Translated by Yoshihiko Ikawa
(掲載日 2018/01/24)
やぁ、こんにちは!ルイス・サルヴァットだ。これが晴れる屋に寄稿する2本目の記事になるな!
昨シーズンの話をした前回の記事の最後に書いたように、俺は今プロポイントを18点持っている。
今シーズンは、アルゼンチン選手権で優勝して3点を勝ち取ったところからスタートした。その後にグランプリ・フェニックス2017からプロツアー『イクサラン』の間に7点を獲得。その後、ワールド・マジック・カップ2017で2日目に進出したことにより3点を得て、さらに翌週のグランプリ・マドリード2017で決勝に進出したことにより5点を稼ぐことができた。
これにより現時点で南米アメリカではプロポイント1位になった。この成功が続くことを祈ってるんだ!(※)
※編注:先週末に開催されたグランプリ・インディアナポリス2018でパウロ・ヴィター・ダモ・ダ・ロサ選手が準優勝したため、現在は南米アメリカ2位となっています。
さて今回は俺がグランプリ・マドリード2017で選んだデッキ、「エルフ」について話していくよ。
1 《寺院の庭》
2 《吹きさらしの荒野》
1 《新緑の地下墓地》
3 《魂の洞窟》
4 《地平線の梢》
3 《剃刀境の茂み》
1 《ペンデルヘイヴン》
-土地 (18)- 4 《エルフの神秘家》
4 《遺産のドルイド》
4 《ラノワールのエルフ》
4 《イラクサの歩哨》
4 《献身のドルイド》
4 《ドゥイネンの精鋭》
1 《獣相のシャーマン》
1 《療治の侍臣》
4 《エルフの大ドルイド》
4 《背教の主導者、エズーリ》
-クリーチャー (34)-
3 《安らかなる眠り》
2 《形成師の聖域》
1 《戦争の報い、禍汰奇》
1 《漁る軟泥》
1 《無私の霊魂》
1 《エイヴンの思考検閲者》
1 《弁論の幻霊》
1 《再利用の賢者》
1 《暴走の先導》
-サイドボード (15)-
初めに、俺達のチームはフランシスコのタイタンブリーチ、ペドロのエルドラージトロン、そして俺のランタンという組み合わせだった。だが1週間後、最近MOにおいて、このカッコイイデッキで好成績を残していることをセバスティアン・ポッゾォが教えてくれたんだ。このデッキを試したあと、経験があったペドロにランタンを渡し、俺はこのエルフを使うことにした。それにこの変更によって、自分のマッチが終わった後にペドロにアドバイスできるようになったんだ(エルフは普通速く終わるからな)。
また、このチーム構成の変更により、《墓掘りの檻》《大祖始の遺産》といった様々な種類のサイドボードを多数使えるようになった。
デッキについて
このデッキは全体除去がなく、《墓掘りの檻》が入っていないデッキに対して非常に有利に戦える。なのでもしこれらのデッキが君が想定するメタゲーム上に溢れていないようであれば、ぜひこの面白くてパワフルなデッキを試してみてほしい。
クリーチャー
このデッキでは32枚の核となるエルフたちが採用されている。16枚の1マナ域、8枚の2マナ域、そして8枚の「ロード」だ。その他の2枚については、まず《療治の侍臣》が入り、そしてあと1枚のフリースロットはトーナメントによって変えることができる。
今回のトーナメントで選んだのは…
コンボのパーツを集めるのを手助けしてくれたり、後半において不要なクリーチャーを良いクリーチャーに取り替えてくれる《獣相のシャーマン》だ。このクリーチャーは《墓掘りの檻》の影響を受けないし、エルフでもあるんだ!
