はじめに
みなさん、こんにちは。
『ストリクスヘイヴンの秘密』がリリースされて3週間が経ちました。『第33期レガシー神挑戦者決定戦』も開催され、新カードを使ったデッキも結果を残してるようです。
今回の連載では、『Legacy Showcase Challenge』『Legacy Challenge』『第33期レガシー神挑戦者決定戦』の入賞デッキを見ていきたいと思います。
『Legacy Showcase Challenge』 -フェアデッキに強いエネルギー-
『ストリクスヘイヴンの秘密』の実装直後に開催された『Legacy Showcase Challenge』。
話題の新カード《没頭》をもっとも強く使えるデッキを探すことに没頭するプレイヤーも多く、イゼットテンポやディミーアテンポなど青いフェアデッキが多くなると予想されていました。
しかし、いざフタを開けてみるとイゼットテンポは上位で見られず、ディミーアテンポもトップ32にこそ複数見られたものの、プレイオフには不在という結果になりました。
《没頭》を採用したデッキで優秀な成績を残したのは準優勝したジェスカイコントロールで、優勝はマルドゥエネルギーでした。ほかには、《Candelabra of Tawnos》をフル搭載したトロン、親和、The Spy、ホガークといったデッキも入賞しています。
マルドゥエネルギー
エネルギーデッキ最大の強みは、イゼットやディミーアなどのテンポデッキに対して有利なところです。
表面的には安定したデッキに見えますが、このデッキがレガシーで成功を収めるためには青いテンポデッキが流行ることが条件であり、実際にはメタデッキ的な立ち位置にあります。
苦手なコンボデッキとの耐性を少しでも上げるため、今回優勝したリストのようにハンデスなど妨害が使える黒をタッチしたバージョンにする選択肢もあります。
☆注目ポイント
黒をタッチする最大の理由は、《陰謀団式療法》と《思考囲い》という2種類のハンデスを使うためです。特に《陰謀団式療法》は、デッキのさまざまなカードとシナジーを発揮します。
《オセロットの群れ》や《勝利の楽士》《オークの弓使い》などのトークンを「フラッシュバック」のコストにすることができ、猫・トークンを生け贄にすれば《ナカティルの最下層民、アジャニ》を能動的に変身させることが可能です。
《オークの弓使い》も黒をタッチする理由で、流行りの《没頭》を咎めることはできませんが、《渦まく知識》をはじめとしたドロースペルを多用する青いデッキにとって脅威なことには変わりません。
『ローウィンの昏明』から登場した《呪詛の壊し屋》は、《意志の力》や《目くらまし》といったピッチカウンターの多いレガシーでは特に強力です。護法のペイライフもアグロデッキのエネルギーと相性が良く、フェアデッキにとってかなりの脅威になります。
ジェスカイコントロール
準優勝した《没頭》フル搭載のジェスカイコントロール。
ジェスカイウィザードがベースになっており、基本土地をアンタップインでサーチできる《虹色の眺望》を採用の安定したマナ基盤はそのままに、《稲妻罠の教練者》と《アノールの焔》が《没頭》に挿し変わっています。
☆注目ポイント
《没頭》を強く使うためにインスタント・ソーサリーがバランスよく採用されています。《虹色の終焉》や《空の怒り》は幅広く盤面の脅威に対処できる優秀なソーサリー除去です。
また、《ロリアンの発見》は「サイクリング」によりインスタントタイミングで墓地に送れるソーサリーなので、相手の意表をついて《没頭》で2枚ドローを狙えます。
《虹色の終焉》は変身した《知りたがりの学徒、タミヨウ》や《虚空の杯》など対処が難しいカードにも触れます。《空の怒り》はコントロールにとって脅威である《ウルザの物語》と構築物・トークンをまとめて流すことができ、全体除去なので《呪詛の壊し屋》の影響も受けません。
《没頭》以外にも『ストリクスヘイヴンの秘密』の新カードが見られました。《浸食作用》はわずか1マナでクリーチャーだけでなく、プレインズウォーカーも処理できる優秀な除去です。
相手に基本土地を渡してしまう効果は決して無視できないデメリットではありますが、このデッキにとって対処が難しかった《悪夢滅ぼし、魁渡》に触りやすくなったことは大きく、柔軟性に優れているので今後も多くの白いデッキで見かけることになりそうです。
