Translated by Takuma Kusuzawa
(掲載日 2018/04/03)
少し前、齋藤 友晴、リー・シー・タンとチーム構築戦のグランプリ・京都2018に出場し、白単副陽でスタンダードを担当しました。
このデッキはエリオット・ブウサー/Eliott Boussaudとアラン・バルディーニ/Alain Bardiniというフランスのプレイヤーによって作られました。Magic Onlineでたくさんの5-0を勝ち取っていたので私も試してみたところ、5リーグで5-0が2回、4-1が2回、3-2が1回ときっちり結果を出すことができました。
チームの成績は5-1-2で二日目を逃してしまうという残念な結果に終わりましたが、個人成績は6-2で、デッキ選択にはとても満足しています。
グランプリ・京都2018
ラウンド数 | 対戦デッキ | 勝敗 |
ラウンド 1 | 青黒コントロール | ×〇〇 |
ラウンド 2 | 黒緑巻き付き蛇 | 〇〇 |
ラウンド 3 | スゥルタイミッドレンジ | 〇〇 |
ラウンド 4 | 赤黒アグロ | 〇×〇 |
ラウンド 5 | 青白王神 | ×× |
ラウンド 6 | グリクシス | 〇×〇 |
ラウンド 7 | 青白王神 | ×× |
ラウンド 8 | 青白サイクリング | 〇〇 |
グランプリ・京都2018で使ったデッキがこちらです。
4 《燻蒸》
3 《副陽の接近》
4 《不可解な終焉》
2 《飛行機械による拘束》
3 《イクサランの束縛》
2 《排斥》
2 《ギデオンの介入》
4 《宝物の地図》
4 《オラーズカの秘宝》
2 《不滅の太陽》
-呪文 (32)-
このデッキは《致命的な一押し》、《マグマのしぶき》、《蓄霊稲妻》や《ヴラスカの侮辱》といった除去呪文をすべて無意味にします。そして、対戦相手がサイドボードから《強迫》や《否認》を入れたところで、こちらはあらゆるクリーチャーを投入すると良いでしょう。
デッキを使いこなすためのアドバイス
もし、2ターン目に《宝物の地図》を唱えたとき、3枚目の土地が欲しい状況でなければ、3ターン目のアップキープで占術能力を起動しないようにしましょう。もし、《オラーズカの秘宝》を引いたら、唱えてから《宝物の地図》で占術ができるからです。
《残骸の漂着》は切り札です。相手にすべてのクリーチャーで攻撃して欲しくなるカードですね。《排斥》をソーサリーで唱えるふりをしながら最終的に何も唱えずにターンを渡すことで、対戦相手を誘導できるかもしれません。
まず《平地》や《シェフェトの砂丘》を置くべきです。他の土地は《廃墟の地》から守るためにあとで出しましょう。
土地が足りていなかったり、4マナ以上の呪文をたくさん持っていなかったりしない限り、ゲーム序盤に《排斥》をサイクリングしてはいけません。
《オラーズカの拱門》の使い方は少しトリッキーです。ソーサリータイミングで使う場合、呪文を引き、残りのマナ次第では唱えられるかもしれません。しかし、もし唱えられなかったら、対戦相手に《強迫》や《大災厄》を使われてしまうかもしれません。大切なのは、自ターンに引くことで危険になる可能性を考えなければならない、ということです。
対戦相手のターン終了時に《オラーズカの秘宝》を生贄に捧げる理由はありません。
《不滅の太陽》はプレインズウォーカーの各種能力も防ぐことに気をつけて下さい。対戦相手や使っている人でも知らない人が多かったです。
《副陽の接近》を唱えたあとに、《廃墟の地》でデッキをシャッフルしないように気をつけましょう。
デッキリストの調整 -青白《王神の贈り物》に勝つために-
グランプリ前は、サイドボードの候補が17枚まで絞れていました。そして、グリクシスと赤単対策を優先し、青白《王神の贈り物》対策の《トカートリの儀仗兵》2枚を抜くことにしました。結果は、青白《王神の贈り物》には2回当たってしまいました。次にこのデッキを使用するならば、青白《王神の贈り物》との相性を含めて、以下のように改善しようと思います。
そして、これが新しいリストです
4 《燻蒸》
3 《副陽の接近》
1 《領事の権限》
4 《不可解な終焉》
2 《飛行機械による拘束》
3 《イクサランの束縛》
3 《排斥》
1 《ギデオンの介入》
4 《宝物の地図》
4 《オラーズカの秘宝》
2 《不滅の太陽》
-呪文 (33)-
4 《威厳あるカラカル》
2 《トカートリの儀仗兵》
2 《薄暮の使徒、マーブレン・フェイン》
1 《歩行バリスタ》
1 《薄暮の殉教者》
