みなさんこんにちは。晴れる屋メディアチームの大久保です。
前回記事の掲載からだいぶ期間が空いてしまいましたが、その間に『アモンケット』と『破滅の刻』がリリースされ、フロンティア環境にも変化が見られました。さらに、今週末にはいよいよ「第9期フロンティア神挑戦者決定戦」も控えています。
『アモンケット』ブロックのカードが加わったフロンティア環境で勝ち残り、BIGMAGIC所属のシルバーレベルプロ・松本 友樹選手に挑むのははたして誰になるのか? 当日の戦いの模様に今から期待が高まりますね。
さて、本記事ではそんな大一番のイベントの前に、現在のフロンティアフォーマットはどのような環境になっているのかをお伝えしていきたいと思います!
デッキ分布
さて、まずは直近3ヶ月(6月1日~8月8日現在)までに晴れる屋のデッキ検索に登録されたデッキの分布を見ていきましょう。
アーキタイプ | 登録数 |
---|---|
サヒーリコンボ | 18 |
霊気池の驚異 | 13 |
魂込めビートダウン | 7 |
アタルカレッド | 6 |
人間バント | 6 |
赤単 | 5 |
ジェスカイ | 5 |
ジャンド | 4 |
青赤果敢 | 4 |
グリクシスコントロール | 3 |
ティムールビートダウン | 3 |
バント | 3 |
マルドゥビートダウン | 3 |
白単 | 3 |
硬化した鱗 | 2 |
エスパーコントロール | 2 |
多色コントロール | 2 |
アブザン | 2 |
青単 | 2 |
ローグ・その他(使用者1名以下) | 16 |
最も数が多いのは「サヒーリコンボ」と「霊気池の驚異」の2種。ともに『カラデシュ』以降にリリースされたカードを中心に構築されたデッキで、スタンダードで禁止カードが多数出たことからもその強さは納得です。
次点で「魂込めビートダウン」「アタルカレッド」と間に一つ挟んで「赤単」の3種類の赤系アグロデッキが続きます。『アモンケット』から5枚目以降の《僧院の速槍》として《損魂魔道士》が加入していたり、フィニッシュ手段として《王神の玉座》などが採用されており、上述の2つのデッキに匹敵する強さと言えるでしょう。
少し前のフロンティア環境では《密輸人の回転翼機》擁するアグロデッキの一強でしたが、現在はコンボとアグロの二大巨頭を軸として回っているようです。次の項目では、これらのメタゲーム上位のデッキの中から「サヒーリコンボ」「霊気池の驚異」「魂込めビートダウン」の3種について解説していきます。
サヒーリコンボ
2 《森》 1 《島》 1 《山》 1 《平地》 2 《吹きさらしの荒野》 2 《樹木茂る山麓》 4 《霊気拠点》 4 《植物の聖域》 2 《感動的な眺望所》 1 《尖塔断の運河》 -土地(20)- 4 《導路の召使い》 4 《反射魔道士》 4 《ならず者の精製屋》 4 《つむじ風の巨匠》 4 《守護フェリダー》 -クリーチャー(20)- |
4 《霊気との調和》 4 《蓄霊稲妻》 4 《ニッサの誓い》 4 《密輸人の回転翼機》 4 《サヒーリ・ライ》 -呪文(20)- |
4 《集合した中隊》 2 《無私の霊魂》 2 《凶暴な拳刃》 2 《呪文捕らえ》 2 《通電の喧嘩屋》 1 《ファイレクシアの破棄者》 1 《刻み角》 1 《異端聖戦士、サリア》 -サイドボード(15)- |
スタンダードで禁止されている《守護フェリダー》、《反射魔道士》、《密輸人の回転翼機》がふんだんに使用された反則級(?)の4色コンボデッキ。デッキ内の呪文の平均マナコストはわずか2.4まで抑えられており、全ての土地がアンタップイン土地であることも相まって圧倒的なテンポの良さを誇ります。
『霊気紛争』リリース時点では《時を越えた探索》などを採用したコントロールタイプも健在でしたが、現在ではスタンダードでも高い勝率を誇っていた4色の形が主流になっているようです。特に《反射魔道士》は《サヒーリ・ライ》とも《守護フェリダー》とも相性が良く、攻防にわたって活躍します。
引用したリストでは8位という結果に終わっていますが、タカハシ カケルさんは4月からずっとサヒーリコンボデッキを愛用しており、晴れる屋フロンティア杯でたびたび上位入賞しています。コンボデッキでありながらテンポ戦略で攻めることもできるこのデッキは第9期フロンティア神挑戦者決定戦でも台風の目となることでしょう。
霊気池の驚異
3 《森》 1 《島》 1 《山》 1 《燃えがらの林間地》 2 《樹木茂る山麓》 4 《霊気拠点》 4 《植物の聖域》 4 《尖塔断の運河》 1 《伐採地の滝》 1 《見捨てられた神々の神殿》 -土地(22)- 4 《ならず者の精製屋》 2 《不屈の追跡者》 2 《龍王アタルカ》 3 《絶え間ない飢餓、ウラモグ》 -クリーチャー(11)- |
