Hareruya Pros Blogでは初めまして!大澤です!
今回は先日行われた【グランプリ・千葉2016】の大会レポートを書いていこうと思います。
実はレガシーというフォーマットはほとんどプレイしたことがなかったので、レガシー初心者の自分がグランプリに向けてどのような準備をし、どのような結果を得たのかを書いていこうと思います。
■ デッキ選択
まずデッキを選択するにあたって、自分の中で条件を定めて選択肢を絞り込むことにしました。
その条件とはずばり……《意志の力》を使うこと!!
無数のコンボデッキが存在するレガシー環境において、このカードを使わないのはもったいないと思ったからです。単純に「せっかくレガシーをプレイするなら使ってみたい!」という興味本位の気持ちがあったことも否定はできませんが (笑)
そんなこんなで、最初に試したのは【グリクシスデルバー】でした。
3 《Volcanic Island》 2 《Underground Sea》 1 《Tropical Island》 4 《汚染された三角州》 4 《溢れかえる岸辺》 4 《不毛の大地》 -土地 (18)- 4 《秘密を掘り下げる者》 4 《死儀礼のシャーマン》 3 《若き紅蓮術士》 1 《真の名の宿敵》 2 《グルマグのアンコウ》 -クリーチャー (14)- |
4 《ギタクシア派の調査》 4 《思案》 4 《渦まく知識》 4 《稲妻》 2 《陰謀団式療法》 1 《呪文貫き》 4 《目くらまし》 1 《四肢切断》 4 《意志の力》 -呪文 (28)- |
2 《悪意の大梟》 2 《真髄の針》 2 《外科的摘出》 2 《狼狽の嵐》 2 《紅蓮破》 2 《突然の衰微》 1 《渋面の溶岩使い》 1 《陰謀団式療法》 1 《古えの遺恨》 -サイドボード (15)- |
このデッキは《秘密を掘り下げる者》を始めとした低マナ域のクリーチャーを展開し、カウンター、火力、ハンデスで相手を阻害する「クロックパーミッション」に分類されるデッキになります。
普段あまりレガシーをプレイしたことのない自分には相手の行動を受けきるのは難しいと考え、こちらからプレッシャーをかけることができるこのデッキを最初に選びました。
しかし、しばらくプレイしていると問題点が浮かび上がってきました。このデッキはコンボデッキに強い反面でクリーチャーの線が細く、初速を潰されてしまうと逆転が難しく、同型やミッドレンジとの対戦では繊細なプレイが要求されるということです。
レガシーに不慣れな自分にとって、このデッキはあまり良い選択ではないと感じました。
そして行き着いたのが実際に本戦でも使用した【青黒緑続唱】です。
このデッキは「グリクシスデルバー」に比べアドバンテージを得る手段が豊富で、中盤~終盤に強いミッドレンジに分類されるデッキになります。《断片無き工作員》を中心に据え、強力なスペルで対戦相手のリソースを削り、《タルモゴイフ》や「プレインズウォーカー」でフィニッシュするというのが基本的な動きとなります。
とにかく強力なカードの集まりなので、ゲーム展開や対戦相手にプレイが左右されづらいのが魅力です。
実際にプレイしてみると、《トーラックへの賛歌》が非常に強力で2ターン目にプレイしただけで相手が機能不全に陥ってしまうことも珍しくなく、構成上相性が良くないはずのコンボデッキに対しても、このカードのおかげで十分に勝機があります。
国内のレガシーの大会で猛威を奮っている【青白奇跡】と【エルドラージ】に相性が悪くないというのも決め手となりました。
使用するデッキは決まったので、ここからはデッキの細部を詰めるために練習あるのみです。
■ 第8期レガシー神挑戦者決定戦
グランプリの前哨戦となる11/19に行われた【第8期レガシー神挑戦者決定戦】に出場しました。
結果はこちら。
ラウンド | 対戦デッキ | 勝敗 |
Round 1 | オムニテル 【原根 健太君・ビデオカバレージ】 | 〇 |
Round 2 | デス & タックス | × |
Round 3 | 白青赤石鍛冶 | 〇 |
Round 4 | 青黒緑続唱 | 〇 |
Round 5 | 土地単 | 〇 |
Round 6 | ジャンド | 〇 |
Round 7 | ANT | 〇 |
Round 8 | エルドラージ | × |
Round 9 | オムニテル | × |
※ゲームカウントは記録し忘れてしまいました。
仮想敵として意識していた【デス & タックス】、「エルドラージ」に負けて、半分諦めていたコンボデッキに3勝1敗と自分でもよくわからない結果となりましたが、デッキ自体の感触としては悪くない感じでした。
しかし大会を通してサイドボードのカード選択やプランの練り込みの甘さが目立ち、実際に大会後の廣澤 (遊太) 君との練習では相性が悪くないと思っていた「青白奇跡」とのサイド戦で大幅に負け越してしまい、付け焼き刃ではレガシーは勝ちきれないと痛感させられました。
そんな中、【ワールド・マジック・カップ2016】帰りのコガモ (津村 健志) から「『青黒緑続唱』で出る予定なんですけど一緒に練習しませんか?」との神の言葉が!
