遥か遠い海の向こう、バルセロナの地で3日間に渡る熱き戦いが繰り広げられている。
『モダンホライゾン』の登場によりモダン環境は劇的な変化を遂げた。中でもブリッジヴァインは《甦る死滅都市、ホガーク》、《屍肉喰らい》、《狂気の祭壇》といった新戦力を獲得し、新たにホガークヴァインへと名を変え環境を支配したのだ。
そして数週間前、その勢いにストップをかけるために《黄泉からの橋》が禁止となった。これで健全なメタゲームになると思われたが……?
それでは今回もメタゲームブレイクダウンを参考に、環境を紐解いていくことにしよう。果たして世界のプロはどのようなデッキを選択したのだろうか?
アーキタイプ | 使用者数 | 使用率 |
---|---|---|
ホガークヴァイン | 98 | 21.4% |
イゼットフェニックス | 48 | 10.5% |
エルドラージトロン | 42 | 9.2% |
5色人間 | 38 | 8.3% |
アゾリウスコントロール | 38 | 8.3% |
ジャンド | 36 | 7.9% |
トロン | 19 | 4.2% |
ウルザソプターコンボ | 19 | 4.2% |
バーン | 18 | 3.9% |
ドレッジ | 17 | 3.7% |
赤単フェニックス | 10 | 2.2% |
ホガークドレッジ | 7 | 1.5% |
タイタンシフト | 6 | 1.3% |
ネオブランド | 5 | 1.1% |
鱗親和 | 4 | 0.9% |
呪禁オーラ | 3 | 0.7% |
《純鋼の聖騎士》コンボ | 3 | 0.7% |
ホロウワン | 3 | 0.7% |
マルドゥパイロマンサー | 3 | 0.7% |
スノーシフト | 3 | 0.7% |
The Rock | 3 | 0.7% |
その他 | 34 | 7.4% |
ホガークヴァイン 使用者:98名/21.4%
1 《冠雪の沼》
3 《草むした墓》
2 《血の墓所》
3 《血染めのぬかるみ》
3 《湿地の干潟》
3 《汚染された三角州》
3 《新緑の地下墓地》
-土地 (19)- 4 《屍肉喰らい》
4 《墓所這い》
4 《縫い師への供給者》
2 《墓所破り》
4 《恐血鬼》
3 《ゴルガリの凶漢》
3 《サテュロスの道探し》
4 《復讐蔦》
4 《甦る死滅都市、ホガーク》
-クリーチャー (32)-
こいつ(ホガーク)・・・動くぞ!
そう、禁止改定により一時は衰退したと思われていたホガークヴァインだったが、使用率はダントツの1位。ホガークの支配はまだ終わっていなかったのだ。
《黄泉からの橋》を失ったといえど、2ターン目に《甦る死滅都市、ホガーク》を繰り出すことは依然として可能だ。禁止改定を受け、《サテュロスの道探し》を採用し、さらなる墓地肥やしと「召集」の種を用意することで安定して《甦る死滅都市、ホガーク》をプレイできるようになっている。
現モダン環境で屈指のブン回りを持つこのデッキを、98名ものプレイヤーが選択したのは必然であろうか。ホガークヴァインの夏が到来したのだ。
イゼットフェニックス 使用者:48名/10.5%
ホガークヴァインに次いで使用者が多かったのはイゼットフェニックスだ。前環境から猛威を振るうこのデッキは、ドロースペルによる安定性と《弧光のフェニックス》の爆発力を兼ね備えている。
『モダンホライゾン』から新たな勝ち手段として《炎のアリア》を獲得した。相手にライフゲインさせてしまうデメリットはあるものの、このデッキならばスペルを連鎖させることで速やかに相手のライフを削り切ることができる。
そのほか《溶岩の投げ矢》といった小回りの利く除去や、タフネスの高いクリーチャーに触れる《マグマの陥没孔》などを得て、さらに対応力を増しているようだ。
エルドラージトロン
ホガークヴァイン、イゼットフェニックスを打ち倒さんとするのはこのエルドラージトロンだ。メタゲームのトップを走るふたつのデッキが、ほとんど1コストのスペルで構成されているため、《虚空の杯》を先置きできれば動きを完封することができる。
『灯争大戦』にて《大いなる創造者、カーン》を獲得したことで、より多角的に攻めることが可能となった。《難題の予見者》や《現実を砕くもの》で攻めながら、隙あらば《マイコシンスの格子》によるコンボを決めるのだ。2日目のモダンラウンドではどのような活躍をするか注目である。
以上がミシックチャンピオンシップ・バルセロナ2019のメタゲームだ。
禁止改定を経てなおホガークヴァインの支配はまだ続くようだが、果たしてトップ8には一体どんなデッキが勝ち上がってくるのか。熱き戦いから目が離せない。