トーナメントセンターバトロコ高田馬場オープン記念 晴れる屋VSバトロコ 高田馬場最強位決定戦!

晴れる屋メディアチーム

By Atsushi Ito

 2013年の8月末に、マジック:ザ・ギャザリング専門店で300席を擁する晴れる屋トーナメントセンターがオープンしてからはや3年。今やすっかり日本のマジックムーブメントの中心となった高田馬場に、2016年12月3日、新たなる聖地が誕生した。

 その名も、【トーナメントセンターバトロコ高田馬場】。都内最大級、約150席のデュエルスペースを完備。しかもマジック以外にも多数の国産TCGタイトルを取り扱っている大型店舗である。

 トーナメントセンターバトロコはちょうど1年前の12月に、「全てのTCGプレイヤーの聖地を目指す」を謳い文句に千葉県の柏にデュエルスペース300席の超大型店舗を出店している。そんなバトロコが、ついに高田馬場へと出店したのだ。ということは【トーナメントセンターバトロコ高田馬場】もまた、「全てのTCGプレイヤーの聖地」となるべく使命を負っているということになる。

齋藤「ちょっと待ってよ。マジックの聖地はうちでしょ?」

 だが、これに対して「待った」をかけたのが晴れる屋代表、齋藤 友晴だ。論理的に、「全てのTCGプレイヤー」となればそこには当然「マジックのプレイヤー」も含まれる。しかし3年以上前から高田馬場のマジックを盛り上げ続け、業界を主導してきた晴れる屋の立場からすれば、「マジックの聖地」としての立場は譲れない。

 譲れない、ならばどうするか?

 彼らが共通して商材として扱っているのはマジック:ザ・ギャザリング。ならば結論は一つだ。

 マジックで決着を付けよう。

 そう、ここに【トーナメントセンターバトロコ高田馬場】と晴れる屋トーナメントセンターとの、互いの「聖地」としての威信をかけた3対3のチームバトル、高田馬場最強位決定戦の開幕と相成ったのである。

 かくして12月3日、【トーナメントセンターバトロコ高田馬場】のグランドオープンというこのめでたき日に6人のプロプレイヤーが、できたてほやほやのバトロコのフィーチャリングエリアに集結した。

 はたして「聖地」にふさわしいのはどちらなのか。高田馬場の覇権を握るための戦いがいま、始まる。

■ 高田馬場最強位決定戦、開幕!


司会は【The Last Sun 2016】でも実況を担当することが先日発表された【@kuroebi_games】が務める


司会「早速本日、バトロコ高田馬場のフィーチャリングエリアのこけら落としにふさわしい、熱い戦いを繰り広げてくれる両チームを紹介しましょう!まずは晴れる屋代表、世界最強のグレイテストチーム!Hareruya Prosの皆さんです!」

 晴れる屋側の代表はもちろん晴れる屋がスポンサードするプロチーム、【Hareruya Pros】だ。今回は齋藤のほか、津村 健志原根 健太の3人が晴れる屋トーナメントセンターを背負う代表選手として戦う。

司会「それでは今日の戦いに向けて、一言いただいてもよろしいでしょうか」

齋藤・津村「ハッピーにマジックします!」

原根「暖かく迎え入れたいと思います」

司会「戦う雰囲気じゃないですね……」

 早くも設定を完全に無視しにかかるHareruya Prosの相手もそこそこに、続いてはバトロコ側のチームの入場となる……のだが、ここで1点問題があり、バトロコの側は現在マジックのプロプレイヤーをスポンサードしていない。

 しかしバトロコは「全てのTCGプレイヤーの聖地」を謳う以上、グランドオープンのこの日にいきなり敗北するような無様は許されない。当然、Hareruya Prosの3人に負けずとも劣らない超一流のプロプレイヤー3名を用意する必要がある。

 となれば、傭兵(マーセナリー)を募るしかない。

 そしてその結果。バトロコの理念に共感して馳せ参じた3人により、この日一日限りのドリームチームが誕生したのである。

司会「さあ、殴りこんできたHareruya Prosを迎え撃つ、”バトロコマーセナリーズ”をご紹介しましょう!最強には最強をぶつけろ!お三方、入場です!」

 最強ならぬ、最凶。

 【Dig.cards】所属プロ、行弘 賢【Team Cygames】所属プロ、市川 ユウキ。さらに【BIG MAGIC ELDERS】、天才デッキビルダー浅原 晃。この組み合わせ、危険すぎる

