Translated by Atsushi Ito
今回も新セット『イクサランの相克』環境のドラフトをやっていきましょう。
ドラフトの最初の8手をシミュレートし、4名のHareruya Prosに何をピックするか答えてもらいます。
本日参加してくださるProsはこちらの方々です!
(彼らのプロフィールや詳細はこちら!)
彼らが同じ選択を行うのか、それとも違った選択なのか、ピックを見るのがとても楽しみですね。
初手
ペトル・ソフーレク
Pick
環境初期ならをピックしていたでしょうし、実際このカードの持つ上振れの可能性は凄まじいので (このカードと相性の良い恐竜が1枚でも取れれば素晴らしい働きをします)、 今でもそれが間違っているとまで言えるかは自信がないのですが、はたとえ赤いデッキでも最終的にデッキに入らないことも頻繁にありうるのに対し、は安定して強い上にタッチも容易なカードなのです。
セバスティアン・ポッツォ
Pick
僕のピックはだ。候補がたくさんあってとても悩ましいパックで、他にもを使ったデッキなどにおいて強力なや、吸血鬼デッキに入れるなんかも魅力的だし、恐竜デッキやそれでなくてもが入ったデッキならとてつもない働きをするもある。だけどそれらよりも優先して簡単にタッチできる除去の方を選びたい。「昇殿」の助けにもなるし、アグロデッキにおいても使いやすい除去だしね。
津村 健志
Pick
カードパワー的には、、の3択かなと思います。はサーチするカードによって強弱の差が激しいので、環境初期の頃と比べると少し評価が下がりました。とは単純に後者の方が強いことに加え、緑よりも白の方が色として強いのでをピックします。
オリヴァー・ポラック=ロットマン
Pick
だな。このピックはそんなに悩むところがないように思える。優秀な除去で、他の選択肢はこれよりもはるかに弱い。次点はになるだろうな。
各プレイヤーの選択
2手目
ペトル・ソフーレク
Pick
はこの環境のベストアンコモンで、ほとんどのレアカードよりも優秀だと僕は思います。付けたターンにすぐさま元がとれることはもちろん、相手に解答がなければとんでもない速度でアドバンテージが積み重なっていくのです。
セバスティアン・ポッツォ
Pick
単純な点数付けで見ればが一番なのは間違いないにせよ、この局面ではより腐りづらい2枚目のをピックすることで、様々な戦略や色の組み合わせに対して広い受けを用意しておきたいところだ。
津村 健志
Pick
大好きなと悩みましたが、カードパワー的に大きな差はないと思うので白を主張する意味合いも兼ねてをピックします。
オリヴァー・ポラック=ロットマン
Pick
は何枚あっても困らない。とはいえを選ぶのもそれはそれで悪くなさそうではあるがな。
各プレイヤーの選択
3手目
ペトル・ソフーレク
Pick
この手順でこのパックは弱すぎて取りたいものが何もないのですが、この中だとがベストかなと思うので仕方なくピックします。
セバスティアン・ポッツォ
Pick
パック弱っ!あたりはよりわずかに点数が上だとは思う。だけど僕はここで白軸を揺らさずにもう一手様子を見ることにしたい。が2枚取れていて「昇殿」も達成しやすそうだしね。
津村 健志
Pick
白いカードがないので白以外のアーキタイプに逃げやすいカードが取れれば理想的でしたが、それすらも皆無なので青白になったときに使いやすいを。
オリヴァー・ポラック=ロットマン
Pick
また弱いパックが来たものだが、ここはに踏み込みたい。普段はもう少し遅い手順で拾うのだが、他に取りたいものもないし「昇殿」はデッキの核となりうる強力なコンセプトだ。
各プレイヤーの選択
4手目
ペトル・ソフーレク
Pick
初手でを取っていれば秒ででしたが、実際はもあるので白の優秀な2マナ域をピックします。
セバスティアン・ポッツォ
Pick
ここが指針の決めどころだ。はより安定したピックに見えるけれど、僕はを使ったデッキが大好きなんだ!このカードが4手目という遅い手順で拾えるようならも流れてくるかもだし、そうしたら防御的な「昇殿」デッキを狙えるかもしれないね。
津村 健志
Pick
は白緑だとあまり強くないので除外。現状では白が空いていない可能性が高いように思えますが、他に切り込むべきカードも見当たらないので素直に優秀な2マナ域をピック。
オリヴァー・ポラック=ロットマン
Pick
の3種はカードパワー的にほぼ同等だが、それなら白ベースを堅持したい。
各プレイヤーの選択
5手目
ペトル・ソフーレク
Pick
このカードの一般的な評価は知りませんが、僕の場合はこの環境をやればやるほどこの”チキン”が好きになっていきました。こいつは白の神話コモンであり、こんなに遅い手順で拾えてラッキーです。
セバスティアン・ポッツォ
Pick
特にめぼしいカードはないかな。けど防御的な「昇殿」デッキを組むならこいつの固さは魅力的だしフィニッシャーにも最適だね。
津村 健志
Pick
白いカードが多く含まれていて一安心。カードパワー的にはが群を抜いているものの、これまでの流れを見ていると赤もいまいちそうなので白の堅実なカードを。
オリヴァー・ポラック=ロットマン
Pick
こいつはありがたいね。はこの環境でひどく過小評価されている1枚で、どんなクリーチャーでも止められることから「昇殿」デッキのプランにぴったりだし、毎ターン2点ずつ相手のライフを削ってくれる。
各プレイヤーの選択
6手目
ペトル・ソフーレク
Pick
白緑恐竜は特に好きというわけではありませんが、そうは言ってもがこのパックでは飛び抜けて強いので、残りのピック次第では青白か青緑のどちらになるかはわからないにしても、ひとまず取っておきます。
セバスティアン・ポッツォ
Pick
このカードは防御面においては大した力を発揮しないけど、フィニッシュ力には目を見張るものがあるんだ。1パック目で1枚確保しておいて、2パック目でか3パック目でを拾いにいくのが好みだね。なんといってもが既に1枚取れていてこれからも見かけたら取るだろうし、そうなれば3色目のタッチには困らないだろうからね!
