12月12日はコジレックの日!
《エルドラージの寺院》にようこそ。
先日の12月12日は何の記念日だったか分かりますか?そう、コジレックの日です!
晴れる屋YouTubeやSNSでさんざん《大いなる歪み、コジレック》の話をしているので、日々みなさんからいろんな質問を受けます。
晴れる屋通販で販売している《大いなる歪み、コジレック》デッキは、今や「晴れる屋でもっとも売れているデッキセット」であり、全国にたくさんの「コジレック野郎」が誕生していることになります。
というわけで、晴れる屋メディアのいってつがコジレックの日を記念して、統率者デッキ《大いなる歪み、コジレック》の解説をお届けします!
なぜコジレックなのか?
――「コジレックのどこに魅力を感じますか?」
個人的な好みの話をするなら、好きなカードタイプアーティファクトをたくさん使えること――という回答になってしまいますが、デッキとして、カードとしての魅力をお話ししましょう。
まず無色のデッキの魅力について語る必要があります。
マナ加速が強力である
マジックでマナ加速といえば緑、ついで赤、黒の領域です。
緑のマナ加速の多くは「プレイした次のターン以降に使えるマナが増える」というものです(《極楽鳥》《不屈の自然》など)。赤・黒のマナ加速の多くは「そのターン中に使えるマナが増える」というものです(《暗黒の儀式》《煮えたぎる歌》など)。緑は中長期的投資、赤・黒は手札やパーマネントを瞬間的なマナに交換するというかたちですね。
一方、アーティファクトのマナ加速は《太陽の指輪》のようにプレイしたターンから使えるマナが増えつつ、次のターン以降に使えるマナも増えるというものがたくさんあります。
例として《魔力の櫃》を見てみましょう。プレイしたターンに使えるマナが増える《暗黒の儀式》のようなカードでありながら、そのマナを次のターン以降に持ち越すという選択肢もあり、《通電式キー》などで大量のマナを生み出すことも可能です。
もちろん、こうしたマナ加速は固有色に縛られないのでどんなデッキでも「入れることは可能」です。しかし……「マナがあるのに色が足りなくて統率者が出せない」「マナがあるのに色が足りなくてツー・アクションができない」と困っている対戦相手を見たことはありませんか?
こうした無色のマナ加速は強力ですが、色マナ事故と無縁ではいられません――そう、無色統率者をのぞいて。
無色統率者は色拘束がまったくないため、こうした強力なマナ・アーティファクトを大量に採用できるのです。
一方で、《波止場の恐喝者》や《溜め込み屋のアウフ》などのクリティカルすぎるメタカードが存在すること、リソースを戦場に広げる特性上どうしても全体除去に弱い、インスタントタイミングのアクションが弱いといった明確な弱点もあります。
コジレックのテキストを読もう
あらためて《大いなる歪み、コジレック》の能力を見てみましょう。
伝説のクリーチャー – エルドラージ
10マナというマナコストは考えなしに捻出できるものではありません。マリガン判断、デッキ構築の時点からゲームは始まっているのです。
練習すれば3ターン目に出せるようになります。
あなたが大いなる歪み、コジレックを唱えたとき、あなたの手札にあるカードの枚数が7枚未満である場合、その差に等しい枚数のカードを引く。
唱えたときに誘発するドロー能力です。コジレック自身を打ち消されても、能力を《もみ消し》されなければドローはできます。
威迫 12/12
威迫を持つクリーチャーは、2体以上のクリーチャーによってしかブロックされません。12/12というスタッツを無傷で受け止めることは難しく、基本的には2体のクリーチャーを差し出して止めることになります。
マナ総量がXであるカードを1枚捨てる:マナ総量がXである呪文1つを対象とし、それを打ち消す。
たとえば、マナ総量1の呪文である《魔力の櫃》を手札から捨てれば、同じくマナ総量1の《剣を鍬に》を打ち消すことができます。
これは起動型能力なので、《もみ消し》などでなければ対応できません。《偏向はたき》などの対象変更能力でも対応が難しく、空中戦では非常に有利です。
虚空としか言い様がないその実体。
フレーバーテキストもかっこいい!
