Translated by Ryosuke Igarashi
(掲載日 2019/06/27)
ミシックチャンピオンシップⅢに向けて
グランプリ・カンザスシティ2019でエスパーコントロールを使っていたのですが、このデッキは非常に堅実な一方で、まだ改善の余地が残されているように感じました。そこでミシックチャンピオンシップⅢへの調整の助けになるかと思い、MTGアリーナでミシックランクへの道を歩み始めました。少なくともそれぐらいはやっておくべきでしょうからね。
I'm playing this in Kansas City
— Greg Orange (@orange_greg) 2019年5月31日
So if you're my opponent keep that in mind pic.twitter.com/3NwpDqfxYc
「カンザスシティで使う予定のデッキ。対戦するときの参考にどうぞ。」
まずは以前にも使ったエスパーコントロールから。手札を整えるカードがそこまで多くないものの、土地と呪文をいい塩梅で引くことができれば素晴らしいものでした。しかし、6マナのプレインズウォーカーたちや《ウルザの後継、カーン》には少しがっかりしましたね。
とはいえ、《覆いを割く者、ナーセット》や《時を解す者、テフェリー》の影響により《薬術師の眼識》と《吸収》が価値を落としている現状では、代わりに何を入れるべきか全く思いつかなかったのです。
するとグランプリ・台北2019のエスパーコントロールのリストを見つけ、似たようなリストを試してみようとしました。グランプリ・カンザスシティからの大きな変更としては、《聖堂の鐘憑き》と《戦慄衆の指揮》が加わったことですね。
《聖堂の鐘憑き》に関しては、実際に使用してみるまで少し懐疑的な見方をしていましたが、今の環境において非常に有用なカードでした。3/4というボディは《世界を揺るがす者、ニッサ》のエレメンタルたちを受け止めてくれますし、ライフを得ることで《戦慄衆の指揮》も使いやすくなります。戦場に出たときに誘発する効果があるので、《時を解す者、テフェリー》にただバウンスされるだけにもなりませんし、同じく《覆いを割く者、ナーセット》にも弱くないカードです。この型のエスパーコントロールは感触が良く、あっという間にミシックランクへ到達することができました。
デッキリストと大会結果
1 《沼》
4 《神無き祭殿》
4 《神聖なる泉》
4 《湿った墓》
4 《水没した地下墓地》
4 《氷河の城砦》
4 《孤立した礼拝堂》
-土地 (26)- 3 《聖堂の鐘憑き》
-クリーチャー (3)-
2 《喪心》
2 《古呪》
1 《渇望の時》
1 《肉儀場の叫び》
3 《ケイヤの怒り》
2 《戦慄衆の指揮》
1 《アズカンタの探索》
3 《ケイヤの誓い》
4 《覆いを割く者、ナーセット》
4 《時を解す者、テフェリー》
4 《ドミナリアの英雄、テフェリー》
-呪文 (31)-
ミシックチャンピオンシップⅢに向け、最終的に落ち着いたリストがこちらになります。特に面白いところもないエスパーコントロールですね。大会では、開幕から6-0というロケットスタートを決め、唯一の全勝で初日を終えることができました。ただ、残念ながらそこで運が尽きてしまったようで……2日目は2連敗してしまい大会を終えました。とはいえ、今回の成績には満足していますし、次のMTGアリーナでのミシックチャンピオンシップへの出場権も得ることができて嬉しいですよ。
Congratulations to @orange_greg, @kaibudde, @raphlevymtg, and Matias Leveratto (someone get him a Twitter)! 🎉🎉
— Magic Esports (@MagicEsports) 2019年6月22日
These 4 challengers have earned themselves an invite to the next Arena Mythic Championship (#MythicChampionshipV)! pic.twitter.com/JSI5ggFvZ8
「グレゴリー・オレンジ、カイ・ブッディ/Kai Budde、ラファエル・レヴィ/Raphael Levy、マティアス・レヴェラット/Mattias Leveratto、おめでとう!この4人の挑戦者は、次回のMTGアリーナミシックチャンピオンシップへの招待権を獲得しました!」
