はじめに
みなさんこんにちは。
2026年5月18日に禁止改定があり、環境トップメタであるボロスエネルギーやジェスカイブリンクのフィニッシャーとして幅を利かせていた《火の怒りのタイタン、フレージ》と、アミュレットタイタンのループコンボパーツであった《睡蓮の原野》が禁止になりました。
それだけでなく《暴力的な突発》と《梅澤の十手》が禁止解除され、モダン環境が激変しました。
今回の連載では禁止改定後の『Modern League』で5-0したリストを見ていきたいと思います。
『Modern League』5-0デッキ
カスケードクラッシュ
《暴力的な突発》の禁止解除によって復権したカスケードクラッシュ。
デッキの動きは従来通りで《暴力的な突発》と《断片無き工作員》2種類の「続唱」スペルから《衝撃の足音》をプレイします。
デッキ内に2マナ以下のスペルは《衝撃の足音》のみなので、わずか3マナで2体の4/4サイ・トークンを展開することができます。
このデッキは、過去にモダンのプロツアーでも結果を残したことがのあるミッドレンジです。
《否定の力》や《火/氷》など妨害要素も多く、デッキの動きも安定しているため、『モダンホライゾン3』によってカードパワーが上昇した現代のモダンでも十分に通用する強さのようです。
禁止改定前の環境でも、同じく「続唱」を使ったリビングエンドが活躍していました。
リビングエンドが純粋なコンボだったのに対し、カスケードクラッシュはコンボ的な要素を持ちつつ、フェア戦略も取れる新環境モダン注目のデッキです。
☆注目ポイント
《暴力的な突発》の強みは、何といってもインスタントタイミングでプレイできることです。
妨害を《否定の力》で牽制しつつ、相手のエンド時に《暴力的な突発》から《衝撃の足音》をプレイすることができます。
《超能力蛙》など火力スペルでは対処が難しいクリーチャーへの対策として《死亡/退場》や《四肢切断》といった除去スペルもメインから採用されています。
『モダンホライゾン3』で登場したスペルランドの《朦朧への没入》は、必要なら土地としてもプレイでき、《否定の力》のピッチコストにもなる便利なカードです。
最近のセットから登場した強力なクリーチャーも惜しみなく採用されています。
《量子の謎かけ屋》は青いミッドレンジの定番アドバンテージ源でもあり勝ち手段にもなります。このデッキでも主力の1枚としてよく見ることになりそうです。
デッキ構築の制限に引っ掛かることなく、早い段階からプレイできる「ワープ」スペルは、「続唱」戦略と極めて相性がいいです。
インカーネーションサイクルの《鮮麗》は軽い除去としても機能します。
《幽愁》は必要なカードを探しつつ、メインから置物対策として使える優れたカードです。
リビングエンド
カスケードクラッシュがテンポ、ミッドレンジ戦略でいわゆるフェアな「続唱」デッキなら、リビングエンドはコンボに特化した「続唱」デッキです。
このデッキは『ローウィンの昏明』から《幽愁》などインカーネーションサイクルが登場したことで強化され、今回の禁止改定前から活躍していましたが、《暴力的な突発》が解禁されたことでさらに強化されました。
今後は《断片無き工作員》と《暴力的な突発》を使って「続唱」から《死せる生》をプレイできるので、安定性が向上し、よりコンボに特化した構成を取るかもしれません。
墓地対策をされても《緻密》や《忍耐》といった瞬速クリーチャーによるビートダウンも選択肢の一つになります。
☆注目ポイント
カスケードクラッシュでも述べたとおり、《暴力的な突発》最大の強みは、《死せる生》をインスタントタイミングでプレイできることです。
これにより相手ターンに《否定の力》でバックアップしつつコンボを仕掛けることができます。
たとえ妨害されてしまったとしても、次の自分のターンに再び《断片無き工作員》からコンボを始動することも可能です。
これに対処するのは非常に困難であり、新環境のモダンでは、今まで以上に墓地対策をする必要が出てきそうです。
《暴力的な突発》の禁止解除については、思い切った判断だという意見も散見されます。
果たして「続唱」デッキが再び環境を支配するのか、今後の動向に要注目です。