コジレックの魅力、伝わったよね?
唱えたときに手札が7枚になるようにドローし、着地後は手札がすべて打ち消しに。12/12威迫は、統率者ダメージでの勝利を目指すという観点でも非常に強力です。
ひたすらマナ加速をし、統率者を出す。それだけでゲームの勝利に一気に近づく、そのシンプルなゲームプラン。それが統率者《大いなる歪み、コジレック》の魅力です。12/12で殴り続ければ勝てちまうんだこのゲームは!
――「無色の統率者の選択肢はいくつかありますが、なぜコジレックという選択に至ったのですか?」
ごく個人的な話をするならば、僕が統率者戦を始めて間もないころに出会った「コジレック野郎」のデッキに強く惹かれたから。「無色で統率者戦のデッキって組めるんだ!」その驚きはいまでも忘れません。アーティファクトというカードタイプが好きだったこともあって、すぐに自分もコジレックデッキを組みました。
それはそれとして、いくつかある無色の統率者のなかでも《真実の解体者、コジレック》と《大いなる歪み、コジレック》は非常に高い人気があります。なぜなのでしょうか。
もっとも大きな理由は「唯一のドローできる統率者だから」です。
無色のドロー能力は弱めに設計される傾向があり、無色のデッキは手札の補充に苦労します。そんななかでもコジレックは、「唱えさえできればドローができる」という無色のカードとしては珍しい能力を持っているのです。もちろん10マナという重さは無視できませんが、最大7枚のドローは圧倒的です。
もちろん、固有の無限コンボを持つ《銀のゴーレム、カーン》や《クルーグの災い魔、トラクソス》、無色の呪文をインスタントのように唱えられるようになる《ウルザの空戦艇、リベレーター号》も非常に魅力的ですが、コンボパーツをどうやってかき集めるかという大きな課題があります。
もう一つの理由は、「不要となったマナアーティファクトを強く使えるから」です。
ゲーム終盤、十分マナが伸びた状況では、手札のマナアーティファクトの価値は暴落しています。その点、《大いなる歪み、コジレック》では無駄になるカードがありません。すべて打ち消しになっているのですから!この点は無色統率者全体に加えて、2枚のコジレックを比較しての利点でもあります。
コジレックのアーキタイプ
さて、ここでコジレックについて学ぶために欠かせない「コジレックのアーキタイプ」について知っておきましょう。「コジレックはどんなアーキタイプなのか」という話ではなく、コジレックデッキのなかにいくつかアーキタイプがあるのです。この前提知識がなければ、コジレック野郎どうしでも会話が成り立ちません。
コジレックには大きく分けて「ストンピィ」「コンボ」「クロックパーミッション」の3つのアーキタイプがあります。いずれのデッキもアーティファクト特有の暴力的なマナ加速を活かしたデッキであることには変わりありませんが、「どのようにして勝利するか」という観点でカードの選択・プレイの指針が大きく異なります。
各アーキタイプのサンプルリストを載せていますが、あくまでサンプルだということをお忘れなく。トーナメントに参加するわけでなければ、統率者戦にダメなリストはありません。
ストンピィ型
マナ加速、そして巨大なクリーチャーを連打。「ストンピィ型」はモダンの「トロン」のように、マナ加速のあと重く強力な呪文を毎ターン叩きつけ、圧倒的なボードを作り上げて勝利することを目指します。
統率者以外にも大量に致命傷になりうる強力な呪文が採用され、「エルドラージを統率者戦で使いたい!」という欲求を満たしてくれます。コジレックデッキを組み始めたプレイヤーの多くはこのストンピィ型に至ります。プレイの指針がシンプルで、まだ統率者戦に不慣れという人にもおすすめできます。
ただ、ストンピィ型ではマナ総量の大きい呪文が多めなので、コジレックの打ち消し能力はあまり活かされません。12/12のアタッカー兼ドローソースという意味合いが強くなっています。
