80,000,000円
この数字が意味することがわかるだろうか?これは、彼らが今シーズンに稼いだおおよその賞金総額である。彼らが一体誰かだって?
彼らとは、
Hareruya Swordだ!
賞金総額だけではなく、6人それぞれの強さ、経歴も文句なし。Hareruya Pros内だけに留まらず、マジック界でも指折りのトッププレイヤー集団、それがHareruya Swordなのだ。
なぜ唐突にHareruya Swordの話題をだしたか疑問に思うだろう。それは今年もこの時期が来たためだ。チームシリーズ決勝戦の季節が、それも最後となるチームシリーズ決勝戦が始まるからだ。そう、我らがHareruya Swordが決勝戦を戦うのだ!
これまで年間を通してプロプレイヤーたちが競っていたのは、個々の成績だけではない。個人の成績はチームの成果へとつながり、決勝戦進出という実を結んだのだ。チームシリーズ決勝戦を前に、改めてHareruya Swordの活躍を語りたいところではあるが、まずはこれまでのチームシリーズの歴史を振り返っていこう。
チームシリーズのこれまで
シーズン1(2016-2017)
プロツアー『霊気紛争』よりチームシリーズが開始し、プロプレイヤーたちはそれぞれのチームへと属した。強豪同士が集い、時には国境を越え、はたまた時空を超えたレジェンドも参加し、いくつものチームが誕生したのだ。
ChannelFireballは大胆にも戦力をIceとFireに二分化し、強力なチームを2つ作り上げた。どちらかに偏ることなく、それでいて他に劣ることなく、宝石の如きプロプレイヤーたちが両チームへと散りばめられた。
Seth Manfieldを筆頭に3人のプロツアー覇者を有するGenesisは、若きMartin Mullerの活躍もあり、見事2017シーズン決勝戦へと進出を果たした。
もちろん晴れる屋もHareruya Prosの精鋭たちを集め、チーム「Hareruya」を結成した。
Hareruyaは健闘したが、残念ながら頂点をつかむには至らなかった。このシーズンの主役は別にいたのだ。それが、MUSASHIだ!
Team Cygamesが母体となり日本のトッププロたちが集結したMUSASHIは、シーズン中各人が好成績をおさめたことで、チームとしても終始トップを走り続けた。日本マジック界きっての選りすぐりの6人は最後まで立ち止まらず、見事に優勝のゴールフラッグをつかみ取ったのだ。
シーズン2(2017-2018)
Hareruyaの活躍はシーズン2まで待たなければならなかった。少しばかりスロースタートになってしまったわけだ。
ちょうど1年前の今ごろ、再び頂点を目指し2つのチームがぶつかった。まずは新旧の強豪が集ったチーム、Ultimate Guard Pro Team。オーウェン・ターテンワルド/Owen Turtenwald、リード・デューク/Reid Duke、ウイリアム・ジェンセン/William Jensenら《桃園の契り》の面々が母体となり、レジェンドジョン・フィンケル/Jon Finkelも加入したことで、時代も、次元をも超えたスター選手の集まりとなった。
対するは……
Hareruya Latin!!
シーズンで積み上げたプロポイントは何と212点!これは2位のUltimate Guard Pro Teamに対し、30点以上引き離しており、圧勝であった。それもそのはず。Hareruya LatinにはUltimate Guard Pro Teamにも負けないプレイヤーたちがいたのだから。
南米初の世界王者にして、近年のプロツアー戦線でも活躍中のカルロス・ロマオ/Carlos Romao。
プロツアー「イクサランの相克」覇者にして、同シーズンのプレイヤー・オブ・ザ・イヤーであるルイス・サルヴァット/Luis Salvattoといった豪華メンバーが集結していた。そう、最強なのは相手だけではなく、晴れる屋も最強チームの称号にふさわしい布陣で、ぶつかり合ったのだ!
しかし……
Hareruya Latinは敗れた。それほどまでに世界の壁は強固だったのだ。
Hareruya Sponsored
思えば晴れる屋はチームシリーズ導入前より多くのプロプレイヤーたちをスポンサードしている。彼らが徒党を組み、晴れる屋の名を冠したチームとして、戦っているのだ。
Hreruya Axe
シーズン1のHareruyaに比べると国際色豊かになったのが、今シーズン結成されたHreruya Axeだ。プロツアーへの準備をきっかけに結成されたConnected Companyを前身とし、齋藤 友晴が中心となり、津村 健志、ラファエル・レヴィ/Raphael Lavy、ペトル・ソフーレク/Petr Sochurekといった各国の雄が加わっている。
Hareruya North America
マジック25周年記念プロツアーの覇者アレン・ウー/Allen Wu、グレゴリー・オレンジ/Gregory Orange、ベン・ハル/Ben Hullたちを中心に結成された、北米中心のHareruya North America。
Belgic Magic by Hareruya
多国籍チームが多い中でBelgic Magic by Hareruyaは異色の存在だ。「ベルギー国内の選手たちと上を目指してチームシリーズを戦おう!」。このスローガンのもとにプロツアートップ8経験者であるパスカル・フィーレン/Pascal Vierenとブランコ・ネランク/Branco Neirynckが中心となり、ベルギー在住の競技プレイヤーたちが集結したのだ!
晴れる屋はこれまで多くのプレイヤーとスポンサード契約を結び、プロプレイヤーたちも期待に応え、スポットライトの下で戦い続けてきた。運命共同体としてプレイヤーたちとともに歩む先に終わりはない。一人でも多くのプレイヤーたちの活躍をサポートしていく、これも晴れる屋の使命でもあるのだ。
そして、今
話をチームシリーズへと戻そう。Hareruya Swordがトップで抜けた2019チームシリーズ。その決勝戦がこれより開始しようとしている。破竹の勢いで連勝を重ね、3度目の正直を狙う、我らが晴れる屋陣営をここでご紹介しよう!