 何せ、今回の高田馬場最強位決定戦の模様は【ニコニコ動画で生放送】されているのだが、3人は登壇するなりカメラに向かって挑発的なポーズをとると、さらに一言コメントを求められるや、返ってきたのはこの回答である。

行弘やります、ぶっ潰します

浅原「いやもう、今日が晴れる屋の命日です

市川バトロコ生まれバトロコ育ち、TCG強いやつらは大体友達。レペゼンバトロコ、ぶっ潰します

 一言で言って放送事故の予感しかしないが、ともあれここに晴れる屋トーナメントセンターとバトロコ高田馬場、それぞれを代表して3対3で戦うプロプレイヤーたちの正体が明らかとなった構図である。

 そして次はいよいよ、彼らが戦うゲームの内容が明かされる時が来た。

■ 驚異の対決ルール!「スタンダード2pickチームシールド」とは!?


司会「それでは本日の対決のルールを紹介していきたいと思います。その名も、『スタンダード2pickチームシールド』!」

◆ スタンダード2pickチームシールドとは?

・あらかじめピックアップした、スタンダードで活躍しているカード120種類1枚ずつの山札をシャッフルして裏向きに置く。
・その山札の一番上から、2枚一組の束を2つ(※)、同時に公開する。先攻チーム側はこの2つの束のうちどちらか好きな束をピックし、後攻チーム側は残った束をピックする。
・これを先攻後攻とプレイヤーを交互に入れ替えながら30回繰り返し、120枚の山札をすべてピックし終えたらピック終了。

・その後、各チームはピックしたカードからそれぞれ3つのデッキを作る。このとき、自分のチームがピックしたカードは4枚支給される。また特殊地形も一種類4枚ずつ両チームに支給される。
・両チームそれぞれ先鋒、中堅、大将を決め、デッキを割り当てた上で、相手のチームとそれぞれ2本先取のマッチを行う。

※公開される束の例

束A

異端聖戦士、サリア
霊廟の放浪者

束B

査問長官
破滅を導くもの


 どこかで聞いたことがある気もするルールだが、司会者の完全オリジナルという設定となっている。

市川「4-1すると何ルピもらえるんですか?」

行弘「何エーテルですか?」

司会「おっしゃってる意味がわからないですが、120~130くらい……いえ、わたくしが独自に開発したルールという体です!」

行弘「何ーナルールですか?何バースですか?」

司会「やめてください!」

 狂犬である。

 さておき、最初のピックの先攻後攻を決めるためのじゃんけんを原根と浅原が行う。

謎の構えを見せる浅原


 2度のあいこを経て浅原が勝利すると、チームバトロコが後攻を選択。いよいよ2pickがスタートする。

市川「本場の2pickを教えてやりますよ」
司会「横から見ても何も変わりませんよ!」


浅原「どっちか全然わかんないぞ……」
行弘「いや、さっきのピックを覚えていればあっちしかない!」


津村「どっちも微妙だなぁ……」
原根「難しいですね」


最後のピック。《高速警備車》《先駆ける者、ナヒリ》とが分かれてしまい、悩む行弘


 ピック内容は省略するが、チームの戦力はスタンダードを代表するいくつかの強力カード (※ちなみに今回《密輸人の回転翼機》は公平性の観点からピック対象に入っていない) のピック具合次第で変わってくるというところ、《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》《奔流の機械巨人》はチーム晴れる屋に、《大天使アヴァシン》《最後の望み、リリアナ》はチームバトロコがピックしたことで、カードプール的には五分、良い勝負が期待できそうといったところだ。