晴れる屋通販で販売されているコジレックデッキはこのストンピィ型になっています。『統率者マスターズ』の構築済みデッキもストンピィです。
コンボ型
コジレック野郎が「俺もコンボしたい!」「もっとアーティファクトのガチャガチャ感を!」と欲望を解放した結果がコンボ。マナ加速し、コジレックを唱えてドロー。コジレックを生け贄に捧げて唱えなおし、またドロー。そうしてパーツをかき集め、コンボでの勝利を目指します。
無色で可能なコンボについては後述します。
コンボでの勝利を目指す以上、テーブルを同じくする対戦相手のデッキもコンボでの勝利を目指してくるデッキパワーの高いものになるでしょう。それだけに、カード選択やプレイもシビアなものになっていきます。サクり台を利用したコンボの中には難解なものもあり、日々の練習が欠かせません。
クロックパーミッション型
「コジレックで負けたくない」そんな強い気持ちが生み出した怪物。コジレックを戦場に送り込み、対戦相手の行動を打ち消しながら統率者ダメージでの勝利を目指します。序盤にクロックを展開し、対戦相手の行動はカウンターで弾きながらライフレースを進める。これが「クロックパーミッション」型コジレックです。
コジレックで6回殴ることを目指すため、手札が増える・入れ替わるカードを大量に採用し、対戦相手の除去とコンボを弾き続けます。
それぞれの違い
このように、ただコジレックはといってもさまざまな設計思想があり、それぞれに異なるプレイ指針があります。質問を通してその違いを見ていきましょう。
――「コジレックなどのエルドラージタイタンは強力です。しかし、フィニッシュとしては対処されやすいのではありませんか?」
まず、 コジレックを守るアーキタイプと、守らなくていいアーキタイプがあります。
ストンピィ型・コンボ型はコジレックをドロー手段として見ているため、コジレックが統率領域に戻ることを歓迎します。ストンピィ型にはコジレック以外にもゲームを押し進める強力なカードがたくさんあり、コンボ型はコジレックを唱えなおして再度ドローすることでコンボパーツをかき集めることができるからです。こうしたデッキは、そもそもコジレックがフィニッシュ手段ではないのです!
一方、クロックパーミッション型はそうではありません。コジレックを唱えなおすのはよしとして、召喚酔いによってリーサルが1ターン送れてしまいますし、「パーミッション」ができなくなってしまいます。そのため、《剣を鍬に》《蒸気の連鎖》に対応する1マナのカード、《致命的なはしゃぎ回り》に対応できる4マナのカードは唱えず手札に抱え込むことがよくあります。
……と強がっては見たものの、《ティシャーナの潮縛り》の登場はコジレックにとって厳しい逆風ですね。コジレックのドロー能力を消された場合、戦場に出たコジレックは打ち消し機能を持っているものの、打ち消しのタネがなくなってしまいます。打ち消し能力を消された場合は、ただ大きいだけのクリーチャーになってしまうのです。
――「《溜め込み屋のアウフ》《無のロッド》《虚空の鏡》といったアンチカードが存在しますが、これらの対策にどの程度枠を割いていますか?」
これもアーキタイプによって変わってきます。採用枚数が多い順に、おおむね、
ストンピィ>クロックパーミッション>コンボ
……となります。なぜなら、ストンピィが対戦する相手は比較的カジュアルめなデッキが多く、そうしたデッキにはアーティファクト対策カードや《ドラニスの判事》が多く採用される傾向にあるからです。
コンボでの勝利が基本となるテーブルでは、アーティファクトを対策するより《波止場の恐喝者》を使う側に回ったほうがはるかに強く、アーティファクトのマナ加速に頼らない形の緑軸のデッキは環境から数を減らしているため、さほど除去は必要ではないのです。ときどき互いのデッキパワーがかみ合わず、仕方なくガチガチの調整をしたトーナメント仕様コンボコジレックでカジュアルなデッキと遊ぶことがありますが、《溜め込み屋のアウフ/Collector Ouphe》を出されてくしゃくしゃになることはしょっちゅうです!