サイドボードガイド
ミラーマッチ
対 ミラーマッチ
《第1管区の勇士》
2枚しか採用していないのは少し奇妙に思えるかもしれませんね。ですが、個人的に4枚採用するか、それとも0枚かという類のカードはほとんど存在しないと考えています。それに《第1管区の勇士》は複数枚引きたくないカードですしね。今回はデッキ公開制の大会だったため、クリーチャー除去の入ったデッキにサイドボーディングを少し悩ませたいという狙いもありました。
エスパーヒーロー
対 エスパーヒーロー
サイドボーディングが少々難しいマッチアップですね。相手のクリーチャーへの解答を保ちつつも、多くのプレインズウォーカーと戦えるようにバランスよくサイドボーディングするのがカギです。
赤単
おそらく、現環境で最も戦いやすい相手ではないでしょうか。《聖堂の鐘憑き》はこのマッチアップのためだけに採用されたわけではありませんが、非常に輝くマッチアップです。序盤に押し切られず、《実験の狂乱》への解答さえ用意できればいいでしょう。まさにエスパーコントロールの得意とするところですね。ライフゲインの総量を考えると、火力呪文に焼き切られることもめったにありません。
対 赤単
《灯の燼滅》
《実験の狂乱》への解答は十分用意しておく必要がありますからね。問題になりうる《炎の職工、チャンドラ》にも対処することができます。
《無頼な扇動者、ティボルト》
合理的なサイドボードカードですが、そこまで気に留めなくてもいいでしょう。トークンは《肉儀場の叫び》や《ケイヤの怒り》で吹き飛ばされることが多く、常在型能力もちょっと不便なだけです。
白単
赤単より少し恐ろしい相手ですね。こちらに利があるとは思いますが、赤単よりも危険な要素が断然多いのです。赤単が最も恐ろしくなるのはクリーチャーを大量に展開してきたときなのですが、それに長けているのが白単ですからね。クリーチャーの質が良く、あまり役に立たない火力呪文を採用していないという強みがあります。
対 白単
《覆いを割く者、ナーセット》
[-2]能力を2回起動できることは少なく、常在型能力も白単相手には役に立ちません。とはいえ、《ケイヤの怒り》や《肉儀場の叫び》に向けてデッキを掘り進められるのは素晴らしいですね。1~2枚残しておくのが妥当でしょう。
イゼットフェニックス
まさに五分五分のマッチアップでしょう。《覆いを割く者、ナーセット》は非常に強力なものの、戦場に残しておくことが難しい展開もあります。勝つにしろ負けるにしろ一方的な試合になることが多いですが、強力なカードが多いフォーマットですから仕方ありませんね。
対 イゼットフェニックス
《人質取り》
相手が《魔術遠眼鏡》を採用している場合に、良い解答になります。
《聖堂の鐘憑き》
このマッチアップではほとんどブロックできませんが、プレインズウォーカーが採用されているかもしれません。攻撃できるのは大事ですね。
バントランプ
このマッチアップも比較的五分五分といえるでしょう。《ケイヤの怒り》がかなり刺さることが多いですね。《思考消去》で相手の(X)マナ呪文や《世界を揺るがす者、ニッサ》などを落としてしまえば、それが決定打になり得ます。
対 バントランプ
《肉儀場の叫び》
様々なマナクリーチャーにとても効果的ですね。全体除去呪文は呪禁を持つクリーチャーでも問題なく対処できるため、特に《楽園のドルイド》に対して有効な1枚です。
《灯の燼滅》
《世界を揺るがす者、ニッサ》、そして《不滅の太陽》への重要な解答です。
スゥルタイ《戦慄衆の指揮》
どちらのデッキも《戦慄衆の指揮》を唱えることができますが、そのために緑のクリーチャーをたくさん採用する必要はないのです。
対 スゥルタイ《戦慄衆の指揮》
シミックネクサス
このマッチアップは複雑な気持ちになりますね。《覆いを割く者、ナーセット》や《時を解す者、テフェリー》は非常に強力なのですが、その一方で相手にはコンボを揃えるまで十分な時間がありますし、《爆発域》でこちらの3マナプレインズウォーカーを除去することもできます。
対 シミックネクサス
《灯の燼滅》
《荒野の再生》や《伝承の収集者、タミヨウ》、《世界を揺るがす者、ニッサ》に加えサイドボードの《生体性軟泥》まで全て対処することができます。このマッチアップでどれほど強力なカードなのか、声を大にして伝えたいですね。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
グレゴリー・オレンジ (Twitter)