モダンで3ターンキルしてみよう

Oliver Polak-Rottmann

Oliver Polak-Rottmann

Translated by Atsushi Ito

原文はこちら
(掲載日 2018/01/11)

2018年にようこそ!今年ほど新年早々にプロシーズンに突入する年もそうないことだろうと思う。新セット『イクサランの相克』の発売は目前だし、もう1か月もしないうちにプロツアーも開催される。スペイン・ビルバオで開催されるこのプロツアーでは、2年間の空白を経てモダンがプロツアーフォーマットに復帰することとなった。

実際には『イクサランの相克』がモダンに与える影響はそれほど大きいようには思えないけれども、チャンスがありそうなカードは少なからず存在している。とりわけ突出した可能性を有しており、そしておそらく最も注目を集めているカードといえば……そう、《血染めの太陽》だ。

血染めの太陽

一見すると《血染めの月》と似ているが効果は全く違っており、それが興味深い部分でもある。設置すればすぐに代わりのカードが引けるというだけでなく、《廃墟の地》《天界の列柱》、さらに最も肝心なことにフェッチランドも含めた、有用な土地たちの能力をマナ能力を除いてすべて無効化できる。しかも《血染めの月》と違い、仮に自分が5色《死の影》や赤緑トロンを使っていたとしても、これを設置したことで自分自身の土地の効果をいじくり回すような事態にはほとんどならないのだ。

どちらかと言えば《血染めの月》よりもサイドボード向きのカードではあると思うが、それでも来たるプロツアーできっとこのカードがプレイされているのを見ることになるだろうと確信している。新セットの加入を除けば、1月の禁止改定では概ねモダンでは何の禁止・解禁も行われないであろうことが知らされているわけだから、今から調整しておいて時間を無駄にしなくて済むのはありがたいことだな。

さて俺に関して言えば、このフォーマットをプレイするのはいつだって骨の折れる作業になる……何せ普段は全然やらないからな。俺はモダンの大会では概ね良い成績を残せているが、丸一年プレイしていないともなれば、そのぶん多大な労力を支払うことになる。だがそのことがこの記事を書き始める出発点となった。実のところ俺にとってモダンのトーナメントで現実的な選択肢になっているのは一握りのデッキだけで、しかもそれらはすべてコンボデッキなのだ。

俺はすべてのカードを知っているわけではないし、すべての出し抜き方を把握しているわけでもないので、対戦相手に干渉するよりも自分自身のやるべきことに集中することで、対戦相手が準備を整える前に勝利をかっさらってしまうのが性に合っているというわけだ。

モダンは「4ターンで決着」するフォーマットと考えられており、多くのデッキたちはそれより前のターンに勝つようには作られていない。そこで今回は3つの異なるデッキを紹介しようと思う。これらは俺自身も選択肢に入りうると思っていることはもちろん、そのどれもが「4ターンキル」の壁を超えており、時には2ターン目にすら勝つことも可能な、とはいえ大抵は3ターンキルに落ち着くことになるという、驚異のデッキたちだ。

ストーム

これは様々な細部の変遷を経た末に定着した、このアーキタイプにおける現在の定番リストだ。かつてはモダン最強のデッキの一つだったこのアーキタイプも、それ故に数多くの妥当な禁止カードを生み出してしまったことで、一時期は全く見られなくなっていた。それが今では《死の影》とトロンに次ぐ第3の警戒すべきアーキタイプにまでのし上がってきたのだ。

遵法長、バラルゴブリンの電術師差し戻し

ストームはそれほど極端にプレイが難しいわけではないが、使いこなすまでには多くの練習を必要とする。もしこのデッキを使いたいと考えるなら、ひとまず代用でもいいから組み上げて一人回しをするべきだ。なぜならそうでもしないと自分自身だけでなく対戦相手をもうんざりさせることになるし、その上おそらくひどく負けるだろうからだ。

俺自身、そのことを身をもって知ることになった。Magic Onlineでデッキを借りて、ただの1ゲームも事前に回すことなく、またただの1ゲームも実際に回している動画などを見ることもなくリーグに乗り込んでしまったのだ。お察しの通り、この試みはお世辞にも大成功とはいかなかった。とはいえ俺は多くの学びを得たし、そんな状態ですらとても強いデッキだと思えたものだから、結果として今では難なく回せるようにはなったがね。

《遵法長、バラル》はこのデッキにとって何より強力かつ重要なカードで、しかも一見大したことがないように見えて、《差し戻し》とのシナジーはぶっ壊れている。対戦相手の目論見を阻害した上にキャントリップでカードを引き、その後で《遵法長、バラル》の能力でルーティングまでできるのだ。この動きを決めることができれば、次のターンのコンボ発進はおおよそ保証されているようなものだろう。

けちな贈り物ぶどう弾炎の中の過去

さて、このデッキが成し遂げたいこととは何だろうか?もちろんクリーチャーで攻撃したいわけではなく、どちらかと言えば手札の内容を組み替えていき、大量のマナ加速からたくさんのスペルを唱えて《炎の中の過去》へとつなげ、それらのスペルを再利用して《ぶどう弾》を対戦相手の顔面に叩き込むことだ。簡単だろう?

