By Atsushi Ito
『イクサラン』、発売!
それと同時にスタンダードで久しぶりのローテーションが行われ、環境は一変しました。
『カラデシュ』ブロック、『アモンケット』ブロックのカードに『イクサラン』の「恐竜」や「海賊」といった新カードが入り混じった環境で活躍するのは、はたしてどのようなカード、どのようなデッキとなるのでしょうか?
さて、今回はつい先週末、『イクサラン』発売直後のSCGOでトップ8に入賞した新環境対応の「副陽コントロール」をご紹介します。
副陽コントロールとは
8 《島》 7 《平地》 4 《灌漑農地》 4 《氷河の城砦》 2 《廃墟の地》 -土地 (25)- -クリーチャー (0)- |
4 《検閲》 1 《明日からの引き寄せ》 4 《至高の意志》 2 《不許可》 4 《天才の片鱗》 3 《残骸の漂着》 2 《燻蒸》 3 《副陽の接近》 4 《霊気溶融》 2 《アズカンタの探索》 4 《排斥》 2 《試練に臨むギデオン》 -呪文 (35)- |
4 《威厳あるカラカル》 3 《鉤爪の切りつけ》 3 《否認》 2 《奔流の機械巨人》 1 《不許可》 1 《残骸の漂着》 1 《試練に臨むギデオン》 -サイドボード (15)- |
「副陽コントロール」は《副陽の接近》をフィニッシャーに据えた青白のノンクリーチャーコントロールで、ローテーション前から「ティムール・エネルギー」をはじめとするミッドレンジに対する相性の良さを理由に使用されていたデッキでした。
「サイクリング」を持つ《検閲》《排斥》《灌漑農地》や、カウンターとドローのモードが選べる《至高の意志》が採用されているため、手札内の土地とスペルのバランスを調整することがある程度容易で、土地を7枚も並べる必要がある割に比較的事故が少ないのが強みです。
注目カード3選
《残骸の漂着》
環境の標準的な全体除去が5マナの《燻蒸》だったところに加入した《残骸の漂着》は、4マナ立ててターンを返したとき、相手からすればこのカードがデッキに何枚入っているのか、またそのとき手札に持っているのかは手札破壊でも打たない限り知りようがないので、うまくハマれば疑似的な4マナの全体除去として機能します。
実際に手札になくても相手の攻撃を抑制する事実上の効果があるのが強みで、コントロール相手の定石だった「なるべく《天才の片鱗》と同じターンに重要なアクションをする」というプランに裏目ができることになるので、結果として《天才の片鱗》を打ちやすくするのに一役買っています。
またあくまでプレイヤーしか対象にとっていないので、《殺戮の暴君》を処理できるのも利点の一つと言えるでしょう。
《アズカンタの探索》
変身前は毎ターン疑似的な「占術」が行え、ドローの安定に一役買います。それだけでは早いターンに設置できない限りカード1枚分の価値があるかは微妙ですが、このカードの真骨頂は変身後にあります。
《水没遺跡、アズカンタ》はスペル単であるこのデッキにおいては (土地は拾えませんが) 実質4マナでドローモードの《至高の意志》が打ち放題になります。
「サイクリング」などで墓地が肥えやすいこのデッキでは変身も容易で、しかももし6ターン目までに変身させることができればマナ加速として機能して《副陽の接近》を1ターン早く唱えられるというボーナスチャンスもあります。
《廃墟の地》
その《水没遺跡、アズカンタ》ような強力な土地への対策カードがこちら。
《アズカンタの探索》自体は2マナと軽く、カウンターするのが難しいところ、この《廃墟の地》さえ置いておけば相手の変身を牽制することができます。
サイドボード・ピックアップ!
《鉤爪の切りつけ》
「副陽コントロール」は相手の1~2マナ域に対してテンポをとる手段が少ないため、「ラムナプ・レッド」との相性が芳しくないのが難点です。特に《ボーマットの急使》をピンポイントで処理する手段がないため、1ターン目に出されると際限なくアドバンテージを稼がれてしまうのが難点でした。
『イクサラン』で加入した《鉤爪の切りつけ》なら、わずか1マナで赤単側の序盤のクリーチャーほとんどに対応することができるので、序盤のライフ損失を最小限に抑えることができます。
《試練に臨むギデオン》
戦場にクリーチャーを残したまま疑似的に対処する《試練に臨むギデオン》は、『アモンケット』当時は目立った活躍は見られませんでしたが、ローテーションを経たことでにわかに注目を浴びている1枚です。
《残骸の漂着》との相性も良く、「+1」能力で相手のクリーチャーを釘付けにしつつ、横並べで忠誠度を削りにきたならまとめて《残骸の漂着》の餌食にできます。
まだまだ環境初期!
今回ご紹介したのは、ローテーション前のデッキに『イクサラン』からの新戦力を搭載して進化させた「副陽コントロール」でした。今週末の大会では、さらに洗練されたデッキが世界の大会で活躍するはずです。
既存のアーキタイプに新カードを足したもの。これまで見たこともないようなコンセプトで組み上げられたもの。そういった様々なデッキに出会えるのも、環境初期の魅力です。その中から、のちにトップメタに君臨するデッキが現れるかもしれません。
ぜひ始まったばかりの『イクサラン』環境のスタンダードで、色々な自分なりのアイデアやデッキに挑戦してみてください!
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