持つべきものは友ですね!
コガモ、廣澤君との練習でサイドボーディングを徹底的に叩き込んでもらった結果、完成したデッキがこちら。
1 《沼》 1 《森》 3 《Underground Sea》 2 《Bayou》 1 《Tropical Island》 4 《新緑の地下墓地》 4 《汚染された三角州》 2 《霧深い雨林》 1 《忍び寄るタール坑》 3 《不毛の大地》 -土地 (22)- 4 《死儀礼のシャーマン》 4 《タルモゴイフ》 3 《悪意の大梟》 4 《断片無き工作員》 -クリーチャー (15)- |
3 《祖先の幻視》 4 《渦まく知識》 4 《トーラックへの賛歌》 4 《突然の衰微》 1 《毒の濁流》 4 《意志の力》 1 《ヴェールのリリアナ》 2 《精神を刻む者、ジェイス》 -呪文 (23)- |
2 《思考囲い》 2 《外科的摘出》 2 《見栄え損ない》 1 《裏切り者グリッサ》 1 《真髄の針》 1 《無のロッド》 1 《森の知恵》 1 《ゴルガリの魔除け》 1 《毒の濁流》 1 《大渦の脈動》 1 《情け知らずのガラク》 1 《残忍な切断》 -サイドボード (15)- |
■ サイドボーディング
レガシー経験があまりないため正解かわかりませんが、ここからは実際に使用したサイドボードプランを紹介したいと思います。
このデッキのサイドボーディングの仕方は大まかに二通りで、コンボデッキ相手には《悪意の大梟》を抜き、コンボデッキ以外の相手には《意志の力》を抜きます。
それを踏まえ、各アーキタイプ別のサイドボードプランを紹介していきます。
対 「青白奇跡」
【晴れる屋のメルマガ】でコガモからも紹介があったと思うのですが、《終末》や《安らかなる眠り》でアドバンテージを取られないよう《タルモゴイフ》を抜くというプランです。
勝ち手段が少なくなりすぎではないかと感じる方もいると思うのですが、「青白奇跡」に対しては《相殺》・《僧院の導師》・《血染めの月》を適切に対処し、《トーラックへの賛歌》でリソースを削ってから「プレインズウォーカー」で蓋をするという勝ち方がほとんどです。《タルモゴイフ》でビートダウンすることは非常に少なく、逆に《終末》でアドバンテージを取られてしまい負けに繋がってしまう要因となってしまうことが多かったです。
このサイドプランを選択してから勝率がかなり上がったので、自分達はこのプランを採用することにしました。実際に同じデッキを使用した自分とコガモはグランプリで「青白奇跡」とマッチアップすることがありませんでしたが、廣澤君が3戦全勝と良い結果を得ることができました。
対 「エルドラージ」
《魂の洞窟》のせいで無駄カードになってしまう《意志の力》を全てサイドアウトし、除去の追加と最強生物である《裏切り者グリッサ》をサイドイン。
無敵の戦闘能力を備えていながら《悪意の大梟》や《断片無き工作員》を使い回せる能力までついてるこのクリーチャーは、対「エルドラージ」戦において最高のアンチカードと言えます。
こちらも3人で負けなしと良い結果を得ることができました。
対 「デルバー」 (グリクシス・4色)
この対戦は消耗戦になりやすいので、アドバンテージを失う《意志の力》をサイドアウトします。《秘密を掘り下げる者》や《稲妻》、さらにはサイドから《紅蓮破》が投入される可能性が高い点も考慮して「プレインズウォーカー」もサイドアウトし、代わりにありったけの除去をサインドインします。
基本的に相性の良いマッチアップだと思うのですが、瀬畑 (市川 ユウキ) 君がMagic Online上で好成績をあげたことで広まった《もみ消し》・《グルマグのアンコウ》4枚入りの4Cデルバーとの対戦では高いプレイスキルが要求されるため、現状ではあまり相性の良いマッチアップではないという印象です。
対 「デス & タックス」
Out
In
先制攻撃のクリーチャーをブロックできず、《ルーンの母》や装備品が場に出てしまうと機能不全に陥ってしまう《悪意の大梟》、《ファイレクシアの破棄者》で対処されてしまう「プレインズウォーカー」、《霊気の薬瓶》や《魂の洞窟》の前に無力な《意志の力》をサイドアウトし、装備品や《霊気の薬瓶》に対応するため《真髄の針》・《無のロッド》をサイドインします。
このマッチアップは相手のマナ拘束戦略に注意しつつ、軽い除去が重要になってきますので、多少シビアにマリガンすることをお勧めします。