この手順においては《けちな贈り物》が重要な役割を果たす。というのも、どんなときでもこれさえ打てば《炎の中の過去》につなげることができる上に最低もう1枚スペルが手に入るからだ。《遵法長、バラル》《ゴブリンの電術師》が1体もいなくてもコンボをスタートさせることは可能だが、それだといささか難易度が高くなるのに対して、1体でも場にいるなら早くも3ターン目に簡単にコンボを決めることができる。

初心者向けのアドバイスとしては《ぶどう弾》《差し戻し》とのシナジーがある。《ぶどう弾》をプレイした上でコピーをすべて解決し、その後でオリジナルの《ぶどう弾》に自ら《差し戻し》を打って手札に戻すことで、《ぶどう弾》を再利用できるのだ。このテクニックを知っていることでいくつもの困難を回避することが可能だし、他のスペルを唱える回数も半分にまで節約できるだろう。

グリショールブランド

2つ目に紹介するデッキは「グリショールブランド」だ。

一見しただけではわけのわからないデッキだが、実際わけのわからないデッキではある。何せたくさんの役立たずを駆使してどこからともなく勝ったり、2ターン目にいきなり勝ったりするのだ。このデッキをプレイしたり相手をしたことがない人に向けて説明をすると、このデッキは《御霊の復讐》《裂け目の突破》《グリセルブランド》のマナコストを踏み倒し、一挙に14枚を引いた上で《滋養の群れ》《世界棘のワーム》を追放してライフを得ることでさらにたくさんのカードを引きにいき、また《滋養の群れ》をプレイしてさらにカードを引き……という工程に突入することを目論む、というものだ。

ある時点で《猿人の指導霊》《捨て身の儀式》が手札に揃うので、そこから《怒れる腹音鳴らし》を墓地から《御霊の復讐》で (《魔力変》の助けがあればプレイできる) 、もしくは手札から《裂け目の突破》で戦場に出し、大量の土地を手札から捨てた上で攻撃に向かわせるか、もしくは《世界棘のワーム》《裂け目の突破》で出して勝利することになる。《世界棘のワーム》についてはちょっとした噛み合いの悪さとして、伝説のクリーチャーではないので《御霊の復讐》で釣り上げることができないという弱点はあるがね。

御霊の復讐裂け目の突破グリセルブランド

ここまでの説明を聞くととても複雑と思うかもしれないが、実を言えばこのデッキは他のデッキと比べても最もプレイが簡単な部類に属するデッキの一つである。もちろんそうは言っても正しいプレイ手順を探すのに苦労するようなパターンはあるだろうが、例に漏れずそれも練習次第だし、とりわけ多くはマリガン判断にかかっているのだ。

俺はこのデッキが大好きだし、ポテンシャルは十分すぎるほどだ。安定性の観点から少し疑問符が付くという点を差し引いても、本来それに値するだけの功績を残せていないところではあるが、ぶっちゃけ馬鹿げたデッキパワーを有している。今のところは必要とは思えないが、かつて《猿人の指導霊》を禁止すべきという議論がたくさんあったことからすると、もしこのデッキが強すぎるというような話になれば、《猿人の指導霊》は真っ先に禁止カードリストにその名を連ねることになるだろう。

「昂揚」感染

本日紹介する最後のデッキは、新たな装いを纏った俺のお気に入りアーキタイプ、「昂揚」感染だ。

正直に言えば現時点ではまだこのデッキをプレイしてみてはいないのだが、数日前に見かけて新型の「感染」として紹介することを決めた。今までの形はもう数枚の土地に加え、《ヴリンの神童、ジェイス》《のぞき見》といったゲームプランに特に貢献するわけでもないために特に噛み合ってはいないと言わざるをえないカードたちが紛れ込んでいたりしたが、この《通りの悪霊》《ミシュラのガラクタ》《ウルヴェンワルド横断》を用いた「昂揚」のパッケージならば、それらとは異なる2つの機能を果たすことができる。

通りの悪霊ミシュラのガラクタウルヴェンワルド横断

まず1つ目は《強大化》のプレイを早めることで単純にデッキのスピードを加速させられるのと同時に、いつでも《ウルヴェンワルド横断》で「感染」持ちのカードを追加できることで息切れしにくくなり、長期戦にも強くなるということが挙げられる。

そしてもう一つの重要な点としては、「感染」持ちのクリーチャーを引き込む確率が上がることでマリガンの回数が減ることが期待されるということだ。

上記のリストはまだまだ粗削りであり、改善の余地はいくらでもあると確信している。特にサイドボードには《ウルヴェンワルド横断》からサーチする用の1枚差しクリーチャーたちを入れてみたいところだ。「感染」というデッキを好きな人ばかりではないとは思うが、メタゲームに復帰する可能性は間違いなく存在している。在りし日の《ギタクシア派の調査》入りのバージョンには及ばないにせよ、もう一つの「3ターンキル」デッキとして定着する余地は十分あるだろう。


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※編注:コメントは、原文の記事に、英語でお願いいたします。

オリヴァー

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