はじめに
みなさんこんにちは。
来週の9月22日(火)には『第34期レガシー神挑戦者決定戦』、10月29日~11月1日には『Eternal Weekend 北アメリカ』などレガシーのテーブルトップのイベントが充実しています。
さて、今回は『SCG CON』で行われた3つのレガシーイベント、『$1K Legacy – SCG CON Baltimore – Friday』『$1K Legacy – SCG CON Baltimore – Saturday』『$1K Legacy – SCG CON Baltimore – Sunday』の入賞デッキを見ていきたいと思います。
『$1K Legacy – SCG CON Baltimore – Friday』-レガシーでも強いエネルギー-
開催日:2026年9月11日
優勝 ボロスエネルギー
準優勝 イゼットデルバー
3位 ディミーアムーンシャドウ
4位 アゾリウステンポ
5位 スゥルタイミッドレンジ
6位 ティムールデルバー
7位 土地単
8位 白単イニシアチブ
先週末の9月11日(金)からアメリカ、ボルチモアで開催された『SCG CON』では、9月13日(日)まで連日総額1000ドルの賞金が出るレガシーのテーブルトップイベントが行われました。
金曜日のイベントで優勝をおさめたのは、モダンのみならずレガシーでもすでに定番のデッキの一つとなったボロスエネルギーでした。
ボロスエネルギー
モダンで活躍しているボロスエネルギーと同様に、《魂の導き手》や《オセロットの群れ》といった『モダンホライゾン3』の強力な1マナクリーチャーによって成立しているアーキタイプです。
デス&タックスなどを除くと、レガシーの青をベースとしない非コンボデッキは、土地単やストンピィ系やビッグマナ系が定番でした。しかしエネルギー系デッキは、レガシーでは数少ない純粋なアグロデッキです。
青を含まないためコンボを苦手としますが、《魂の導き手》と《オセロットの群れ》のコンビによってトークンが並ぶので、単体除去が中心のイゼットテンポやディミーアテンポなど青いフェアデッキはお得意様。コントロールしているプレイヤーのターン中のアクションを封じる《勝利の楽士》のおかげで、フェアデッキ全般に強く出ることができます。
テーブルトップのようなフェアデッキが多くなる傾向のメタではいい立ち位置にあるデッキといえます。
特に純正のボロスバージョンは、おおむね《Plateau》以外は再録禁止カードを採用していないため、これからレガシーを始めたいという方にもおすすめできるデッキの一つです。
☆注目ポイント
《勝利の楽士》の「応召」で生成される2体の戦士・トークンは、攻撃している状態で場に出るので《老練の学匠、タミヨウ》の[+2]能力の影響を受けません。
レガシーでは、モダンで禁止になっている《色めき立つ猛竜》や《火の怒りのタイタン、フレージ》も使用できます。
《色めき立つ猛竜》はこのデッキのアドバンテージ源です。デッキ内のカードのほとんどすべてがマナ総量が1~2なので、対戦相手の場にクリーチャー、パーマネントがない状態で《剣を鍬に》や《静牢》のような除去が捲れない限り、ほぼ確実にアドバンテージを得られます。
《火の怒りのタイタン、フレージ》は、レガシーでは少し遅いため採用されることの少ないカードですが、フェアデッキの多いテーブルトップでは活躍が期待できそうです。
このデッキは《オセロットの群れ》や《勝利の楽士》《砂の斥候》などトークンを生成する手段が多いので、比較的容易に《ベラドンナ・トゥック》を複数回誘発させること可能です。《ベラドンナ・トゥック》は、このデッキの新たなアドバンテージエンジンとして機能しそうです。
《意志の力》のようなカウンターが使えないため、コンボに対してはコンボを決められる前に勝つ必要があります。しかし、TESなど高速コンボデッキにはメインは何もできずに負けてしまうこともあります。そのためサイドに4枚採用された《耳の痛い静寂》などで相手を減速させて時間を稼がなければなりません。《耳の痛い静寂》は《実物提示教育》系などにもある程度の効果が望めます。