ところで……私たちは具体的にどんなカードを何枚入れればいいのでしょう?例えば《電圧改竄メカ》はアウフを除去するのにうってつけに見えますが、アウフを除去するときにしか強くありません。ほとんどの場合、《シッセイの指輪》のほうが強いです。
僕の考えですが、これをいれてマナアーティファクトやコンボパーツを減らすより、素直にマナアーティファクトを入れたほうが良いでしょう。「相手がアウフを使っているかも」と考えてマナアーティファクトを減らして弱いカードを入れるくらいなら、そもそもコジレック以外のデッキを握るべきです。はっきり言って、アーティファクトが7割を占める構築は脆弱すぎます。アウフを憎むあまり、デッキを弱くしてしまわないように気を付けましょう。
一方、《マイトストーンとウィークストーン》はこれ自身からマナが出るだけでなく、除去の範囲もタフ5までと広く、アウフがいなければ2枚ドローと、様々な使い道があります。 《不吉な墓地》 《爆発域》などは除去能力を持っているマナが出るカードなので、コジレック本来の強さを阻害することなく採用できる除去です。《次元の歪曲》はインスタントで使いやすく、範囲も広い「強い除去」なので使います。
結果、ストンピィ型には9枚の除去が入っています。《精霊龍、ウギン》なども含めた数字ですので、実際にはアウフ対策と呼べるものはもっと少なくなっています。
ちなみに、どうしてもアウフと戦いたくないなら、《溜め込み屋のアウフ》や《石のような静寂》はもちろん、《無のロッド》も《波止場の恐喝者》もないパイオニアEDHの世界で《大いなる歪み、コジレック》を使うという逃げ道もあります。
キープ判断
みなさんは、デッキのなかのカードが合計で何マナ出せるか数えたことはありますか?お手元にデッキがある方はぜひ数えてみてください。おそらく50~60くらいではないでしょうか。ここでは1枚のカードが生み出せるマナの量をマナ生産量と呼びましょう。
コジレックデッキはアーキタイプに関わらず、100前後です。マナ生産量の多いデッキであることがよくわかりますね。デッキのカードをランダムに1枚引いたとき、そのカードのマナ生産量の期待値は「およそ1」となります。
最初に配られる7枚の手札+3ターン目までに引く3枚で合計10枚。この10枚のカードが持つマナ生産量の期待値も10。そう、《大いなる歪み、コジレック》が唱えられますね。
《大いなる歪み、コジレック》の早期着地をねらいつつ、これだけたくさんのマナ加速呪文を入れつつもマナフラッドの心配がない、というのがこのデッキの魅力です。
実際にはマリガンをして手札5枚でゲームを始めることもありますが、それでも《魔力の櫃》《ウルザの物語》といった大量のマナを生み出せるカードもたくさんあります。
こうした配られるカードの揺らぎのなかで上振れを掴む練習をします。神頼みではなく、キープ判断で。
練習を始めたばかりの人は「1ターン目に2マナを使える手札」を探してマリガンしてみましょう。《古えの墳墓》+《思考の器》や、《太陽の指輪》+《次元の大地図》などの「2マナ生み出せて、2マナ使える」手札です。
《溜め込み屋のアウフ》との向き合い方
難しいのは《溜め込み屋のアウフ》と戦うことになることが多いストンピィ型です。「しめしめ、《溜め込み屋のアウフ》でキープしてやるぜ」なんて考える極悪人と戦うはめになります。ではこちらはどんな手でキープすればよいのでしょうか。
まず、マリガンが始まる前にこの呪文を唱えます。「アウフでキープされたらどうしよ~2ターンキルだよ~」、です。この呪文を聞いて「えぇ~?ウフフ」とはにかんだ奴は《俗世の教示者》でキープしています。「いやぁ~……」とか「う~ん……いやさすがに……」と首傾げつつもキープするやつは《溜め込み屋のアウフ》を持っています。本当です。
《溜め込み屋のアウフ》の気配を感じ取ったら、土地4枚とパワー2以上のクリーチャーでキープします。
