フィンランド初の栄光 -愛機・ドレッジで掴んだGP優勝レポート-

Matti Kuisma

Matti Kuisma

Translated by Yoshihiko Ikawa

原文はこちら
(掲載日 2018/07/13)

デッキ選択について

1年半ほどもっぱらドレッジを回してきたが、今年は「ほかのモダンのデッキを試してみて、好きになれそうなデッキを探す」プロジェクトをスタートした。2018年の最初2-3ヶ月はドレッジは非常にポジションが悪かったので、もっと自分が使えるデッキの幅を広げておきたかったんだ。ダン・ワード/Dan Wardがグランプリ・トロント2018を優勝し、そしてブタコフ/ButakovがMOCSでも優勝したことにより、呪禁オーラが一躍人気デッキになった。そしてその呪禁オーラに対してドレッジは本当に相性が悪い。かといって、呪禁オーラはとても退屈なデッキだったので、自分で使う側に回ろうとは思わなかったが。

様々なデッキを試してみたが、どのデッキもそれぞれ問題点を抱えていた。例えば、トロンはここ数年間で最も活躍しているデッキの1つだから、試してみることにしたんだ。3ターン目に《解放された者、カーン》を叩きつけるのは最高に爽快だった。だが、あまりにもこんな状況に陥ることが多すぎた。

Tron

トロンというデッキは良いデッキだし、このデッキを使うプレイヤーを非難することはない。単に僕が求めていたものではなかったというだけだ。トロンのゲーム展開はよく一方的なワンサイド・ゲームになる。あっという間にトロンを揃えて対戦相手をボコボコにするか、もしくはプレイできないカードたちを抱えて無抵抗に死んでいくかだ。これはまさに多くの人がモダンというフォーマットを嫌っている要素でもあるだろう。

若き紅蓮術士虚ろな者

試したデッキの中で、好きになったデッキが2つあった。それはマルドゥ・パイロマンサーホロウワンだ。この2つともが《信仰無き物あさり》を使っているデッキであることは、おそらく偶然ではないだろう。マルドゥでのゲームは楽しく、相手への妨害が多く、かつ長期戦になる傾向にある。だが1つだけ重大な欠陥を抱えていた。トロンとのマッチアップが絶望的なのだ。マルドゥは効果的な妨害も速いクロックもないので、大抵の場合トロンがやりたいことをやるための時間を与えてしまう。

一方のホロウワンは、ドレッジと近いものを感じた。ドレッジよりはトロンに強いことを除けば、有利・不利なマッチアップの多くが共通している。有利なマッチアップに対しては、ドレッジの方がホロウワンよりもさらに有利に戦うことができるだろう。

モダンのメタゲームがトロンに偏らず、様々なデッキが存在している限り、全体的に考えるとドレッジの方が少しだけホロウワンより良い選択だと感じた。ホロウワンは墓地対策に対してドレッジよりも耐性があるという理由で支持されているが、それは一種の誤解だと僕は思う。確かにドレッジが勝つことがまず不可能なのに対して、ホロウワンは《虚空の力線》《安らかなる眠り》が戦場に残ったままでもゲームに勝てることがあるだろう。だが、(A)ドレッジはそういった墓地対策カードを除去することができるし、(B)そういったカードを出してくるマッチアップに対しては、ドレッジの方がホロウワンよりも相性がいいのだ。

クラーク族の鉄工所

また、検討した最後のデッキは《クラーク族の鉄工所》(KCI)だった。グランプリ・ラスベガス2018において、使用者数が少ないことを考えると、モダンの歴史上、支配的なパフォーマンスを発揮したデッキの1つといえるだろう。マット・ナス/Matt Nassが2つ目のトロフィーを手中にし、エリ・カシス/Eli Kassisもトップ8に入賞したのに加えて、有名なプレイヤーがトップ8こそ逃したものの13-2ラインにいた。KCIを少し回してみたところ、デッキ自体はとても強力ではあるが、練習時間がまったく足りないことが分かった。1ゲーム目は一直線にコンボを目指すだけだが、サイドボード後のヘイトカードとの戦い方を短い時間でマスターできるとは思えなかったのだ。とても楽しく強力なデッキではあるので、今後のトーナメントに向けて練習を続けるつもりだ。

