はじめに
みなさん、こんにちは。
テーブルトップでは『BIG MAGIC Open Vol.15』、Magic Online(以下、MO)では『Legacy Showcase Challenge』が開催され、禁止改定後のデータも集まってきました。
今回の連載では、上記イベントの入賞デッキを見ていきたいと思います。
『BIG MAGIC OPEN Legacy#1』 -優勝はアゾリウステンポ-
開催日:2026年8月22日
優勝 アゾリウステンポ
準優勝 セファリッド・ブレックファースト
3位 ディミーアムーンシャドウ
4位 エルドラージ
5位 エルドラージ
6位 ANT
7位 ウェルダー
8位 ドゥームズデイ
初日に開催された『BIG MAGIC OPEN Legacy#1』は、参加者375名と大盛況でした。
メタゲームブレイクダウンによると、今大会ではディミーアテンポが最大勢力で、プレイオフには最近結果を残している《月影》採用型が進出しています。
またディミーアテンポは、話題の新カード《真夜中の盗人、ビルボ》を最も強く使えるデッキとしても注目を集めていました。
セファリッド・ブレックファースト
セファリッド・ブレックファーストは、《セファリッドの幻術師》+《コーの遊牧民》または《手甲》とのコンボによってライブラリーのカードをすべて墓地に落とし、その過程で戦場に出た《ナルコメーバ》をコストに《戦慄の復活》を「フラッシュバック」して、《タッサの神託者》で特殊勝利するデッキです。
このデッキはコンボの圧力を掛けつつ、ミッドレンジとしても柔軟に立ち回ることができます。優秀な除去に加え、《真夜中の盗人、ビルボ》対策として強力な《カラカス》を採用できるため、現在の環境でも良い立ち位置にあるデッキです。
☆注目ポイント
《知りたがりの学徒、タミヨウ》は相手にとってマスト除去なので、ここに除去を使ってくれれば《セファリッドの幻術師》などのコンボパーツが生き残りやすくなります。
手掛かり・トークンは《ウルザの物語》の構築物・トークンを強化できるので、すぐにドローに変換せずにキープしておくというプレイングも選択肢のひとつです。
最近では《悪戯の神、ロキ》をフル搭載した型が主流になっており、このデッキの復権に貢献しているようです。
《コーの遊牧民》と組み合わせることによって、自分のターンと相手のターンに能力を誘発させることができ、大量のカードを引くことでキーカードの《セファリッドの幻術師》を引き当てやすくなります。
またこのデッキでは、《カラカス》で自身の《悪戯の神、ロキ》や《知りたがりの学徒、タミヨウ》を対象にするだけでもドロー可能です。メインから採用されている《大祖始の遺産》も、《悪戯の神、ロキ》と組み合わせることで繰り返し使えるドロー手段として活躍します。
『BIG MAGIC OPEN Legacy#2』 -2種類のダークデプスが決勝に-
開催日:2026年8月23日
優勝 土地単
準優勝 セレズニアデプス
3位 ラクドスリアニメイト
4位 カーンフォージ
5位 イゼットテンポ
6位 ディミーアムーンシャドウ
7位 アゾリウステンポ
8位 イゼットデルバー
日曜日に開催された『BIG MAGIC OPEN Legacy#2』は、参加者284名で行われました。
メタゲームは『BIG MAGIC OPEN Legacy#1』と同様に、ディミーアテンポ、イゼットテンポ、エルドラージがトップで、その次点でリアニメイトとなっています。
複数のテンポデッキがプレイオフに入賞するなか、決勝戦まで勝ち残ったのは「土地単」と「セレズニアデプス」で、どちらも《真夜中の盗人、ビルボ》を使ったテンポデッキと相性が良いアーキタイプです。
セレズニアデプス
セレズニアデプスは、《暗黒の深部》+《演劇の舞台》コンボによる《マリット・レイジトークン》や、《ウルザの物語》の構築物・トークンなどによるビートダウン、《壌土からの生命》+《不毛の大地》を使ったマナロックなど多角的な攻めができます。
アドバンテージを稼ぐ手段も豊富なため、テンポデッキなどフェアデッキ全般にとって対策が困難で、コンボ以外の多くのマッチアップに強い戦略です。
☆注目ポイント
スタンダードでは禁止カードになった《アナグマモグラの仔》ですが、レガシーではこのデッキやクレイドルコントロールなどで活躍しています。メインの戦略である《暗黒の深部》+《演劇の舞台》のコンボプランが実行しやすくなるため、このデッキのキーとなるクリーチャーです。
1ターン目《緑の太陽の頂点》から《ドライアドの東屋》をプレイすることで、2ターン目の《アナグマモグラの仔》から一気にマナ加速できます。
《ガドック・ティーグ》は《緑の太陽の頂点》でサーチできるヘイトベアーで、複数のコンボデッキやビッグマナデッキを締め出すことが可能です。
《マダラの鉤爪門》は《セジーリのステップ》と役割が似た土地で、《エルフの開墾者》や《輪作》からサーチすることで、クリーチャーを除去から守ったり、ブロッカーを排除したりできます。また、《マリット・レイジトークン》を布告系の除去から守ることも可能です。
《氷耕しの探検家》は墓地から土地をプレイすることができるので、基本でない土地に頼ったデッキを《不毛の大地》でロックすることができます。
『Legacy Showcase Challenge』 -コントロール vs. テンポ-
開催日:2026年8月22日
優勝 豆の木コントロール
準優勝 ディミーアムーンシャドウ