 だがそういった回答を期待して司会がチームバトロコに話を振ると……

行弘「まあ楽勝かな」

市川「尺が長すぎてしまわないか心配ですね。絶対すぐに勝ってしまうので」

浅原「一人10分、合計30分で。RTAやってやりますよ

司会「いや、尺は決まってるんで!これイベントなんでエンタメしてください!」

 無法である。

 それはさておき、ピックも終了したのでここからは構築時間へ突入。

市川「マジこれデッキ作れねぇな全然!」


司会「チーム晴れる屋は申し訳ないですがカメラのない場所での構築となります」
齋藤「じゃあ僕たちはBブロックでデッキ作ってきます」
司会「何の話でしょうか?本日のイベントではAブロックとかBブロックとかは特に存在しません!」


 だが、ここまで自由にやってきつつも、構築時間内は全員プロプレイヤーらしく真剣そのもの。そして両チームともにデッキ構築が完了し、いよいよ対戦に移る。

司会「対戦の前に、自信のほどはいかがでしょうか?」

津村「どのデッキも今までスタンダードで見たことがあるデッキの真似ばかりになってしまったので、正直自信はないです……」

行弘「その点、俺らなんてそりゃもうオリジナルですよ」

司会「しかしデッキ構築時間中に静かな行弘さんは見たくなかった……」

行弘「いやいや、それは真面目に構築しますよ!俺らはマジックには真摯・・だから。尽くすぜ人事・・!」

 最近ラッパーキャラが付いてきている行弘が繰り出したライムに会場も沸く。だが、それが伏線になっていようとは、この時点では誰も予想していないのだった。

■ 先鋒戦「パンチライン対決」: 原根 健太 vs 行弘 賢


原根 a.k.a. “J-SPEED”と行弘 a.k.a. “deathsnow”のbeefが始まる


 先鋒は原根と行弘の対決。だが、ここで特別ルールが発表となる。

司会「この対戦では特別ルール、『パンチライン対決』を採用させていただきます!」

 「パンチライン」とはヒップホップにおける一連の決め台詞のようなもので、韻を踏むこと(=ライム)などを駆使して自分の存在を高め、もしくは相手の地位を低くする言葉(=dis)を放つことで、相手より精神的に優位に立ち、相手を言い負かすことを目的としている。

 そしてこの対決では、マジックのゲーム中に自由にパンチラインを放つことができ、観客を沸かせることができれば対戦相手に罰ゲームを食らわせることができる、というルールになっている。

 そう、これから高田馬場で切磋琢磨していくことになる両ショップだけに、互いを高め合うためにはリスペクトを忘れない姿勢を大事にしつつも、時には厳しい言葉で叱咤激励するマインドが必要になってくる……ということを表したルールなのだ(?)。

齋藤「あ、原根さん!”雑魚相手”でも気を抜かないで頑張ってください!」

行弘「誰が雑魚・・?!そんなのもう昔の過去・・!」

 早速開幕から飛んだ行弘の見事なパンチラインに、観客もルールを理解したのか「おぉ~!」とボルテージを上げていく。2人がともに某フリースタイル対決番組の熱烈な視聴者であることから決まったこの特別ルールだが、どうやら長年のニコニコ生放送で培ったトークスキルを持つ行弘の方がラップの技術では一歩先んじているようだ。

 続いて罰ゲームが発表となる。2人の目の前に置かれたのは謎の色の液体。見た目はグレープフルーツジュースのようだが、その正体はセンブリ茶。バラエティ番組などでよく使われる、究極に苦いアレである。

 勝敗自体はあくまで通常のマジックのゲームで決まるものの、こんなものを飲まされ続けていてはまともにプレイも覚束ないであろうことは間違いない。是が非でもパンチラインを放たざるをえなくなってしまった2人の頭は、普段使わない角度で高速回転を始める。

行弘「ヒップホップ的には後攻なんだけど、マジック的には先攻かな~!」

 ダイスで勝った行弘が先攻を選択し、先鋒戦の開幕となった。

Game 1

 1ターン目に《発生の器》、2ターン目起動から3ターン目には《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》、4ターン目に《残忍な剥ぎ取り》という好スタートを切る原根に対し、行弘は《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》《風への散乱》《残忍な剥ぎ取り》を返すターンの《秘密の解明者、ジェイス》でバウンスしつつ、パンチラインのぶん回りで応える。