インスタント・土地
エルフは《召喚の調べ》と《集合した中隊》という、この種の戦略にマッチした最高のインスタント呪文を8枚採用している。土地については、《魂の洞窟》・《地平線の梢》・《ペンデルヘイヴン》、そしてファストランドやフェッチランド、ギルドランドに《森》をバランスよく採用した形だ。
もしアグロデッキが多いメタゲームなら、《地平線の梢》を1枚抜いて、4枚目の《剃刀境の茂み》に差し替えよう(サイドボード後は白が本当に必要になるんだ)。
サイドボード
この種の戦略では、強くて単純なサイドボードプランを取るべきだ。
それは欲しい「銀弾」を厳選して、《召喚の調べ》デッキとなることだ。俺が最低限でも必要だと思ったのは以下のカードたち。
- 《再利用の賢者》(エルフであり、3マナ域)
- 《戦争の報い、禍汰奇》(最近人気なランダン、そして古来から有力である親和に対して)
- 《弁論の幻霊》(ストームとアドグレイスに対して最高の対抗策)
- 《無私の霊魂》(全体除去への備えが必要なんだ)
以下の2枚はとても良いカードだが、必須という訳ではない。
- 《エイヴンの思考検閲者》(《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》を倒すもうひとつの手段だ)
- 《漁る軟泥》(ドレッジ、墓地を活用してくるデッキに)
俺はチームモダンではこれらのデッキが多いと思ったのでこの2枚を選んだが、他にも《ブレンタンの炉の世話人》(《召喚の調べ》でサーチしやすく、赤いダメージ呪文に有効)、《忘却の輪》効果を持つクリーチャー、《カメレオンの巨像》(《死の影》に対する最高の解答)、《神々の神盾》(プレイヤーが呪禁を得るぞ)、《タジュールの保護者》といったカードを選ぶこともできる
本当に速いデッキを止めるために、《流刑への道》は3枚必要だ。
《安らかなる眠り》の適正枚数は3枚だと俺は信じている。その理由は、ストームは《巣穴からの総出》ではエルフを倒せない上に、墓地がなければ(細かいクリーチャーは潰せるだろうが)《ぶどう弾》でのコンボで勝利することはできないし、ドレッジに対する完璧な解答だからだ。また、アブザン(《タルモゴイフ》《未練ある魂》《黄金牙、タシグル》《残忍な剥ぎ取り》)に対しても非常に有効であることも追記しておこうか。
2枚のアドバンテージカードは、実際に試して手応えがよかったものだ。《形成師の聖域》はバーン・ジェスカイ・青白コントロール系といった単体除去が多いデッキに対して本当に強い。《暴走の先導》は対戦相手が《払拭》や《墓掘りの檻》といった対策カードを使ってくるときに、アドバンテージを稼ぐことができる手段なんだ。
ゲーム中のプレイについて
このデッキは、1ゲーム目においてはクリーチャーで構成されたオール・イン・デッキだ。全体除去を恐れてならない。多くのゲームで、《エルフの大ドルイド》、もしくは《背教の主導者、エズーリ》の+3/+3修正を受けた小さなエルフたちの群れで殴りきるだろう。
エルフがプレイできる最高の脅威は2ターン目の《献身のドルイド》だ。なぜなら、このクリーチャーをプレイした次のターンに《療治の侍臣》と《背教の主導者、エズーリ》の2体を展開するだけで勝利することができるんだ!
