スタンダード・デッキ・ピックアップ! -サヒーリ・コンボ-

晴れる屋メディアチーム



■ 『霊気紛争』環境開幕!!

 いよいよ最新セット『霊気紛争』が発売されました! 1月9日(月)に告知された【禁止改定】を受け、まっさらな新天地となったスタンダード環境を切り拓くのはいったいどのデッキなのか。世界中が固唾を飲んで動向に注目していました。

 その最中、先週末に開催された【SCG Open Columbus】では、さっそく『霊気紛争』から登場した新しいデッキたちが大活躍していたようです。

 本連載では、2月3日(金)~5日()にアイルランド・ダブリンの地で開催されるプロツアー『霊気紛争』までの2週間に世界各地で活躍したデッキや注目のカードを毎日ご紹介していきます。

 本日ご紹介するのは、【SCG Open Columbus】【最多入賞】を果たしていた新進気鋭のアーキタイプ、「サヒーリ・コンボ」です。現代に蘇った《欠片の双子》と目されるこのコンボデッキ、その秘密に迫ります!

1. 「サヒーリコンボ」とは?


Daniel Fournier「サヒーリ・コンボ」
SCG Open Columbus(7位)

7 《島》
2 《平地》
4 《霊気拠点》
4 《感動的な眺望所》
2 《鋭い突端》
2 《港町》
4 《尖塔断の運河》
1 《さまよう噴気孔》

-土地 (26)-

3 《奔流の機械巨人》
4 《守護フェリダー》

-クリーチャー (7)-
3 《ショック》
4 《蓄霊稲妻》
3 《予期》
2 《革命的拒絶》
2 《否認》
3 《不許可》
1 《光輝の炎》
3 《天才の片鱗》
2 《ジェイスの誓い》
4 《サヒーリ・ライ》

-呪文 (27)-
4 《呪文捕らえ》
3 《光輝の炎》
2 《払拭》
2 《否認》
2 《燻蒸》
1 《稼働停止》
1 《隔離の場》

-サイドボード (15)-
hareruya

サヒーリ・ライ守護フェリダー

 「サヒーリ・コンボ」はその名の通り《サヒーリ・ライ》《守護フェリダー》による無限コンボ(詳細は下図)を勝ち手段としたコンボデッキです。『霊気紛争』がリリースされてから生まれた新しいアーキタイプですが、【SCG Open Columbus】ではトップ64に26名が入賞を果たすという快挙を成し遂げていました。

サヒーリ・コンボ解説図
※画像をクリックすると拡大します。

 コンボパーツがジェスカイカラーであることから赤白青の3色で構築されることが多いですが、緑がタッチされた4色型も多数見られます。4色型は《新緑の機械巨人》《ならず者の精製屋》などの優秀なETB能力持ちのクリーチャーが多数詰め込まれたグッドスタッフのような構成になっており、コンボとビートダウンの多角的な攻めで勝利を狙います。

 また、4色型では必ずと言っていいほど4枚採用されている《ニッサの誓い》はコンボパーツのどちらにもアクセスが可能で、《守護フェリダー》と組み合わせることでアドバンテージを獲得することもできます。

ニッサの誓い

 最速で4ターンキルが可能なコンボであり、どちらのカードもETB能力を持ったクリーチャーと組み合わせることで実践級の性能を持ち得ることから、今後も活躍が期待されます。ただし、コンボ自体はインスタントの本体火力(現在は《ショック》が最も有力と言われています)か、《闇の掌握》といったクリーチャー除去で対応することが可能なので、コンボに入る際は注意しましょう。

ショック闇の掌握

 余談ですが、このデッキは英語圏では“Copy cat”などとも呼ばれています。本来は「模倣犯」を意味するイディオムですが、《サヒーリ・ライ》《守護フェリダー》を延々とコピーする様子を慣用表現にかけているようです。

2. 注目カード3選!

