『イクサラン』リミテッドにおけるプレイングのアドバイス

Oliver Polak-Rottmann

Translated by Daijiro Ueno

原文はこちら
(掲載日 2017/10/31)

やあ、新しい記事へようこそ。今回は『イクサラン』のリミテッドについてだ。今までこのフォーマットに関して、多くのことが語られてきた。だから私はアーキタイプとかそんな感じのことを詳しく説明するつもりはない。

すでにたくさんのHareruya Prosがリミテッドについて書いてきた。だからもし君がこのフォーマットは初めてだということであれば、彼らの記事をチェックしてくれ。この記事はプレイングのアドバイスについてより突っ込んだものになるからね。

リソース管理に注意!

このフォーマットではコンバットでいつカード交換を行うか、そして受け入れるかについて知ることがとても重要だ。あるフォーマットでは序盤でクリーチャー同士の交換を行うのは良いことだし、別のフォーマットでは逆のことが言える。でも『イクサラン』のリミテッドではちょっと違う感覚になるだろうね。《海賊のカットラス》とコモンに存在する3つのエンチャント・オーラの存在がその根拠だ。

風と共に吸血鬼の印向こう見ず海賊のカットラス

デッキにこれらのカードの内いくつかが入っている場合、君はおそらくクリーチャー交換をためらいがちになるだろう。クリーチャーを場に残しておけば、それらを強化できる機会があるからね。《海賊のカットラス》を持っているときは常に戦場に海賊を残していたいし、《吸血鬼の印》がデッキに入っていたら飛行持ちを戦場に残す選択を好むだろう。これが意味することは、どのクリーチャーを交換した方が良いか計算しなければならないだけではなく、自分のデッキの中にどのカードが残っているかを常に考えなければならないことを意味する。

これと同じことは、君が守りに回っていて、対戦相手が取るであろう行動について考えなければならないときにも言える。相手はたくさんのエンチャントがデッキにあるかもしれないから、君は小さなクリーチャー達との交換に気をひかれるかもしれない。それらが飛行か絆魂のどちらかを持っている場合は特にね。

卑怯な行為吸血鬼の士気

でもエンチャントだけじゃなくて、とても軽いコンバットトリックも豊富に存在する。《卑怯な行為》は多分このフォーマットで最も強いコンバットトリックで、《吸血鬼の士気》もとても有用だ。こういったカードは忘れずにピックアップして確認しておこう。戦闘は何回も起こるから、コンバットトリックは確実にゲームの結果を左右する。ダブルブロックした時に1枚のコンバットトリックで台なしにされることも忘れずに。ライフはこのフォーマットみたいに早いフォーマットでは大事なリソースだが、時にはいくらかダメージを食らって、良いカード交換や反撃のための準備を整えた方が良い。

川守りの恩恵翡翠の守護者

私が今話したこと全ては、マーフォークデッキを相手にする場合には違ってくる。《風と共に》があるだけでなく、このデッキは+1/+1カウンター要素が豊富に存在している。だからクリーチャー交換に興味があっても、《川守りの恩恵》によって返り討ちにされないようにいつも気を付けなければならない。これはこのデッキの最も強いカードだ。それに加えて、このデッキは《翡翠の守護者》も入っている。テキスト上はそんなに強そうに見えないけど、このカードに関しては呪禁がすごく偉いね。だからもし《翡翠の守護者》と交換できるチャンスがあればそうした方が良い。

テンポに注意!

このフォーマットはかなり高速だから、テンポ重視のプレイは良い結果を呼ぶためにとても重要だ。これは先のクリーチャー交換の話と密接な関係にある。でもここで本当に言いたいことは、バウンス呪文はときに除去呪文と同等か、それ以上のものだということだ。ほとんどの場合バウンス呪文はより軽く、ソーサリーではなくインスタントだからね。

火炎砲発射欲望の深み

世界選手権でクリスティアン・カルカノは、《火炎砲発射》を押しのけて《欲望の深み》を最初にピックした。私を含めてほとんどのプレイヤーが驚いたね。クリスチャンは概してドラフトで異なるアプローチを持っていると言えるけど、このピックに私は本当に考えさせられた。私はそれでも《火炎砲発射》をピックするだろうけど、これは私のテンポが重要だという主張を強調してくれるね。なぜならときに物事は見かけとは異なることがあるからだ。

風と共に立ち枯れの守り手向こう見ず

彼はこのフォーマットのテンポをとても良く理解していて、より攻撃的な道を辿るように試みたんだ。クリーチャータイプにそれほど拘らずにね。《立ち枯れの守り手》はとても悪いカードに見えるけど、クリスチャンは私達みんなに「この小さなコウモリは多くの試合をものにできる」ことを示した。なぜなら1ターン目に呼びだしたこいつは、《風と共に》《向こう見ず》の最高のエンチャント先になるからね。そして「強襲」を達成できれば、早い段階から勝負を決めることができる。

サインを見逃すな!