ハビエル・ドミンゲス
世界選手権2018優勝はドミンゲスにとってはゴールではなく、スタートに過ぎなかった。今シーズンはテーブルトップ、アリーナ併せて、合計3度のミシックチャンピオンシップトップ8入賞(内1回優勝)を果たしており、チームシリーズ躍進の原動力になったのは間違いない。
チームシリーズ決勝戦を前に、心境をうかがっている。
- 2020/01/10
- 世界王者がHareruya Swordを語る
- 晴れる屋メディアチーム
アンドレア・メングッチ
今年の顔はドミンゲスだけではない。過去最大の賞金トーナメントとなったミシックインビテーショナルを制したのはメングッチであった。その快進撃は留まるところを知らず、ミシックチャンピオンシップ・アリーナにおいて、2度のトップ8入賞を決めている。
また、長きにわたりグランプリトップ8に恵まれなかったメングッチにとって、今年は忘れられない年になるであろう。グランプリ・ボローニャ2019にて、これまでの苦労は報われたのだから。
グジェゴジュ・コヴァルスキ/ジェレミー・デザーニ
マジックの大先生コヴァルスキと貴公子デザーニもコンスタントに成績を残してくれた。ドミンゲスに競り負けたものの、コヴァルスキは世界選手権2018で準優勝という成果を残し、デザーニも自身2度目となるプロツアートップ8入賞を果たしている。
リー・シー・ティエン/ケルヴィン・チュウ
アジアの大砲たちも、存在感を見せつけてくれた。リーは殿堂後初となるミシックチャンピオンシップでの上位入賞となり、トップ8進出回数を6回とした。ケルヴィンに関していえば、確かに今年は静かな1年だったかもしれない。だからこそチームシリーズ決勝戦では、これまでのうっぷんを晴らすかのように活躍してくれるはずだ!
- 2019/07/29
- チームリーダー、リー・シー・ティエンに聞く! Hareruya Sword、その強さの秘訣とは
- 晴れる屋メディアチーム
圧倒的だ。才能あふれ、驕ることなく努力し続ける6人の横顔を見るに、我らがHareruya Swordの圧勝は間違いない。
……そう信じたいが、実はそう言いきることはできない。これだけのメンバーを揃えても安心できないのには理由がある。
今回頂点をかけ、Hareruya Swordと戦うのは、なんとUltimate Guard Pro Team!そう、昨年に引き続き相まみえるのは、歴代最強チーム。つまりこれはHareruya Swordの挑戦だけではなく、Hareruya Latinの雪辱戦でもあるのだ!
対戦相手一人一人の名前を見ただけで気後れしそうになるのは確かだ。それほどまでに強敵であり、それは否定できない。だが、殿堂プレイヤーがなんだというのだ、レジェンドに引けを取るものか。Hareruya Swordを見よ!
ここにいるのは間違いなく、今、最も強い6人だ!今年のチームは、Hareruya Swordは一味も二味も違う。去年のよりもさらに強く、素晴らしい試合を見せてくれることだろう。だからこそ、我々は決着の瞬間を見逃してはならない。
決戦の火蓋は、1月13日に切って落とされる!!なお、チームシリーズ決勝の模様は、2020年1月13日午前0時(日本時間)より、Channel FireballのTwitchチャンネルにて配信される。奇跡の一戦を見逃すな!!
追記:最強の6人
Ultimate Guard Pro Teamとの対戦は、決勝戦に相応しいものだった。Hareruya Sword側の先発はリー/ケルヴィン/デザーニチーム(グランプリ・静岡2017と同じだ)で、見事ケルヴィンが勝利するも結果としては1-2と星を落としてしまう。いきなり窮地に立たされたHareruya Swordだが、ともに戦ってきた残るチームメイトへとマウンドを託す。
満を持して登場したドミンゲス/メングッチ/コヴァルスキチームは見事期待に応え、ドミンゲスとメングッチが星を取り返し、この対戦に勝利する。これによりスコアが1-1と並び、勝ちチーム同士による最終ドラフトへともつれ込むこととなった。
最終ドラフトのゲームカウントは絶えずシーソーゲームのように揺れ、白熱したものとなった。そんな中、先に王手をかけたのはHareruya Swordであった。ドミンゲスの中継途中にカメラはメングッチへと切りかわり、ちょうど大量のクリーチャーたちをすべてレッドゾーンへと送りこんだところが映し出された。対戦相手であるポール・リーツェルは盤面で劣るため、何かしらの対抗手段が必要だ。緊張の一瞬、彼は伏せた手札を確認すると逡巡し、そして、右手を差し出した。
Hareruya Swordがチームシリーズ王者へと輝いた瞬間だ!
TEAM SERIES CHAMPIOOOON!!! 🏆🏆 #MTGAustin pic.twitter.com/zzUuZtRcQk
— Andrea Mengucci (@Mengu09) 2020年1月12日
喜びを爆発させ、インタビューに答える面々。この瞬間のためにHareruya Swordとして1年間協力し戦い抜き、その成果が実を結び見事優勝を勝ち取ったのだ。これは誰にでもできることではない。
ミシックチャンピオンシップへの参加はもちろん、一定の成果を出し続けること、そして何よりもシーズン中は一人のプロプレイヤーを超えて集団として取り組まなければならない。仲間に対する信頼と尊敬の念がなければ、土台無理なことなのだ。だからこそ、この素晴らしい6人の優勝を、改めて祝おう。
おめでとうHareruya Sword!!君たちこそが、最強の6人だ!