次々とパンチラインを繰り出す行弘


行弘「お前は発生・・の器出したがあがらねーぞ歓声・・!」

行弘剥ぎ取り・・・・出してもお前はプロじゃねー、やめろプロ気取り・・・!」

行弘イシュカナ・・・・・ー!そのハンドにいるかな・・・・ー?引き込むのはいつかな・・・ー!?」

 さらに行弘は《大天使アヴァシン》をプレイ、原根のクリーチャーを打ち取って制圧する構え。原根はどうにか《破滅の道》で返し、五分の盤面を保つものの、パンチラインへのアンサーを返すことができない。

 そして司会から「2ターン以内にパンチラインを放ってください」との無情な宣告。加えて盤面に2枚目の《大天使アヴァシン》《折れた刃、ギセラ》をも追加され、マジック的にもフリースタイル的にも追い込まれてしまう。

デッキも口も順調に回る行弘


 だが、ここで調子に乗りすぎてしまったか、行弘はプレイミスを犯してしまう。

行弘「いやーやっぱこいつ引いたおかげだよね。反射・・魔導士に……」

原根感謝・・!」

行弘「あ、こいつ!?俺のラップを先読みして……!?」

 行弘のパンチラインを確かな態度で静止した、「お前のラップなんて猿真似、いつでも被せられるぜ」というメッセージを込めた原根の反撃が炸裂!

司会「今のは行弘さんのダメージでしょう!」

 ここまで圧倒的な有利を築いてきたにもかかわらず、ジャッジ判断で行弘にセンブリ茶が振る舞われる流れに。

モンスター行弘


 だが盤面に目を戻すと、《大天使アヴァシン》《折れた刃、ギセラ》が止まらないためゲーム状況は依然として原根がピンチ。

行弘「飲んだのはお茶・・、でもこの盤面返すのは無茶・・!もうお前は次の瞬間にはくちゃくちゃ・・・・・・!」

 さらにこの行弘の渾身のリリックが致命傷となり、原根にもセンブリ茶の洗礼が。

原根「……やばい……」


 原根は結局そのまま2体の天使を止めることができず、1本目は行弘がまずは先取。

Game 2

 2ゲーム目も行弘のパンチラインは止まらない。

行弘ポートタウン・・・・・・、ここが俺らのホームタウン・・・・・・!」

行弘「宣告反射・・、除去を乱射・・!お前らじゃ役不足、連れてこいよあんちゃん・・・・・!」

もはや何のプロだかわからない


 この行弘の猛攻が評価され、2杯目の茶が原根を襲う。

原根「普通にまずい……」

 しかもそこから消耗戦の末マナフラッドに陥ってしまった原根は、齋藤や津村と相談するが、熟考の果てにターンエンドを宣言。ここで行弘が一気に畳みかける。

行弘終わり・・・?プレイは困り・・?時計は回り・・?やめろお前ら原根のお守り・・・!」

 そして原根が3杯目の茶を飲んだのを見届けた行弘は、《消えゆく光、ブルーナ》をプレイ。《大天使アヴァシン》を釣り上げる!

 これにはたまらずチャレンジャー原根も投了。お茶カウント・盤面ともに圧倒したモンスター行弘が勝利し、チームバトロコがまずはリード。



■ 中堅戦「クイズ対決」: 津村 健志 vs 浅原 晃


司会「さあ続けて中堅対決、この対戦ではクイズ対決の特別ルールを導入させていただきます!」

 クイズ対決とは、対戦の途中でクイズが出題され、早い者勝ちで手を挙げた方が回答。間違えたり答えられなかったら茶を飲むというもの。勝敗はマジックで決するため、特にクイズに正解する必要はないものの、やはり高田馬場を代表するショップになるためには、マジックに対する愛と知識は不可欠なのだ(?)。

 ただしクイズの難易度に鑑みて、チームメイトが助っ人として答えることも自由とされている……のだが、その場合間違えた場合茶を飲むことになるのはその助っ人自身、という血も涙もないルールである。

市川「助っ人はリスク高いw まあまあとりあえず様子見かな!大体わかるでしょ浅原さんなら」

行弘「浅原さんといえばそりゃもう歩く図書館!」

浅原「歩く広辞苑!」

行弘「歩くウィキペディア!」

 そんなにフラグを立てて大丈夫なのか。

青赤の津村と赤緑の浅原


Game 1

 フラグはともかく早速ゲームがスタート、《導路の召使い》スタートの浅原に対して津村が《氷の中の存在》を送り出すと、浅原は「これ相性悪そうー!」と呻きつつも、《高速警備車》で5点を叩き込む。さらに続くターンには《不屈の追跡者》をプレイ、さらに5点。これに対し津村の後手4ターン目……というところでクイズの合図が!

