GP北京&プロツアー『アモンケット』レポート

齋藤 友晴

こんにちは、トモハルです。久々の準備合宿含むグランプリ・北京2017プロツアー『アモンケット』の2連戦ツアーを終えて帰国しました。

仲間と寝泊まりし、マジックに打ち込むこの期間は会社や家族とも離れて、いちマジックプレーヤーとしての純度が断然高くなります。ひたむきにマジックをプレイし、マジックについて考えるこの時間を過ごすと、マジックはやっぱりめちゃくちゃ楽しくて有意義で愛すべきものだと再確認でき、ハイモチベーション。

マジックの商人でもある僕がこんなこと言っても伝わりにくいのは重々承知ですが、僕にとってマジックを頑張ることは ”生きがい” と言えるものなのでもっとこのゲームが広く、深く楽しまれるものになって欲しいと心から思います。

それではツアー中のことをブログに書き残します。

■北京合宿

ツアー開始は5月3日水曜日、成田→北京のフライトからスタートしました。『アモンケット』発売1週間後にGPがある北京の現地に前入りして、リーシータンを始めとするアジアの仲間と寝泊まり。

当初ここではドラフトをしまくる予定だったのですが、今回はマジックオンラインでいつもより早期からドラフトできたためドラフト経験は充分ということで、一緒にPTに出るリーはもちろん、その仲間にも付き合ってもらってひたすらスタンダードをプレイしました。その分、アジア仲間にはシールドやリミテッドについて把握していることは惜しみなく共有しました。

ここで得たスタンダード感想は各種コントロールが無理っぽく、「白単タッチ赤人間」が良さそうだというものに。


「テストデッキ:白単タッチ赤人間」

14 《平地》
2 《山》
4 《感動的な眺望所》
2 《鋭い突端》

-土地 (22)-

4 《スレイベンの検査官》
4 《厳格な巡邏官》
4 《町のゴシップ屋》
4 《探検隊の特使》
4 《栄光半ばの修練者》
4 《サリアの副官》
3 《突風歩き》
4 《熱烈の神ハゾレト》

-クリーチャー (31)-
4 《永遠の見守り》
3 《停滞の罠》

-呪文 (7)-
hareruya


1マナ16枚から始まる高速展開からの《熱烈の神ハゾレト》や、《栄光半ばの修練者》《永遠の見守り》のコンボがすこぶる強く、まさに「蓋のあるビートダウン」という感じでした。

それから、北京に精通したメンバーがいたので、夜ご飯は毎晩うまい店に連れて行ってもらえて英気を養えた合宿でした。外気起因か、両目が結膜炎にもかかり大変でしたが(笑)

■GP北京

ドラフトは

    という回数的にも勝率的にも今までにないほど充分な準備ができていました。正直自信はマックス。この環境はどの色にでもチャンスがある上、テクニカルなので普段の受けドラフトが特に有効という感想を持っています。

    反面、シールドは晴れる屋トーナメントセンターで3回戦のプレリリースに5回出たのみで、しかも普段あまりマジックをしない人や初めてのシールドの人なんかも楽しんでいる中で9勝6敗^^; 感想としては”基本的にはロングゲームでパワーカード、除去、カウンターのゲーム”で、それはつまり比較的プール依存度が高い環境であることを示します。

    トップ8チャンスアリで2日目に残れれば勝てる。シールドお願い良いパック来てっ!!そんな中開封したシールドプールは……

    試練に臨むギデオン

    ギデオンだー!!

    死の権威、リリアナ

    リリアナだー!!

    リリアナの支配

    うひょう!!

    木端+微塵

    ほっほい!!

    ってことで素直にそれらを詰め込んだ強デッキが完成。

    そして、初日は全勝☆

    ・・・かと思いきや土地負けやブン負けで7-2でした^^; 世の中甘くないよ体験(笑)

    そして、2日目のドラフト。

    第1ドラフトは強い青黒で3-0。

    第2ドラフトは強い黒緑で3-0。

    3位通過でトップ8☆☆☆

    世の中甘いよ体験(笑)、25回目のGPトップ8達成ハッピー!

    トップ8ドラフトはなんと《主張》が3枚も取れました!!!トモハル的には1パック目、同パックに一部のボムレアがなければ見たら取るレベルのカード。PTでのカルカノの「なるべく4マナ以上のカードを使わない」発言は注目を浴びましたが、確かにこの環境で注目すべきは1にショートレンジ(短期戦)なものの、2に注目すべきはロングレンジ(長期戦)です。

    主張

    つまりは、小さなアタッカーやブロッカーが多くデッキに入る分、序盤が落ち着いたら長引きやすい環境ということ。なので個人的には《主張》はアンコモンながらボムという評価でした。

    軽いカードがあまり取れず、序盤最強レベルの完成されたビートダウンには不利であとは有利というデッキになり、優勝者かつPTチームメートでもあるケルビン・チュウの、まさに完成された赤白ビートダウンに準決勝で当たり敗退。

    3位という結果で終わりました。

    彼を含むPTチームメートが極端なビートダウン戦略であることは知っていた(同様に、こちらも知られている)ので、意識して捌きやすい色やカードを優先してピックすべきだったかもしれません。自信と慢心で素直にいつも通りのドラフトをしてしまった結果と言えます。

