前大会トップ8!ティエン・ヌウェン選手が見据える未来とは!

晴れる屋メディアチーム

プロツアーサンデー。それはマジックプレイヤーであれば誰もが夢見るであろう舞台。

前回、ミシックチャンピオンシップ・ロンドンでその夢の舞台に足を踏み入れるという偉業を成し遂げたプレイヤーがいる。

それがティエン・ヌウェン/Thien Nguyenだ。

偉業を成し遂げた者は達成感に包まれるのも束の間、次の大会が訪れればそれは「次も勝たなければならない」というプレッシャーに姿を変える。

次のマジック・プロリーグ入り、周囲の期待、様々な要素が重くのしかかるはずだ。だが、彼は会場でスタッフが声をかけるとそんなプレッシャーや不安を感じさせない笑顔で応えてくれた。

成し遂げた者のこれまでとこれから。何を考え見据えているのか、彼は赤裸々に語ってくれた。


改めまして、前回のMCトップ8おめでとうございます!入賞を経て、なにか生活やマジック面に変化はありましたか?

私生活では何も変わりありません。マジックに関わりのない友達たちは僕にとってトップ8に入賞したことが意義のあることだとわかってくれましたが、事の重大さは理解できていませんでしたね。

マジックに関しては今までより打ち込むようになりました。ミシックチャンピオンシップ・ロンドン2019は私にとって最初で最後のミシックチャンピオンシップだと思っていましたが、トップ8に入ってバルセロナとリッチモンドの大会の参加資格を獲得できたので、マジックに使う時間も倍にしたのです。

マジックを始めたのはいつ、どのセットですか? また、マジックを知ったきっかけを教えてください。

衝合

2008年に始めました。友達がエレメンタルのカードを何枚かプレゼントしてくれて、かっこいいなと思ったのです。それから『コンフラックス』のドラフトを大学でやる機会があり、それが素晴らしい体験となりました。2009年にはドラフトを普段から行うようになって、そのうちスタンダードで黒赤バーンと5色コントロールで遊ぶようになったのです。

禁止改定を受けて、モダン環境にどういった印象をもちましたか?また、環境がどう変化していくと予想しましたか?

最高工匠卿、ウルザ精神を刻む者、ジェイス弧光のフェニックス

モダンはいつだって予測することが難しいフォーマットです。《黄泉からの橋》の禁止により、多くのデッキを同じレベルに並べることができたのではないでしょうか。ミシックチャンピオンシップではウルザソプター青白コントロール、そしてフェニックスが多いと予想しています。

タイタンシフトは今のメタゲームでも活躍できると思いますか?今のメタゲームに合わせて、デッキリストになにか変化を加えたいところはありますか?

タイタンシフトは現在のメタゲームで素晴らしい立ち位置にいると思いますが、調整次第ではいつの時代も優位を築くことができると考えています。みなさんが思っている以上に、私は世に出回っているデッキリストを参考にして調整しているのです。おそらく今回はロンドンで使ったものと似たメインデッキを使うと思います。サイドボードは大きく手を入れることになるでしょう。

真髄の針活性の力

《真髄の針》は今の環境で強いですし、《活性の力》《最高工匠卿、ウルザ》デッキやその他《オパールのモックス》デッキを妨害する手段として有効です。ジャンド、人間、トロンはタイタンシフトが最も得意とする相手なので、こういったデッキが多いメタゲームだと嬉しいですね。

今回のMCではどんなことを意識して練習に取り組んできましたか?前回となにか変えたことはありますか?

実は前回はあまり練習していません。モダンはMagic Onlineのリーグに20回ほど参加した程度のものでした。ロンドンはプレリリースと同時期の開催でしたから、『灯争大戦』リミテッドも本番前に3回しかドラフトしていません。しかし今回の『モダンホライゾン』は50回ぐらいドラフトしました。7月上旬の段階ではモダンのリーグに全く参加していませんでしたが、バルセロナに行くまでには少なくとも20回ぐらいやり、デッキの自由枠を検討して来ました。

前回の結果が素晴らしかっただけに、今大会の出場について、プレッシャーを感じていますか?

ロンドンで偉業を成し遂げたので、今回も良い結果を残したいという大きなプレッシャーを感じています。マジックのプロ業界が今後どうなっていくかは誰もわかりませんが、私もその世界に身を置きたいですね。このような機会が巡ってくることは滅多にありませんから。突き詰めていけば、マジックには運の要素が絡んできます。できる限りのことを試し尽くしてミシックチャンピオンシップに備えられたのなら、運に左右されたとしても悔いは残らないことでしょう。


彼は前を見据えている。プレッシャーを感じつつもそれを跳ね除け、プロの世界の最前線に身を置くことを望んでいる。

愛機、タイタンシフトを操り今大会に望んでいる彼は、この状況を楽しんでいるようにも見えた。

我々も、彼が悔いの残らないマジックができることを、そしてそれが、彼にとってより良い結果で終わることを祈りつつ、最後まで見届けよう。

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