ミシックチャンピオンシップ・ロンドン2019のドラフトラウンドで、3-0を達成したアーキタイプが集計された。どのカラーが好まれ勝ち上がったのか、その内訳をみていこう。
アーキタイプ | 3-0達成者数 |
---|---|
ディミーア(青黒) | 12 |
イゼット(青赤) | 9 |
セレズニア(白緑) | 6 |
ラクドス(黒赤) | 4 |
ナヤ(白赤緑) | 4 |
バント(白青緑) | 4 |
グルール(赤緑) | 3 |
オルゾフ(白黒) | 3 |
スゥルタイ(青黒緑) | 3 |
5色 | 3 |
シミック(青緑) | 2 |
ボロス(白赤) | 2 |
グリクシス(青黒赤) | 2 |
アブザン(白黒緑) | 2 |
アゾリウス(白青) | 1 |
ゴルガリ(黒緑) | 1 |
エスパー(白青黒) | 1 |
ジャンド(黒赤緑) | 1 |
4色 | 1 |
その他 | 0 |
この表から『灯争大戦』環境を読み解くいくつかのポイントがわかるかもしれない。順を追ってみていこう。
2色が主流
前回までの『ラヴニカのギルド』、『ラヴニカの献身』環境から一転、各種ギルド門やロケットが収録されていないことから綺麗に3色以上のデッキを組み上げるのが困難になっているのではないだろうか。
3-0した人数を上から見ていっても、ディミーア・イゼット・セレズニアと上位を2色デッキが占めている。ギルド門シナジーがなくなったことで多色化するメリットが薄れたのも一因かもしれない。
もし3色以上のデッキを組む際は、それに見合ったカードを採用できているか一度振り返ってみるのもいいだろう。
グリクシスカラーがカギとなる…?
表をよく見ると、ディミーア・イゼット・ラクドスとグリクシス関係のギルドの勝率が非常に高い。特にディミーアは抜けて3-0達成者が多い。流石はニコル・ボーラスにフィーチャーしたセットといったところか。
この環境の特徴として、多数存在するプレインズウォーカーによって独特の速度感が生まれていることが挙げられる。
プレインズウォーカーや「動員」といったシステムはアグロデッキに強く、この環境ではアグロデッキは勝ちにくい。しかし、序盤にアクションを起こせないと多数収録されているプレインズウォーカーに干渉できず負けてしまうのだ。
つまりは、アグロは弱いが序盤のクリーチャーがいないとプレインズウォーカーに圧倒されてしまう、それでいて遅く重めの環境であるという何とも独特な環境ということだ。
そこでグリクシスカラー、特にディミーアの真価が発揮されているわけだ。
ディミーアには環境に合った優秀なコモンカードが多い。例えば《エイヴンの永遠衆》は飛行を持っているため、序盤のプレインズウォーカーへのけん制として最適なうえに、「動員」によって自身のプレインズウォーカーを維持するのにも重宝する。
また、青黒という組み合わせはアドバンテージを取る手段に長けているので、遅い環境に非常にマッチしている。《負傷者の手当て》や《タミヨウの天啓》などはコモンでありながら同型で差をつける1枚になりうるだろう。
そして、ディミーアにはアンコモンも含めプレイアブルなプレインズウォーカーが多いことも強みである。たとえば、同型戦でフィニッシャーとなりえる《夢を引き裂く者、アショク》、《覆いを割く者、ナーセット》や安定したパフォーマンスの《謎めいた指導者、カズミナ》などだ。もちろん、レアや神話レアのプレインズウォーカーは言うまでもなく強いものが多い。《神秘を操る者、ジェイス》や《戦慄衆の将軍、リリアナ》などからディミーアを始められれば、願ったりかなったりだろう。
まとめ
今回のミシックチャンピオンシップ・ロンドン2019では、ディミーアが勝ち組だった。皆さんがドラフトをする際は、この流れに乗りディミーアを試すもよし、その他の色の活路を見出すためにチャレンジするのもよしだ。
なにせ、まだ発売すらしていない『灯争大戦』のドラフト。開拓の余地は存分に残されている。『灯争大戦』の発売を楽しみにしつつ、最後までミシックチャンピオンシップの行く末を見届けよう。