司教の兵士見習い形成師凶兆艦隊の貯め込み屋

これはゲームプレイというよりはドラフト中のアドバイスになるが、君が私と別の道を辿りたいと思わない限り、是非考慮してみてくれ。君がマーフォークをピックすべきときなら、その道を辿った方が良い。吸血鬼がピックされていないと感じたなら、そちらに方向を切り替えた方が良いだろう。これは特に重要なことだ。なぜならもし君が間違った色をピックしていたら、十分なプレイアブルなカードを得られずに自分の首を絞めることになるからだ。このセットは全体的にカードパワーが低いから、適切な量のプレイアブルなカードを手に入れるのは極めて重要だ。でも、どのようにしてサインを得れば良いだろうか?

襲撃崇高な阻止

各アーキタイプにとって何が重要なのか、この感覚を得るには他のHareruya Prosの記事を参考にしてくれ。このテーマはそれだけで記事をいっぱいにしてしまうからね。私が本当に言いたいことはたった一つだ。《襲撃》《崇高な阻止》が流れてくるってことは普通ならこの色が空いているサインだが、このフォーマットでは違う。

ほとんどの場合これらのカードはその色を代表するベストコモンに違いないが、先の議論で延べた様に、たくさんのコンバットトリックとバウンス呪文が君のプランを壊してしまうから、信用に足るものじゃないんだ。これらのカードがプレイアブルじゃないとまでは言わないけど、見かけほど強くないということだね。

サイドボードプランに注意!

呪文貫き軍団の裁き両手撃ち

プレイアブルなカードをピックアップすることが第一だけど、ドラフト中にサイドボード用のカードもピックしたいと思うこともあるだろう。《呪文貫き》《軍団の裁き》《両手撃ち》の様なカードは素晴らしいオプションだが、使う場面が限定的だからメインデッキには入れたくない。相手と噛み合えばアドバンテージを稼ぎだしてくれるのは確かだけどね。

このフォーマットはProsの間ではあまり得意とされていないから、まだまだ学ぶべきことがたくさんある。宝物狂になって貪欲に勝ちを買い漁ることもできるし、土地16枚体制のタイトなアグロデッキを選択することもできる。数多くのの発見すべきことや、こだわるべきじゃないクリーチャータイプなどがある。

航海士の喪失

私はこのフォーマットで白青ライブラリーアウトと戦った経験があるが、あれは完全に独創的なものだった。自分が何をしているか、マナベースを考慮した上で何ができるかを確かめないといけない。このフォーマットはかなり高速だが、4~5マナのカードをトップにしたマナカーブになっているはずなので、14~15枚しか土地がないデッキを組むことはできない。もちろん土地をドローする必要があるからね。

新たな地平開花のドライアド

《新たな地平》《開花のドライアド》といった疑似的なマナ加速カードや、宝物を生みだすカードの数を見誤って自分自身を陥れないように注意しよう。このフォーマットにはXマナ呪文のような多大なマナをつぎ込める先がほとんどないから、18枚の土地は入れ過ぎだ。それはただ勝率を下げる下げることになってしまうだろう。とても重い恐竜達はこのフォーマットで勝ちを目指すには現実的ではないね。

終わりに

私は今後発売される新しいセットがとても楽しみだし、より多くのクリーチャータイプ、もしかしたら部族カードや”変わり身”が戻ってくるのを見れるかもしれないと興味津々だ。少しローウィンのように見えるかもしれないけど、まだ全然分からないね。そして新しいセットでは何か変革があることに期待するよ。今週末プロツアーがあるし、もしかしたらいくつかのチームがリミテッドにおける異なるアプローチを見つけているのかもしれない。

スカラベの神キランの真意号

構築に関しては新しいデッキに期待するし、視聴者や私達プレイヤーにとってエキサイティングなプロツアーになるよう望むよ。エネルギーデッキがもう一度席巻するのか、《スカラベの神》と彼のゾンビがアルバカーキを征服するのか、機体がもう一度私達を駆り立てるのか。今週末のプロツアーに注目だ。そして新しい記事が来るのを楽しみに待っていて欲しい。

読んでくれてありがとう。また次回。

Oliver

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