こんにちは。Hopesの浦瀬です。
先日行われたグランプリ・北京2018にて、幸運にもTop4という成績を残すことができました。今回はそのレポートをお届けしようと思います。
とはいっても、単純な対戦レポートはそれほど需要がないかと思いますので、印象深かった4シーンを”What’s the Play?” 形式(「プレイングの極み」形式)で紹介していきます。
どれも「プレイングの極み」ほど深いものではないので、軽めに考えてみてください。
1. 初日シールド
メインデッキは青緑タッチ白のミッドレンジ。サイドプランに4枚出た《騎兵呼集》を生かした緑白のトークンアグロを用意。同行者の五嶋くんが考えてくれた構成です。単体除去を詰め込んだミッドレンジ/コントロール相手に面白いように勝ってくれました。
北京初日は7-2
— Ryosuke Urase (@lighdar_urse) 2018年5月5日
メインはマーウィンと1マナオーラの2枚が良くなかった
サイド後の奇襲(白緑トークン)がよく働きました(4-1) pic.twitter.com/x7GBHZONK4
Case 1
Round 4。対戦相手はアブザンカラーのずっしりしたミッドレンジデッキ。1本目をなんとか取った2本目、緑白にチェンジ。
《氷の干渉器》を見ていたため《神聖の発動》もサイドイン。ミッドレンジミラーと見た相手が後手を選択してくれるなどサイドプランがうまくハマって、次のターンには勝てそうな局面。
現在:自分の第2メインフェイズ(サイドボード後)
解説
この環境には、白の入ったデッキ相手に詰めろをかけている場面で迂闊にアーティファクト・エンチャントを出してはいけないという定石があります。理由はもちろん《神聖の発動》です。
このことは晴れる屋ドラフト練習会で聞いていたのにも拘わらず、すっかり忘れて手なりでキャストしてしまいました。
さて、この場面では《獣血蝋燭》をあえて出すことで返しに《神聖の発動》を誘い、自分の《神聖の発動》をスタックで撃つことで相手のライフゲインを妨害するのが正着だったと思います。相手は土地をプレイしていたとしても残り3マナで盤面を捌かなければならなくなるので、ほぼ勝ちが決まります。
実際には《獣血蝋燭》を墓地に置いた瞬間に全てを悟り、完全に手遅れでした。恥ずかしさで死にそうになりました。このあと3本目も敗北し、マッチを落としてしまいます。
Case2
Round 8。対戦相手は青黒タッチ緑のミッドレンジ~コントロールデッキ。
メイン戦、先手で調子よく攻めていたものの《ファイレクシア教典》で一気に流され、パワー10の《アーボーグの暴食、ヤーグル》に殴られ敗色濃厚の状況。勝つためにはどのようなプランを描いてどのようにブロックすべきでしょうか?
現在:相手のコンバットフェイズ(メインボード戦)
6 《島》
3 《平地》
-土地(17)- 2 《ラノワールのエルフ》
1 《胞子冠サリッド》
1 《逃亡者、梅澤哲子》
1 《養育者、マーウィン》
1 《鉄葉のチャンピオン》
1 《ヤヴィマヤの苗飼い》
1 《巨大戦車》
1 《縄張り持ちのアロサウルス》
1 《冷水カミツキガメ》
1 《パーディック山の放浪者》
-クリーチャー(11)-
解説
《アーボーグの暴食、ヤーグル》と《冷水カミツキガメ》を交換してしまいそうになりますが、現状リソースで大幅に負けており、普通のゲームを続けても敗色濃厚です。
となると、普通でない勝ち筋を目指す必要があります。つまり《冷水カミツキガメ》+《セラからの翼》です。そのため《冷水カミツキガメ》は絶対に失ってはいけないクリーチャーであることがわかります。
本当に《セラからの翼》をトップできたのは出来すぎでしたが、不利な盤面でも勝ちまでのルートを見据えてプレイすることの大切さを改めて感じました。
初日は7-2にて折り返し。
2. 二日目ドラフト
1stドラフトでは1-1《黎明をもたらす者ライラ》。