叫び角笛傲慢な新生子

GPまであと数日というところで、僕はまたドレッジに光明を見出し始めた。Magic Onlineのリストでは《叫び角笛》《減衰球》が使われはじめていたおり、そのどちらも試してみたいと思っていた。《叫び角笛》といえば《ゴルガリの墓トロール》がまだリーガルだった頃に《傲慢な新生子》よりも弱いということで抜けていたが、考えを改めることにした。改めて使ってみたところ、当時とは事情が変わっていることをすぐに実感した。今の《叫び角笛》は、明確にドレッジを強化してくれるカードだ。たとえば1ターン目の《傲慢な新生子》《叫び角笛》を比べてみよう。どちらも2ターン目のドロー・ステップまでにだいたい4枚のカードを墓地に落としてくれる(《傲慢な新生子》は「発掘3~5」なので)が、《叫び角笛》はその後さらに追加で2枚も落としてくれるのだ!また、《叫び角笛》は初手に「発掘」カードがない手札でもキープを可能にしてくれる。例としてはこんな手札だ。

銅線の地溝乾燥台地樹木茂る山麓
叫び角笛叫び角笛安堵の再会秘蔵の縫合体

もしこの《叫び角笛》2枚が《傲慢な新生子》2枚だったら、この手札は明らかなマリガンハンドだと思う。だが幸いにも《叫び角笛》なので、これは悩みとは無縁のキープハンドだ。

《減衰球》については、あまり肯定派ではない。最初は2枚で試していたが、それが1枚になり、GPの時点では最後の1枚すら抜いてしまったほどだ。以前の記事でも述べた通り、僕はドレッジのサイドボードカードについては明確な選択基準を持っている。「発掘」している間に見つかるもの(《古えの遺恨》《地盤の際》)、もしくは自分のゲームプランを進めつつ相手を妨害できるもの(《稲妻の斧》《集団的蛮行》)だ。僕のサイドボードでこれに該当しないのは《自然の要求》《突然の衰微》だけで、これらは墓地対策への対抗策として必要悪だと考えている。

減衰球幽霊街

KCI側が、何も分からない状態だととりあえず《自然の要求》をサイドインしてくることが分かったことが、《減衰球》を採用しない最後の決め手となった。こうして、KCIと戦う場合はなるべく早くクロックを並べつつ《古えの遺恨》でバックアップすることに焦点を当てた方がいいと思ったので、最後のスロットは何か違うカードに充てることにした。トロンは相性が悪く懸念していたマッチアップの1つであり、明確にトロンに対して強いカードがほしかったので、最終的にこのスロットには《減衰球》と入れ替える形で《幽霊街》の2枚目を採用することとなった。

正直に言うと、2枚目の《幽霊街》ではなく4枚目の《古えの遺恨》を採用すべきだったと思っている。KCIはしばしば《古えの遺恨》1枚ぐらいは乗り越えてくるのだが、2枚あればそうそう勝つことはできない。なので「発掘」の過程で《古えの遺恨》を複数枚落とせるかどうかが非常に重要なのだ。《幽霊街》の方がトロンに対して有効なのは間違いないが、《古えの遺恨》も少しは効く。また、他の人がしているように、もう一度《減衰球》を試してみる可能性もある。

こちらが、僕がグランプリ・バルセロナ2018で実際にプレイしたリストだ。

グランプリ・バルセロナ2018にて

トーナメント中も、色んなエピソードがあった。いくつか紹介していこう。

あるマッチでは、僕が先攻で、対戦相手は2ターン目のドローを見た後、デッキを隠すために即座に投了した。彼は7枚でキープしていて、プレイしたカードは《血染めのぬかるみ》1枚だけだった。さて、彼は何のデッキをプレイしていて、僕はどうサイドボードすべきだろうか?

