Deck Tech: 松田 幸雄(東京)の「黒単フレンズ」

晴れる屋

晴れる屋

By Hiroshi Okubo

 野生のモダン神・松田 幸雄(東京)。

 モダンはもちろんスタンダードやレガシー、そしてついには【ヴィンテージ】まで幅広くプレイする彼は、しばしば独創的なデッキを組み上げるデッキビルダーとしても注目されている。実際、【霊気池親和(モダン)】【ティムールエネルギー(スタンダード)】など、常軌を逸したアイディアを実現するその手腕には言葉を呑む。

 そして、そんな松田にとってマルドゥ機体や黒緑アグロといった直線的なフレンズ、あるいはサヒーリコンボのような除去に弱いフレンズが支配する現在のメタゲームは絶好の“狩りごっこ”の場であるという。

 何やら自信満々の様子なのでデッキテクを取るため取材をお願いすると、鞄からデッキケースを取り出し一言「これが今回のフレンズです」と呟く。果たして松田のデッキは何が得意なフレンズなのだろうか?

松田 幸雄(東京)

--「メインボードに《豪華の王、ゴンティ》が4枚とは、相変わらず独創的なデッキを使っていらっしゃいますね。こちらはどういったデッキなのでしょうか?」

松田たのしー!

--「なるほど。序盤を《才気ある霊基体》《憑依された死体》で耐えつつ中盤以降は《最後の望み、リリアナ》《豪華の王、ゴンティ》でアドバンテージを得て、《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス》などで蓋をするコントロールデッキですか。黒単色の構築にすることによって毎ターン確実にアンタップインでき、対戦相手よりも一手先んじてビッグアクションやテンポプレイが可能になっているんですね」

豪華の王、ゴンティ最後の望み、リリアナ灯の再覚醒、オブ・ニクシリス

松田すごーい! 《豪華の王、ゴンティ》はアドバンテージを取るのが得意なフレンズなんだね!!

--「特にデッキの軸である《豪華の王、ゴンティ》はETB能力で疑似的に《衝動》してアドバンテージを得つつ、本体も2/3接死であることから最低でも1:1交換が可能で、《最後の望み、リリアナ》で回収する先としても優秀なんですね。特に現環境では極端にピーキーな専用パーツのみで構築されているデッキも少なく、ほぼ確実に有用なカードを手に入れることができると」

松田「大丈夫、フレンズによって得意なこと違うから!」

不許可奔流の機械巨人

--「たしかに黒単コントロールから《不許可》《奔流の機械巨人》が飛び出して来たら対戦相手はびっくりしそうですね。ハズレを引くのは10回に1回くらい、と……たしかに言われてみれば4枚めくって有効牌が1枚もない状況はそんなに多くはなさそうですね」

松田「あなたもしかして、新体操のフレンズ?

憑依された死体墓所破りヴォルダーレンの下層民

--「あっ! たしかにこのデッキには【ゾンビ新体操】のときのパッケージも入っているんですね。つまりコントロールでありながらコンボデッキのようなシナジーを活かしたブン回りも実現できる構成というわけですか。弾幕のような除去の応酬でビートダウンデッキ全般に対して強く、ミッドレンジデッキに対してもこうした対応の困難な強烈なギミックが効果的で、異なるゲームプランをスイッチできるフレキシブルなデッキである、と……」

松田「ナカノパークの掟は『自分の力で生きること』」

闇の掌握殺害

--「ふむふむ。元々は黒緑アグロを調整していたが、インスタントタイミングで対戦相手に干渉する手段が少ない上にミラーマッチの先手後手を覆すことが難しく、いっそのこと黒単で構築することで《闇の掌握》を増量したり《殺害》まで採用することで苦手なサヒーリコンボなどにも対抗できるようになっていると。一見するとヤケクソのような構築にも見えますが、既成概念を覆す新たなデッキ構築が実現できる土壌が中野のコミュニティにできあがっているわけですか……」

松田「食べないよっ!!」

不死の援護者、ヤヘンニ無情な死者

--「たしかにサイドボードの《不死の援護者、ヤヘンニ》《無情な死者》もおもしろい組み合わせですね! 《不死の援護者、ヤヘンニ》によって任意のタイミングで《無情な死者》を生け贄に捧げられるから死亡誘発型能力を活かしやすく、手札枚数を減らさず盤面を構築できると! たしかにこれならコントロールにアドバンテージ負けすることもなさそうです」

松田わーい!すっごーい!たのしー!

--「ええ、《霊気池の驚異》系の軸をずらしたコンボデッキが環境に減っていることも追い風と言えそうですね。置物に触れないのはやはり黒単ならではの弱点ですし。もしそういったデッキが多いメタなら《失われた遺産》を増やすなどして対策することになるわけですか。本日はありがとうございました!」


 けものはいても のけものはいない。「黒単フレンズ」にスタンダードの多様性を垣間見た。

 実際、松田はインタビュー時点で4-0とトップ8進出を目指す好ポジションにいた。古き良き黒単コントロールのエッセンスを踏襲したこのデッキ、黒単フリークならずとも回してみたい逸品である。

 ※追記:トップ8進出しました。


松田 幸雄「黒単フレンズ」
第8期スタンダード神挑戦者決定戦

23 《沼》
2 《荒廃した湿原》

-土地 (25)-

4 《墓所破り》
4 《才気ある霊基体》
4 《豪華の王、ゴンティ》
3 《憑依された死体》
2 《ヴォルダーレンの下層民》

-クリーチャー (17)-
3 《致命的な一押し》
1 《闇の救済》
4 《闇の掌握》
2 《破滅の道》
2 《殺害》
4 《最後の望み、リリアナ》
2 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス》

-呪文 (18)-
4 《精神背信》
2 《無情な死者》
2 《不死の援護者、ヤヘンニ》
2 《ゲトの裏切り者、カリタス》
2 《餌食》
1 《膨らんだ意識曲げ》
1 《失われた遺産》
1 《領事の旗艦、スカイソブリン》

-サイドボード (15)-
hareruya





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