TLS2025優勝者インタビュー そういうわけで、エルドラージが勝つのだ

晴れる屋メディアチーム

優勝者インタビュー

THE LAST SUN2025 優勝の西村へのインタビューをお届けする。日頃プレイをともにし、自身もトップ8入賞の木下にも同席していただいた。

あとカワウソにも。

望外の優勝

――優勝おめでとうございます!今回がTLS初参戦で、もともと参加の予定はなかったと聞きました。

ありがとうございます。正直、まだぜんぜん実感がついてきていません。

もとはといえば、予選に参加したのだって、権利目当てではなく単に遊んで副賞のポイントをもらいたかったからです。

結果的に権利を獲得したところ、木下さんから一緒に出ようよ!と誘われたのが参加の決め手になりました。休みもとれたし、ノリで!

 

じゃあ、ということでスタンダードの練習をして……デッキを借りて……本当はネカフェに止まるつもりでしたが、いろんな人が家にとめてくれたり。

いろんな人のおかげですね。

――レガシーのエルドラージを使って権利を獲得していますね。今回使用されたデッキもエルドラージで、過去には第22、23期と連続で「関西帝王戦レガシー」で優勝。なぜエルドラージだったのでしょう?

エルドラージが好きだからです。レガシーをプレイする理由も、エルドラージをいちばん強く使えるフォーマットだからです。

難題の予見者現実を砕くもの約束された終末、エムラクール

マジックを始めたきっかけもエルドラージでした。『ゲートウォッチの誓い』のエルドラージのアートをたまたま見て興味を持って、『異界月』から始めました。

なので、基本的にエルドラージデッキしか使っていません。

エルドラージのカードは人にデッキを貸して一緒に調整してもらえるくらい持っています。調整につきあってくれる人を「ドローン」と呼んでいます。

威圧ドローン棘撃ちドローン回収ドローン

エルドラージ・ドローン

でもスタンダードはプレイしていないし、そもそもデッキもなかったので、師匠を頼ることにしました。

――先ほどのお電話の方ですね。

「はいっ、ええ、そうです、アニキの……パトロン様のおかげです!はい!」

優勝者インタビューを前に電話に出る西村。
「たくさん連絡が来ている!」といいつつもインタビューを優先してくれたが、
この電話には応対せざるを得ないだろう。

かつて地元にあった、マジックデビューをしたショップにいた先輩の1人です。みなさんいろいろ教えてくれたり、ときにはカードを分けてくれたり、本当にお世話になりました。

――こうして振り返ってみると、本当にたくさんの方に支えられての勝利でしたね。練習も木下さん含め地元の方とされていたんでしょうか。

いえ、練習らしい練習はしていなくって、普通にマジックをしていただけですね。お店に集まって、レガシーして、ってかんじ。そういう意味では、毎週末レガシーがプレイできるトーナメントセンター大阪の存在は大きいです。通い始める前はせいぜい月に一度しかレガシーのイベントに参加できていませんでした。

エターナルウィークエンドにむけてレガシーは頑張っていたのですが、スタンダードはデッキさえ持っていなかったので自信はありませんでした。スタンダードで1勝以上、レガシーで4勝して、初日抜けが目標でしたね。

メタゲームの波をのりきったデッキ選択

――一方で、使用したのは最注目のイゼット系デッキではありませんでしたね。

ばあば積み重ねられた叡智

プロ選手も参加するようなイベントで、トップメタのデッキでミラーマッチをするのは明確に不利だと思いました。なので、実力差ではなく、相性差で戦いたかったんです。

西村のシミックウロボロイド

ミラーを避けるべく選んだのは、下火になっていたシミックウロボロイドです。

鋭い目の管理者漁る軟泥再利用の賢者

メインから墓地対策6枚、置物対策4枚をとっています。”トップメタをメタる”作戦です。墓地対策はイゼット系やスゥルタイリアニメイト、ナヤユウナ対策です。

《再利用の賢者》《忍耐の記念碑》や各種《才能》などに対応でき、多くのマッチで活躍します。

――メインからサイド戦のようなデッキに見えます。不慣れといいつつも、メタゲームを読んだデッキ選択が光りましたね。

でも、最後の最後まで、優勝できるとは本当にまったく思っていませんでした。

1年を振り返って

――今年のマジックについて聞いていこうと思います。西村さんの目から、今年のスタンダードはいかがでしたか?(でもこの人スタンダードやってないんだよな……)

(スタンダードやってないんだよな……)素晴らしかったと思います!!

――こちらはしっかり答えていただけると思います。レガシーはいかがでしたか。

まず、昨年の『モダンホライゾン3』はすごくよかったですね。新規カードが登場してエルドラージが強化される非常に貴重な機会でした。

まき散らす菌糸生物

《まき散らす菌糸生物》が禁止になってしまいましたが、そのあとでエルドラージで関西帝王を二連覇できました。同じリストを回してくれる人も増えて、エルドラージが復興してくれてうれしかったです。エルドラージの人、というかんじになれたのもよかった。

『モダンホライゾン3』まではキツかったエルドラージデッキですが、今はかなりいいかんじです。デッキもフルFoilにしてしまったので、強いうちにたくさん遊びたいと思います!

精神背信不快な集合体繁殖苗床

ゼンディカーを襲うエルドラージの得体の知れなさ、「エイリアン」のような、わけのわからないものに蹂躙される感じが好きなんですよね。

――西村さんと対戦する相手はまさにエルドラージに蹂躙されている気分でしょうね!

そうだといいなあ!と思っています。

――今年のマジックの集大成であるTHE LAST SUNで優勝、と今年は最高のマジック締めになったのではないでしょうか。来年にむけて目標はありますか?

どうでしょう。優勝した実感もまだわいてないので……

木下「世界、世界。世界征服(コソコソ)」

え~っと、来年は遠征して、BMOや日本選手権にも挑戦したいです。それから、エターナルウィークエンドでは悔しい思いをしているので、次は優勝したいです!

仲間に恵まれ、望外の優勝をつかんだ西村。最後にメッセージを求めると、カリタスのセリフを引用してこう答えた。

エルドラージの壊滅させるもの

「そういうわけで、エルドラージが勝つのだ。」

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