津村 健志
Pick
白緑になるなら1~2枚はほしいカード。が手に入った場合に、それと強力なコンボを形成するも考慮しましたが、は後ほど回収できるだろうと考えてを優先しました。
オリヴァー・ポラック=ロットマン
Pick
白いカードは見当たらない上に、パック内でも最も強力なカードがこれだ。ここまでピックしたカードはどれも白緑恐竜にマッチしているので、喜んで拾わせてもらうとしよう。
各プレイヤーの選択
7手目
ペトル・ソフーレク
Pick
この恐竜は全然好きではないのですが、それでも2マナ域ですし、残りの手順で2マナ域が足りなくなったときのことも考えて拾っておきます。
セバスティアン・ポッツォ
Pick
4マナ域の2枚の方が強いカードだけど、今は早いターンの足場を固める必要があるね。さらに2パック目で拾えるであろうの「昇殿」を達成するためにも、戦場にパーマネントとして残り続けるカードの方が望ましいんだ。
津村 健志
Pick
2色目を青にするならでも良さそうですが、1パック目で軽いカードを抑えておくと後々楽になることが多いので、軽いカードかつ白を絞るためにを取ります。
オリヴァー・ポラック=ロットマン
Pick
白緑より白青の方がドラフトしたいのは間違いないが、よりもをピックした方が安全だろうな。も悪くはないが、最初に思っていたよりかは評価が下がったカードだ。
各プレイヤーの選択
8手目
ペトル・ソフーレク
Pick
このパックの白と緑のカードはどれも代替がきくのに対し、を拾っておくことは将来的に重要になっていきます。
セバスティアン・ポッツォ
Pick
が遅く流れてきたな、このカードは大好きだ。けれど既に白青の防御的な、古き良き「地上を壁で止め、飛行で殴る」デッキにコミットしてしまっているし、それにを拾っておけばこれからどんな爆弾カードを引いてもタッチできる可能性が出てくるんだ。
津村 健志
Pick
8手目とは思えないほどのパック内容ですが、優秀なコンバットトリックであるを。
オリヴァー・ポラック=ロットマン
Pick
候補としては、、という3択があり、非常に悩ましい手順と言える。白いデッキに3色目をタッチするのはままあることなので、は手堅い選択肢だ。他方、コンバットトリックがまだ取れていないけれども1~3枚程度は欲しいこともありも悪くない。も白緑恐竜になるなら取っておきたいところだが、まだきっとそうなるとまでは言えない状況である。この3枚の中で何をどう取ろうとも必ずしも不正解とは言えないとは思うが、私ならをピックするね。
各プレイヤーの選択
それぞれのピックまとめ
ペトル・ソフーレク
セバスティアン・ポッツォ
津村 健志
オリヴァー・ポラック=ロットマン
まとめ
4人とも初手では無難な選択をしましたが、2手目以降では初手と同じ白を固めて取るか、それとも上家からのシグナルを読みながら別の色を模索するかで方針が分かれました。これについてはどちらの戦略も良い点と悪い点があります。同じ色を固めて取るとうまくいったときに3-0級のデッキになりやすいですが、上家も同じ色をピックしていると悲惨なことにもなりえるからです。しかも、ピックがしばらく進むまで被っているかどうかは知りえません。他方であまり別の色のカードを取り過ぎると、全然使わないカードをピックすることにもなるでしょう。また、下家のプレイヤーに対しても十分なシグナルを送ることができなくなってしまいますね。
また次の記事で会いましょう。
ジェレミー・デザーニ
Jeremy Dezani
2013-2014年シーズンのプレイヤー・オブ・ザ・イヤー獲得プレイヤー。
プロツアー『テーロス』では、「青単信心」を使いこなし見事優勝の栄冠に輝いた実績を持つ。グランプリのトップ8入賞回数は10回にも上り、優勝2回、準優勝2回を記録している。
海外のプレイヤーとしては初のHareruya Pros加入となる。
デザーニの記事はこちら