《封じ込める僧侶》は、リアニメイトだけでなく《実物提示教育》系も対策できるなど、複数のマッチアップで活躍するため白を使うならおすすめのヘイトベアーです。
『$1K Legacy – SCG CON Baltimore – Saturday』 -フェアデッキが人気のテーブルトップレガシー –
開催日:2026年9月12日
優勝 デス&タックス
トップ4 TES
トップ4 ディミーアムーンシャドウ
トップ4 イゼットテンポ
5位 ラクドスリアニメイト
6位 アゾリウステンポ
7位 クレイドルコントロール
8位 アゾリウステンポ
土曜日に開催されたイベントのプレイオフも、ディミーアテンポやイゼットテンポ、アゾリウステンポといったフェアデッキが中心でしたが、TESやリアニメイトといったコンボも見られました。
ラクドスリアニメイト
Magic Online(以下、MO)でも人気のリアニメイトは、現環境で最も速いコンボデッキの一つです。一度ファッティを墓地に落としてしまえば《再活性》や《浅すぎる墓穴》《動く死体》といったリアニメイト手段が複数用意されているため、多くのオールインコンボと異なり、妨害に対する耐久性もある程度備えています。
墓地を使ったコンボデッキなので、当然墓地対策が弱点になります。そのため、サイドボードには墓地を使わずにファッティを場に出す手段や、追加の勝ち手段を採用していることがほとんどです。デッキリスト非公開のイベントでは読み合いが発生するポイントになります。
主流となっているのは《実物提示教育》のためのタッチ青。そのほかには《ウィザーブルームの初学者》+《煙霧の連鎖》コンボのためのタッチ緑などプレイヤーやメタによって個性が出ます。
☆注目ポイント
《トラブルメーカー、ラフとマイキー》は、ほかのファッティを一緒にたたきつけることで速やかにゲームを終わらせることができます。しかし、除去耐性もないうえ、伝説のクリーチャーなので《カラカス》も効いてしまうため安定性に難があります。
また、誘発で《トラブルメーカー、ラフとマイキー》が捲れてしまうとレジェンド・ルールによって片方は墓地に落ちてしまうので、ほかのクリーチャーと異なりわずか1枚の採用になっています。
サイドのカードはリアニメイトプランの妨害を対策する手段と、追加のハンデスなどでまとめられています。
《削剥》は、主に《封じ込める僧侶》や《墓掘りの檻》といった対策カードを処理する手段になります。
《殺し》は《削剥》より範囲が狭くなるものの、ピッチコストでプレイできるので相手がリアニメイトスペルに対応して出してきた《封じ込める僧侶》を対処しやすい除去です。
《実物提示教育》は《封じ込める僧侶》を除くほとんどの墓地対策を回避できるためリアニメイトにとって安定した追加の選択肢になります。
《要塞の計略》は《実物提示教育》よりも軽いコストでプレイできる踏み倒し手段ですが、このカードをサイドインしたいデッキのほとんどが何かしらのクリーチャーを採用しているためハンデスなどと組み合わせる必要があり、やや不安定なところがネックです。
『$1K Legacy – SCG CON Baltimore – Sunday』 -コントロールデッキが復権-
開催日:2026年9月13日
優勝 豆の木コントロール
準優勝 ウェルダー
3位 ボロスエネルギー
4位 ディミーアムーンシャドウ
5位 土地単
6位 ボロスエネルギー
7位 ディミーアムーンシャドウ
8位 豆の木コントロール
日曜日に開催されたイベントのプレイオフも、トップメタのディミーアムーンシャドウや豆の木コントロールといったフェアデッキが中心でした。さらに土地単やボロスエネルギーといったフェアデッキに強いデッキも複数勝ち残っていました。
豆の木コントロール
《豆の木をのぼれ》と、それを誘発させることができる《意志の力》《力線の束縛》、そして「ワープ」でプレイできる《量子の謎かけ屋》を利用してアドバンテージを稼ぎつつ相手のプランを妨害する多色コントロール。
多色とされていますが、ベースは白と青で、緑の《豆の木をのぼれ》と黒の《オークの弓使い》をタッチした形になります。
《剣を鍬に》や《力線の束縛》といった優秀な除去にアクセス可能で、アドバンテージを稼ぐ手段も豊富です。