司会「ここで問題です!通称『長い名前の土地』、その正式名称をお答えください!」

 し~ん……津村も浅原も手を挙げない。問題があまりに難しいため、互いに相手の誤回答を聞いてからそれをヒントに答えた方が正答の確率が高いというチキンレースが始まってしまったのである。

 このまま1問目から企画のコンセプトが崩壊してしまうのか……そう思われた。だが、そんな状況を見かねたのか、チームメイトの2人が助け舟を出しにいく。

市川「ちなみに俺いけると思うんだけど……」

行弘「俺もいける!それじゃあ浅原さんがわからなかったら順番に答えるってことで……」

浅原「じゃあ、はい!(手を挙げる) いけ、行弘!土地単使ってただろ!」

行弘「えぇっ!? じゃあタバナクル……オブ・・、ペンドレルバレー」

不正解。浅原の謀略によりなぜか行弘が茶を飲む羽目に


行弘おかしくないこのルール!?

司会「では続いて市川プロ、お願いします」

市川「タバナクルオブ・・、ペンドレルベイル!」

さらなる犠牲者が生まれる


司会「他にわかる方……齋藤プロ、いかがです?」

齋藤「え、俺わかってるけど相手チームに飲ませたくて黙ってたんだけど……じゃあタバナクルオブザ・・・、ペンドレルベイル」

負の連鎖


市川「『俺わかってる』からの間違いはダサいwww」

司会「正解はタバナクルアト・・、ペンドレルベイルでしたー」

The Tabernacle at Pendrell Vale

行弘「なんで当事者じゃなくて俺らが飲んでるのこれ!?」

浅原「ノーダメージ!」

 だが、浅原の機転によりクイズに答えずに済んだものの、津村の残りライフは既に10でゲームはクライマックス。

 そして浅原の《新緑の機械巨人》《高速警備車》にカウンターを全力で乗せると、《氷の中の存在》を裏返すことができなかった津村はカードを畳むしかなかった。

Game 2

 2ゲーム目は土地を置く前にクイズからスタート。「Hareruya Pros、原根 健太が確かな態度で力強く静止しながらプレイした遊〇王のカードは!?」というもはやマジックと何の関係もない問題に対し、行弘が「王宮の弾圧」と正答したことでなぜかプレイヤーでもなんでもない原根が茶を飲まされる立ち上がり。

 さらに1ターン目、2ターン目とクリーチャーを除去された浅原が《不屈の追跡者》を送り出した返しで再びクイズ。

司会「プロツアー『異界月』でギリギリトップ8に入ったのは……行弘賢選手ですが、その最終戦の相手は……」

津村「はい!」

司会「……Reid Dukeですが、はい津村さん答えをどうぞ」

津村「ああーやらかしたー!……Lukas Blohon!」

当然不正解。狡猾な2段ひっかけクイズにより茶を飲まされる津村


津村「いや、これね。(味が)すごい

 さらにクイズもどんどんカオスに。「最近日本で最も売れているデジタルカードゲームといえば? 600万ダウンロードを達成した……なんでしょう?」という問題に「はいはい!」と勢いよく手を挙げたのは浅原。

浅原「……ウォー・オブ・ブレ〇ンズ!」


そりゃこうなります


 そうこうしているうちに浅原が茶を飲みすぎて酔っ払ったのか、ゲームの方では津村の6マナオープンに対し《奔流の機械巨人》をケアせず、巨人に《高速警備車》を追突させる始末。

 さらに土地が手札にあるのに置かずに残り3マナで《ピア・ナラー》をプレイして《呪文萎れ》を食らうと、「萎れ投了(?)」と言いながら3本目に進むことを選択するのだった。

Game 3

 3本目も(アーティファクトではない方的な意味で)が乱れ飛ぶ。

司会「《精神を刻む者、ジェイス》の「-12」の能力の大体の効果を答えてください」

浅原「知らんやつおらんでしょ!」

はい。


司会「これはチームバトロコに有利なクイズ!高田馬場に最近できたTCG総合ショップといえば?」

市川「(一切の躊躇なしに)晴れる屋トーナメントセンター!