土地が多めの手札をキープするのは、《溜め込み屋のアウフ》がいても行動しやすくするため。《不吉な墓地》などの除去を使うためのマナも土地から捻出しなければいけませんからね。パワー2以上のクリーチャーでキープするのは、いざというときにアウフと相打ちできるようにです。ストンピィ型が土地やや多めで、アーティファクト・土地が入っておらず、代わりにミシュラランドが入っているのはこのためです。
《溜め込み屋のアウフ》が出た結果、そのプレイヤーが一番有利な状況になれば誰かがアウフを除去してくれます。そうならなければ、そのプレイヤーは負けますアウフを出し、アウフを死なせないプレイでテンポロスをしているからです。そこでこの呪文です。
「僕らで協力しないと勝てない。アウフが死ねば除去を打てるから相打ちさせよう」
……です。晴れてアウフがいなくなったら《精霊龍、ウギン》や《無限に廻るもの、ウラモグ》を叩きつけます。
ただ、これだけは覚えておいてください。これがこの記事で一番大事な話です。
《溜め込み屋のアウフ》をプレイされたからといって、怒ってはいけません。あなたのデッキが今機能不全を起こしているのは《溜め込み屋のアウフ》を出されたからではなく、あなたがアーティファクトが7割を占める極端なデッキを使っているからです。
決して不機嫌になって態度を悪くしたり、自分だけ投了して帰ってはいけません。アウフが出そうなタイミングで「コジレックだけ出させてください!アウフは次のターンにしてください!お願いします!」と土下座するくらいにしましょう。
- 2023/10/29
- 無色のデッキの除去とサーチ
《ウルザの物語》はすごく強い
《ウルザの物語》はプレイして2ターン後に4マナ出る土地です。
第Ⅲ章の解決前にタップして1マナを出してから、《魔力の櫃》《宝石の睡蓮》《ライオンの瞳のダイアモンド》をサーチします。すでに3マナ以上出るアーティファクトがあるなら《多用途の鍵》か《通電式キー》を、あまりマナが伸びていなければ《太陽の指輪》《魔力の墓所》をサーチします。
コジレックならではのテクニック
アーティファクトをサーチしたり、墓地から回収できるカードの使い道はコンボパーツをかき集めるだけではありません。対戦相手のアクションを見てから起動することで、対戦相手の呪文と同じマナ総量のカードを入手して《大いなる歪み、コジレック》の能力で打ち消すことができます。
これが毎ターンできる《ウギンの目》は《大いなる歪み、コジレック》にとって最強のパートナーといえるでしょう。対戦相手が委縮してたいしたアクションがなければエルドラージやコンボパーツをサーチしてゲームをすすめられます。
《マイアの回収者》などのカードも、サクり台などで任意のタイミングで墓地へ送り込められれば同様の動きが可能です。
《月銀の鍵》の話をもう少し。《月銀の鍵》で何を探すか考えてみましょう。基本はコンボパーツや《魔力の墓所》、《通電式キー》があれば《魔力の櫃》もいいですね。
もし対戦相手がアウフを使いそうなら、《見捨てられた碑》を探しましょう。《見捨てられた碑》は強力なマナ加速ですが、《見捨てられた碑》によるマナ加速は誘発型能力なので、アウフの妨害を受けずにすむのです。アウフがスタックにのってしまったときは《マイトストーンとウィークストーン》や《隕石》も選択肢になります。
マナが膨大にあるなら《完全化の杖》を探してドローしましょう。マナが膨大にあって《大いなる歪み、コジレック》をサクれる状況なら、《ライオンの瞳のダイアモンド》を探して手札にたまった土地を捨てるのもいいでしょう。
《探検の地図》で探すのは基本的に《古えの墳墓》や《ウギンの目》といったマナ加速できる土地です。《発明博覧会》でコンボパーツや無限マナの注ぎ口を探すこともできます。
無色のコンボ