    初戦に当たる相手が分かり、2戦目に当たる相手も50%分かるトップ8ドラフトではもっと、「その8人の中で1番になる」ことを考えないといけないと心に刻みました。

    ■アメリカ合宿

    北京が終わり、月曜日にそのままアメリカはナッシュビルへ移動。香港、シンガポール、台湾、デンマーク×2、スペイン、イタリア、アメリカ、カナダ、ニュージーランド×2、日本。今回は10ヶ国12人でいつもの多国籍合宿がスタート。会場からは遠いものの、合宿&PT期間中も宿泊する家がデカすぎてはしゃぎました☆

    今回は環境が良い。

    様々なデッキで対戦しまくった結果、デッキの強さに対してメタられ方が弱そうだった「黒単ゾンビ」を選択。「マルドゥ機体」に強いというのも選択の大きな理由でした。詳しくはDeck Tech: 齋藤 友晴の「黒単ゾンビ」をご覧ください。

    「白単タッチ赤人間」はどこいったかって?これまた「マルドゥ機体」に強い、あと「コントロール」にも強いのですが、環境3トップ予測のうちのふたつ、「ティムール霊気池」と「黒単ゾンビ」に弱かったのでお蔵入りとなりました。今後、メタゲームのタイミングが良いときにはありえます。

    ■PTアモンケット

    GPではまあまあ活躍できていますが、PTでは不甲斐ない成績が続いています。今回は準備も良い感じだしここで勝ちたいところ。

    第1ドラフトはまあまあの青黒で2-1。

    第2ドラフトもまあまあの緑青タッチ黒で2-1。手札から好きなクリーチャーを出せる《ロナスの勇者》はお気に入りのレアで、ビッグクリーチャーを出せるだけでなく、タッチカラーの土地の代わりにもなってくれます。

    この環境のドラフトは白と赤が強い上に、序盤にピックして良いカードが多いので色の持つ力量に対してかなり混みやすい。なので最終的にはあらゆる色オーケー状態で受けドラフトをしていると青黒緑のいずれかの色の組み合わせになることが多いです。青黒に対して青緑と黒緑の経験が少なかったため、この傾向を意識してもっとそれらの組み合わせを練習、検討しておければ完璧だったし、実戦でも1手~2手先に青緑に切り替えて5-1できていたかもしれません。

    スタンダードの成績は5-4-1で、81位&プロポイント5点フィニッシュ。

    トップ8に入ったカルカノと75枚同じで、優勝のジェリーともメイン1枚違いだったし、会場でも手応え的にもデッキ選択は良かった。ゾンビ自体も強さに対して意識が薄かったし、対戦に慣れてない相手もそれなりにいた。

    しかし、2敗と1分はうっかりミスが絡んでいて、マッチに勝っていたが1回、ゲームに勝ってたかもが2回ありました。

    ・ミスその1

    植物の聖域伐採地の滝

    マーティンミューラーのティムール霊気池相手にチャンプアタック!

    《植物の聖域》だと思っていた土地が4ターン目に出た《伐採地の滝》でした><

    イラストの色が似てるのでご注意ください!あるいはマーティンミューラーの気配消しが黒子のバスケ並にうまいのでご注意ください(笑)

    ・ミスその2

    ピーマの改革派、リシュカー

    《ピーマの改革派、リシュカー》のほうを除去っていれば!

    エクストラ4ターン目、《新緑の機械巨人》を除去ってフルアタックしたら……《ピーマの改革派、リシュカー》の効果で+1/+1カウンター乗ってるクリーチャー4体からマナ出されてバリスタのカウンター増えて除去されて足りなくて分け!

    ・ミスその3

    栄光の神バントゥ

    《栄光の神バントゥ》の生け贄能力は1点ドレインも付いている!

    《謎の石の儀式》緑黒相手に黒神の能力の把握不足により計算狂ってこれぞまさに分からん殺しという感じで負け!!

    今回把握できたミスは全て、複雑な思考の末のミスではなくいわゆるうっかりミスでした。“盤面のカードをきっちり見よう、能力を確認しよう”というような初歩的な心得がしっかりできていれば起こらなかったミスです。

    こういうときはいつも、本当のミスは原因にあり、原因を改善することこそが重要だと考えています。今回の僕の場合の原因は何だったか。

      などが主なところです。

      やっぱり、プロツアーで安定して勝つためには体力を中心に鍛えていくのがこれからの課題。

      それだけじゃなく、仕事をバリバリするためにも家族を大事にするためにも少し前からここに通ってます。

      “b-monster”

      通称BM……ではなくビーモン(笑)、暗闇で音楽やインストラクターの声に合わせてのボクササイズ。ハードだけどオススメです!最近新宿スタジオができたので、高田馬場から通いやすくなりました^^

      あとは、愛犬ジェイスの散歩も積極的に行って、ちょいちょい幕之内一歩ばりに一緒に全力疾走してます(笑)

      やっぱりやるからには1番になりたいし、できること頑張ります!

      ではまた☆

      トモハル

この記事内で掲載されたカード


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