6-0の守屋と山田がIDをしたことで、残るプロツアーのチケットは6枚となった。残る2ラウンド、1敗ラインのプレイヤーたちは勝てばIDの可能性があるラインに上がれるが、負ければ一転プロツアーへの道が閉ざされる、最も過酷な対戦となる。
その大一番で、「青緑マーフォーク」の山本 尚人は「ストーム」の難波 直也と当たってしまう。干渉手段の少ない部族デッキで、山本はコンボを止めきれるか。
Game 1
ダブルマリガンの憂き目にあった山本が苦笑しながらも《変わり谷》を置いてターンを返す。それを見て難波は「《変わり谷》……?」と怪訝な様子ながら《尖塔断の運河》をセットすると、続けて山本は《植物の聖域》を置いてターンエンド。モダンでは珍しい土地だが、《変わり谷》と合わせて難波は「青緑マーフォーク」だと察した様子だ。
ならば干渉手段は少ないはずと2ターン目に《ゴブリンの電術師》を送り出すが、これはエンド前に《四肢切断》される。山本はメインで《マーフォークの枝渡り》の「探検」で土地を手に入れ、マリガン分を1枚取り戻す。
が、対する難波はなおも《手練》から再び《ゴブリンの電術師》をプレイ。今度こそ除去を持たない山本は《波を司る者、コパラ》《霊気の薬瓶》と並べつつ2枚目の《変わり谷》をセットして全力でクロックを作るしかないが、「ストーム」相手にコスト軽減クリーチャーを除去できずにフルタップでターンを返すのは、事実上ほぼお手上げに等しいということだ。
すなわち、4枚目の土地を置いた難波が《捨て身の儀式》から《けちな贈り物》をプレイして「お決まりの4枚」である《捨て身の儀式》《発熱の儀式》《魔力変》《炎の中の過去》セットをサーチ。
山本「これ何やってもダメなんだよなー……」
このターン難波はまだ3マナ使えるので、一番マナが少ない《魔力変》と《炎の中の過去》を渡したとしてもコンボがスタートできてしまう。それでも一応《炎の中の過去》と《発熱の儀式》をディスカードさせて続けるよう促す山本だったが、やがて好きに呪文を連打した難波がさらに《けちな贈り物》を2回打って最後に《ぶどう弾》と《魔力変》と《有毒の蘇生》と2枚目の《炎の中の過去》を持ってきたところまでを見届けると、2ゲーム目に進むことを選択した。
山本 1-0 難波
山本「周り見たら結構『ストーム』いるなと思ってたんですけど、ついに当たってしまったか……」
Game 2
《呪い捕らえ》から《真珠三叉矛の達人》でクロックをかける山本に対し、難波は《遵法長、バラル》を送り出す。
返す山本は《メロウの騎兵》をプレイして6点アタック、フルタップながらも《呪い捕らえ》を構えていることもあり最高速で攻めていく。
が、山本は「ストーム」の真骨頂を侮っていたのかもしれない。《遵法長、バラル》が生きてターンが返ってきたことで、難波は《魔力変》から《発熱の儀式》をプレイ。山本はこれに《呪い捕らえ》を合わせて青マナを減らしにかかるが、さらに難波は意に介さず(青)(赤)浮きの状態で《けちな贈り物》をプレイ、定番の4点セットをサーチする。
手札に《ゴブリンの電術師》とさらなる《発熱の儀式》《捨て身の儀式》まで持っていた難波のコンボがそこから止まるはずもなく、やがて難波の一人回しの果てに20点の《ぶどう弾》が、山本のライフを一瞬にしてゼロにした。
山本 0-2 難波
山本「あんまり当たったことないんでわからないんですけど、これって結構3ターン目に決まるものなんですか?」
難波「マナ軽減クリーチャーがいる状態で、何らかの儀式系を合わせた6マナと《けちな贈り物》があれば大体決まりますね」
除去が手薄な部族デッキでは抗しがたかったか、プロツアーまであと一歩というところまで手が届いていた山本は、ここで無念の2敗目を喫してしまった。
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