皆さんこんにちは。
GP神戸も終了し日本国内ではモダンはひと段落付いた感じですが、アメリカでは今週末にGP Las Vegasが開催されるのもあり、今最も熱いフォーマットの一つでスタンダードよりも人気があります。今回の連載ではSCGO Baltimore、GP神戸、SCGO Charlotte、SCG Classics Charlotte の結果を見ていきたいと思います。
SCG Open Baltimore
~やはり最強はDeath’s Shadowか?~
5月27日
※画像はStarCityGames.comより引用させていただきました。 |
1位 Grixis Death’s Shadow
2位 Dredge
3位 Amulet Titan
4位 Jund
5位 Eldrazi Tron
6位 Sultai Death’s Shadow
7位 Titan SHift
8位 Grixis Death’s Shadow
トップ8のデッキリストは【こちら】
デッキ分布を見ると、『アモンケット』の新カードである《療治の侍臣》 と《献身のドルイド》の”無限マナ”コンボから、《歩行バリスタ》で勝利するという新しいタイプのAbzan CompanyであるCounters Companyが二日目最大勢力だったようです。
現環境最高のデッキとされているDeath’s ShadowはGrixis、4C、Sultaiなど亜種を全て含めると、Counters Companyと並ぶトップメタでした。その中でもGrixisバージョンは優勝を果たしたBrad Nelsonも含めてプレイオフに2名送り込み、それぞれのGPでも結果を残していることからも、現環境のベストデッキと見て間違いなさそうです。
SCG Open Baltimore トップ8 デッキ紹介
「Grixis Death’s Shadow」「Sultai Death’s Shadow」「Jund」
Grixis Death’s Shadow
軽いクロックの《タルモゴイフ》や サーチスペルの《ウルヴェンワルド横断》を諦める代わりに各種ドロースペルや《頑固な否認》などのカウンター、そして何よりも《瞬唱の魔道士》によるアドバンテージにアクセス可能なGrixisバージョン。
《瞬唱の魔道士》の提供するアドバンテージにより、消耗戦における強さはJundよりもGrixisの方が上になります。ビートダウンとしてもコントロールとしても振舞えるフレキシブルさがこのデッキの強みで、効率的なスペルに「探査」クリーチャーを始めとするクロックにより、環境の多くのデッキと互角以上に渡り合える強さを持っています。
☆注目ポイント
すでにMagic Onlineを中心に結果を残しているデッキであるだけあり、調整の方もかなり進んでいます。メインはオーソドックスで一般のリストと比べても特に大きな違いは見られません。
Grixisなど赤の入ったデッキの多くの必須パーツとされてきた《稲妻》ですが、ミラーマッチやEldrazi系、Dredge、各種コンボなどとのマッチアップでは強いカードとは言えず、枚数が少な目になっています。
Death’s Shadowは《稲妻》が有効とされているAffinityやBurnなど、小型のクリーチャーが多いデッキとの相性が良く、除去も高タフネスのクリーチャーも処理できる《致命的な一押し》があるので、2種類目の除去には《現実を砕くもの》や「探査」クリーチャーも除去できる《終止》が入ります。
サイドでよく見られる《大爆発の魔道士》は主なターゲットであるTronやEldraziとの対戦において、特に後手では土地破壊による妨害では間に合わないことが多いため、採用されていないようです。代わりに《儀礼的拒否》が3枚と多めに採用されています。
TronやEldrazi相手にはほぼ一マナの確定カウンターで、例え土地を揃えられても脅威をカウンターしている間にビートダウンしていくクロックパーミッション的な動きが可能になります。特に最近人気のEldrazi Tronは《魂の洞窟》の採用数が少ないのも追い風です。《瞬唱の魔道士》と合わせることでマナ否定プランよりも効率的です。
Sultai Death’s Shadow
Jund、Grixis、4C、Abzanなど様々なバリエーションが見られるDeath’s Shadowですが、Sultaiカラーは珍しい部類に入ります。Ryan Hovisは今大会で二日目に残ったプレイヤーの中で、唯一のSultaiバージョンの使い手で、今大会の優勝者であるBrad Nelsonの操るGrixis Death’s Shadowにも勝利し、プレイオフに勝ち残っていたことで目に留まりました。
