MTGアリーナ1位が語る!ドラフト上達法

Jeremy Dezani

Translated by Ryosuke Igarashi

原文はこちら
(掲載日 2019/05/17)

皆さん、こんにちは。最近、MTGアリーナのミシックランクで、4月を1位で終えることができました。

とても誇らしいですし、1位の座というのはかなり素敵な気持ちになります。自分はMTGアリーナで一番のリミテッドプレイヤーだ!と言えるわけですからね……素晴らしいことです。

さて、今回の記事では、リミテッドで成功したい方々へいくつかアドバイスをしようと思います。

1. しっかりと戦略を持ってドラフトを始めよう

ドラフトをするときは、パックを開ける前から自分の組みたいアーキタイプを考えています。

精神壊しの罠巧みな軍略

大抵の場合、平等なセットというものはなく、いくつかのアーキタイプが優れていることになります。「自分はどのアーキタイプでも歓迎だ」なんて言う人は、間違いなく練習不足ですね。リミテッドを調整する際の目標としては、セットのコンセプトの弱点を見抜き、避けるべき罠、そして最も参入しやすく、そのうえ強い戦略を調べることですね。

1位を取るためには、3つの環境でドラフトしなければいけませんでした。これらの環境では、以下の決まりに従っていましたね。

睡眠癒し手の鷹不正相続

2. 過小評価されているカードを知ろう

ここに、MTGアリーナと紙でのドラフトとの大きな違いがあります。 MTGアリーナではボットとドラフトすることになるのですが、実際のプレイヤーと異なり、共にドラフトをしているプレイヤーや、彼らの上達により、カードの評価が変化する……ということがないのです。現実では、卓についたプレイヤーたちはカードの評価が異なりますし、今週正しかった考えが来週は間違っているなんてこともあります。どのみち、MTGアリーナではこの弱点を活用すべきですね。

例として、MTGアリーナのボットが全くピックしないカードを挙げてみましょう。

3. 構築同様、リミテッドにもマッチアップでの相性がある

ドラフトにも、他のアーキタイプに強いアーキタイプ、というものは存在しています。最も強力、または人気のアーキタイプを把握したら、それに強いアーキタイプを探すのが大事です。例として、3つのフォーマットでの最強デッキと、それに強い……カウンターデッキを紹介しましょう。

『基本セット2019』

英雄的援軍威厳ある血王

赤白というカラーリングでは、カードアドバンテージを得ることができません。序盤に攻め立て、ライフをなんとか削り切りゲームを終わらせようとするだけですからね。ライフを得て、序盤のクリーチャーをブロックするだけで、この戦略を崩壊させることができます。このセットには黒と白に多くのライフゲインカードがありますから、オルゾフはまさにハマり役でしょう。

『ラヴニカのギルド』

ボロスの挑戦者ケンタウルスの仲裁者

セレズニアのクリーチャーはサイズが大きく、ライフを得つつも攻撃することができます。ボロスは「教導」という、クリーチャーを育てるために攻撃しなければならない能力を軸としているので、守りに回っていると非常に弱いのです。しっかりブロックできる盤面を構築するのがカギです。飛行クリーチャーも対処する必要があるのですが、セレズニアなら心配ないですね。

『ラヴニカの献身』

不正相続ドビンの鋭感

アゾリウスカラーなら、より多くのカードアドバンテージを稼ぎ、オルゾフコントロールを押しつぶすことができます。オルゾフはアグロデッキに対して強く、そのため、よりコントロールに寄ったデッキには弱くなっているのです。このマッチアップで唯一注意すべきカードは《不正相続》ですね。《解呪》系のカードを採用するか、こちらも《不正相続》をタッチしましょう。

4. これらの法則をどう『灯争大戦』に当てはめるか?

完全に確信するにはちょっと早いですが、この環境での戦略について書いていきましょう。

まずは、ピックの優先度を紹介します。

『灯争大戦』では、アグロ戦略はコントロールよりも劣っていると確信しています。どのアーキタイプを組むにしろ、終盤に強いデッキにしなければいけません。カードアドバンテージを得るなり、「増殖」で巨大なクリーチャーを作るなり……。

今回の黒は、なんと青以上にコントロールに向いている色です。多くの除去を擁し、「動員」カードはどれもアグロデッキに対し非常に効果的ですからね。また、赤の火力呪文は「動員」デッキにあまり効果的ではないですね。

侵略の代償退路無し

今現在、《侵略の代償》《退路無し》はその実力ほどにはピックされていないように思えます。この2枚は爆弾レアに対して非常に強力です。特にこのセットでは、爆弾レアが本当に狂った強さをしていますからね。

以下のようなデッキを組みたいところですね。レアは入っていませんが、もちろんあるとより良いです。

Sample Deck

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カズミナの変成裏切りの対価

有用なサイドカードをピックすることも非常に大切です。「神」の対策となる《カズミナの変成》や、プレインズウォーカーを対処できる《裏切りの対価》を取っておきましょう。また、コントロールミラーではアドバンテージを生み出せるカードも大事ですね。

まとめ

まとめになりますが、環境を完全にマスターするには、どのみち練習あるのみです。

皆さんが少しでもこの記事から学んで、将来のドラフトに生かせることを願っています。

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

ジェレミー・デザーニ(TwitterTwitch

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Jeremy Dezani 2013-2014年シーズンのプレイヤー・オブ・ザ・イヤー獲得プレイヤー。 プロツアー『テーロス』では、「青単信心」を使いこなし見事優勝の栄冠に輝いた実績を持つ。グランプリのトップ8入賞回数は14回にも上り、優勝3回、準優勝4回を記録している。 海外のプレイヤーとしては初のHareruya Pros加入となる。 Jeremy Dezaniの記事はこちら