戦いに満ちた一ヶ月間 -グランプリ・プロツアー4連戦レポート-

Petr Sochurek

Petr Sochurek

Translated by Yoshihiko Ikawa

原文はこちら
(掲載日 2018/06/13)

皆さん、こんにちは!

アメリカ遠征から帰って来ましたので、ここ一ヶ月の大会レポートをお届けしたいと思います。

グランプリ・バーミンガム2018

アメリカ遠征に向かう1週間前、ヨーロッパのバーミンガムでグランプリがありました。先日お伝えしたとおり、僕とマーティン・ジュザ/Martin Juzaは《ボーマットの急使》より《マグマのしぶき》を優先した赤黒機体を使い、好成績を収めました。僕は10位入賞、マーティンは準決勝でクリーチャー0枚の青白コントロールに負けたもののトップ4入賞だったのです。青白コントロールへの敗北自体は特に驚くべきものではありませんでした--僕たちのバージョンがコントロールに対してあまり強くない形であることは理解していましたが、青白コントロールがそこまで多くないと想定していましたし、何より《マグマのしぶき》はその他のマッチアップで優位を築いてくれましたから。

マグマのしぶきボーマットの急使

これが僕たちの使ったリストです。

このリストに近い形が現在では主流ではなくなっていることに、僕は本当に驚いています。コントロールに対して弱いことは大きな問題ではないと思いますし、《ボーマットの急使》よりも《マグマのしぶき》を採用することは、全ての赤や緑のマッチアップに対して圧倒的なアップグレードです。「1ゲーム目はなるべくプロアクティブでいて、サイド後にアジャストしたい」というのが共通認識だということは理解していますが、ときどき僕が記事で述べているように、すべては勝率次第なのです。もし《ボーマットの急使》よりも《マグマのしぶき》を優先することにより勝率が上がるのであれば、そうすべきでしょう(これは具体例ですが、他のケースでも同じです)。

グランプリ・トロント2018

バーミンガムが赤黒デッキに支配されたことにより、多種多様な赤いデッキが環境の新しい王様であることが明らかになりました。よって、次のトーナメントでは赤いデッキと対戦することを想定して準備しなければなりません。次のGPとなるグランプリ・トロント2018のチームメイトはマーティン・ジュザアンドリュー・ベックストーム/Andrew Baeckstromでしたが、僕たちはこっぴどく負けました。レガシーで4色レオヴォルドをプレイした僕自身の成績はそこまで酷いものではありませんでしたが、スタンダードとモダンはどちらもデッキリストも時代遅れで、あっという間にトーナメントからドロップする羽目になりました。

興味がある方のために、使用したデッキリストを置いておきます。トップ4に残ったBBD(Brian Braun-Duin)のものとほぼ同一のリストでした。

グランプリ・ワシントンD.C.

トロントに滞在中に次のGPをどうするかマーティンに尋ねてみたところ、次のGPであるワシントンD.C.がチームリミテッドGPであり、僕にはチームメイトがいないことが発覚しました!僕は少しパニックになったあと、チームメイトを募集するためにTwitterに投稿したのです。

(訳)ワシントンD.C.のチームを決めていないことに今気づきました!誰かチームを組んでくれませんか?

紆余曲折を経て、最終的にはアンドリュー・テンジャム/Andrew Tenjumピーター・イングラム/Peter Ingramの2人とチームを組むことができました。僕たちはとても幸運でした。初日・2日目と完璧で非常に強いシールドプールを開封できただけでなく、GP前の一週間ずっとトーマス・ヘンドリクス/Thomas Hendriksと共にドラフトして、彼からこのフォーマットのすべてを学んでいたのです。

僕はチームメイトとしてはあまり良いプレイヤーではありませんでした。第8回戦、僕たちはストレスフルな状況にいました。チームの勝敗を賭けたゲームがアンドリューとオリバー・ティウ/Oliver Tiuの間で行われており、残り時間はもう2-3分しかありませんが、アンドリューはとても有利な状況でした。そんな中、僕はアンドリューにどのプレイをすべきと考えているかを伝えましたが、「君のプランを遂行するには時間が足りない」と言ったのち、オリヴァーがアンタップ状態の土地と複数枚の手札があるにもかかわらず、二段攻撃持ちのクリーチャーに装備品をつけて突っ込んでしまい、結局うまくはいきませんでした。負けてしまった以上、僕にできることは何も言わず、残りの試合の勝利に向けてとにかくベストを尽くすことだけでしたし、こういった状況・プレッシャーの元で混乱したり、悪いプレイをしてしまうことは誰にでもあることは完全に理解できます。にもかかわらず、僕は自分自身を抑えることができず、とてもイライラして怒ってしまったのです。

翌日、僕は自分の態度が悪かったことをアンドリューに謝りました。僕の昨日の酷い態度は、まだ彼を悩ませてしまっていましたが、何にせよ全てはうまくいき、僕らはGPを優勝することができました。