対 「スニークショー」
前述の通り《悪意の大梟》と、対象の少ない《突然の衰微》、不要牌である《毒の濁流》をサイドアウトし、《思考囲い》と《騙し討ち》対策として《真髄の針》・《ゴルガリの魔除け》・《大渦の脈動》をサイドインします。《真髄の針》は状況に応じて《グリセルブランド》を指定することもあるので注意しましょう。
あまり良いマッチアップではありませんので、初手に《思考囲い》も《意志の力》もない場合は積極的にマリガンすることをお勧めします。先行の場合は《トーラックへの賛歌》もキープ基準になります。
対 「ANT」
とにかく序盤から相手の手札を削ること考えましょう。《外科的摘出》・《思考囲い》・《トーラックへの賛歌》・《無のロッド》・《ヴェールのリリアナ》・《意志の力》を複数引けると勝利が近づきます。
相手が《ザンティッドの大群》や《闇の腹心》、または《巣穴からの総出》をサイドインしてくる可能性がありますので、除去は抜きすぎないように注意しましょう。
対 「リアニメイト」
コンボデッキに対する希望の光である《トーラックへの賛歌》が相手を助けてしまう可能性があったりと、個人的には一番戦いづらいマッチアップです。とはいえ《トーラックへの賛歌》を抜くわけにはいかないので、ある程度都合良く抜けることを祈りながらキャストしましょう (笑)
出てきたクリーチャーが《グリセルブランド》以外の場合にしっかりと対応できるように、《大渦の脈動》と《残忍な切断》をサイドインします。初手に《外科的摘出》・《思考囲い》・《意志の力》がない場合はマリガンすることをお勧めします。
対 「ミラーマッチ」
アドバンテージを失ってしまう《意志の力》と、デッキの構成上あまり有効でない《ヴェールのリリアナ》をサイドアウトし、戦場に残ればかなりのアドバンテージを得ることのできる《裏切り者グリッサ》・《森の知恵》・《情け知らずのガラク》と追加の除去をサイドインします。
《祖先の幻視》と《トーラックへの賛歌》が勝負を決めることが多いので、「続唱」との兼ね合いも考慮しつつ《渦まく知識》を打つタイミングが非常に重要になります。
■ グランプリ・千葉2016
使用するデッキ、サイドボードプランも固まりいざ本番。
結果はこちら!
ラウンド | 対戦デッキ | 勝敗 |
Round 1 | BYE | |
Round 2 | スニークショー (岡田 渉さん) | ×〇〇 |
Round 3 | ぺインター | 〇〇 |
Round 4 | スニークショー | 〇〇 |
Round 5 | エルドラージ | 〇〇 |
Round 6 | ドラゴンストンピィ | 〇×× |
Round 7 | 青赤コントロール | ×× |
Round 8 | リアニメイト (大森 健一郎さん) | ×〇× |
Round 9 | 青赤デルバー | 〇×〇 |
ラウンド | 対戦デッキ | 勝敗 |
Round 10 | ANT | 〇〇 |
Round 11 | スニークショー | ×〇〇 |
Round 12 | エルドラージ | 〇×〇 |
Round 13 | デス & タックス | ×〇〇 |
Round 14 | スニークショー | 〇×〇 |
Round 15 | グリクシスデルバー | 〇〇 |
初日に3敗を喫してしまったものの、2日目は全勝することができて、最終的に12勝3敗の45位という好成績をおさめることができました。
苦手なコンボデッキに運良く非常に高い勝率をあげることができた反面で、対戦経験のなかった【ドラゴンストンピィ】、【青赤コントロール】には敗北し、やはりレガシーはやり込み、経験が重要なレギュレーションだと再確認させられました。
以上がGP千葉の大会レポートになります。レガシー初心者の自分がGPに向けて奮闘した結果になりますので突っ込み所もあると思いますが、少しでも皆さんの力になれれば幸いです。
最後になりますが、この度プロツアー予備予選を突破することができましたので、次の次のプロツアーには参戦できるようにがんばります!
PPTQ優勝\(^o^)/
— TakuyaOsawa (@spectral_force_) 2016年12月3日
それでは、また次回のブログで。
大澤
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