スーパーサンデーシリーズ予選。
抜ければマジックの楽園と言われる大会(詳細は【齋藤 友晴の参加レポート】に譲る)に参加できる、グランプリの2日目には毎回サイドイベントとして開催されている予選大会だ。
そのスタンダード部門に集ったのは134名。スイスラウンドのトップ4がレガシー部門のトップ4と合わせて決勝ドラフトの進出できるという仕組みだ。
ここではそんな134名のデッキの中から、気になったものをピックアップしよう。
8 《森》 4 《平地》 4 《吹きさらしの荒野》 1 《進化する未開地》 2 《マナの合流点》 4 《豊潤の神殿》 -土地(23)- 4 《始まりの木の管理人》 2 《陽刃のエルフ》 4 《荒野の後継者》 4 《棲み家の防御者》 4 《アラシンの先頭に立つ者》 1 《死霧の猛禽》 4 《狩猟の統率者、スーラク》 -クリーチャー(23)- |
4 《かき集める勇気》 4 《ドロモカの命令》 2 《勇敢な姿勢》 2 《強大化》 2 《城塞の包囲》 -呪文(14)- |
3 《光輝の粛清》 3 《垂直落下》 3 《絹包み》 2 《正義のうねり》 2 《勇敢な姿勢》 2 《威圧の誇示》 -サイドボード(15)- |
緑白アグロというだけならそこまで珍しくもないが、《アラシンの先頭に立つ者》を採用した上に《かき集める勇気》をフル搭載しているとなると話は別だ。
思想的には【Super Crazy Zoo】と近く、クリーチャー展開からの《ドロモカの命令》でテンポをとり、相手が場を巻き返そうとフルタップしたところで「二段攻撃」の強力な一撃をお見舞いする、という構造となっている。
《棲み家の防御者》も《狩猟の統率者、スーラク》も「戦士」な上に、《棲み家の防御者》を《城塞の包囲》で強化すれば回避能力によりもはや容易には止めることはかなわない。
サイドボードも『タルキール龍紀伝』のカードを中心とした綺麗な構成となっており、ビートダウンの本質を損なわない構築に好感が持てる。
4 《森》 2 《平地》 1 《島》 4 《吹きさらしの荒野》 3 《溢れかえる岸辺》 4 《豊潤の神殿》 4 《ヤヴィマヤの沿岸》 1 《マナの合流点》 1 《精霊龍の安息地》 -土地(24)- 3 《エルフの神秘家》 4 《羊毛鬣のライオン》 4 《棲み家の防御者》 4 《層雲の踊り手》 1 《隠れたる龍殺し》 4 《死霧の猛禽》 1 《狩猟の統率者、スーラク》 3 《龍王オジュタイ》 -クリーチャー(24)- |
3 《勇敢な姿勢》 3 《ドロモカの命令》 4 《遮る霊気》 2 《見えざるものの熟達》 -呪文(12)- |
3 《軽蔑的な一撃》 3 《氷固め》 2 《スズメバチの巣》 2 《異端の輝き》 1 《頑固な否認》 1 《否認》 1 《威圧の誇示》 1 《ドロモカの命令》 1 《見えざるものの熟達》 -サイドボード(15)- |
プロツアーで活躍した【Craig Wescoeのオジュタイバント】をベースに大胆なアレンジを加えているのがこちらのデッキ。
《森の女人像》と《クルフィックスの狩猟者》の部分が《遮る霊気》と《層雲の踊り手》になっており、よりぶん回り時の勢いが増している。また、《見えざるものの熟達》のヒット率の上昇も見逃せない。
特にこのデッキの《層雲の踊り手》は他の「変異」に紛れて特定できないので、その能力を如何なく発揮することができることだろう。
8 《島》 4 《山》 4 《天啓の神殿》 4 《シヴの浅瀬》 2 《急流の崖》 2 《光輝の泉》 -土地(24)- 4 《前兆語り》 4 《戦場の秘術師》 3 《龍の眼の学者》 4 《霜の壁》 2 《僧院の群れ》 4 《波使い》 2 《死者を冒涜するもの》 -クリーチャー(23)- |
3 《難局》 2 《時を越えた探索》 4 《龍の降下》 4 《龍の大嵐》 -呪文(13)- |
3 《嵐の息吹のドラゴン》 3 《豚の呪い》 3 《弧状の稲妻》 2 《否認》 2 《反論》 1 《軽蔑的な一撃》 1 《解消》 -サイドボード(15)- |
《戦場の秘術師》と十分な量のクリーチャーがいると、《龍の降下》は2マナで撃つことが可能になる。そしてそこに《龍の大嵐》でも設置してあれば、一瞬で対戦相手に大ダメージを与えることが可能になる。
また《難局》はインスタントである点は強みであり、戦場を支える《霜の壁》や《龍の眼の学者》といった壁軍団がエンド前に4/4飛行の群れへと変貌する様は爽快だ。
大量の壁は《波使い》への「信心」にもなり、コンボしかないと高を括っていると痛い目を見ることになるだろう。
2 《沼》 1 《山》 2 《血染めのぬかるみ》 4 《神秘の僧院》 4 《遊牧民の前哨地》 3 《欺瞞の神殿》 1 《静寂の神殿》 4 《コイロスの洞窟》 3 《シヴの浅瀬》 -土地(24)- 4 《魂火の大導師》 2 《脳蛆》 1 《漂う死、シルムガル》 -クリーチャー(7)- |
2 《思考囲い》 4 《稲妻の一撃》 3 《勇敢な姿勢》 1 《究極の価格》 4 《英雄の破滅》 4 《はじける破滅》 2 《コラガンの命令》 4 《オジュタイの命令》 1 《完全なる終わり》 1 《宝船の巡航》 2 《卓絶のナーセット》 1 《太陽の勇者、エルズペス》 -呪文(29)- |
2 《アラシンの僧侶》 2 《悪行の大悪鬼》 2 《強迫》 2 《軽蔑的な一撃》 2 《骨読み》 2 《見えざるものの熟達》 1 《脳蛆》 1 《異端の輝き》 1 《宝船の巡航》 -サイドボード(15)- |
なんかもう、すごい。
一体どういう発想でこのデッキに至ったのか。おそらく「《卓絶のナーセット》をうまく使ったコントロール」というところからスタートしているのだろうが、そこに赤と黒を加えるというのは常人ではたどり着けない境地だ。
対戦相手もまさか《はじける破滅》と《オジュタイの命令》を同時に構えているとは夢にも思わないので、ホイホイとカウンターに引っかかっていくと思われる。
《コラガンの命令》と《オジュタイの命令》で《魂火の大導師》を延々と回収できるのも楽しそうだ。
是非もっと《卓絶のナーセット》を活躍させてあげて欲しい。