『カルロフ邸殺人事件』へようこそ!
新セット『カルロフ邸殺人事件』がまもなく発売されます!先週はプレリリースもあり、みなさんも早速リミテッドや新たなデッキを組んでみたりしていることでしょう!
ただ魅力的なカードばかりの『カルロフ邸殺人事件』を見ると、どんなカードやデッキが強いのか、どのカードを買えばいいのか、悩んでしまう方も多いかと思います。
そこで、各構築フォーマットを代表する実力者である「神」のみなさんに、『カルロフ邸殺人事件』で注目するカードトップ3!を聞いてみました!
(なお、今回パウパー神の片山さんのご都合が合わなかったため、前期パウパー神の長谷川さんに執筆していただきました)
■「神」とは?
晴れる屋が主催している、『神決定戦』という大会の暫定王者。スタンダード・パイオニア・モダン・レガシー・ヴィンテージ・パウパー・統率者・リミテッドの8フォーマットそれぞれで行われており、予選大会(挑戦者決定戦)と決勝大会(神決定戦)を勝ち抜いた者だけが「神」になることができる。
詳しくはこちらをご覧ください。→『神決定戦』特設ページ
各フォーマットを熟知した者ならではの視点から、鋭い意見が飛び交いました。「神」の目にはなにが映り、なにを考えたのでしょうか。
◆第25期スタンダード神:矢島 広道
『カルロフ邸殺人事件』カードセット全体の印象
前セットの『イクサラン:失われし洞窟』は個々のカートが単体として優秀なイメージでしたが、『カルロフ邸殺人事件』に関しては今までのカードと組み合わせてシナジーを形成するカードが粒揃いな印象です。
そのため、今までメタゲーム上で目立たなかったデッキも活躍の機会が設けられそうです。群雄割拠のスタンダード環境、新しいデッキに出会うのが楽しみで仕方ありません!
『カルロフ邸殺人事件』スタンダード注目カードトップ3!
3位:《犯行現場の再現》
シンプルに「悪いことをしてくれ!」と言っているテキストです。カードタイプを問わず唱えられてしまうのは、今までにないユニークさを感じます。「謀議」や「諜報」など墓地に落とすカードは現スタンダードプールにはたくさんありますので、コンボデッキとして組み上げることもできそうです。墓地のド派手な呪文を唱えるところを見るのが、今から楽しみです!
2位:《ひよっこ捜査員》
帰ってきた《スレイベンの検査官》。真っ先に思いつくのがボロス召集の強化です。1マナのアーティファクトを出すクリーチャーが8枚になったことにより、一気にデッキの完成度がパイオニアに近づきました。ほかにも青白系のアーティファクトデッキでも強力に使われそうです。
1位:「諜報」土地サイクル
こちらはサイクルとしてまとめさせていただきました。以前スタンダードにあった占術土地がほぼ上位互換になって帰ってきました。2つの基本土地タイプを持ち、占術が「諜報」に変わっています。
下環境のフェッチランドとの相性は言わずもがな、スタンダードでも「版図」や「落魄」ともシナジーを形成します。ただし、ミシュラランドもそろっているスタンダードなのでミッドレンジ系はミシュラ、コントロール系は諜報と使い分けがされそうです。
◆第13期パイオニア神:松原 雄介
『カルロフ邸殺人事件』カードセット全体の印象
『カルロフ邸殺人事件』のセット全体を通しての印象としては、「マーダーミステリー」というカードゲームに落とし込みにくいテーマが上手くデザインされていて面白いカードが多い印象です。
フレーバーを表現する都合で気軽に手掛かり・トークンを出すカードが多いです。手掛かり・トークンは長い目で見たらキャントリップで、それを内蔵しているカードが多いということでセット全体でカードパワーは高いかなと感じています。パイオニアにおいては新規のデッキも既存のデッキも強化が期待できる良セットです。
『カルロフ邸殺人事件』パイオニア注目カードトップ3!
