったものがすでにあるなら、単純に2枚目の《護衛募集員》を持ってこよう。もしボード上の《護衛募集員》《終末》されたらデッキへと戻る。そうしたら、手札にある《護衛募集員》でまたサーチすれば良い。そんな状態でボード上に勝利を勝ち取る装備があれば、1/1のクリーチャーでも脅威となるだろう。

護衛募集員終末


このカードを2枚しか入れない理由は、他にも良い2マナ帯のカードがあり、このカードは少し遅く、同じアンフェアな土俵で戦うデッキには不利だからだ。このカード自身がボード上に何かをもたらすわけではないから、このカードは4枚入らない。

これに対して、《聖域の僧院長》登場した瞬間に相手のゲームプランを止めるインパクトを残すカードだ。だがこのカードはメインよりサイドボードの方がしっくりくる。2つ大きな理由がある。まず、このカードはとても強いが、大半のデッキはこのカードをうまくかわしながらプレイして勝つことができるからだ。

コンボデッキに対して1戦目に意表を突くことはできるが、大半のマッチングではこの2/2を対処することが可能だと思う。《ルーンの母》がいて守れる状態なら、この1枚はいろんなデッキをコントロールすることもできるかしれないが。

《護衛募集員》と一緒で3マナ帯のこのカードはコンボデッキ相手には少し遅い。だが、逆にこのカードがボード上に登場すれば、ゲームに大きなインパクトを残すだろう。

苦悶の触手実物提示教育再活性


そんな感じで僕の考えを綴ってみた。もしこれらのカードを使ってみたいと思ったら、【Ovino】でトップ8に入賞したリストを見ると良い。紹介したカードが両方メインボードに入っている。


Marco Montani – デス&タックス
Ovino XI – Legacy Main Event
8位
10《平地》
2《魂の洞窟》
3《カラカス》
4《不毛の大地》
4《リシャーダの港》

-土地 (23)-

4《ルーンの母》
4《石鍛冶の神秘家》
4《スレイベンの守護者、サリア》
3《ファイレクシアの破棄者》
4《ちらつき鬼火》
2《護衛募集員》
2《聖域の僧院長》
2《異端聖戦士、サリア》
1《コロンドールのマンガラ》

-クリーチャー (26)-
4《剣を鍬に》
4《霊気の薬瓶》
1《梅澤の十手》
1《火と氷の剣》
1《殴打頭蓋》

-呪文 (11)-
2《エーテル宣誓会の法学者》
2《安らかなる眠り》
1《レオニンの遺物囲い》
1《封じ込める僧侶》
1《ミラディンの十字軍》
1《大変動》
1《流刑への道》
1《歪める嘆き》
1《議会の採決》
1《四肢切断》
1《漸増爆弾》
1《万力鎖》
1《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》

-サイドボード (15)-
hareruya


ではまた次回! それから、みんなが『カラデシュ』のマスターピースをいっぱい当てられることを願っているよ!


Michael Bonde // @Lampalot


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