無色のカードのみで完結するコンボは非常に多く、すべてを網羅することは難しいです。ここでは特に代表的なものを掲載します。
《見捨てられた碑》+《玄武岩のモノリス》
《見捨てられた碑》があれば《玄武岩のモノリス》から4マナを生み出せるようになり、自身の能力で3マナでアンタップすることで1マナが浮きます。これを繰り返して無限マナとなります。
どちらもマナ能力を持っているため、《月銀の鍵》でサーチ可能です。また、それぞれが単体でも強力なマナ加速なので採用しやすいですね。コンボに頼っていないストンピィやクロックパーミッションでも採用します。安くて強いカード2枚でのコンボなので、晴れる屋通販の構築済みデッキでも使っています。
《神秘の炉》+《師範の占い独楽》
ライブラリー上から呪文を唱えられる《神秘の炉》ですが、ライブラリー上のカードと入れ替わってドローできる《師範の占い独楽》を組み合わせると、1マナで1枚のドローが可能になります。無限マナを生み出すか、《ジョイラの使い魔》などで《師範の占い独楽》を0マナで唱えられれば無限ドローになります。
KCI(《クラーク族の鉄工所》)コンボ
自身が死亡したときにアーティファクトを回収できるカードと、《クラーク族の鉄工所》や《アシュノッドの供犠台》があれば交互に墓地手札戦場を行き来できます。アーティファクトを唱えるコストを軽くする《ジョイラの使い魔》などがあれば、無限マナが可能です。
必要なカードが多いものの、いずれも代わりになるカードが多く、サーチを介さずにそろってしまいます。
《前兆の時計》+《一つの指輪》
タップするだけでドローできる《一つの指輪》と《前兆の時計》が並べばほぼ勝ちです。マナコストを軽減するカードや、アーティファクトが出るたびに自動でアンタップする《研磨基地》があれば、手札とマナがどんどん増えていきます。
よくある質問コーナー
ここからはよく聞かれる質問に答えていきます。
晴れる屋でコジレックデッキを購入しました!強化するならどんなカードを入れますか?
《魔力の櫃》が《多用途の鍵》《通電式キー》と組み合わさって大量のマナを生み出すさまは、まさにアーティファクトデッキ!という感じでとても楽しいのでおすすめです。
《ウルザの物語》は、その《魔力の櫃》を強く使えるようになるので採用したいカードです。
どちらも5000円程度する高額カードですが(5000円のカードは高額ですよ!)、コジレック以外の統率者デッキでも使い道があるので、5000円分の使い出はあるはずです。
晴れる屋のコジレックデッキを『統率者マスターズ』の構築済みデッキのカードで強化するならどうしますか?
《現実の冒涜》は「一徹」で唱えればリアニメイトもついてくるインスタント除去!このカードが発表されたときには「コジレックが書いてある無色のカードに”いってつ”って書いてある!!」と勝手に喜んだものです。複数のパーマネントを同時に触るため、「本当にヤバイあれを対処するために仕方ないんだ、だから消さないで!」と言いながら撃てる除去なのがgood。
《エルドラージ覚醒》は打ち消されない追加ターン。除去も兼ねるため、ブロッカーをどかして2ターン連続で殴って1人を脱落させられます。解決できれば勝ち!《偏向はたき》《精神壊しの罠》をケアして、マナ総量4のカードを手札に用意してから唱えましょう。
《虚空の鏡》を1-2ターン目に出されたらどうしますか?
土地から色マナが出る《成長の揺り篭、ヤヴィマヤ》や、フィルター能力のある土地が入っているのでそんなに困りません。そもそも《虚空の鏡》を使用するデッキは珍しく、身内メタで使われるようになったら、こちらも《成長の揺り篭、ヤヴィマヤ》や《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》でキープするようにしましょう。
必ず打ち消している呪文はありますか?