サヒーリ・ライ

 必須パーツその1。3マナと軽く、「+1」能力によって《守護フェリダー》を探したり、コンボできないときも「-2」能力で《奔流の機械巨人》などをコピーして大量のアドバンテージを稼ぐなど単体での性能もそれなりです。

 ただし《サヒーリ・ライ》自身は直接盤面に干渉できず、押され気味のときは非常に脆いという弱点もあります。デッキ構築の際は彼女を守れるように除去や打ち消しを用意したいところです。

守護フェリダー

 必須パーツその2。戦場に出たときパーマネントをブリンクする能力を持っていることからETB能力を持ったカード全般と非常に相性がよく、3色型では《ジェイスの誓い》、4色型では《ニッサの誓い》と組み合わせて使用されています。

 また、6マナある状態で《守護フェリダー》をプレイ→アンタップイン土地をブリンクして《サヒーリ・ライ》といった動きも可能です。小さなテクニックではありますが、「3マナ+4マナのコンボだから、7マナ無いと手札からコンボを決めることはできないだろう」と油断していると痛い目を見るかもしれません。使う側も使われる側も覚えておきたいところです。

奔流の機械巨人

 言わずもがな、【プロツアー『カラデシュ』】でも活躍していた《奔流の機械巨人》は「サヒーリ・コンボ」でも非常に強力な1枚です。ドローや除去を墓地から唱えてアドバンテージを稼ぎつつ、隙を見て強烈なクロックを刻みます。

 実際、「気づいたら《奔流の機械巨人》が出てきて《サヒーリ・ライ》にコピーされ、一斉攻撃で10点喰らって負けた」といった光景をよく目にします。この多角的な攻撃手段こそが「サヒーリ・コンボ」の魅力の一つと言えるでしょう。

3. いろいろな「サヒーリ・コンボ」


Tyler Hill「4色サヒーリ・コンボ」
SCG Open Columbus(6位)

5 《森》
1 《島》
1 《山》
1 《平地》
4 《霊気拠点》
4 《植物の聖域》
3 《感動的な眺望所》
1 《伐採地の滝》
1 《尖塔断の運河》
1 《さまよう噴気孔》

-土地 (22)-

4 《導路の召使い》
2 《ナーナムの改革派》
1 《巡礼者の目》
4 《守護フェリダー》
1 《新緑の機械巨人》

-クリーチャー (12)-
2 《ウルヴェンワルド横断》
3 《蓄霊稲妻》
2 《否認》
4 《ニッサの誓い》
3 《チャンドラの誓い》
2 《ジェイスの誓い》
1 《テラリオン》
4 《サヒーリ・ライ》
3 《反逆の先導者、チャンドラ》
2 《生命の力、ニッサ》

-呪文 (26)-
2 《払拭》
2 《ショック》
2 《自然のままに》
2 《光輝の炎》
2 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》
1 《墓後家蜘蛛、イシュカナ》
1 《グレムリン解放》
1 《発生の器》
1 《発火器具》
1 《先駆ける者、ナヒリ》

-サイドボード (15)-
hareruya

 こちらは4色型の「サヒーリ・コンボ」。《導路の召使い》《巡礼者の目》《ウルヴェンワルド横断》《テラリオン》など色マナサポートも多数採用されているため、見かけよりも事故率は低そうです。

導路の召使い巡礼者の目ウルヴェンワルド横断テラリオン

 中でも特に《ウルヴェンワルド横断》は終盤「昂揚」を達成していれば《守護フェリダー》にアクセスすることもでき、コンボ勝ちを狙いにくいときも1枚挿しの《新緑の機械巨人》にアクセスすることで強靭な盤面を築き上げることができます。

 また、サイドボードの《先駆ける者、ナヒリ》も注目の1枚です。メインボードから1~2枚採用されているリストも多く、「-2」能力で《領事の権限》《停滞の罠》を割ることでコンボ対策カードを対策することができます。

先駆ける者、ナヒリ

 他にも【《霊気池の驚異》と組み合わせた意欲作】【「昂揚」や「現出」を盛り込んだリスト】(※1)なども見られます。これからどのようなバリエーションが出てくるのか、目が離せないアーキタイプです。



※1:リストには
《フェリダーの君主》が4枚と記載されていますが、正しくは《守護フェリダー》が4枚だと思われます。

新環境はまだ始まったばかり!

 「サヒーリ・コンボ」については以上です! スタンダードでは久しく無かった実践級の2枚コンボデッキで、これからの活躍にも期待されます。

 はたしてプロツアー本戦ではどんなデッキが活躍するのでしょうか。このデッキか、あるいはまったく新しい別のデッキなのかもしれません。

 まだまだ『霊気紛争』スタンダード環境は幕が上がったばかり。このデッキもきっと姿を変えていくことでしょう。これからの環境の動向に注目しつつ、プロツアーまでの期間を楽しみましょう!次回もお楽しみに!

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