統率者 神 設立! 挑戦者決定戦は?ルールは?配信は?

いってつ

統率者神 設立!

あれは8月のことだったか。コマンダーサミットの準備を進めていた僕のもとに「晴れる屋のえらいおじさん」がやってきたのは。

晴れる屋の偉いおじさんは僕の目をまっすぐ見て言い放った――

「ねえ、いってつ君、コマンダーの”神”ってできると思う?」

僕は何と答えただろう。「いやぁ、難しいんじゃないですか」とまじめに受け取らなかったような気もする。そっかあ、といっておじさんは去っていった。

僕はまだ理解できていなかったのだ。この「晴れる屋」という企業のフロンティアスピリットを。元トッププロ選手、トモハル・サイトウの競技的なマジックへの「思い」を。

晴れる屋トーナメントセンター東京で開催されている各フォーマットの競技イベント、「神決定戦」。スタンダードからヴィンテージまでの各フォーマットで開催されているこの大規模イベントに「統率者戦」も加わる。その第一回の開催日が3月5,6日に決定した。

多くのプレイヤーに衝撃を与えたであろうこの告知をいってつがレポートします。

なぜ統率者戦で競技イベントを?

コマンダーサミットの成功からも見えるように、近年の統率者戦の盛り上がりには目覚ましいものがあります。

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第一回コマンダーサミットのようす

統率者戦はいまでこそ公式フォーマットでしたが、かつては非公式のカジュアルなフォーマットでした。そもそもが競技的なプレイには不向きなルールです。

しかし、カードゲーマーの常……新しいフォーマットの存在を知ったら、そのフォーマットの破壊を試みます。つまり、最強のデッキと戦術の研究です。これは決して悪いこととは思いませんが、統率者戦をカジュアルに遊びたい層と、最強のデッキ――「競技的なデッキ」を求める層が同じテーブルにつくと悲劇が起こります。

日本ウィザーズはデッキのレベル分け、晴れる屋のイベント「コマンダーサミット」ではプレイヤーのビジョンでのテーブル分けを行っています。

こうしたイベントは「競技志向」デッキやプレイヤーにとって数少ない全力を発揮できる機会でもあります。コマンダーサミット内で行われた「最強統率者決定戦」に参加したプレイヤーに行ったインタビューが印象的です。

Q.統率者戦の競技的なトーナメントは、日本国内ではあまり行われて来ませんでした。今後こういった機会があれば参加したいと思いますか。

「ぜひやってほしい。身内のコミュニティではcEDH級のデッキが4つなかなか集まらず、ガチデッキを回す機会が欲しかった」

「こういった機会があると、たくさんのデッキやカードに触れられて新しい発見がある。勉強になるし、楽しい」

「統率者戦にもモチベーションが必要だと思う。トーナメントがあればより強いデッキと戦略を求めて研究する楽しみ方が肯定されると思う」

「競技大会には競技大会の楽しさがある。緊張感のある中で戦う楽しさを統率者戦でも味わいたい」

――『最強統率者決定戦カバレージ【コマンダーサミット】』より引用

参加者に聞いているので当然と言えば当然ですが、全員が競技的なイベントを歓迎していました。

日々店舗で行われる統率者戦のイベントでは「空気を読む」ことを求められてしまう場面もある競技的なデッキ、プレイヤー。彼らにスポットライトが当たるイベント、それが「統率者神決定戦」なのです。

神決定戦とは

スタンダードをはじめとした各競技フォーマットの「神」の座を巡って争うイベントが「神決定戦」。初日は予選ラウンドである神挑戦者決定戦、二日目に決勝戦である神決定戦が行われる、2日間にわたるイベントです。

「神」の座にある期間、そのプレイヤーは晴れる屋のあらゆるイベントに無料で参加できるほか、神として防衛戦にのぞむたびに対局料として現金10万円が支払われます。メディアチームから記事の執筆依頼をさせていただくことも。

グランプリ入賞者やプロ選手、世界チャンピオンといった強豪プレイヤーも大勢参加する、非常に影響力の大きいイベントです。参加するにあたり特別な資格などは求められないため、腕試しにももってこいの場と言えるでしょう。

予選ラウンドにあたる挑戦者決定戦から晴れる屋youtubeで実況解説つきで生放送され、日本中のマジックプレイヤーが大会の模様を見守ることができます。

神イベント特設サイトはこちら

神になるには

挑戦者決定戦

王神の玉座

統率者神はどのように実施されるのでしょうか。ここからは実際に大会運営や企画に携わるスタッフに話を聞いていきます。

――神決定戦の予選ラウンドとも言える挑戦者決定戦ですが、どのようにすすめられるのでしょうか。

「統率者戦もほかのフォーマット同様、神決定戦に挑戦するために、まずは挑戦者決定戦を勝ち抜ける必要があります。統率者戦はほかのフォーマットと違い4人対戦であるため、挑戦者決定戦および神決定戦の様相も異なります」

「挑戦者決定戦では全員が6回のゲームを戦うことになります。全員が1000点の点数を持ってスタートし、敗北すると自身の点数の7パーセントを失います。勝者は敗者が失った点数を総取りします。6ゲーム終了後、点数上位のプレイヤーが神決定戦に進むことになります」

「勝っているプレイヤーに勝てばより多くの点を一度に獲得できます。マッチングは完全ランダムで行われ、誰も現在の自分の戦績やポイントを知ることができません。これは談合やゲーム外情報をゲームに持ち込むことを防ぐためです」