3位:《喝破》
端的に言えば《雲散霧消》がついた《マナ漏出》です。今までのパイオニアでは、2マナ以下で広く使えるカウンターは《かき消し》と、スピリット系デッキで使用されている《霊灯の罠》や《高尚な否定》、アーティファクト系クロパで使用される《金属の叱責》くらいでした。《かき消し》以外は下準備が必要で、脅威を速やかに対応することもできないこともあります。
これらに比べると《喝破》は下準備が必要ない3マナ要求のカウンターで、今までよりもマナを支払ってカウンターを掻い潜ることが難しくなります。このカードの存在によって、わずか2マナ構えているだけでも大きく行動を制限されるため、環境全体への影響も予想されます。
2位:《犯罪小説家》
《活性機構》とのコンボが話題の1枚です。
コンボの詳細は《犯罪小説家》、《活性機構》と《貪欲な侵入者》のようなアーティファクトを生け贄に捧げることができるカードがある状態でアーティファクトを生け贄に捧げます。《犯罪小説家》にカウンターが乗り、赤マナが生成されます。パーマネントに+1/+1カウンターが乗ったことで《活性機構》が誘発。生成された赤マナを支払い霊気装置・トークンがでます。
この工程を繰り返すことで、《犯罪小説家》を無限パンプしたり、《ズーラポートの殺し屋》などと組み合わせてそのまま相手を倒すことができます。アマリアコンボと比較するとコンポパーツに色の制限が少ないのでカスタム性があり、今後の研究の結果、大きく化ける可能性があります。
1位:《戦導者の号令》
ボロス招集やボロス《復興の領事、ピア・ナラー》と相性がいいカードで、《犯罪小説家》コンボとも噛み合っています。《戦導者の号令》が場にある状態で《上機嫌の解体》を唱えれば3点のダメージが飛び、2/2のゴブリンが3体出てきます。
《復興の領事、ピア・ナラー》から出てくる飛行機械トークンは《復興の領事、ピア・ナラー》によって速攻も得るので、追放から何かを出すたびに3打点のおまけが発生します。今までの全体強化の置物は、クリーチャーを並べても戦闘前に全体除去で対応されてしまうことがありました。《戦導者の号令》はクリーチャーを出すだけでライフを削れるため、全体除去への疑似的な耐性をつけられるのが強いと感じています。
◆第25期モダン神:内藤 圭佑
『カルロフ邸殺人事件』カードセット全体の印象
何やら物騒な名前のタイトルですが、キーワード能力も独特でワクワク感はとてつもなく高いです。クリーチャータイプ「探偵」や「偽装」「証拠収集」などのキーワード能力は、世界観にどっぷりと入っていけそうで今からプレイするのが楽しみです。
モダンにおいては「偽装」はやや悠長かなと感じますが、「証拠収集」はモダンでは分割カードもあるので比較的コストを工面しやすく、使いやすいかもしれません。モダンに新たな風が吹くことを期待しています。
『カルロフ邸殺人事件』モダン注目カードトップ3!
3位:《門衛のスラル》
よくある2マナの妨害系クリーチャーですが、このカードの強いところは瞬速がついているとこです。妨害系クリーチャー+瞬速の組み合わせが強いというのはレガシーで《敵対工作員》や《封じ込める僧侶》が証明しています。
このカードの主な使い方としては、相手の《原始のタイタン》や《悲嘆》などの各種インカーネーションのプレイに対してキャストし、さながら《ティシャーナの潮縛り》のように使うのがオススメです!しかもこちらは使い切りではなく永続効果なので、相手はこれを対処しないと二の矢を放てません。
ただし、引き過ぎても弱いので過信は禁物。サイドボードに数枚忍ばせておくのが良さそうですね。
2位:「諜報」土地サイクル
何やら強そうな土地が出てきましたね。『テーロス』のころに占術ランドはあったのですが、今回の土地は基本地形タイプを持っていてフェッチランドでサーチできるので、モダンではこちらのほうが強力ですね。モダンでは墓地を使うデッキも多いので、占術ではなく「諜報」なのもグッド。
今まではマナフラッドしてもフェッチを切ってライブラリーを圧縮するくらいでしたが、このカードはフラッドしたときのお守りには最高です。不要なカードを墓地に落とせばゲーム後半なら実質1ドローのようなものです。もちろん確定タップインなので入れるデッキ、入れる枚数は選びますが、フェッチを多用する中速〜低速デッキであればすんなり1-2枚は入るのではないでしょうか。
1位:《ギルドパクトの力線》
私はこのカードを初めて見たとき、とてもワクワクしました。みなさんはどうですか?見た目も効果も派手なこのカードにときめいた人も多いはずです!
