Day2 メタゲームブレイクダウン

晴れる屋メディアチーム

はじめに

みなさんこんにちは。晴れる屋メディアチームです。

252名が参加した『プロツアー・機械兵団の進軍』も2日目が終了し、残るは決勝トーナメントのみとなりました。

決勝トーナメントは今晩24時から始まるわけですが、先んじて2日目メタゲームブレイクダウンをお届けしたいと思います。2日目進出率が高かったのはどのアーキタイプだったのでしょうか?

『プロツアー・機械兵団の進軍』 2日目 メタゲームブレイクダウン

メタゲームブレイクダウン

(編集者注:使用者4名以下のデッキは「その他」に計上しています。デッキ登録段階の集計のため、数字にズレがある可能性があります。ご了承ください。)

突破率でみる1日目の結果

ミッドレンジ優位のスタンダードとはいえ、実にさまざまな戦略が混在しています。同じミッドレンジのくくりでも複数のカラーバリエーションがあり、デッキごとに明暗も分かれていました。ここでは各デッキの突破率に注目しながらみていきます。

突破率70%越えのデッキ

ほかのミッドレンジと比較して、突破率70%と頭ひとつ抜けた戦績を残していたのがグリクシスミッドレンジでした。毎ターン最大出力を目指すミッドレンジにおいて、グリクシスカラーは何が優れていたのでしょうか。

呪文貫きかき消し否認

グリクシスミッドレンジは2マナのインスタントに軸足をおいた捌く戦略であり、高スタッツクリーチャーを除去でサポートしながらボード上の優位を目指していきます。5ターン目以降は《絶望招来》《希望の標、チャンドラ》《多元宇宙の突破》などのフィニッシャーへと繋ぎ、そのカードパワーを持ってゲームに幕をひきます。

妨害を挟みながらゲームを展開していくわけですが、ミッドレンジ同士のマッチアップで効果を発揮するのがカウンターと呼ばれる打ち消し呪文です。相手のカードを無効化すると同時にテンポアドバンテージを獲得でき、返すターンに自分が有利な状況でフィニッシャーをプレイすることができるためです。ミッドレンジ帯のデッキが増えれば増えるほど打ち消し呪文の価値は高くなり、グリクシスカラーは構築面でアドバンテージを得ていることになります。

交渉団の保護微風の歩哨

突破率でグリクシスミッドレンジを上回っていたのがアゾリウス兵士です。アゾリウス兵士は使用者わずか5名ながら、全員が2日目へと進出しています。ミッドレンジデッキがミラーマッチを想定し重いフィニッシャーを採用していったのに対し、軽量クリーチャーをインスタントトリックで守っていくテンポ戦略は最大限の成果をあげたのです。

新加入の「バトル」である《ゴバカーンへの侵攻》は相手を阻害してゲームメイクを助け、「変身」すれば逆転の芽を摘むエンチャントとなります。《光盾の陣列》はクリーチャー強化と保護の効果を持っており、ダメージや破壊に対する盾として機能します。

両デッキに共通していたのはテンポアドバンテージの概念。テンポを制したものがスタンダードを制していたのです。

敗因の共通項

突破率が5割を切っていたのは5色ランプと白単ミッドレンジ。ほかのミッドレンジに当たり負けしないだけのパワーを有していたはずですが、原因は一体なんでしょうか。

装飾庭園を踏み歩くものゼンディカーへの侵攻

2種類のマナ加速から早いターンに《偉大なる統一者、アトラクサ》《原初の征服者、エターリ》を展開していく5色ランプは、ラクドスや白単などのミッドレンジを想定して選択されています。マナ加速によりプレイできるカードパワーに差がつくためです。

ですが、下準備に時間を要します。序盤の防御用に《骨化》《力線の束縛》が用意されていますが、どちらも《喉首狙い》のように手放しでプレイできずカードではありません。テンポデッキが付け入る隙は十分にありますし、《かき消し》をすり抜けてフィニッシャーを解決させるのは至難の業です。

白単ミッドレンジはボード外への干渉力の低さが課題となりました。ほかのミッドレンジは手札破壊や打ち消し呪文により高コストカードを対処していましたが、こちらはボードを作るのみとカードの効果を真正面から受け止めるしかありませんでした。《絶望招来》のみだった従来の構築から選択肢が広がった結果、白単想定を越えた脅威が増えてしまい、対応が難しかったようです。

総括

使用者数で見ると上位に変動は見られませんが、突破率の観点ではデッキごとの明暗がはっきりとわかれていました。スタンダードはカードパワー重視のミッドレンジ環境であり、そのすべてを対処するのは難しいと言わざるを得ません。だからこそ要所要所で相手の呪文に対応できる打ち消し呪文を使ったデッキが活躍していたのです。

のちほど2日間の戦績優秀デッキリストの公開を予定していますので、そちらもお楽しみに!

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