血染めのぬかるみ

《血染めのぬかるみ》を使った最も普遍的なデッキとして、ホロウワン、マルドゥ・パイロマンサー、そしてグリクシス・シャドウが挙げられるので、リスクヘッジのために《稲妻の斧》《自然の要求》の両方をサイドインしようとした。《稲妻の斧》はホロウワンとグリクシス・シャドウに対して有効だが、マルドゥには弱い。一方の《自然の要求》はホロウワンとマルドゥには必要だが、グリクシス・シャドウに対しては役に立たない。

しかしながら、ここで自分自身に問いかけることにした。対戦相手がキープした手札は、どんな手札だった可能性があるだろうか?(※参考:「生存バイアス」をマジックに当てはめて考えてみよう)

考えてみよう。ホロウワンとグリクシス・シャドウは、こんなに早く投了してくるような7枚でキープすることはほとんどない。1ターン目に《信仰無き物あさり》《燃え立つ調査》もなく、2ターン目に《ゴブリンの知識》も後引きした《信仰無き物あさり》もなくて、かつ7枚でキープできる手札がホロウワンにどれだけあるだろうか?もしこれらのカードが手札にあったならば、《虚ろな者》が複数枚見つかる可能性に賭けてプレイするはずだ。グリクシス・シャドウであれば、ドレッジ側の小型クリーチャーたちとダメージレースができる。《死の影》からの《ティムールの激闘》はどんな角度からでも勝利できるだろうし、そもそも1マナの呪文が大量にデッキに入っているので、1ターン目に何もプレイしないことは稀であるといえる。

この2つのデッキと比べると、マルドゥは2ターン目にしてドレッジに99.99%ゲームに負けるであろう手札をキープする範囲が広い。《致命的な一押し》《稲妻》《若き紅蓮術士》《未練ある魂》《終止》《コラガンの命令》そして《血染めの月》といったカードの組み合わせはキープに値する手札であるし、これらのカードはしっかりと回ったドレッジに対して無力だ。他の2つのデッキと違い、これらのカードが初手にあったとしても、何をトップデッキしても逆転できない状況に簡単に陥るのがマルドゥだ。これらの要素から、対戦相手のデッキは他の2つのデッキよりもマルドゥである確率が高いと判断し、僕は《稲妻の斧》をサイドインしない決断をしたのだ。

古えの遺恨

トーナメントで負けたのは、親和とKCIだった。どちらのマッチも「発掘」の過程で十分な数の《古えの遺恨》を落とせなかったのが原因だった。今のメタゲームでは親和はそこまで数が多くないが、KCIがこのまま数を伸ばしていくようであれば、やはり4枚目の《古えの遺恨》がサイドボードに欲しくなるだろうな。

幽霊街地盤の際

長い間、僕はメインボードに《地盤の際》を、サイドボードに《幽霊街》をという構成でドレッジをプレイしてきた。今回のGPの直前で、トロンを倒すために《幽霊街》をメインボードに昇格させ、代わりに《地盤の際》をサイドに下げた。この変更のおかげで、トロンとの1ゲーム目を《幽霊街》《壌土からの生命》ロックで倒しただけでなく、同じようにして5色人間を打ち負かしたりもした。これは《地盤の際》では起こり得なかったことだ。対戦相手は土地が2枚で止まっていた上に《霊気の薬瓶》《貴族の教主》を引いていなかったので、《幽霊街》連打で土地を破壊しつくしてゲームに勝利することとなった。

このマッチの後、僕はデッキチェックを受け、《地盤の際》がメインボードに入っていた上に《幽霊街》が2枚ともサイドボードになっていたためゲームロスを貰うこととなった。やっちまった!サイドインしてすらいない《地盤の際》がなぜメインボードに入っていたのかは分からない。多分、トーナメント直前に《幽霊街》《地盤の際》を入れ替えたせいで、きっとサイドボードを戻すときに《地盤の際》をメインボードに入れてしまっただんだろう。

僕が覚えている限り、ここ数年のグランプリでゲームロスを受けたのは2回だけだ。そして不思議なことに、その両方のグランプリでトップ8に入っているのだ!GLというのは、ゲームロス(Game Loss)とグッドラック(Good Luck)、2つの意味の省略なのだろうか?将来、またGLを貰うよう努めてみるべきかもしれないな……。