コンボのもう一つの手段はこれだ:《献身のドルイド》が2体戦場にいる状態で、《背教の主導者、エズーリ》をプレイできてなおかつ余剰のマナが2マナあれば、《献身のドルイド》を含めて5マナ出し、《背教の主導者、エズーリ》の能力で+3/+3をかける、すると《献身のドルイド》が強化されてさらに6マナ出せるようになるので1マナがマナ・プールに残る=無限マナが成立する。そして最後にはその2体の《献身のドルイド》が無限パワーで攻撃してフィニッシュさ。パワーが0にも関わらず防衛を持っていなかったことに感謝しなくちゃな。
《献身のドルイド》が戦場にいて、《背教の主導者、エズーリ》が手札にあるときはこんな素敵なプレイもできる。まず《召喚の調べ》を「X=3」でプレイする。ここで対戦相手の経験が少なかったりすると、「《エルフの大ドルイド》か《背教の主導者、エズーリ》をサーチしてくるんだろう。ならそのサーチしてきたやつを倒すことにしよう」と考えて除去をプレイしてこないことがある。そこで《療治の侍臣》をサーチすればすぐさま無限マナを生み出すことができるので、対戦相手が単体除去を持っていてもゲームに勝利することができたりするんだ。
なるべく速く手札のクリーチャーを全展開するよう心がけて、「手札に大事なクリーチャーを温存しておこう」なんて考えないことだ。なぜなら強力なインスタントとロードは8枚ずつ入っているんだから、それらを引けるだろうし、《地平線の梢》もあるからな。
サイドボードガイド
エルフのサイドボードガイドはシンプルだ。全体除去に一番弱いクリーチャーを減らし(《遺産のドルイド》や《ラノワールのエルフ》だ)、そして1枚の価値が高い呪文や「銀弾」クリーチャーたちをサイドインするだけだ。
どの「銀弾」が必要なのか常に考える必要があるが、《再利用の賢者》と《無私の霊魂》は大抵のメタゲームにおいて最も役に立つクリーチャーたちだ。
エルフというデッキは本当に速いので、たとえ対戦相手のクリーチャーが強力だとしても(《死の影》やエルドラージなど)、《流刑への道》が必要ないことさえある。こういったクリーチャーたちを対処する最高の手段は、《背教の主導者、エズーリ》と一緒にコンバットすることなんだ。
もしジェスカイテンポや《至高の評決》が入ったデッキと当たったら、決めるのが困難で、かつ《献身のドルイド》は1枚では役に立たないので、コンボを抜いてしまおう。
相手の除去が少なく、3ターン目に容易くコンボを決めたり、または《背教の主導者、エズーリ》と《エルフの大ドルイド》のおかげでダメージレースができるので、5色人間と親和は一番相性の良いマッチアップだ。
一方、ジェスカイは圧倒的に相性の悪いマッチアップだ。
エルドラージトロンとは五分だ。相手のトロンが揃うかどうかに全てが依存しているが、それでもエルフはとても速く、相手が《虚空の杯》を出してきたり、3ターン目に《全ては塵》をプレイしてきたとしてもコンボを決めることができるんだ!このイカれた試合を見てくれよ!
ランタンも五分ぐらいだ。相手は軍勢を止めるために《罠の橋》が必要で、《背教の主導者、エズーリ》を止めるために《真髄の針》が必要で、さらに《墓掘りの檻》も欲しい。しかもそれらすべてを最初の数ターン以内にな。
まとめ
俺がエルフをチームモダンのデッキに選んだのは、このデッキが速い上に有効なデッキで、バーンや親和、感染(これは先手後手によるな)といった他のアグロデッキに安定して勝てて、そしてコントロールデッキが少ないと予想したからだ。だが既に述べた通り、エルフは通常のメタゲームで使っても良い成績を残せるだろう。
回してて楽しくて、そして本当にパワフルだから、俺はこのデッキをオススメするよ。
ジェスカイが多いかどうかにだけは十分気をつけるようにな。
エルフのもう一つの良い点としては、アブザンカンパニーとは違ってコンボが速くて、そこまで時間がかからないからMagic Onlineでもプレイできるって点かな。《台所の嫌がらせ屋》でコンボを決めても、安全圏のライフまで行けないからなぁ。(そう、俺は250点ライフを得たのに負けたことが一度あるんだ)
このデッキについて何かあったら、気軽に声をかけるか、コメントで教えてくれよな。そして楽しんでくれ!(※)
※編注:コメントは、原文の記事に、英語でお願いいたします。
読んでくれてありがとう!新しい物語やトーナメントの結果を伝えるべく、すぐ次の記事を書くつもりさ!
ルイス・サルヴァット