☆注目ポイント
《タルモゴイフ》や 《ウルヴェンワルド横断》、墓地を肥やす役割もあるスロートリップアーテイファクトの《ミシュラのガラクタ》など、Jund Death’s Shadowの要素を含めつつ、《瞬唱の魔道士》や《血清の幻視》、《頑固な否認》といったGrixisの要素も取り入れており、JundとGrixisの間のような構成です。
赤を切ったことにより火力や《コラガンの命令》など、アーテイファクト対策が薄くなり、相手の最後の数点を削るのが難しくなるためAffinityなどに少し弱くなっています。
Counters Companyなど小型のクリーチャーを多数採用したデッキや、Abzanなど《未練ある魂》を使うデッキを意識したのか、メインから《最後の望み、リリアナ》が2枚採用されています。消耗戦にも強く墓地を肥やすことで《タルモゴイフ》や 《ウルヴェンワルド横断》、《瞬唱の魔道士》とも相性が良いプレインズウォーカーです。
《コジレックの帰還》や《神々の憤怒》にこそにアクセスができなくなりましたが、サイドの《鞭打つ触手》も同様かそれ以上の効果が期待できるスイーパーで、ダメージではないので「プロテクション」では防がれず、追放も「頑強」クリーチャーや《復活の声》などが存在する環境では、無視できない要素です。
Jund
Death’s Shadowが主流で、ミッドレンジ型のJundはすっかり見られなくなっていましたが、アメリカのトッププロで緑黒系のミッドレンジのエキスパートであるReid Dukeは、現環境のメタに合わせて調整されたJundを持ち込み、初日全勝の貯金を活かして見事にトップ8入賞を果たしました。Jundは死滅していなかったことが証明された瞬間です。
AffinityやAbzan Companyといった、小型のクリーチャーを多用するデッキが今大会で高い二日目進出率を出していたことで、除去や妨害要素の豊富なJundにとっては有利なメタだったようです。
☆注目ポイント
《致命的な一押し》はモダンの環境に大きな変化をもたらしたスペルで、長い間Jundにとってほぼ4枚確定とされていた《稲妻》が2枚に減量され、《致命的な一押し》が優先されています。Jundはアグレッシブな動きもするので最後の数点を削り切る火力も捨て難いところですが、基本的にミッドレンジで相手の《タルモゴイフ》 や 《死の影》といったクリーチャーを処理することが可能で、なおかつ黒マナの方が赤マナよりも出しやすいことから《致命的な一押し》に軍配が上がります。
《漁る軟泥》は軽いクロックであると同時に、メインから入る墓地対策カードでもあり流行りのAbzan Companyとのマッチアップで特に強さを発揮します。
《ヴェールのリリアナ》はDeath’s Shadowのように、少数のクリーチャーに頼ったデッキに強く、コントロールにも強いプレインズウォーカーで、AffinityやDredgeといったデッキが多いメタ以外ではほぼ4枚採用です。比較的新しいプレインズウォーカーの《反逆の先導者、チャンドラ》も除去として機能し、アドバンテージも得られるので色拘束が強いカードですが、このデッキの主力の4マナ域として期待できる強さです。
メインに一枚ずつ採用されている《渋面の溶岩使い》と《オリヴィア・ヴォルダーレン》は、Abzan Companyなど小型のクリーチャーを多数採用したデッキに有効で、メタによってはサイドに移されますがAbzan Companyが多かった今大会では大活躍だったことが予想されます。
《虚空の力線》は墓地対策としてはベストに近い選択で、DredgeやAbzan Company、Living Endなど墓地に依存するデッキやGrixis Death’s Shadowに対しても「探査」クリーチャーや 《瞬唱の魔道士》 、《コラガンの命令》といったカードがまともに機能しなくなるので有効です。
《集団的蛮行》は、このデッキとBurnの相性を大きく変化させたカードで、スペル重視のコンボやコントロールに対してもサイドインされます。除去としても機能するハンデススペルは無駄になり難く、比較的最近のカードですがJundが最も欲しかったタイプのカードの一枚です。
グランプリ・神戸2017
~日本のモダンは珍しいデッキが多数~
5月27日