ゲトの裏切り者、カリタス

グリクシス・コントロールとの試合では、何ターンにも渡って《ナルコメーバ》《恐血鬼》をあえて戦場に出さないという判断をした。この2種類のクリーチャーの誘発型能力が、どちらも”出してもよい(may)”であることを覚えておくと良いだろう。今回のケースでは、対戦相手が《ゲトの裏切り者、カリタス》をコントロールしていたので、彼らを戦場に出したくはなかったのだ。《秘蔵の縫合体》を追放されたくはないし、《ゲトの裏切り者、カリタス》《燃焼》の圏外まで大きくなるのを防ぎたかった。したがって僕は《壌土からの生命》《地盤の際》で相手のマナベースを攻撃しつつ、最終的にはクリーチャーたちを戦場に戻す前に、「発掘」する過程で見つけた《燃焼》《ゲトの裏切り者、カリタス》を退場させることに成功した。

暗黒破

ダニエル・ボールスティン/Daniel Ballestinの青白コントロールと対峙した準々決勝はあっという間だった。このマッチアップは1ゲーム目はドレッジ側がとても有利だった上に、2ゲーム目もダニエルは《安らかなる眠り》を見つけることができなかったのだ。

しかしながら、ハビエル・ドミンゲス/Javier Dominguestとの準決勝はとてもタイトな試合だった。1ゲーム目は盤面にプレッシャーをかけられるクリーチャーを出すことができず、ハビエルが僕を倒すまでのラスト7ターンぐらいの間、《壌土からの生命》をカウンターされ続けて敗北した。2ゲーム目は、《流刑への道》《天使の粛清》《残骸の漂着》でクリーチャーの大部分が追放されてしまった上、《燃焼》《外科的摘出》されてしまったので本当に長期戦になった。すでに僕のライブラリーの枚数は残り2-3枚しかなく、これ以上「発掘」はできないが、小粒なクリーチャーで必死に攻撃を仕掛けていた。ハビエルのライフが残り1のところで、彼は《悪斬の天使》をトップデッキした。だが、返しのターン、僕は《恐血鬼》《ゴルガリの凶漢》で攻撃し、ブロックされた方に《暗黒破》を打つことでこのゲームを勝利することができたのだ!3ゲーム目はこちらのドローが強かったので簡単に勝つことができたが、2ゲーム目は本当に激戦だった。

決勝戦

決勝戦は、KCIを駆るルイス・デルツアー/Louis Deltourとの対戦だ。対戦前に賞金のスプリットを提案してみたが、断られてしまった。彼はスプリットをしない主義らしい。残念!まぁ正直に言えば、彼のほうが相性のいいマッチアップなので、僕が彼の立場でもスプリットには応じなかっただろうな。

1ゲーム目は彼が《クラーク族の鉄工所》を見つけることができなかったので、僕が4ターン・キルして終わった。

2ゲーム目、後攻2ターン目にして僕はとても興味深い2択を迫られた。彼は《オパールのモックス》《彩色の星》《胆液の水源》といった好スタートを切っており、僕の手札には《古えの遺恨》《安堵の再会》《臭い草のインプ》2枚・そして2枚の土地がある。さて、僕は《古えの遺恨》《安堵の再会》のどちらをプレイすべきだろうか?

安堵の再会

もし《安堵の再会》をプレイすれば早くクロックを用意することができるが、相手の3ターン・キルにより敗北する可能性も高い。だがもし今リスクを背負えば、次のターン以降は複数体のクリーチャーを用意しつつフラッシュバック込みで《古えの遺恨》が2回プレイできるし、「発掘」により追加の《古えの遺恨》が手に入る可能性もある。同一ターンに2回プレイされる《古えの遺恨》の上から勝つのは、《古えの遺恨》1枚だけに比べると非常に困難だ。もし賭けに勝って次のターンを迎えられたなら、かなりの確率でゲームに勝利することができるだろう。

古えの遺恨

もし《古えの遺恨》《オパールのモックス》にプレイすれば、まだ3ターン・キルされる可能性はあるものの、2枚目の《オパールのモックス》が必要となるためその可能性はかなり低いだろう。《クラーク族の鉄工所》に対して十分な《古えの遺恨》をキープできないというリスクを負うため、《オパールのモックス》《古えの遺恨》を使うのは無駄使いみたいなものでもある。もしこのターンを生き残れば、3ターン目に《遺恨の番人》フラッシュバックで相手の《クラーク族の鉄工所》を破壊しつつ《安堵の再会》をプレイできるので、2枚目の《古えの遺恨》を探す絶好の機会でもある。また、《オパールのモックス》を破壊することで、マナが詰まって《クラーク族の鉄工所》がプレイできなく可能性も出てくる。特に手札に複数枚の《クラーク族の鉄工所》を抱えているようであれば、特に《オパールのモックス》を破壊する価値は高まってくる。