肝心の効果ですが、正直未知数過ぎて既存のデッキにすんなり入るかと言われたら怪しいです。ただ、たとえば《ドラコの末裔》ととても相性が良いので、《ギルドパクトの力線》型のドメインを組んでみても面白いかもしれませんし、すべての基本地形タイプを得ることに着目し、《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》デッキに入れてみても面白いかもしれません。
ただし、力線シリーズすべてに言えることなのですが、初手に来なかったときの弱さはあるので、後引きしたときの上手い活用法を含めたデッキ構築が要求されることでしょう(例:ピッチのコストにする)。納得のいくデッキが組めたとき、このカードは爆発するかもしれません。
◆第24期レガシー神:廣田 貴志
『カルロフ邸殺人事件』カードセット全体の印象
ラヴニカといえば!《ゴルガリの墓トロール》《死儀礼のシャーマン》《戦慄衆の秘儀術師》《時を解す者、テフェリー》など、もちろんほかにもたくさんありますが、ラヴニカ次元に訪れるとMTG環境が上から下までめちゃくちゃにされた歴史があります。
レガシーのみならず、ほかのフォーマットでも禁止されているカードが多数あり、やばい次元なのは間違いないです。フォーマットが下に行けば行くほど1枚の強力なカードで環境が変わり、「スタンダードだと弱いけどレガシーまでくるとこんな強いんだ」と思わされるカードも出現するので油断できません。
ですが、今回はセット名とは違いカードパワーは全体的におとなしめな印象を感じます。そのなかでも注目するカードを3枚選出しました。
『カルロフ邸殺人事件』レガシー注目カードトップ3!
3位:《門衛のスラル》
レガシーには古来より根強いファンがいる《ファイレクシアン・ドレッドノート》のお供になるかなと期待してます。
現在のリストだと《倦怠の宝珠》《厳しい試験官》《激しい叱責》が似たような役割を果たしていますが、《門衛のスラル》の良いところは2マナ瞬速であり、その一点により隙が埋まるのではないかと思います。瞬速かつ《激しい叱責》と違い残り続けるので、コンボがそろってなくても置いておいておけるのは良いですね。
2位:《関係者の集合》
白い《未来予知》といっても過言ではないでしょう。レガシーおじさんたちは《未来予知》の爆アドぷりを知っているはず!無限にアドバンテージを取ります。それが今回は白です。2マナです。
毎ターン1回やらパワーが2以下やらの制限はありますが、レガシーの白いクリーチャーデッキはパワー2以下が多いのでささいな問題でしょう。デス&タックスと対戦する側からすると、アドバンテージを少しづつ取られる動きからこれを置かれるとダルいなと感じる1枚です。
1位:《世慣れた見張り、デルニー》
正直「あぁ、またこれ(誘発2倍)系ね」と思いましたが、なんだかいろいろ能力付いてるし、場に出たときの誘発だけじゃなく場にいるクリーチャーの能力も誘発するのはめずらしい、かつ種族が「人間」です。
ぱっと思いつくだけでも、《石鍛冶の神秘家》《オークの弓使い》《護衛募集員》や各種ゴブリン、はたまた《貴族の教主》の「賛美」も!クリーチャーの質は年々高くなっているので将来性も感じます。
◆第23期ヴィンテージ神:石坂 ケビン
『カルロフ邸殺人事件』カードセット全体の印象
はじめまして。ヴィンテージ神の石坂 ケビンです。ヴィンテージはカードパワーが高いフォーマットなので、スタンダードセットのカードはあんまりヴィンテージでは見かけません。とはいえ、今回は使えそうなカードが来ちゃったかもしれません。
まず、セットの全体的な印象としてはフレーバーが良いなと感じました(少なくとも英語版では)。探偵風のダジャレが多くて、強く印象に残ります。「拡大鏡」ショーケース版もかなりセンスがあると思いました。ヴィンテージプレイヤーとしてはもう少しぶっ壊れているカード見たかったですが、まあそれは仕方がないですね。
『カルロフ邸殺人事件』ヴィンテージ注目カードトップ3!