ボロスエネルギー
ボロスエネルギーは《火の怒りのタイタン、フレージ》の禁止によって弱体化を免れないものの、デッキは十分に機能し、大会で好成績を狙える強さを維持すると思われます。
《魂の導き手》や《電気放出》によるエネルギーメカニズム、《オセロットの群れ》、《敏捷なこそ泥、ラガバン》、《ナカティルの最下層民、アジャニ》といった強力な低マナクリーチャーは健在です。中盤以降の息切れ防止や、アドバンテージ源の選択肢も豊富にあります。
☆注目ポイント
《火の怒りのタイタン、フレージ》とのコンボパーツ的な扱いだった《栄光の闘技場》は抜けると思われていましたが、ほかのクリーチャーも速攻でプレイすることができ、奇襲性に優れるため引き続き採用されています。
マナ基盤に関しては、《火の怒りのタイタン、フレージ》の抜けた穴を埋めるために採用されたカードによって調整されるでしょう。
中盤以降の息切れ防止兼アドバンテージ源として《孤独》と《ロクの伝説》が採用されていますが、どのカードがベストかは、今後のメタゲーム次第でいろいろと試してみることをおすすめします。
《イーオスのレインジャー長》は、ルビーストームや今後人気が出そうな「続唱」とのマッチアップでも活躍が期待できそうです。
《スレイベンの魔除け》はメインから墓地対策としても使える除去スペルで、強化されたリビングエンドに対する牽制としてもある程度機能しそうです。
《苛立たしいガラクタ》も「続唱」対策として機能するため、これまで以上に重要なカードとなりそうです。
アミュレットタイタン
アミュレットタイタンは、ループコンボのパーツであった《睡蓮の原野》が禁止され、戦略を変更する必要があります。しかし、このデッキは新環境でも十分に活躍できる強さを持つデッキといえます。
《睡蓮の原野》《事件現場の分析者》《変容する森林》のループコンボを、筆者は先週末の『地域チャンピオンシップ予選』で実際に見る機会がありました。
公式の声明にもあるとおり、非常に複雑であり、デッキを理解しているプレイヤーが回していたとしてもかなり時間のがかかるコンボだったため、今回の判断は妥当だと思いました。
☆注目ポイント
複雑なコンボが解体され、《風景の変容》も抜け、従来のアミュレットタイタンに近いビッグマナ系の構成に戻っているようです。それでも、このデッキを正確にプレイすることは難しいため、使いこなすには研鑽が必要です。
《イリーシア木立のドライアド》がフル搭載され、《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》とのコンボで勝つことも可能です。
ほかにも《精力の護符》をコピーできる《マイコシンスの庭》も戻ってきており、《一つの指輪》が禁止で抜け、《緑の太陽の頂点》が入っている以外は2023年ごろの構成に似たものとなっています。
先の構成とのもう一つの違いは、『モダンホライゾン3』の存在です。
ボロスエネルギーでも取りあげたように、今後復権してくるであろう「続唱」デッキに効果的な《苛立たしいガラクタ》が重要なカードとなりそうです。
総括
今回の禁止改定はモダンに大きな変化をもたらしました。
ボロスエネルギーなどが序盤から終盤まで使え、除去やライフゲイン、アドバンテージ源、フィニッシャーとして1枚でほぼ完結していた《火の怒りのタイタン、フレージ》を失ったことは、今後のモダン環境にとって歓迎されそうです。また、アミュレットタイタンの複雑かつ時間のかかるコンボももう見る必要がなくなりました。
《暴力的な突発》の禁止解除はかなり思い切った判断だと思いますが、モダンの戦略の幅が広がることを期待できそうです。
満を持して禁止解除された《梅澤の十手》は、おそらく現代のモダンでかつてのような強さを発揮することは難しいと考えています。しかし、20年以上MTGをプレイしている筆者にとって大変懐かしいカードなのでうれしい変更です。USA Modern Express Vol. 156は以上になります。禁止改定後のモダンがどのような環境になるのか楽しみですね。それでは次回の連載でまた会いましょう。楽しいモダンライフを!
