もう1つの選択肢としては、何もプレイせずにターンをパスし、《古えの遺恨》を構えるという手もある。この選択肢の問題点としては、《古えの遺恨》を構えているのが完全に透けてしまうので、彼は《古えの遺恨》の上から勝てるようになるまで《クラーク族の鉄工所》を晒すようなことはしないだろう。その結果、相手は手札と盤面を整えていくので、テンポ的に僕は彼のターン終了時に適当なものを対象に《古えの遺恨》を消費せざるをえなくなる。このプレイは、彼が2枚目の《オパールのモックス》を持っており、かつ《クラーク族の鉄工所》を1枚しか持っていないときは有効といえる。

臭い草のインプ壌土からの生命

このプレイが正しかったかは分からないが、僕は《オパールのモックス》《古えの遺恨》することを選んだ。もし手札にある「発掘」カードが《臭い草のインプ》ではなく《壌土からの生命》だったなら、2枚目の《古えの遺恨》を探すのが少し難しくなるので、僕は《安堵の再会》をプレイする方に傾いていただろう。《臭い草のインプ》が2枚あるということにより、僕は《古えの遺恨》1枚を《オパールのモックス》に費やしても、2枚目の《古えの遺恨》が見つかる確率はそこそこ高いだろうと判断したのだ。また、2枚《臭い草のインプ》があるということは、《安堵の再会》をプレイした後にセットランドすれば十分なクロックを作るのも容易なほど「発掘」ができるということも意味している。《壌土からの生命》2枚の場合だと、良い盤面を構築するためには「発掘」の回数がより多く必要になるため事情が変わってくる。《古えの遺恨》を今すぐに打つのか、もしくは相手のターンに打つのか、どちらが良かったのかは分からない。もしどちらのプレイが正しかったか意見がある人がいれば、聞きたいのでぜひコメントしてほしい。(※)

※編注:コメントは、原文の記事に、英語でお願いいたします。

とにかく、僕は最終的に2枚目の《古えの遺恨》を見つけることができ、《クラーク族の鉄工所》2枚を破壊することができた。そして手札や墓地の枚数を確認してみると、《燃焼》をプレイすれば《恐血鬼》に速攻がついて…勝ってる??そんなバカな、と思い、何か計算を間違えているのではないかと不安になった。普段はそんなに神経質になったりはしないのだが、とても疲れていたし、空腹だったし、今日は情けないプレイミスをいくつもしていたからな(《地盤の際》でのゲームロス以外にも、という意味だ)。ルイスが手を伸ばしてきたとき、嬉しさのあまり呆然としたし、同時に解放感で胸が一杯になった。ああ、信じられない。僕はGPを優勝したんだ!!

また、僕がフィンランド人のプレイヤーとして初めてのGPチャンピオンであるという事実も、より一層嬉しさを増してくれた。僕だけじゃなくて、僕の国にとってもこれは偉業なんだ!フィンランドにはプロツアー2勝の殿堂プレイヤーであるトミィ・ホヴィ/Tommi Hovi、2008年世界選手権チャンピオンのアンティ・マリン/Antti Malin、そして2009 Magic Online Championship優勝のアンシ・ミリィマキ/Anssi Myllymakiといった強豪たちがいるが、GPのタイトルだけはこれまでフィンランドから逃げ続けていたんだ。フィンランドに足りていない、次に目指すべき目標はワールド・マジック・カップのタイトルだ!

TommiAnttiAnssi

フィンランドの英雄達。左から:トミィ・ホヴィ、アンティ・マリン、アンシ・ミリィマキ

今回の結果により、僕は3回分のプロツアーの権利を得たとともに、ワールド・マジック・カップのキャプテンの座もほぼ手中にした。これらのイベントで好成績をあげることができれば、最終的にはゴールド・レベルに到達することもできるだろう。昨シーズンのように、「ゴールドまで1点足りない」で終わらないことを願っている。(※) 神様よ、僕に幸運を!

編注:マッティ・クイスマは、2016-2017年シーズンのプロポイントが34点と、ゴールド・レベルに1点足りませんでした。

マッティ

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