3位:《門衛のスラル》
瞬速付きの《静寂をもたらすもの》ですね。これはアゾリウスルールスが使いそうなカードです。白単イニシアチブのカードがいろいろと止まり、Doomsdayの《タッサの神託者》にも効きます。
また《倦怠の宝珠》とも似ていますね。白単イニシアチブとのマッチアップでは、《門衛のスラル》のほうがイニシアチブを奪えるので強そうですが、Doomsdayはクリーチャー除去をサイドインしてくるので、《倦怠の宝珠》のほうがいいかもしれません。
とはいえ、アゾリウスルールスがこれらのマッチアップに勝ちたいのであれば、ほかの方法を用いたほうが効果的でしょう。白単イニシアチブには《剣を鍬に》と《流刑への道》がベスト、Doomdayなら《タッサの神託者》を妨害するより、カウンターを増やして《最後の審判》を止めるべきです。
一応、《門衛のスラル》は《ドルイドの誓い》対策にはなりません。《偉大なる統一者、アトラクサ》の誘発を止めても、7/7・飛行・警戒・絆魂・接死(なんで接死あるの?)クリーチャーが残るので、あんまり意味ないです。
2位:《毒を選べ》
《門衛のスラル》は《ドルイドの誓い》対策になりませんが、《毒を選べ》なら全然なりえます。また《ウルザの物語》にも有効です。
《毒を選べ》はスゥルタイ系デッキ(墓荒らし系)に入りそうですが、《自然の要求》や《活性の力》と同じ枠を争うことになります。それらのカードと違って、ヴィンテージでは《Mox》などを生け贄にできるので、アーティファクト対策としての期待はあまりできません。
現状ではそこまでヴィンテージで見かけることはないと思いますが、将来的に呪禁付きのエンチャントや強力な飛行クリーチャーが出る可能性があるので、このカードの存在は頭のすみっこに置いていたほうがいいかもしれません。ほかの除去と少し異なるので、いつか輝くチャンスが来るかもです。
1位:《鑑識の利器師》
《鑑識の利器師》にはかなり期待しています。3マナはヴィンテージではやや重いですが、《玄武岩のモノリス》があれば無限マナになりますし、《師範の占い独楽》であれば2マナ1ドローになるのでパワーレベルは十分かと思います。3つそろえば、デッキを全部引くことができますね。
《鑑識の利器師》と《玄武岩のモノリス》を4枚ずつ入れたデッキを考え中ですが、別にコンボをそろえなくても各種《Mox》を唱えてそのまま手掛かり・トークンでドローも可能です。コントロールコンボ向きのカードかもしれません。このカードで新しいデッキを作るのを楽しみにしています。
◆第4期パウパー神:長谷川 翔一
『カルロフ邸殺人事件』カードセット全体の印象
こんにちは、元パウパー神の長谷川です。縁があって新カードレビューをお届けさせていただきます!
今回のセットには、おなじみの「調査」「諜報」や「変異」「予示」のアップグレードといえる「変装」「偽装」など、どこか懐かしさを感じる要素が多く、個人的にはエモくなってしまいました。
一方で、「容疑をかける」のようなフレーバーに富んだキーワードであったり、「パワー2以下を参照する」という今までなかった要素が組み込まれている点がフレッシュな体験を与えてくれそうです。
パウパーにもっとも影響が大きい要素は、何かのオマケでアーティファクトを出せる「調査」の存在。今までの選択肢がより広がったり思わぬシナジーで、新たなデッキの誕生にも期待してしまいます。
そんな『カルロフ邸殺人事件』の注目カードの紹介、いや“解明”を始めましょう!
『カルロフ邸殺人事件』パウパー注目カードトップ3!