さらに、何度も墓地から復活可能な《自然の怒りのタイタン、ウーロ》をフィニッシャーとして採用しているため、各種テンポデッキに強いデッキです。コンボが多いMOでは少数ですが、フェアデッキが多くなる傾向にあるテーブルトップでは有力な選択肢になります。
☆注目ポイント
《量子の謎かけ屋》は《豆の木をのぼれ》との相性が抜群で、このデッキのアドバンテージ源かつフィニッシャーです。
《オークの弓使い》はマッチアップによって強さにバラつきがあるクリーチャーですが、対戦相手の《オークの弓使い》に対抗する最良の手段のため採用する価値はあります。
イゼットテンポやディミーアテンポが多いメタなので《バロウゴイフ》もメインから採用されています。さらに、《バロウゴイフ》の誘発型能力は《自然の怒りのタイタン、ウーロ》のために墓地を肥やす手段にもなります。
リアニメイトや《実物提示教育》系など複数のデッキに有効なヘイトベアーの《封じ込める僧侶》を採用しているため、墓地対策に多くの枠を割く必要がなく、全体除去を複数枚入れる余裕があります。
《空の怒り》は、このデッキにとって厄介な《ウルザの物語》を含めた置物もまとめて流すことが可能です。さらにボロスエネルギーに対して効果的な《虐殺》も採用されています。
ウェルダー
親和のように、《ピナクルの特使》から軽いアーティファクトを連打してトークンを大量に生み出し圧をかけつつ、《ゴブリンの溶接工》+《監視亀ラ》のコンボで勝つこともできるデッキです。
《虚空の力線》など一部を除いた墓地対策や除去など、妨害にも耐性があります。
コンボの例として《ゴブリンの溶接工》+《監視亀ラ》+《軍団の成形機械》で無限ダメージ、《ゴブリンの溶接工》+《監視亀ラ》+《オパールのモックス》またはアーティファクト土地によって無限マナを得ることができます。そこに召喚酔いの解けた《湖に潜む者、エムリー》がいれば、《監視亀ラ》を使いまわして好きなだけドローすることもできるようになります。
コンボパーツをライブラリーから探して墓地における《ゴブリンの技師》のおかげで再現性があります。脅威を展開しつつアドバンテージを稼ぎ、相手が隙を見せたらコンボを始動することが可能です。
☆注目ポイント
コンボパーツである《監視亀ラ》は、戦場に出たときと離れたときに相手のクリーチャーをタップできるため、クロックを止めることで時間稼ぎにも使えます。
《栄光の闘技場》は《ゴブリンの溶接工》や《ゴブリンの技師》に速攻を付与することができるため、相手が予想していないタイミングでコンボを発動させることが可能です。
《ウルザの物語》は墓地対策や《無のロッド》を置かれた際の追加の勝ち手段としても機能します。
マナアーティファクトが複数並ぶこのデッキの構築物・トークンは1体でも十分ゲームに勝てる脅威となります。
もちろんコンボパーツもサーチ可能。《スケートボード》で《ゴブリンの溶接工》に速攻を付与することもできます。
《軍団の成形機械》はコンボ以外でも除去としても機能し、《ゴブリンの溶接工》と組み合わせることで再利用も可能です。ほかのアーティファクトを無色のゴーレムに変換することもできるため《ピナクルの特使》や《ウルザの物語》とともにビートダウンプランを実行しやすくなります。
総括
9月11日~13日にかけて開催されたレガシーイベントの結果を見ていきましたが、MOと比べると、テーブルトップではフェアデッキが人気です。
そして、フェアデッキ全般に強く出ることができるボロスエネルギーも人気を集めています。ほとんどのパーツがモダンと一緒なためデッキが組みやすいことも人気の理由だと思われます。
ディミーアテンポはオンライン、テーブルトップともに最もポピュラーなデッキで、安定した成績を残し続けています。
なかでも《月影》と《真夜中の盗人、ビルボ》を採用した構成が特に人気で、『第34期レガシー神挑戦者決定戦』や『Eternal Weekend』でも最有力候補の一つになることが予想されます。
USA Legacy Express Vol. 283は以上になります。それでは次回の連載でまた会いましょう。楽しいレガシーライフを!






















