2-1《悪魔王ベルゼンロック》。
3-1《ランプのジン、ザヒード》を引いて化け物デッキが完成。懸念だった色事故もそれほど起きず、3-0。
1stドラフト
— Ryosuke Urase (@lighdar_urse) 2018年5月6日
卓3白黒でカード不足気味もレア強過ぎて3-0 pic.twitter.com/vqmdhjlC1b
2ndドラフトでは青黒タッチ白の歴史的デッキを構築。
2nd draft
— Ryosuke Urase (@lighdar_urse) 2018年5月6日
レアまみれ
2-0からID pic.twitter.com/6CNbLH541s
Case3
Round 14。ここを勝てばTop8進出が濃厚となる、非常に重要なマッチです。
対戦相手はグリクシスカラーのコントロールデッキ。《最古再誕》や《ウェザーライトの艦長、ジョイラ》といった強力なカードを乗り越え、《ランプのジン、ザヒード》でメインボードを取って迎えた2本目。
《抜去》で《ウェザーライトの艦長、ジョイラ》は抜いたものの、残りのハンドも濃厚でどう攻めていくかといった局面。
現在:自分の第2メインフェイズ
解説
《抜去》のおかげで相手の手札をほぼ把握しているため、詰将棋じみてきます。
《シヴの火》が《ミシュラの自己複製機械》へ、《意趣返し》が大型クリーチャー2種へ睨みを効かせているため展開しにくいですが、こちらは相手クリーチャーへの対処手段を持っていないためあまりゆっくりしている訳にもいきません。
よって《ランプのジン、ザヒード》か《クルーグの災い魔、トラクソス》を囮に使うことになります。
ここで相手視点に立つと、
- 《クルーグの災い魔、トラクソス》と《通電式召使い》がコンボ。
- 赤マナをトップすれば《スキジック》が走る。
- 《シヴの火》は2点モードが当たりにくく比較的価値が低い。
ことが考えられます。
そうすると、《クルーグの災い魔、トラクソス》を先に出すことで《意趣返し》のみならず《シヴの火》まで釣れるのではないか?と思い、《クルーグの災い魔、トラクソス》から入ることにしました(あえて「エンドフェイズ入っていいですか?」とまで宣言したのは少しクサかったかもしれません)。
結果的にはほぼ描いた通りにゲームが展開し、勝利することが出来ました。Round15はIDして念願のTop8。
3. Top8ドラフト
カバレージを取っていただきました。
Case4
準決勝、行弘 賢さんとのマッチ。
メイン戦、赤緑カラーのアグロデッキ相手にダブルマリガン。《最古再誕》で《ケルドの略奪者》を捌いたものの、5/5の《荒々しいカヴー》を捌く目途が立たず厳しい状況。《要塞の聴罪司祭》で殴るかどうかという場面。
現在:自分の第1メインフェイズ
※手札の枚数と中身は省略。あくまでも盤面の状況と、相手のデッキから飛んでくるであろうカードを想定してプレイを考えてみてください。
解説
解説が必要とも思えませんが、見た目ブロックに使わないからといってほぼ無意味なアタックをするのは止めましょう。ブロッカーに残しておくのが正解です。
それにしても《ギトゥの溶岩走り》は青赤ウィザード専用カードだと考えていたので、赤緑デッキに《冒険の衝動》を組み込んで運用していた行弘さんには脱帽です(《ケルドの軍監》がいるのでいずれにしてもブロッカーに残すべきでしたが)。
4. おわりに
いかがだったでしょうか。いままでマジックオンライン上以外で成績らしい成績を残せたことがなかったので、今回のTop8はかなり嬉しかったです。
現状プロポイント12点まで確定したので、タイトル的にはブロンズレベル・プロ一応達成です。せっかくなのでシルバープロを目指して、プロツアー『ドミナリア』頑張ってきます。
とはいえ原根健太さんが語っていたように、あまり気負いすぎても逆効果だと思うので、いろいろやってハッピーしつつ進んでいけたらと思います。
それではまた次回の記事で。
浦瀬