『第33期レガシー神挑戦者決定戦』 -イゼットデルバーの復権-
開催日:2026年5月5日
優勝 スニーク・ショー
準優勝 イゼットデルバー
3位 イゼットデルバー
4位 ディミーア忍者
5位 オムニテル
6位 イゼットデルバー
7位 ドゥームズデイ
8位 土地単
9位 ピナクル親和
10位 グリクシステンポ
11位 ディミーア忍者
12位 トロン
13位 トロン
14位 ディミーアテンポ
15位 土地単
16位 オムニテル
- 2026/05/06
- 【特別協賛:鮨ともえ】第33期レガシー神決定戦カバレージ
参加者267名と大盛況だった『第33期レガシー神挑戦者決定戦』。
MOで活躍しているトロンは再録禁止カードである《Candelabra of Tawnos》が入手困難なため、テーブルトップでは構築が難しいとされていましたが、今大会ではなんと19名ものプレイヤーが同デッキを持ち込んでいたようです。
- 2026/05/06
- メタゲームブレイクダウン:【特別協賛:鮨ともえ】第33期レガシー神挑戦者決定戦
トロン、ディミーアテンポといった現環境のメタ上位に位置しているデッキは、今大会でも人気はあったもののプレイオフには不在でした。
今大会でもっとも多く入賞していたアーキタイプは《没頭》を採用したイゼットデルバーでした。
《納墓》禁止後の環境では、《オークの弓使い》や《バロウゴイフ》を使うディミーアとのマッチアップで苦戦を強いられていましたが、《没頭》を獲得したことでロングゲームでも渡り合えるようになり、見事に復権を果たしました。
イゼットデルバー
『ストリクスヘイヴンの秘密』の実装直後はさまざまなバージョンがテストされていました。《没頭》による強化もありますが、イゼットの強みは現在のメタゲームの恩恵を受けていることにあります。
イゼットデルバーはクロックが軽く、《発展の代価》や《溶融》といったカードにアクセスできるため、現在幅を利かせているトロンに強く出れます。
一方、このデッキが苦手とするディミーアテンポはクロックが遅く、トロンに対してそれほど高い勝率が出ていないこともあり、大会が進むにつれてイゼットに有利なフィールドになりやすくなっているのも、このデッキが復権してきた理由になります。
☆注目ポイント
全体的に軽めの構成なので《没頭》で得たアドバンテージを有効活用しやすく、《コーリ鋼の短刀》の誘発もさせやすくなっています。さらにサイド後は、特定のマッチアップで刺さる重要なカードを探しにいける点が優秀です。
《コーリ鋼の短刀》はマッチアップによって強さが変動しやすいカードで、コンボ相手には遅いためサイドに落としてメインを昔ながらのイゼットデルバーに近い構成にしたリストも見られました。
追加の火力スペルの選択肢は、《没頭》との相性を考慮して《稲妻の連鎖》が採用されることもありますが、《バロウゴイフ》の対策が必須であるため《邪悪な熱気》が優先されています。
サイドの《発展の代価》と《溶融》はトロンに対して有効なカードです。特に《発展の代価》は土地単に対しても効果的なので、現在は2枚採用するのも視野に入ります。
ミラーマッチをはじめ《没頭》を使う青いフェアデッキが流行るのであれば、《紅蓮破》が今後メインから採用されるようになるかもしれません。
スニーク・ショー
今大会で優勝したのはスニーク・ショーでした。MOでも好調なデッキのひとつで、ここ最近は特に安定した成績を維持しています。
流行りのトロンも含めて相性の良いマッチアップが複数あり、さらに『ローウィンの昏明』から登場した《呪詛の壊し屋》を得たことで、かつては相性が悪かったテンポデッキとの相性も改善されました。
実際に『レガシー神挑戦者決定戦』の準決勝と決勝戦では、イゼットデルバーとのマッチアップに勝利しています。
☆注目ポイント
現在注目を集めている《没頭》ですが、スニーク・ショーに関しては、より多くのカードを見ることができる《食糧補充》が優先されています。《古えの墳墓》のおかげでプレイしやすく、ハンデスされたあとのリカバリーも効きやすくなっています。
《呪詛の壊し屋》はスニーク・ショーにとってもっとも大きな収穫と言っても過言ではありません。
