この企画では、様々なデッキの初手をHareruya Pros&Hopesにキープかマリガンか判断してもらった上で、なぜそのような考えに至ったのかを解説していただきます。
皆さんも自分ならどうするかを考えながら、プロの考えに触れてみてください。
今回は、なんとマジック・プロリーグに出場する4名のプレイヤーに解説していただきます!
この度は各デッキにゆかりのある選手にご解答いただいたので、各選手の過去記事も合わせてご覧いただければと思います。それでは、早速問題に移りましょう!
ケース1:赤単
最初の質問は、赤単の初手です。デッキリストは、先日晴れる屋で行われた『ラヴニカの献身』環境初陣戦で見事優勝された岩本 健史さんのリストを使用させていただきました。
そして、この質問に答えてくれるのはこの方、ジョン・ロルフ/John Rolf選手です!
- 2019/01/16
- ラクドス カードレビュー
- ジョン・ロルフ
初手
☆キーポイント
ロルフ選手の回答
「キープです。動きは鈍いですが、《遁走する蒸気族》が除去されなかった場合の上振れがありますしね。6枚にマリガンしてこれ以上いい手札になる可能性も低い上に、先手なら手札を使い切るだけの十分な時間があります。
もし《遁走する蒸気族》が除去されても、3ターン目までに《山》を引いていれば《稲妻の一撃》と《舞台照らし》をプレイできます。これは悪い動きではないですし、そこから次に繋げられます。
1マナのクリーチャーを探しにマリガンする、という意見をよく聞きます。ですが、このリストにはあまり多くの1マナクリーチャーは入っていませんし、カードを1枚減らしてまでやりたいことではないですね。
もし先手ではなく後手ならマリガンです。後手だと《遁走する蒸気族》が対処される可能性が高くなりますし、もしもそうなってしまった場合に手札を消費し切るだけの時間がないでしょうからね。」
ケース2:スゥルタイミッドレンジ
続いては、同大会で準優勝された斉田 逸寛さんのリストから出題させていただきます。
答えてくれるのは、クリスティアン・ハウク/Christian Hauck選手です!
- 2018/11/06
- 最強のゴルガリを求めて
- クリスティアン・ハウク
初手
☆キーポイント
ハウク選手の回答
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「キープですね。後手であれば《マーフォークの枝渡り》の「探検」と合わせ、ライブラリーを3枚掘り進めた上で3ターン目を迎えることができます。ですから、円滑なゲーム運びができる手札になる可能性は非常に高いと思われます。
3ターン目に何かしらの呪文を唱えられる可能性も高いでしょうし、4ターン目は少なくとも現状の手札にある《ヴラスカの侮辱》を唱えられます。こうなれば、マナが伸びるまでの時間を稼げているので、《ハイドロイド混成体》を有効活用できるでしょう。《ハイドロイド混成体》が2枚あるので、4ターン目に(X)=2で1枚唱えてしまっても悪くありません。
ドローに賭けるのは好きではないのですが、後手で、しかも2ターン目に「探検」クリーチャーを唱えられるとなればキープするのが妥当でしょう」
おまけ~《ハイドロイド混成体》は《殺戮の暴君》よりも優先して採用すべき?~
「個人的にメインデッキには《殺戮の暴君》と《ハイドロイド混成体》を散らして採用した方がいい、と考えています。
《殺戮の暴君》は未だにミラーマッチでの王者であり、例えこのクラゲがスゥルタイミッドレンジを使う価値を非常に高めているとしても、《ハイドロイド混成体》に全幅の信頼を置いて《殺戮の暴君》をベンチに座らせておくべきではないですね」
ケース3:ティムール《首席議長ヴァニファール》
続いては、Magic Onlineの5-0リストからKumazemiさんのティムール《首席議長ヴァニファール》をお題にさせていただきます。
この質問に答えてくれるのは、ルーカス・エスペル・ベルサウド/Lucas Esper Berthoud選手です!
- 2019/01/21
- HareruyaWayfinder 『ラヴニカの献身』編まとめ
- 晴れる屋メディアチーム
初手
☆キーポイント
ルーカス選手の回答
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「キープだね!俺の経験からすると、《首席議長ヴァニファール》デッキはマナカーブ通りに動く必要はないんだ。《首席議長ヴァニファール》が1、2ターン生き残りさえすれば、相手が何をしていようと盤面を互角にできるからね。こいつは本当に強力なカードだよ。
保険として2枚目の《首席議長ヴァニファール》がいる上に、《野生の律動》で速攻を付与できるため相手が対処しづらい。素晴らしいハンドだね。
環境最速のデッキに対しては《冒険の衝動》で2マナのクリーチャー・土地を見つけられなかった場合ひどいことになるが、成功する確率はそこまで悪くない。こういうハンドを見ると、このデッキを使うのが楽しみになるね!」
ケース4:グルールアグロ
最後の質問は、同じくMagic Onlineの5-0リストからryuumeiさんのグルールアグロをお題にさせていただきます。
この質問に答えてくれるのは、リー・シー・ティエン/Lee Shi Tian選手です!
- 2019/01/21
- HareruyaWayfinder 『ラヴニカの献身』編まとめ
- 晴れる屋メディアチーム
初手
☆キーポイント
リー選手の回答
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「最良のシナリオは赤1枚を含む2枚の土地を引くことですが、もし土地を引かなかったとしてもその場合は代わりに唱えられる呪文を引いていることになります。《再燃するフェニックス》や《スカルガンのヘルカイト》のために必要な土地を引くまでの間、ずっと呪文を唱え続けられるなら悪くはないと思います。
残り53枚の山札に土地が22枚あるので、毎ドロー大体40%の確率で土地を引けることになります。3ターン目に3枚目の土地を置きたいので、最初の2枚のドローか《マーフォークの枝渡り》による「探検」で土地を引く必要があるのですが、この計算はおおよそこのようになります」
「これは3枚目の土地を引くには十分な確率でしょう。この後の確率は暗算では難しいでしょうが、3枚目の土地さえ引くことができれば《再燃するフェニックス》と《スカルガンのヘルカイト》以外のカードは唱えられるので、ドローの質について考えるのは思いのほか易しいですね。53枚の内5枚(10%)は外れで、外れるたびにその確率は2%ずつ下がっていくことになります。
これらを念頭に置くと、このハンドは間違いなくキープです。それにこの手札は、2、3ターン目に相手に干渉する手段(《稲妻の一撃》)と、能動的なアクション(《マーフォークの枝渡り》)を兼ね備えていますからね」
まとめ
Hareruya Pros&Hopesと考えるキープorマリガンいかがでしたか?マジックをプレイするうえで、避けては通れないキープかマリガンかの選択。ついつい“なんとなく”で決めてしまいがちなマリガンですが、一つひとつの初手を見るだけでもこれだけ考えることがあるのですね。
また、今回の解答を経て「探検」クリーチャーがいかに初手をキープするための好材料になるかがわかりましたね。特にリー選手の解説では確率を数値化することで、理論的に正解を導き出していたのが印象的でした。
キープかマリガンかの判断は、ゲームの勝率にも大きく影響するものです。みなさまもぜひご自身で検討したり、ご友人とマリガンについて話し合ってみていただければと思います!