大喜利か!


 しかしゲーム的には、1ターン目から《発明者の見習い》《屑鉄場のたかり屋》、タップインを挟んで《不屈の追跡者》《高速警備車》と序盤から猛攻を仕掛けた浅原により、津村の残りライフは既に2点。そこから粘る津村、だがあと1ターンで殴りきられそう、というところで最後のクイズが出題。

司会「2005年、日本勢が圧倒的な勝利を収めた世界選手権の優勝者、森勝洋の対戦相手、Frank Karstenが使ったデッキといえば?」

津村「はいはい!《けちな贈り物》《明けの星、陽星》《御霊の復讐》!」

司会「うーん、正解にしましょう!」

さすがの浅原も限界が近い


 浅原の胃腸を破壊してのTKOを狙う津村だったが、浅原が引き込んだ《新緑の機械巨人》がどうしようもなく、チームバトロコの2連勝となった。



■ 大将戦「勝負師の顔対決」: 齋藤 友晴 vs 市川 ユウキ


市川「あれ?もうこれ終わったのでは?」

 そう、ここまでチームバトロコの2連勝。ということは大将戦はやらなくてもチームバトロコの勝利は確定、めでたしめでたし……となるはずなのだが、このイベントはエンターテインメントなので、当然そんな手抜きが許されるはずもなく、お約束のあれが入ることに。

司会「超法規的措置により、最終戦、勝った方には2ポイント差し上げます!」

市川「いやー、許されないでしょ」

行弘「納得できんな。飲めよ、司会

蛮族たちの要求により、お約束なのに飲まされる司会


市川「しょうがない、やるか!」

 こうして齋藤 対 市川の大将戦が行われることに。

司会「大将戦は『勝負師の顔』対決!そう、必要なときに勝負師としての本領が発揮できなければプロプレイヤーとして活躍できません。なので試合中に任意のタイミングで、お2人には『勝負師の顔』になっていただきます!『勝負師の顔』を作れなかったり、相手の顔を見て噴き出してしまった場合、お茶を飲んでいただきます!」

 「勝負師の顔」といえば、【The Last Sun 2013のスイスラウンド】で市川 ユウキが山本 賢太郎と対戦したときのエピソード以降、市川の「ゲーム中の顔が怖い」というキャラクター(?)を象徴することとなった言葉だ。

 だが、齋藤も表情の豊かさでは負けていない。もちろん勝敗自体は例によってマジックで決するため、「勝負師の顔」云々は勝負には一切関係がないのだが、はたしてどちらがプロプレイヤーとしての資質を見せつけるのか、そしてどちらがより多くの茶を飲むことになるのか

 いま、最後の戦いが始まる。

Game 1

齋藤「キープします」

市川「早いw」


 市川の予想しないタイミング、マリガンチェックの段階からハイペースで「勝負師の顔」を繰り出していく齋藤。このペースではゲーム中までネタが続かないのではないか……?とも思われたが、齋藤の顔芸は格が違った

顔芸のバリエーションを見せつける齋藤


市川「やばいこの勝負、最後まで立ってられる自信がないwww」

 次から次へと繰り出される齋藤の顔芸を前に、市川は全く笑いをこらえることができず、3杯、4杯とお茶を飲まされていく。

市川も鋭い眼光で「勝負師の顔」を見せるのだが……


手札で顔を隠した齋藤が顔を近づけてきたかと思うと、「パカッ」とフェイスオープン


市川「格が違いすぎるwww勝てないwww」

全くネタが尽きる気配がない齋藤


 さらにゲームに目を移しても、《最後の望み、リリアナ》《反逆の先導者、チャンドラ》と並べた市川だが、齋藤の《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》を前に、次々とプレインズウォーカーたちを失っていく。