状況を見て判断するのは当然ですが、サーチ呪文やマナ総量0の呪文は積極的に消します。サーチ先の呪文に手札にある打ち消しがあたるとは限らないからです。
マナ総量0の呪文は土地を捨てることで打ち消すことができます。コジレックを再び唱えなおすときのことを考えると、手札にだぶついた土地を捨てる機会は利用すべきです。ただし、対戦相手が《死の国からの脱出》を使うデッキだった場合は、墓地のカード枚数を増やしてしまう裏目があります。
フルパワーでコジレックを構築する場合、シングル価格が高いもの3枚を挙げてください。
執筆時点でNM60万円。《The Tabernacle at Pendrell Vale》はクロックパーミッション型で採用されるケースがあります。
NM45万円 《Mishra’s Workshop》はアーティファクトデッキを使うなら憧れの一枚でしょう。ここから出るマナでは《大いなる歪み、コジレック》を唱えることはできません。
NM7.5万円。《ライオンの瞳のダイアモンド》は手札を失う代わりに3マナ出るアーティファクトです。起動から即コジレックを唱えれば一挙7枚ドローです。最高。 《ダイアモンドのライオン》 でも似たようなことができます。
「ワークショップを持っていないから組めない」との声をよく聞きますが、気にせずに組みましょう。いっそ割り切って再録禁止カードを使わずに組むのもいいでしょう。エルドラージ多めのストンピィなら《ウギンの目》のほうが強いかも。
『イクサラン:失われし洞窟』のカードのなかで、コジレックに採用したカードはありますか?
《残響する深淵》は《発明博覧会》や《埋没した廃墟》の再利用が可能な土地です。《ヴェズーヴァ》と似ていますが、こちらはコピーとしてプレイせず、無色マナを出せるアンタップインの土地として使える点が魅力的です。
《恐竜の遺伝子》は対戦相手の墓地から《波止場の恐喝者》を追放しつつ無限マナ・無限トークンを狙えるカードです。ソーサリータイミングでしか起動できない点が気になりますが、「なにかアクションしたいけど手札を減らしたくない」というときのマナの使い道としては強めです。コジレック相手に、《波止場の恐喝者》を唱える行為に対して裏目が生まれたのはうれしいですね。
よく質問される《内なる太陽、チミル》ですが、マナがでないカードとしては強さに対して隙が大きすぎると感じています。出したら出したで《一つの指輪》の登場以来環境に増えている《ファイレクシアの変形者》《Copy Artifact》でコピーされるリスクがあります。
ブロールで無色統率者を組む場合、基本土地は何を使いますか?
《山》です。《侵略樹、次元壊し》を使うデッキが使わなそうな色だから。
(※《荒地》が使えないブロールでは、固有色無色のデッキであっても《平地》《島》《沼》《山》《森》のうちいずれか一種類が使用できます)
展望、あるいはコジレック野郎でいっぱいのテーブル
コジレックを使っていて一番気持ちいい瞬間を教えてください。
コジレックミラーで勝利したとき――もとい、「私もコジレックを組みました!」と報告を受けたときです。
無色のデッキにはどんな色でも使えるカードしか入っていません。無色のデッキを学ぶということは、すべてのデッキを学ぶことといえるかもしれません。みなさんもぜひ、コジレックデッキの構築・プレイに挑戦してみてください!いいカードや構築を見つけたら僕にこっそり教えてくださいね。
そうそう、晴れる屋通販で販売しているコジレックデッキのリストもリニューアルしました!『統率者マスターズ』の影響で相場の下がったカードがあったので、そのぶんより強いカードを足して少し強化されました。
それではみなさん、また《エルドラージの寺院》でお会いしましょう。
最後に、『戦乱のゼンディカー』背景ストーリーからお気に入りの一節でしめます。コジレックの復活の現場にいたキオーラが、ゼンディカーに数多伝わるコーシ(コジレック)の物語、その共通点について思い起こしている場面です。
勝つのは常にコーシ。その教えに従った信奉者ではなく、彼を称えて囁いたイルカではなく。コーシが、常に勝つ。
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