3位 ゴルガリPOX
4位 アゾリウステンポ
5位 オムニアルーレン
6位 ディミーアテンポ
7位 デス&タックス
8位 ラクドスリアニメイト
9位 ボロスエネルギー
10位 青トロン
11位 ディミーアテンポ
12位 ディミーアムーンシャドウ
13位 オムニテル
14位 オムニテル
15位 ドゥームズデイ
16位 イゼットデルバー
今回の『Legacy Showcase Challenge』は参加者182名で開催されました。ディミーアテンポが最も人気があったアーキタイプであり、同時に高い勝率も出していました。
ほかにはラクドスリアニメイトなどのコンボデッキや、禁止改定後に安定した勝率を残し続けているデス&タックスも健闘しています。
豆の木コントロール
今大会で決勝戦まで勝ち残ったのは豆の木コントロールでした。
マナ基盤は多色ですが、《力線の束縛》の「版図」を満たすためのもので、基本は白青タッチ緑になっています。フェッチランドから《ザンダーの居室》、《Savannah》とそろえば、序盤から1マナで《力線の束縛》をプレイできるようになります。
《真夜中の盗人、ビルボ》を使ったテンポデッキがポピュラーな現在では、優秀な除去にアクセス可能で《豆の木をのぼれ》によってアドバンテージも稼げるこのデッキは、良い立ち位置にあります。
☆注目ポイント
《豆の木をのぼれ》は、1枚でも場に出ていればゲームを有利に進めることができます。
《力線の束縛》はキャントリップ付きの除去となり、《意志の力》はアドバンテージを失わないピッチカウンターへと変わります。そのため、《濁浪の執政》をプレイしつつ《意志の力》でバックアップするというプランも実行しやすくなりました。
さらに、《量子の謎かけ屋》とも相性が良く、組み合わせることで複数枚のカードをドローすることができます。こうした本来カードアドバンテージを失いやすい呪文の弱点を補いながら、テンポを維持できる点が大きな魅力です。
《溌剌の牧羊犬、フィリア》は《量子の謎かけ屋》との組み合わせ以外にも、《豆の木をのぼれ》を追放してドロー能力を再利用したり、《力線の束縛》をブリンクして追放するパーマネントを変更したりと、さまざまな使い方ができます。
さらに、《虚空の杯》を一時的に追放して妨害をかいくぐるほか、相手の《月影》や《濁浪の執政》をブリンクしてサイズをリセットしたり、変身した《知りたがりの学徒、タミヨウ》をブリンクしてクリーチャーの状態に戻したりすることも可能です。状況に応じて攻めにも妨害にも使える、非常に器用なカードです。
サイドの《聖カトリーヌの凱旋》は伝説でない非青クリーチャーなので、《カラカス》や《紅蓮破》が効かず、《致命的な一押し》など多くの除去に耐性がある優秀なクリーチャーです。
《安らかなる眠り》はリアニメイトなどには少し遅い墓地対策になりますが、最近活躍しているディミーアムーンシャドウなどフェアデッキとのマッチアップで有効なカードです。
ディミーアムーンシャドウ
普通のディミーアテンポと違って、このバージョンは《月影》と《ネザーゴイフ》という2種類の強力な1マナ域をハンデスとカウンターでバックアップすることで、ゲームを速やかに終わらせることができます。
序盤から黒と青のスペルを両方複数回プレイしたいデッキなので、基本土地は0枚で《Underground Sea》4枚に加えて《湿った墓》も採用されているマナ基盤になっています。
そのため、《血染めの月》を使う赤単ストンピィや《不毛の大地》を《壌土からの生命》で使いまわしてくる土地単などは不利なマッチアップになります。
☆注目ポイント
《真夜中の盗人、ビルボ》は墓地の《没頭》や《ミシュラのガラクタ》など、さまざまなスペルを再利用できるので中盤以降の強力なアドバンテージ源になります。回避能力を持たない2/2ですが、再利用したドロースペルや《没頭》から除去を引き当てられる可能性もあります。
《ミシュラのガラクタ》を使いまわして毎ターンドローしつつ、《月影》を強化する動きが強力です。
除去を多用するデッキ対策として、サイドに《悪夢滅ぼし、魁渡》が採用されています。《イス卿の迷路》が効かず、《マリット・レイジトークン》も止めることができるため、テンポデッキにとって苦手なマッチアップである土地単にも有効です。
また、墓地対策である《安らかなる眠り》を置かれてしまうと、《月影》や《真夜中の盗人、ビルボ》など、このデッキの主要な勝ち手段のほとんどが無力化されるため、影響を受けない《悪夢滅ぼし、魁渡》はその点でも優秀です。
クリーチャーが横に並ぶエネルギーデッキは不利なマッチアップなので、《虐殺》が2枚サイドに採られています。展開を遅らせることなくプレイでき、ソーサリーなので《ネザーゴイフ》の強化や《没頭》の条件も満たしやすくなります。
総括
《真夜中の盗人、ビルボ》を強く使えるテンポデッキ、特にディミーアムーンシャドウの人気が高く、今回取り挙げたすべてのイベントで結果を残していました。
そのディミーアテンポに強い豆の木コントロールやアゾリウステンポといった白いデッキは良い立ち位置にあり、それぞれ紹介したイベントで優勝しています。ここからどんなメタゲームになっていくでしょうか。今後の動向にも注目です。
USA Legacy Express vol.282は以上になります。それでは次回の連載でまた会いましょう。楽しいレガシーライフを!


















