※画像はM:tG-JPより引用させていただきました。 |
1位 BW Eldrazi
2位 Dredge
3位 Grixis Death’s Shadow
4位 Eldrazi Tron
5位 Ad Nauseam
6位 Affinity
7位 Esper Control
8位 Jeskai Control
トップ8のデッキリストは【こちら】
アメリカの結果と比べると珍しいデッキが多く、既存のデッキにも《集合した中隊》が採用されたAffinityなど革新的なアイディアが見受けられました。とても同じフォーマットでの競技だったとは思えないほど個性的なラインナップです。
グランプリ・神戸2017 トップ8 デッキ紹介
「Esper Control」「Jeskai Control」
Esper Control
アモンケットからの新カードである、《栄光半ばの修練者》が4枚採用された革新的なEsper Controlで、こういったオリジナル色の強いデッキが結果を残せるのも、モダンと言うフォーマットの面白い所です。トップ8プロファイルでも千葉 晶生選手本人の好きなカードに《苦い真理》が挙げられていたように《苦い真理》を軸にしたコントロールデッキで、ライフゲインする手段も豊富です。
☆注目ポイント
《栄光半ばの修練者》はExertすることで4/4Lifelinkとなり、次のターンアンタップしないというデメリットも、相手が大抵はこのクリーチャーを戦場に残しておくことを嫌って、相打ちを選択するなり除去するなりするのであまり問題とならず、一度攻撃が通れば《苦い真理》によるライフロスもそれほど負担にならないため、《苦い真理》でドロー、《栄光半ばの修練者》を展開、攻撃を通すという動きは脅威となります。
《苦い真理》を活かすようにデッキが組まれており《殴打頭蓋》、《乱脈な気孔》、《集団的蛮行》そして《肉貪り》とライフゲインする手段も豊富に用意されています。
《肉貪り》はDeath’s Shadowに刺さるテクニックで、特に《死の影》が複数体並んでいる場合でも、対戦相手がライフゲインするため、残りの《死の影》も処理することができます。《糾弾》とは違い相手が攻撃するときを待つ必要がないため、攻撃の直前にハンデスで落とされてしまうといったリスクがありません。
Jeskai Control
Jeskaiと言うと、最近のモダンでは《先駆ける者、ナヒリ》と《引き裂かれし永劫、エムラクール》が採用された型が見られましたが、今大会入賞を果たした玉田 遼一選手のリストは《呪文捕らえ》が4枚採用、2マナのカウンターや《呪文嵌め》といったカウンターが採用されていないなど、特徴的なリストに仕上がっています。
☆注目ポイント
《論理の結び目》はあまり見かけるカードではありませんでしたが、使用済みのフェッチランドやドロースペルを利用することで序盤はほぼ《マナ漏出》、中盤以降はほぼ《対抗呪文》として機能します。
墓地の状況に依存するので、採用しても1-2枚かと思われましたが、確定カウンターとして扱える性能なので、Tron、Scapeshiftといったビッグマナデッキとのマッチアップで特に有効で、各種コンボ、ミッドレンジ、Burnなどとのマッチアップでも活躍します。
《呪文捕らえ》はモダンでも十分に通用する逸材で、軽いスペルが主力のモダンでは強力なカウンター+クロックとして活躍します。特に除去の少ないコンボに対して強く、カウンターと異なり2/3飛行瞬速クリーチャーとしても展開することが可能で、スピリットトークンとも渡り合うことができます。
カウンターではなくスペルを追放するので、《魂の洞窟》からキャストされたクリーチャーにも効果があり、《突然の衰微》などカウンター不能のスペルも追放できるのが強みです。
《広がりゆく海》や《儀礼的拒否》など、このデッキが苦手とするTron対策にスペースが割かれています。《広がりゆく海》は追加のキャントリップスペルとしても有用で、土地コンボやEldrazi以外にもマナベースが脆いDeath’s ShadowやJund、Abzanにも有効です。
《儀礼的拒否》は、Grixis Death’s Shadowも採用しているEldraziやTronなど、無色のスペルを主力とするデッキに対して一マナの確定カウンターとして機能するスペルで、今後の青いデッキでの必須カウンターとなりそうです。
SCG Open Charlotte
~Grixis Death’s Shadowがトップ8に半数~
6月11日