4 《霊気との調和》 4 《蓄霊稲妻》 3 《検閲》 2 《削剥》 1 《否認》 3 《至高の意志》 2 《破滅の刻》 4 《織木師の組細工》 4 《霊気池の驚異》 -呪文(27)- |
3 《光輝の炎》 2 《栄光をもたらすもの》 2 《削剥》 2 《否認》 2 《天才の片鱗》 1 《不屈の追跡者》 1 《奔流の機械巨人》 1 《約束された終末、エムラクール》 1 《自然に仕える者、ニッサ》 -サイドボード(15)- |
スタンダードを席巻した「霊気池の驚異」デッキはフロンティア環境でより強靭になりました。“当たり枠”には従来の《絶え間ない飢餓、ウラモグ》に加えて《龍王アタルカ》が採用されており、《破滅の刻》も入ったことでより盤面に干渉しやすくなっています。
このリストではドロー呪文の枠として《天才の片鱗》よりカウンターとしても使用できる《至高の意志》が優先的に採用されており、《霊気池の驚異》に依存しすぎることなく、逆に妨害でターンを稼いでフィニッシャーを素出しするような形で無理なく対戦相手の対策を
アグロ耐性には若干の不安が残りますが、ミッドレンジとして立ち回りながらも《霊気池の驚異》によるブン回りも期待できるバランスの良さから対応は困難を極めるでしょう。
魂込めビートダウン
4 《ダークスティールの城塞》 1 《島》 4 《山》 4 《シヴの浅瀬》 4 《産業の塔》 4 《尖塔断の運河》 1 《精霊龍の墓》 1 《さまよう噴気孔》 -土地(23)- 4 《ボーマットの急使》 4 《搭載歩行機械》 2 《ギラプールの希望》 2 《羽ばたき飛行機械》 2 《ピア・ナラーとキラン・ナラー》 2 《飛行機械技師》 -クリーチャー(16)- |
4 《稲妻の一撃》 1 《金属の叱責》 4 《爆片破》 4 《アーティファクトの魂込め》 4 《幽霊火の刃》 4 《密輸人の回転翼機》 -呪文(21)- |
2 《削剥》 1 《儀礼的拒否》 2 《軽蔑的な一撃》 3 《マグマのしぶき》 2 《金属の叱責》 2 《引き裂く流弾》 2 《焙り焼き》 1 《ギラプールの霊気格子》 -サイドボード(15)- |
豪華賞品で話題になったBIG MAGIC秋葉原店の開店3周年「SWITCH杯」で優勝した最新の「魂込めビートダウン」。《密輸人の回転翼機》や《幽霊火の刃》といった効率的なアーティファクトで素早く対戦相手のライフを減らし、《爆片破》や《稲妻の一撃》、《アーティファクトの魂込め》で削り切る王道アグロデッキです。
過去のリストでは《ギラプールの希望》はほとんど見られませんでしたが、今ではほとんどのリストで1~3枚程度採用されています。1マナ1/1飛行というサイズは頼りなく見えますが、ウィニークリーチャーとして序盤の攻勢を支えながら起動型能力によって対戦相手を牽制することができ、対戦相手のコンボが決まってしまいそうなときや自分がゲームを決めきる際に攻守にわたって有効に働きます。
『アモンケット』ブロックでは悔しくも追加カードに恵まれなかったどころか《削剥》というキラーカードが刷られてしまいましたが、なおも勝利を収めていることからデッキの地力の高さがうかがえます。
総括
さて、現在のフロンティア環境のトップメタデッキ3つを紹介させていただきましたが、まだまだフロンティアには未開拓のデッキアイディアが多数眠っています。
実際に、これまでにも「フロンティアチャレンジカップ」では大方の予想を裏切って「アブザン」でも「ダークジェスカイ」でもないテンポ型の「ジェスカイアグロ」が優勝を果たし、その2か月半後に超《密輸人の回転翼機》環境と言われる中で開催された「フロンティア神決定戦」では完全にメタ外だった「スゥルタイコントロール」が勝利を掴みました。
『破滅の刻』で収録されたカードだけ見ても、『タルキール覇王譚』の「龍王」を大量に詰め込んだ《王神の贈り物》デッキや、《正気減らし》を採用した青赤ライブラリーアウトなどもおもしろそうです。《蜃気楼の鏡》などを使用したコンボなどもあるかもしれません。
何使っても楽しい世界なので是非エンジョイしてください^^
— Yuki Matsumoto (@torauoo) 2017年8月8日
最後に現フロンティア神の言葉をお借りして締めさせていただこうと思います。ぜひみなさんも「第9期フロンティア神挑戦者決定戦」に参加してみてください!
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