(編集者注:カード価格は執筆時点のものを参照しています。)
Translated by Nobukazu Kato
(掲載日 2022/5/13)
『ニューカペナの街角』でアップデートしよう!
やぁ、みんな!ハビエル・ドミンゲス/Javier Dominguezだ。
『ニューカペナの街角』が発売されたね。その新セットのカードを使って、今日は青黒のチャレンジャーデッキを強化してみよう。
チャレンジャーデッキ2022「ディミーア・コントロール」
青黒のチャレンジャーデッキは、相手をさばく呪文とアドバンテージを稼ぐ呪文が採用され、古典的な青黒コントロールデッキとして組まれている。ゲームプランを遂行するうえでは《記憶の氾濫》こそが最重要カードであり、これがあるからこそ息切れを起こさなくて済む。
ゲームのフィニッシャーには《砂漠滅ぼし、イムリス》や《船砕きの怪物》が据えられている。この2枚はスタンダードでも屈指のフィニッシャーだし、とても良いカード選択だと思う。この2種の枠は『ニューカペナの街角』から強化を受けていない。
ただ、『ニューカペナの街角』にはこのデッキにピッタリのメカニズムがひとつ収録されている。このデッキのマナカーブはかなり幅広く、自分の墓地に異なるマナ総量を揃えるメカニズムと相性が良いんだ。
改良版「ディミーア・コントロール」
では、『ニューカペナの街角』で改良を施したデッキを紹介するとしよう。
『ニューカペナの街角』からの新戦力
《常夜会一家の店先》
最初の変更点は、《進化する未開地》と《常夜会一家の店先》の入れ替えだ。果たす役割は同じでありながら、1点のライフを回復できる。この枠を2枚から3枚に増やしたのは、墓地に0マナのカードを落としやすくするためだ。
《染みついた耽溺》《エイヴンの心臓刺し》
その墓地メカニズムの条件を達成することで効果的に使えるようになるのが《染みついた耽溺》と《エイヴンの心臓刺し》だ。
《染みついた耽溺》と役割が被る《発見への渇望》は不採用にした。ドロー呪文が多すぎても仕方ないし、《染みついた耽溺》のほうが強いと思ったからだ。2ターン目に《染みついた耽溺》⇒3ターン目に《襲来の予測》と動けるし、序盤に3枚目の土地を探しにいくことができる。
《エイヴンの心臓刺し》も例の墓地メカニズムを使う理由になるカードだ。5種類のマナ総量を墓地に揃えられれば、どんなクリーチャーとも相撃ちできるし、相手にある程度プレッシャーもかけられる。
この2枚に共通するのは、自身の採用枚数が多いほど使いやすくなることだ。どちらも墓地肥やしとして機能もするし、条件達成後にリターンを発生させるカードでもある。《染みついた耽溺》ならすでに墓地にあるマナ総量と異なるカードを選んで捨てれば良いし、《エイヴンの心臓刺し》なら2枚墓地を肥やして、先々の《エイヴンの心臓刺し》に+2/+2修正を与えやすくなる。
新カードの波及効果
《染みついた耽溺》《エイヴンの心臓刺し》は強力なカードであり、もっとこの2枚を使いやすくするような調整を加えることもできる。
《考慮》
そういった調整をする場合、もっとも重宝するカードは《考慮》だ。《考慮》は単体で見ても素晴らしいカードだけど、このデッキの墓地メカニズムのサポート役として1マナとは思えない働きをする。
《考慮》などのキャントリップ呪文は序盤の展開を支えながら、終盤にはマナフラッドを回避させてくれる。だからあまり深く考えずにデッキに入れられるカードではある。でも、1マナ域の少ないこのデッキなら《考慮》は一気に2種類のマナ総量を墓地に落とせる可能性もあるんだ。
それから《考慮》や《染みついた耽溺》を戦闘中に唱えれば《エイヴンの心臓刺し》が+2/+2修正を受けて相手の意表を突ける!
《雪上の血痕》
自分のライブラリーを切削する恩恵はほかにも波及している。そのうちのひとつが、《雪上の血痕》の強化だ。
《雪上の血痕》はパワーカードだけど、墓地から復活させがいのあるクリーチャーを用意するのはなかなか難しい。特に序盤はね。でも今回の構築では《考慮》や《染みついた耽溺》のように墓地に直接カードを送る手段を増やしている。それに《エイヴンの心臓刺し》は死亡することに意味があるクリーチャーだから、墓地に行きやすいクリーチャーも増量されているね。
クリーチャー枚数が増えたことで《墓地の侵入者》は墓地からクリーチャーを追放しやすくなっている。攻勢に転じる場合やライフを回復したいときには便利だろう。
《ドラコリッチ、エボンデス》
新しい墓地メカニズムの搭載にあわせ、《ドラコリッチ、エボンデス》を採用した。このデッキなら手札から捨てても良いし、《考慮》で墓地に落とせるかもしれない。そしたら《エイヴンの心臓刺し》で相手のクリーチャーと相撃ちをしながら、《ドラコリッチ、エボンデス》を墓地からタダで唱えられるんだ。
墓地に直接《ドラコリッチ、エボンデス》を送り込めなかったとしても、瞬速で唱えられる脅威だから《記憶の氾濫》を4枚採用してインスタントタイミングで動くデッキととても噛み合わせが良い。相手からしたらドローをするつもりなのか、脅威を出そうとしているか読めないだろうね。
土地
忘れちゃいけない点がもうひとつ。マナベースの改良だ。《考慮》と《染みついた耽溺》で合計8枚も追加で序盤に土地を探す手段が増えた。そこでこの2種のドロー呪文の枠を作るべく、土地を1枚減らした。デッキを作るときによくやる手法だね。
それから、一部の土地を『ゼンディカーの夜明け』の呪文と土地の両面カードに入れ替えている。なかでも《海門修復》はこのデッキに最高の1枚なんじゃないかと思うよ。消耗戦では頼りになる呪文だし、7マナのカードとして墓地に落とせるかもしれない貴重な存在だからね。
ここまで読んでくれてありがとう!どこかでみんなと戦えることを楽しみにしているよ!
ハビエル・ドミンゲス (Twitter)
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