 加えて《先駆ける者、ナヒリ》も並べると、赤黒の除去コントロールの市川は成す術がない。そして極めつけに。

必殺の歌舞伎顔を炸裂


からのコンボ


市川「まだバリエーションあんのかwww」

 なおも茶を飲まされた上に《炎呼び、チャンドラ》まで追加された市川は、この劣勢を跳ね返すことができず、1ゲーム目は顔とゲーム、両面で完全敗北を喫することとなった。

Game 2

 とここで、追い込まれたチームバトロコのもとに望外の助っ人が現れる。

劣勢の市川を助けるべく、野生の殿堂プレイヤーが乱入


そして「駆けつけ一杯」という謎の慣例により茶を強制される殿堂


 だが、この心強い応援により冷静さを取り戻した市川は、2本目、驚きのサイドボーディングを見せる。赤黒コントロールだったはずの市川のデッキからプレイされたのは《査問長官》。打って変わってグリクシスドレッジへと変形を遂げたのだ。

 さらに3ターン目にプレイしたのは《ハンウィアー守備隊》。対し齋藤は土地を置いてターンを返すのみで動きがなく、無防備に2回どつかれて顔芸を挟む間もなく即投了となってしまった。

Game 3

 両チームの命運がかかった3ゲーム目。さすがにお互い顔芸を出す余裕もなく、《経験豊富な操縦者》2体で攻め立てる齋藤に対し、《査問長官》から《ハンウィアー守備隊》で守りを固める市川。

 さらに《査問長官》《経験豊富な操縦者》をブロックしつつ《秘蔵の縫合体》を2体と《縫い翼のスカーブ》を落とすと、これによりゲームの天秤は市川の側に大きく傾く。

 おまけに《反逆の先導者、チャンドラ》まで追加されると、追い込まれた齋藤がとれるアクションは、もはや一つだけだった。

ドローするなりなぜか靴を食べだす齋藤


 もはや「勝負師の顔」でもなんでもないということで、これには司会判断でペナルティとして齋藤に茶が差し出され、追い込まれた齋藤は《次元の激高》をプレイするが、《縫い翼のスカーブ》《秘蔵の縫合体》をすぐに場に戻せることを確認すると、力強く右手を差し出した。



 3戦全勝、チームバトロコの完勝!


 熱戦が終わると、両チームともに互いの健闘を称え合う。


齋藤「まさか靴を食べることになるとは思いませんでした。でも、バトロコのオープンをきゃっきゃと祝えていい日でした!」

津村「強敵でした。あとトモハルさんの色々な顔 (文字通り) が見れたので面白かったですw」

原根「手強いお店が現れたな、という感想です。一緒に高田馬場を盛り上げていけそうですね」

行弘やりました

浅原やりきりました

市川やり散らかした

 人間の言葉で喋って欲しい。

 それはともかく、こうしてバトロコのオープンイベントはチームバトロコの完全勝利ということで盛況のままに終わり、また一つ新たな伝説が生まれた。

 このイベントの成功を裏から支えていたのは、やはりフィーチャーエリアの存在だろう。

 これまで3年間、晴れる屋トーナメントセンターが「神決定戦」や「The Last Sun」など様々なイベントを企画し、それらを成功に導いてこれたのも、ある一面で見ればフィーチャーエリアのおかげと言える。自分が主人公となって新たな伝説を打ち立てたいというプレイヤーたちの願望を満たせる場所として成立しているからこそ、多くの客に愛される店舗としてここまで成長してこれたのだ。

 トーナメントセンターバトロコ高田馬場にも、フィーチャーエリアがある。それも、ここまでの写真を見ればわかるように、高い天井や考え抜かれた照明の配置などのおかげで、そこに座るプレイヤーをより魅力的に見せることができるフィーチャーエリアなのだ。

 だから、きっとこのお店も。

 これから多くの客に愛される店舗として、そして高田馬場の聖地として、末永く続いていくことだろう。

 高田馬場に新しく生まれたTCGの聖地。伝説が生まれた場所、トーナメントセンターバトロコ高田馬場

 ぜひ一度、訪れてみて欲しい。

(トーナメントセンターバトロコ高田馬場の店舗情報などについては【こちら】をご覧ください!)

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