プロツアー『ドミナリア』

GP優勝は確かな自信に繋がりましたが、プロツアー『ドミナリア』はもう目の前であり、休んでいる暇はありません。僕たちのチームは「赤系デッキ / 青白コントロール以外は悪い選択肢である」ということを早い段階で理解していましたので、2チームに分かれて調整することにしました。

Brad Nelson

スタンダードマスター ブラッド・ネルソン

振り返ってみれば、赤いデッキを調整する側ではなかったことを少し後悔しました。ですがブラッド・ネルソン/Brad Nelsonが選ぶデッキを一緒に使える機会を絶対に逃したくなかったので、驚くほどではないですが良いデッキだと分かっていた青白コントロールを手に取ることになりました。

僕らが最終的にサブミットしたのが、こちらのリストです。

《副陽の接近》の採用に驚く方もいるでしょうから、このカードの採用理由を説明しましょう。一つは《奔流の機械巨人》よりも《副陽の接近》の方が、ミラーマッチのメインボードで優れていると僕たちは判断したからです。ミラーマッチのメインボードは、お互い有効牌が多くないため非常にロングゲームになる傾向にあり、それは同時に《奔流の機械巨人》が手札で腐っていたはずの《本質の散乱》を有効牌にしてしまうということでもあります。《副陽の接近》はミラーマッチで特別強いというわけではないですが、警戒すべき1枚ではありますよね。

副陽の接近

もう一つの大きな点は、Magic Onlineで頭角を現していた黒緑《巻きつき蛇》デッキを倒すためのプランだという点です。このマッチアップはメインボードこそとても有利ですが、サイドボード後は悪夢に変わります。相手のデッキには4枚の《強迫》に加えてプレインズウォーカーや《造命師の動物記》が加わり、真っ当なゲームで倒すのはほとんど不可能になるのです。彼らは《ヴラスカの侮辱》《歩行バリスタ》を使ってくるので、《黎明をもたらす者ライラ》ですら効果的ではありません。

巻きつき蛇造命師の動物記

僕たちは数ゲームテストプレイしたのち、少し絶望し始めていました。しかし《副陽の接近》を見つけたところ、ゲーム内容が完全に一変したのです。もはや相手の継戦能力を気にする必要はありません--《副陽の接近》まで生き延びるだけなのですから。どうぞ《造命師の動物記》で好きなだけ引いてください、それでも最終的に勝つのは《副陽の接近》ですよ。

トーナメント自体は僕にとって良いものでした。1stドラフトは《セラからの翼》からスタートした上に白が空いていたので、最終的に青白の攻撃的なデッキになりました。ドラフト中に酷いピックミスをした可能性があります……Magic Onlineのドラフトではよく一周してきていたので、本番でも遅い順目で取れるだろうと思い、強くて軽いカードを優先してピックして《冷水カミツキガメ》を流してしまったのですが、結局《冷水カミツキガメ》が遅い順目に流れてくることはありませんでした。僕のデッキをもっと強いデッキにするのはきっと簡単だったでしょうね。

ドラフトで2-1した後、スタンダードの最終戦で緑単ストンピィとの接戦に破れ4-1、トータル6-2で初日を終えました。僕は自分の結果に満足し、翌日もうまくいくことを望んでいました。

2日目も初日と似たようなスタートでした。僕たちのポッドのカードプール全体が弱かったにもかかわらず、僕はボムが大量に入った非常に強い緑黒をドラフトすることに成功し、行弘 賢にこそ負けたものの2-1することができました。行弘 賢との試合では3ゲーム目で土地が詰まってしまいましたが、マッチを通して彼のほうが僕よりもはるかにうまくプレイしていたと思いますので、彼が勝つべくして勝ったといえるでしょう。

行弘 賢

行弘 賢

マルシオ・カルヴァリョ

マルシオ・カルヴァリョ

その後スタンダードラウンドで最初の2マッチを勝利できたので、非常に良いポジションにつくことができました。残り3マッチを2-0からIDできればトップ8、2-1でトップ16、1-2でトップ32、そして0-3すればトップ64です。第14回戦でマルシオ・カルヴァリョと当たったのでフィーチャーマッチに呼ばれ、これ以上ないぐらい酷く負けました……1ゲーム目は僕がマリガンしている間に相手はブン回り、そして2ゲーム目では僕は3枚目の土地を引けませんでした。僕はここで負けたことによりとても動揺してしまい、その影響もあり残りの2試合も速やかに落としてしまうことになったのです(涙) こういったメンタル的な面について、僕はもっと改善するよう努力する必要があります。僕は基本的にとてもうまくプレイできると思っていますが、しばしば頭の中に色々な物が積み重なってしまい、まったく集中できなくなってしまうのです。

こうしてプロツアー『ドミナリア』は10-6で終わりました。55位入賞によりいくらかの賞金と追加のプロポイントを獲得できましたので、それほど悪くはありませんでしたが、僕はもっと良い結果を望んでいたのです。また次の機会に頑張ります。

読んでくれてありがとうございます。

ペトル・ソフーレク

この記事内で掲載されたカード

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