みなさんこんにちは、僕の記事へ再びようこそ。
今日はレガシーについて少し話したいと思う。
レガシーはとても楽しいフォーマットだ。このゲームで印刷された大半のカードで遊べる環境がここにある。モダンでは使えない『第8版』より前のプールが存在し、レガシーはそれらを存分に楽しめる環境だ。多少の禁止カードなどはあるものの、このフォーマットをより良くするための小さな修正だろう。
デッキを作るためにこの膨大なカードの選択肢があることは幸福であると共に試練でもある。何故なら自分ですべての判断を下さなければならず、どのカードを採用するか、どうすれば相手に勝てるかを考えなければならない。さらに相手も同じ量のカードプールを使用して、違ったシナジーや戦略で襲ってくる。
新規のプレイヤーにレガシーの話をすると、大半の人が1ターンで負けてしまうような、運が左右してスキルの入り込む余地のない、怖いフォーマットだという声を聞く。この考えは100%違うと断言しよう。レガシーはとにかくスキルが必要なフォーマットだ。フォーマットに存在するとても膨大なカードの知識が必要で、どんなカードがどんなデッキに入って、そのカードが何と連携して武器となるのか、という知識が必ず必要になる。
この発言を確かなものにするため、僕が最も好きなレガシーのデッキ、そして【グランプリ・ストラスブール2013】で僕をトップ4まで連れて行ってくれた「デス&タックス」を紹介しよう。
Michael Bonde – デス&タックス
GP Strasbourg 2013
9
1
1
3
1
4
4
-土地 (23)-
4
4
4
4
3
3
2
2
1
-クリーチャー (27)- |
4
4
1
1
-呪文 (10)- |
2
2
2
2
2
2
1
1
1
-サイドボード (15)- |
この上にあるリストは2013年に使ったもので、現代の形とは少々違った部分もある。だがこのデッキのメインテーマと、このデッキを回す上で必要な部分はそのまま残っている。そこで今回、このデッキのマッチアップなどの話をするのではなく、「デス&タックス」愛好家たちが頭の中で何を考えているか、2つのカードを使って紹介しよう。
と
共に白のカードとしてはとてもユニークな効果を持つカードだ。はのように目的の何かを持ってくるカードである。 そしては牢獄のような効果をもたらし、などを機能させなくする。
初めて見たとき、このカードは最高に見えて、検証しなくても「デス&タックス」にはそのまま入ると思っていた。しかし、よく見てみれば、このデッキのエンジンとゲームプランは多種多様なクリーチャーで成り立っていて、マナカーブが綺麗に1、2、3マナで収まっている。2枚とも3マナ、というところも実は重要だ。
「デス&タックス」は多彩な攻撃方法を持っている。大体から始まる1ターン目はレガシーの標準を少し下回るくらいかもしれないが、このデッキがメタゲーム上で成功する要因は、レガシーの多くのデッキが、とてもフェアなことを行ってくるからだ。
「ストーム」や「グリセルストーム」(Tinfins)などは1ターン目や後攻2ターン目に勝ちにくるが、そんな勝利は現実的な確率ではなかなか起きないだろう。そういったときになどがこのアンフェアな戦略に蓋をすれば、機能不全に陥るだろう。特に相手の要となるカードをこれらが抑え込んでいたならなおさらだ。これらのカードが2マナ域であることでゲームを左右させることができ、MVPとなることが多い。
ここまでだと僕はこの2枚のカードを推してないように見えるかもしれない。だが、僕はこの2枚の大ファンだ。明日グランプリでレガシーをやるなら、自分なら2枚をメインに入れて、1、2枚のをサイドボードに忍ばせておくと思う。
はその状況にあった的確なクリーチャーを探してくれるが、このカードがポテンシャルを最大限に引き上げられるのは「奇跡」とのマッチングだ。
「奇跡」は脅威となるクリーチャーの排除をに頼っている。そしてそのままゆっくりとゲームを支配し、盤石な状態に持っていく。おもしろくなってくるのが、こののテキストで、”ライブラリーの一番下に置く”という書いてあるところだ。と各種装備品があれば、対戦相手は効果的にを使い、たった1体の装備しているクリーチャーしかボード上に存在していない状態で、2対1交換を挑むのは難しいだろう。
このマッチアップでは、不用意に2体以上のクリーチャーをボード上に出すのは望ましくない。そして、そんなときを使うことにメリットが出てくる。を出したら相手にプレッシャーを与えるカードをサーチするか、そういったものがすでにあるなら、単純に2枚目のを持ってこよう。もしボード上のがされたらデッキへと戻る。そうしたら、手札にあるでまたサーチすれば良い。そんな状態でボード上に勝利を勝ち取る装備があれば、1/1のクリーチャーでも脅威となるだろう。
このカードを2枚しか入れない理由は、他にも良い2マナ帯のカードがあり、このカードは少し遅く、同じアンフェアな土俵で戦うデッキには不利だからだ。このカード自身がボード上に何かをもたらすわけではないから、このカードは4枚入らない。
これに対して、は登場した瞬間に相手のゲームプランを止めるインパクトを残すカードだ。だがこのカードはメインよりサイドボードの方がしっくりくる。2つ大きな理由がある。まず、このカードはとても強いが、大半のデッキはこのカードをうまくかわしながらプレイして勝つことができるからだ。
コンボデッキに対して1戦目に意表を突くことはできるが、大半のマッチングではこの2/2を対処することが可能だと思う。がいて守れる状態なら、この1枚はいろんなデッキをコントロールすることもできるかしれないが。
と一緒で3マナ帯のこのカードはコンボデッキ相手には少し遅い。だが、逆にこのカードがボード上に登場すれば、ゲームに大きなインパクトを残すだろう。
そんな感じで僕の考えを綴ってみた。もしこれらのカードを使ってみたいと思ったら、【Ovino】でトップ8に入賞したリストを見ると良い。紹介したカードが両方メインボードに入っている。
Marco Montani – デス&タックス
Ovino XI – Legacy Main Event8位
10
2
3
4
4
-土地 (23)-
4
4
4
3
4
2
2
2
1
-クリーチャー (26)- |
4
4
1
1
1
-呪文 (11)- |
2
2
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
-サイドボード (15)- |
ではまた次回! それから、みんなが『カラデシュ』のマスターピースをいっぱい当てられることを願っているよ!
Michael Bonde // @Lampalot
Michael Bonde Pilgaard
【グランプリ・ストラスブール2013】、【グランプリ・マドリード2015】ではTop4に入賞。さらに【グランプリ・サンパウロ2016】では齋藤 友晴、Thiago Rodriguesと共に5位入賞を果たすなど、輝かしい戦績を数多く持つ。
盤面をコントロールして、複雑なロングゲームを制して勝利を掴む実力者。
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