スペルがカウンターされなくなるだけでなく、《呪詛の壊し屋》自身もカウンターされないことから、過去に青対策として採用されていた《防御の光網》や似た能力を持つ《スパイダーパンク》を超える逸材とされています。
このクリーチャーが環境に与えた影響は大きく、本来このデッキ相手には《稲妻》など除去が当然サイドアウトされていましたが、現在では《呪詛の壊し屋》を想定して不要牌になりやすい除去を残さなければなりません。これは、テンポデッキをはじめとした青いフェアデッキにとって非常にやっかいといえます。
スニーク・ショー側も《呪詛の壊し屋》に向けられた除去さえ弾いてしまえば、コンボを安全に通すことができます。
『Legacy Challenge』 -《没頭》を採用したフェアデッキが多数-
開催日:2026年5月9日
優勝 ディミーアテンポ
準優勝 ディミーアテンポ
3位 イゼットテンポ
4位 《謎鍛冶》ストーム
5位 マルドゥエネルギー
6位 イゼットデルバー
7位 ディミーアテンポ
8位 イゼットテンポ
『ストリクスヘイヴンの秘密』がMOに実装されて3週間が経ち、《没頭》を使ったデッキリストも洗練されてきました。
今大会のプレイオフはイゼットとディミーアの2種類のテンポデッキが優勝者も含めてなんと合計6名。
テンポデッキが圧倒的な強さを見せるなか、そのテンポデッキに強いエネルギーや、コンボデッキの《謎鍛冶》ストーム、リアニメイトといったデッキも入賞しています。
ディミーアテンポ
現在のレガシーでもっとも人気があるデッキで、トロンや土地単、エネルギーなど苦手なマッチアップは存在するものの安定した勝率を維持しています。
数を増やしているイゼットデルバーに強く、スニーク・ショーやドゥームズデイ、The Spyなどコンボデッキとも相性が良いため、今後も安定した選択肢になりそうです。
《バロウゴイフ》をメインから多めに採用したミッドレンジ寄りの構成や、今大会で優勝したリストのように《ネザーゴイフ》などを採用した軽めの構成など、プレイヤーやメタゲームによって個性が出るデッキでもあります。
☆注目ポイント
軽いスペルの多いこのデッキも《没頭》を上手く使えるデッキですが、強力なソーサリーである《思考囲い》を使える点がイゼットにはない強みです。
一般的に《島》は1枚採用ですが、優勝したリストには2枚採用されており、テンポ同型とのマッチアップで安定してプレイできるようになっています。
また、コンボデッキに対しては重い《バロウゴイフ》がサイドに落とされ、軽いクロックとして《ネザーゴイフ》が採用されていました。《ミシュラのガラクタ》は《ネザーゴイフ》を強化し、早い段階から《知りたがりの学徒、タミヨウ》を変身させることにも貢献してくれます。
最近では、相手によって強さが変動しやすい《悪夢滅ぼし、魁渡》を採用しないリストもありますが、土地単やコントロールなどに有効で、ディミーア同型でも対策されにくい勝ち手段として活躍してくれます。
また、このデッキの主な勝ち手段は《ネザーゴイフ》《濁浪の執政》《バロウゴイフ》といった墓地を参照するカードが多いため、墓地に依存しない勝ち手段である《悪夢滅ぼし、魁渡》は重要です。
もうひとつ興味深いのは、トロン対策として《記憶への放逐》ではなく《減衰球》がサイドに採用されているところです。これにより、マナ基盤を妨害して減速させ、クロックで圧をかけつつ脅威をカウンターしていくクロックパーミッション戦略が実行しやすくなっています。
総括
現在のレガシーは、《没頭》による強化もあり、これまでと同様にテンポデッキが中心の環境になりそうです。
しかし、スニーク・ショーなどコンボデッキも多く、『第33期レガシー神挑戦者決定戦』の上位には定番のアーキタイプ以外にも、ディミーア忍者などトップメタ以外のアーキタイプも見られました。
トロンもその強さが認識され、今後も注目されるべきアーキタイプであることには間違いありません。
USA Legacy Express vol. 276は以上になります。それでは次回の連載でまた会いましょう。楽しいレガシーライフを!










