1 《領事の権限》
-サイドボード (15)-
各デッキとの相性とサイドボード・ガイド
対青黒ミッドレンジ
対青黒ミッドレンジ
青黒は《致命的な一押し》と《ヴラスカの侮辱》を4枚入れているので、メインボードは簡単に勝てるはずです。
この対戦では《威厳あるカラカル》を入れるべきでしょう。《トカートリの儀仗兵》と共にサイドインするのは良くないように思えるかもしれませんが、実際のところ《トカートリの儀仗兵》は青黒にとって鬱陶しいことこの上なく、これが戦場に残ってるようならすでに優位に立てているので《威厳あるカラカル》を手札で温存できます。また、《トカートリの儀仗兵》は、《スカラベの神》にリアニメイトされた《威厳あるカラカル》の能力も防げることを覚えておきましょう。
《トカートリの儀仗兵》で防げるカードはこんなにあります。
《豪華の王、ゴンティ》が入っているデッキを相手にする場合は、デッキの上から5番目より下に《副陽の接近》を置いておくように意識し、《宝物の地図》、《オラーズカの秘宝》、《排斥》、《オラーズカの拱門》、《不滅の太陽》で、一気に5枚を掘りきりましょう。
対グリクシスエネルギー
対グリクシスエネルギー
メインボードは、グリクシスが除去呪文をたくさん採用しているおかげでかなり相性が良いでしょう。《マグマのしぶき》、《本質の散乱》、《蓄霊稲妻》、《ヴラスカの侮辱》……全部無意味になります。
サイドボード後は五分の戦いになります。グリクシスはもっとコントロールに寄り、除去呪文を《強迫》と《否認》に入れ替え、《副陽の接近》による勝利を主軸として残すのは厳しいでしょう。
対青白《王神の贈り物》
対青白《王神の贈り物》
先ほど述べたとおり、この対戦はかなり相性が悪いです。細かい変更を加えたことで改善されていますが、それでも勝つためには様々なことをしないといけません。
《領事の権限》は《王神の贈り物》からリアニメイトされたクリーチャーの速攻を帳消しにし、結果的に《燻蒸》が仕事をするようになります。基本的には、対戦相手のデッキがなくなるまですべてを対処するように試みることになると思います。サイドボード後のプランとして、先手の場合は《トカートリの儀仗兵》でサポートしながらアグロ戦略に出ることもできますが、うまくいくことは少ないです。
これが《トカートリの儀仗兵》で防げるカード一覧です。
対青黒コントロール
対青黒コントロール
メインボードが勝てないゲームだったとしても、サイドボード後は相性が良くなります。このデッキは驚異となるカードとアドバンテージを稼ぐカードが詰まっているので、青黒コントロールとしてはすべてに対処できる形を作るのがとても難しいのです。
対赤単・赤黒アグロ
対赤単・赤黒アグロ
この対戦は、1ゲーム目、そしてサイドボード後、どちらもギリギリの戦いになります。どちらにも勝ちがありうる、真正面からやるマジックになるでしょう。《副陽の接近》を残す必要はありません。《威厳あるカラカル》の方が軽いフィニッシャーですし、大きく盤面を動かします。
対赤緑モンスター
対赤緑モンスター
相手のデッキに除去呪文がたくさん入っているので、メインデッキは理想の形です。サイドボード後、相手は除去を《解呪》系カードや他の切り札に変えてくるので、五分の戦いになります。《威厳あるカラカル》を使っても良いのですが、《栄光をもたらすもの》に咎められるかもしれないことを覚えておきましょう。《領事の権限》は《燻蒸》の働き場所を作りますし、《再燃するフェニックス》や速攻クリーチャーに相性が良いですね。
対緑白アグロ
対緑白アグロ
6枚の《神の怒り》は、緑白アグロに対して少しやりすぎかもしれません。《スラムの巧技》と《旗幟+鮮明》戦略を根底から否定します。エンチャントで《典雅な襲撃者》、《マーフォークの枝渡り》を追放し、4枚の《屍肉あさりの地》で墓地も追放できますね。
対スゥルタイエネルギー
対スゥルタイエネルギー
この対戦も結構簡単です。《逆毛ハイドラ》と《殺戮の暴君》は《燻蒸》、《残骸の漂着》と《ギデオンの介入》で何の問題もありません。
これが《トカートリの儀仗兵》で防げるカード一覧です。
対白黒吸血鬼
対白黒吸血鬼
《軍団の副官》と《光輝の運命》さえ許さなければ、《威厳あるカラカル》が盤面を押してくれるでしょう。対戦相手は、まったく攻撃できなくなります。
結論
このデッキはとても強く、現在のメタゲームで非常に良い位置にいるようです。次の大会では、この白単副陽を使うことを強くおすすめします。
ぜひ楽しんでくださいね。
ジェレミー・デザーニ