3位:《ひよっこ捜査員》
さすがにこのカードを紹介しないわけにはいかないでしょう。おそらくパウパー以外にも影響を与えると思われるカードです。
《スレイベンの検査官》のほぼ同型再販ですが、同じカードが8枚入ることにより今までとは異なったアプローチが生まれる可能性があります。
白単アグロにおいては上質な1マナクリーチャーが8枚採用できるようになりますし、ボロスシンセサイザーではアーティファクトのカウントを安定させながらドローにより後半のリソース源にもなります。 =白いデッキの序盤の動き&粘り強さが強固になっているので、従来より柔軟なゲームプランを行えるようになったと感じました。
また白単《きらきらするすべて》のような、今まで大きく活躍していなかったデッキを一気に押し上げる要素にもなりそうです。パウパーをやっている方はまず最初に4枚は買っておきましょう。
2位:《自白勧告》
2位は新キーワード「証拠収集」を持った布告除去をピックアップ。基本的には《残酷な布告》ですが、「証拠収集6」を達成することで最大パワーのクリーチャーを生け贄というアンコモン〜レア級の効果へと変化します。
呪禁オーラが布告除去を対策するために、クリーチャーを横に並べる《結束のカルトーシュ》を採用していましたが、この除去はその対策を完全にケアしたサイドカードとしての役割が期待できます。
主な採用はディミーアテラーやディミーアコントロールといった《トレイリアの恐怖》《グルマグのアンコウ》が入ったデッキなどでしょうか。「証拠収集」のコストを達成しやすく、ドロー操作でサイドカードを発見しやすいので今後の選択肢として覚えておくと良いかもしれません。
1位:《脱出トンネル》
注目カード第1位は、新時代のフェッチランドである《脱出トンネル》!!すでにパウパープレイヤーがよく話題にしており、僕自身もこれは画期的な土地だと感じています。
効果は至ってシンプルで《進化する未開地》に追加で「自身を生け贄に、パワー2以下のクリーチャーがブロックされなくなる」というもの。そもそも《進化する未開地》が現役だったことを考えるととんでもないアップグレードなのですが、オマケで付いた能力があまりにも強力です。
たとえば、ブロックされなかったクリーチャーを《深き刻の忍者》の「忍術」で入れ替えてドローしたり、《金属ガエル》に使って《きらきらするすべて》を付けてみたり、カウゲートで《聖なる猫》に能力を付与したあとに《バジリスク門》起動など悪用方法が単純ながらありすぎます。
土地であることで対処も難しいですし、採用されているだけで非常に厄介なカードと言わざるを得ません。個人的には《渦まく知識》とも相性がいいので、青いデッキで採用したいですね。感染持ちクリーチャーに起動して一撃必殺!とかも面白そうです。
◆第7期統率者神:髙橋 龍司
『カルロフ邸殺人事件』カードセット全体の印象
今回のセットは、ガチの統率者戦においては色が合えば入るレベルのカードはなかったように思います。書いてあることは強いけどコストが重かったり、汎用性に欠けていたりで全体的に今一歩惜しい印象を受けました。そのなかで一部、特定のデッキで使えば壊れてるかも…?といったカードがあったのでご紹介していきます!
『カルロフ邸殺人事件』統率者注目カードトップ3!
3位:《つるむ面倒》
相手の追加ターンを止めつつ《外交官、マンガラ》と《フェアリーの黒幕》の誘発のドロー能力が合わさったスーパーカードです。《ルーデヴィックの名作、クラム》や《フェアリーの黒幕》でこの手のドロー能力は統率者戦において強力であることはすでに証明されていますが、ダブルシンボルの4マナと少し重いのが気になる点ではあります。
同じ4マナ域には《一つの指輪》というどの色でも採用できる最強のドローソースの存在があり、そちらのほうが能動的に手を進められる点も逆風になりそうです。しかしながらヘイトという概念がある統率者戦では、自発的に引かないからこそ強い場合もあるので試してみる価値は十二分にありそうです。
2位:《鑑識の利器師》
まず目に着くのは《玄武岩のモノリス》との無限マナコンボでしょう。今までも《Power Artifact》や《ブライトハースの指輪》を使えば同じことはできましたが、それだけではないのがこのカードの凄さです。コンボパーツでありながら、単体でもアーティファクトに寄せたデッキであればドローソースとして活躍してくれるのが令和を感じさせてくれるカードパワーですね。