※画像はStarCityGames.comより引用させていただきました。 |
1位 Eldrazi Tron
2位 Living End
3位 Dredge
4位 Grixis Death’s Shadow
5位 Eldrazi Tron
6位 Grixis Death’s Shadow
7位 Grixis Death’s Shadow
8位 Grixis Death’s Shadow
トップ8のデッキリストは【こちら】
プレイオフに進出した半数がGrixis Death’s Shadowという結果になりましたが、決勝戦まで勝ち進んだのはLiving EndとEldrazi Tronでした。特にLiving Endは、『アモンケット』のメカニックの一つが「サイクリング」だったこともあり、新「サイクリング」クリーチャーの追加により強化されており、《虚空の杯》がメインから採用されているなど、備えが万全であったTodd StevenのEldrazi Tronに惜しくも敗れはしたものの、今大会で最も注目を集めたデッキの一つです。
SCG Open CHARLOTTE デッキ紹介
「Living End」
Living End
「サイクリング」クリーチャーで墓地を肥やし、《暴力的な突発》や《悪魔の戦慄》といった「続唱」スペルで《死せる生》をキャストすることにより、相手のクリーチャーを一掃しつつ「サイクリング」クリーチャーをリアニメイトすることで勝利する墓地を利用したコンボデッキ。
デッキ内に《暴力的な突発》と《悪魔の戦慄》よりもマナコストの低いカードが存在しないため、確定で《死せる生》を捲れるように構築されており、「サイクリング」カードを多数採用しているため動きが安定しています。『アモンケット』のメカニックの一つが「サイクリング」だったこともあり、最近のセットからの収穫も多く、今後の活躍も期待できるデッキです。
弱点は多くのモダンの墓地をリソースとしたコンボ(Dredge、Storm、Goryo’s Vengeance、Krark-Clan Ironworks)と同様に墓地対策に弱いことが挙げられます。《死せる生》を通すことが主な勝ち手段なので、カウンターも苦手とするのでサイドボードのカードにより弱点をカバーしていくことが重要です。
☆注目ポイント
『アモンケット』からの新カードである《遺棄地の恐怖》は、数ある「サイクリング」クリーチャーの中でも最高クラスのクリーチャーです。ディスカード誘発型能力で自身を強化することが可能で、素でキャストすることも比較的容易です。
《砂漠セロドン》は能力こそありませんが、パワーが6もあり「サイクリング」コストも(赤)と悪くないクリーチャーで《死の一撃のミノタウルス》よりも優先して採用されています。
Dredgeを含める各種コンボ、《瞬唱の魔道士》、《台所の嫌がらせ屋》、Abzan Companyの《臓物の予見者》コンボなど、モダンは墓地を利用するデッキで溢れています。《フェアリーの忌み者》はメインからも無理なく入る墓地対策で、墓地を肥やす役割も果たします。
また覚えておいておきたいテクニックとして、《死せる生》を対象にキャストされた《外科的摘出》にレスポンスで《フェアリーの忌み者》の能力を起動し、対象にされた《死せる生》を追放することで、相手の《外科的摘出》を打ち消すことが可能です。
墓地対策をされても、クリーチャー主体のデッキに対しては《死せる生》は最悪《滅び》としても機能します。相手のクリーチャーを一掃した後に、《遺棄地の恐怖》などをキャストしていくこともできるので勝機はあります。墓地対策は勿論このデッキにとっては厄介ですが、最も厄介なのは《死せる生》をシャットアウトする《虚空の杯》で実際に《虚空の杯》をメインから積んでいるEldrazi Tronに決勝戦でも敗れています。
サイドに3枚採られている《鋳塊かじり》は墓地を肥やしつつ《虚空の杯》など、厄介な置物をわずか一マナで割ることができるので4枚目を採用することをお勧めします。主な勝ち手段が《死せる生》を通すことなので、苦手なカウンターに対処するために《跳ね返りの罠》もサイドに採用されています。「サイクリング」により動きが安定しており冗長性もあるのでハンデスにも耐性があります。クリーチャーデッキが中心のメタでは良い選択肢となるでしょう。
SCG Classics Charlotte
~ClassicsでもGrixis Death’s Shadowが勝利、懐かしい顔ぶれも~
6月11日