――最強統率者決定戦では制限時間が50分でした。今回はどうなるのでしょうか。

制限時間は60分です。時間切れとなった場合は、現在のターンを0ターン目としてその時点でゲームに残っている人数ぶんの延長ターンを行い、延長ターン終了までにゲームが決着しない場合は全員が持ち点の7%を失います」

Divine Intervention

《Divine Intervention》など、カードの能力によって引き分けになってゲームが終了したり、選択肢のない無限ループが発生してゲームが引き分けになってしまった場合には勝者なしとして全員が7%のポイントを失うことになります」

――追加ターン後にライフの多いプレイヤーが勝者となる、従来行われてきた方法とは大きく変わりましたね。制限時間内で勝ち切るデッキ構築とプレイイングが重要になりそうです。

神決定戦

第1回イロアス競技会

――決勝ラウンドにあたる神決定戦はどのように行われるのでしょうか。

「第一回神決定戦ではまだ神が不在なので、挑戦者の中で神の座を争うことになります」

初日のトップ16が二日目にすすみ、4人×4テーブルで1ゲームを行い、各テーブル勝者が決勝戦に進みます。この決勝戦での勝者が初代統率者神になります

――神決定戦は1回負けたら即終了の厳しい戦いになるのですね。

「第二回以降では現役の神と挑戦者たちが神の座をかけて争うことになります。挑戦者決定戦のトップ12が神決定戦に残り、4人×3テーブルで1ゲームを行い、各テーブル勝者3人+神の4人で決勝戦を行います。このゲームでの勝者が次期神となります」

ルール適用度

――ルール適用度は「競技に準ずる」とありますが、これはどういったことなのでしょうか。

「神イベントでは”競技”レベルでルールを適用します。聞きなれないプレイヤーは萎縮してしまうかもしれませんが、ゲームのルールが変わったりすることはありません。同じミスをしたときに受けるペナルティがより重く、過失のあるプレイヤーにとってより不利な判断がなされます」

「プレイをスムーズにするために、誘発型能力が誘発してスタックにのるという処理を丁寧に、優先権の所在をはっきりとさせるようにプレイしてほしいと思います

「単に”競技”ではなく”競技に準ずる”としたのは、多人数戦であることを考慮した裁定を下すことがある、ということです。ゲーム内での共謀や交渉が起こりうるという特性を鑑みた結果です。なお、ゲーム外部の要素を用いての交渉や、マジック以外の方法で勝敗を決することはルール適用度問わず厳しく禁じられています

参加方法

踊りへの参加

――このイベントに参加するにはどうしたらいいのでしょうか。

「ほかの神イベント同様、参加は誰でも可能です。イベントページからの事前予約をおすすめします」

――神イベントは参加申し込み時にデッキ提出が必要ですが、今回も同様でしょうか。

「挑戦者決定戦トップ16に入賞したプレイヤーには当日中にリストを提出していただきますが、それ以外のプレイヤーのデッキ提出は任意となります」

――イベント直前まで調整がしやすいですね。とはいえ、多くのデッキリストを提出していただければコミュニティの環境理解がすすんだり、メディアチームがより充実した分析レポートを執筆することができますので参加者の皆さんにはぜひデッキリストを提出していただきたいです。

イベント参加申し込み・デッキ登録はこちら

これからの統率者戦はどうなる?

いってつが勤務する高田馬場トーナメントセンター東京では毎日のように統率者戦のイベントが開かれている。毎日盛り上がっているが、イベントに参加せずフリーでゲームを楽しんでいる方もよく見かける。ただ単純に身内で遊びたい方もいるが、「自分のデッキはイベントに持ち込むには寒い」と遠慮している方も少なくありません。

Underground Seaモックス・ダイアモンドTimetwister

競技レベルの統率者戦のデッキは希少なカードをたくさん使うことになります。努力してくみ上げた強力なデッキを使う機会が少ないというのは残念なことです。

一方、世界選手権優勝が記憶に新しいプロ選手、高橋優太選手も神イベントについて過去にこう語っています。

負けた自分は昨日よりも強く、強敵への敗北こそが一番の上達の近道。 マジックにゲームオーバーは無く、負けても無限にコンテニューを続ければいつか自分のレベルが上がって強敵を打ち倒すことが出来ると信じている。
神決定戦は、強者と戦う挑戦の場だ。

――『神決定戦 開催に寄せて』より引用

そう、統率者神決定戦はただの「慰みの場」ではありません。競技的に統率者戦を戦う場ができたことで、プレイヤー、デッキ、フォーマットがさらなるステップに進むことができる機会ができたのです。

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第一回コマンダーサミット、最強統率者決定戦のようす
プレイヤーのまなざしは真剣そのものだ。

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普段競技志向の統率者戦を遊んでいる人だけでなく、これをきっかけに手持ちの統率者戦デッキを強化して挑戦してみるのもいいかもしれませんね。今後も幅広いプレイヤーが参加できるコマンダーサミットは定期的に開催され、記事や晴れる屋youtubeでもカジュアルな統率者戦のサポートは行われます。統率者神は研鑽の場、コマンダーサミットはお祭りとしてお楽しみください!

それでは、みなさんの統率者神決定戦への挑戦をお待ちしております!

統率者神カバレージでお会いしましょう!

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いってつ 晴れる屋メディアライターです。最近の悩みは記事執筆と動画出演で忙しくて統率者戦が1日2回くらいしか遊べないこと。 いってつの記事はこちら