特に青茶系のデッキは、序盤から高速展開でマナはたくさん出るけどそこから手が増えなく息切れ…といった負けパターンがありますが、それを1枚で解決してくれるのではないでしょうか。《最高工匠卿、ウルザ》や《ウェザーライトの艦長、ジョイラ》での活躍が見込まれます。
1位:《世慣れた見張り、デルニー》
《波止場の恐喝者》《オークの弓使い》《エスパーの歩哨》《フェアリーの黒幕》《オグマの文書管理人》etc…これらの誘発が倍になるのは考えただけでワクワクしますね。
《鋭い目の航海士、マルコム》と《織り手のティムナ》の「共闘」ではアンブロックの能力も有効に使え、どちらのジェネラルとも相性が良く非常に噛み合った性能を見せてくれるでしょう。《浄火の戦術家、デリーヴィー》では《一つの指輪》を複数回起こしたり、《秘密を知るもの、トスキ》での大量ドローのほかに、《祝福されたエミエル》と組み合わせたコンボパーツとしても使えるので、今後よく見かけるカードの1枚になりそうです。
◆第16期リミテッド神:森山 真秀
『カルロフ邸殺人事件』カードセット全体の印象
新メカニズムの「変装」「偽装」のカードが多く、セット内のカードの把握と裏向きのカードの推測が非常に重要な環境という印象です。また、今回よりドラフトブースターからプレイブースターという新しい製品に切り替わっており、レア以上が出やすく、コモンカードの出現枚数が少なっている点はリミテッドをプレイするうえで重要な情報です。
コモンの中でもリミテッドで弱めのカードが減らされ、並以上のコモンの枚数は大きくは変わっていない印象を受けます。加えて、色拘束の都合上カードパワーが高めに設定される傾向のある多色カードが多く収録されているセットなので、リミテッドで魅力的なカードが多く、ドラフト・シールドともにピック・デッキ構築の選択肢が多く遊びがいのあるセットだと考えています。
『カルロフ邸殺人事件』リミテッド注目カードトップ3!
3位:《血滴りの救済者》
多色カードではあるものの、3マナでパワー2の飛行・絆魂と驚異のスペックです。このクリーチャーで攻撃しているだけでライフレースを有利にできます。また「変装」を持っており、表になった際の効果も強力です。
表になるとに2体分の絆魂クリーチャーが存在することになるので、ライフが競った展開ではゲームの勝敗を左右する大きな影響力を持った1枚です。3マナで出そうとすると白黒の2色が必要ですが、「変装」コストは白黒の混成なので片方の色しか合っていないデッキでも使いやすい点も評価できます。
2位:《通電》
2マナ3点の火力呪文なだけでも優秀ですが、セカンドドローを条件に5点火力となるため、大型のクリーチャーも倒せてゲーム終盤まで活躍できる1枚です。
この環境では手掛かり・トークンでカードを引くことで条件を達成しやすいですし、「変装」や「偽装」で護法を持つクリーチャーが盤面に並びやすいので、もとが軽い除去であることは重要です(同じ理屈で《闇討ち》のような一部の護法を無視できる除去も強力です)。また、こちらの「変装」や「偽装」の2/2クリーチャーが3/3のクリーチャーを前にして止まる展開は多そうなので、2マナでテンポよく盤面を打開できる点も環境にフィットしています。
1位:《謎めいた外套》
このセットでもっとも注目しているボムレアです。3マナ3/2・護法2・ブロックされない・表返るかもしれないというクリーチャーを場に出すだけでも十分ですが、2マナを払うことで手札に戻すことができるので再利用して毎ターン着実に盤面を固めることができます。
手札に戻す能力は、軽い上にインスタントタイミングで起動できるのでアーティファクト除去をかわしやすく、対処が難しい点もこのカードの強さを支えています。対戦相手に使用される場合には、飛行クリーチャーで攻め切るか《妥当な疑惑》や《脳の没収》などのカードで対応したいところです。
新環境を楽しもう!
「神」ならではの柔軟な発想と鋭い着眼点から、各フォーマットの『カルロフ邸殺人事件』の注目カードをレビューしてもらいました!
目を引くような強いカードが多く、どんなデッキを組むか考えるのが楽しいですね!彼らの意見を参考に新たな戦力とともに新環境へと踏み出しましょう!
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