※画像はStarCityGames.comより引用させていただきました。 |
1位 Grixis Death’s Shadow
2位 BG Midrange
3位 Counters Company
4位 Jund Death’s Shadow
5位 Abzan Traverse
6位 Abzan Company
7位 Burn
8位 Bant Control
トップ8のデッキリストは【こちら】
オープンでも大活躍だったGrixis Death’s Shadowは、Classicsでも優勝と安定した強さを見せます。BG Midrange、Company系、Abzanなど緑のミッドレンジが多数入賞しており、特に過去のエクステンデッドに存在したBG Midrange(The Rock、マルカデス)の製作者であるSol Malkaが、モダン版のBG Midrangeで準優勝に入賞していたのが印象的です。
SCG Classics Charlotte デッキ紹介
「BG Midrange」
BG Midrange
旧エクステンデッドで活躍した緑黒系のミッドレンジ、The Rockの原型となったマルカデスの製作者として知られているSol Malkaが、モダン用に調整された新たなThe Rockを引っ提げてカムバックを果たしました。
☆注目ポイント
Jundに似た構成ですが緑黒の2色でも、現在はミシュラランドの《風切る泥沼》、軽量除去も《致命的な一押し》があり特に現環境では《稲妻》はあまり強いとは言えず、《怒り狂う山峡》も起動コストがやや遅いので緑黒の2色という選択肢も十分ありです。《終止》が使えなくなるので《現実を砕くもの》や「探査」クリーチャーに弱くなるという弱点があるので《喉首狙い》などの採用を検討したい所です。
《集団的蛮行》はBurnとのマッチアップで特に有効なスペルで、除去としても機能するハンデスなので無駄になりにくく、メインからも無理なく入るカードです。《不屈の追跡者》はフェッチランドと相性が良く、強力なドローエンジンとして活躍が期待できます。
墓地を利用したデッキが環境に多いことから、《ゲトの裏切り者、カリタス》、《漁る軟泥》といった墓地対策クリーチャーが多めに採られています。《ゲトの裏切り者、カリタス》は除去が多いこのデッキとの相性が抜群で、Abzan Companyなど様々なデッキに対して強いクリーチャーであり、Lifelinkも無視できない能力です。
JundやAbzanと異なり2色なのでマナベースに負担が掛かりにくくなり、このタイプのデッキが苦手としていた土地コンボ対策になる《幽霊街》を採用する余裕ができました。相手のトロンや《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》を破壊した後に《外科的摘出》で追放することも可能です。
《集団疾病》は主に《未練ある魂》対策で、トークン戦略は単体除去が中心のこのデッキにとって相性の良いマッチアップとは言えないので対策は必須です。
《疑念の影》はあまり見ないカードですが、《風景の変容》、《森の占術》、《けちな贈り物》、《召喚の調べ》、《ウルヴェンワルド横断》など、サーチスペルが多数存在するモダンでは強力な妨害スペルとして機能します。カウンターがないため、相手のトップデッキが弱点であるこのタイプのデッキにとって重宝するカードでしょう。
総括
Grixis Death’s Shadowが、今回挙げた全ての大会で上位に入賞していることからも、現環境のベストデッキであることは明確です。Eldrazi Tron、Titan shift、Dredgeなど、不利なマッチアップも存在しますが、頭一つ飛びぬけているデッキとしてカテゴライズしても間違いないでしょう。
しかしモダンの多様性を損なうほど支配的ではないようです。Death’s ShadowとのマッチアップはEldraziやTwin、Dredgeといった歴代の支配的なモダンのデッキと比べても、ライフトータルを始めとしたリソース管理が重要で、シナジーも多く存在するため、このデッキとのマッチアップによる不満の声も少なく今週の禁止改定ではノーチェンジでした。
以上USA Modern Express vol.3でした。
それでは次回の連載でまた会いましょう。楽しいモダンライフを!GP Las Vegasに参加する方は良い週末を!
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