プロツアー『霊気紛争』。そして、Genesisメンバーとの調整録

Martin Muller

Translated by Takumi Yamasaki

こんにちは、マーティン・ミュラーです。今回はダブリンで開催された【プロツアー『霊気紛争』】と、それに向けての調整についてお話したいと思います。

このプロツアーからチーム制度が導入され、僕たちGenesisのメンバーである、セス・マンフィールド、ブラッド・ネルソン、ルーカス・ブローン、マイケル・メジャーズ、マーティン・ダンに加えて、ブライアン・ブラウン=デュイン、クリストファー・ラーセン、コーレイ・バウマイスター、トーマス・ヘンドリクス、そして、グジェゴジュ・コヴァルスキーで練習を行いました。



僕たちは『霊気紛争』がMTGO Betaでリリースされてから、オンライン上で調整を始めました。その中でも僕は、《霊気池の驚異》により特化した型を見つけるため《発明品の唸り》を使った「青白《霊気池の驚異》に時間を費やしました。《呪文捕らえ》《儀礼的拒否》でカウンターされないという良いボーナスであるからです。最初に試したいくつかのバージョンでは多くの欠陥がありましたが、最終的にはプロツアーで使用できるレベルに近いところまでできたのです。しかし納得できるまでには辿り着けず断念……時間を無駄にしてしまいました。

それではこちらが僕の調整した「青白《霊気池の驚異》」デッキです。


Martin Muller – 青白《霊気池の驚異》
Test Deck

5 《平地》
3 《島》
4 《霊気拠点》
4 《産業の塔》
4 《港町》
2 《見捨てられた神々の神殿》
1 《植物の聖域》
1 《尖塔断の運河》

-土地 (24)-

4 《スレイベンの検査官》
3 《絶え間ない飢餓、ウラモグ》

-クリーチャー (7)-
4 《金属の叱責》
3 《発明品の唸り》
4 《解析調査》
3 《燻蒸》
3 《発火器具》
4 《ガラス吹き工の組細工》
4 《織木師の組細工》
4 《霊気池の驚異》

-呪文 (29)-
3 《折れた刃、ギセラ》
3 《断片化》
3 《否認》
2 《ギラプールの希望》
2 《消えゆく光、ブルーナ》
1 《保護者、リンヴァーラ》
1 《払拭》

-サイドボード (15)-
hareruya

僕が最初に思い描いた型のデッキは《サヒーリ・ライ》+《守護フェリダー》のコンボに弱く限界を感じましたが、《発火器具》がこれを綺麗に解決してくれました

解析調査


次の問題として《解析調査》をデッキに入れる前までは、《発明品の唸り》の使い勝手はあまりいいものではありませんでした。なぜなら、時に僕は《霊気池の驚異》《発明品の唸り》を探すために、自ら場にある《発火器具》《ガラス吹き工の組細工》を起動しなければいけないことがあるからです。

しかし、《解析調査》のおかげでリソースが増え、土地とアーティファクトの合計を7枚に保つことができ安定して《発明品の唸り》から《霊気池の驚異》をサーチできるのです。このデッキを使う際には土地と場のアーティファクトをできるだけ多く並べることを意識しましょう。

折れた刃、ギセラ消えゆく光、ブルーナ


そして、この天使サイドボードはとても強力です。もし対戦相手が《霊気池の驚異》を警戒し《否認》を構えていると予測できるのであれば、代わりに《折れた刃、ギセラ》をお見舞いしてあげましょう。

さらに、あなたが《霊気池の驚異》を場に出すことができればゲームはもう勝ったも同然です。

大事なポイントは、もしみんなが《失われた遺産》をサイドボードし《絶え間ない飢餓、ウラモグ》が追放されたとしても、あなたには《悪夢の声、ブリセラ/Brisela, Voice of Nightmares》という別の勝ち手段が残されています。

このデッキを1度は試してみることを心から薦めます。プレイすればとても楽しいと感じるはずです。とはいっても、これはブラッド・ネルソンが考案した「黒緑デッキ」と「ジェスカイコントロール」の前に没になってしまいました。



ブラッド・ネルソン「黒緑ビートダウン」
プロツアー『霊気紛争』

7 《森》
5 《沼》
4 《霊気拠点》
4 《花盛りの湿地》
4 《風切る泥沼》

-土地 (24)-

4 《歩行バリスタ》
4 《光袖会の収集者》
4 《導路の召使い》
4 《巻きつき蛇》
3 《不屈の追跡者》
2 《ピーマの改革派、リシュカー》
2 《豪華の王、ゴンティ》
4 《新緑の機械巨人》

-クリーチャー (27)-
2 《致命的な一押し》
3 《闇の掌握》
1 《殺害》
3 《霊気圏の収集艇》

-呪文 (9)-
3 《精神背信》
3 《餌食》
3 《造命師の動物記》
2 《致命的な一押し》
2 《人工物への興味》
1 《豪華の王、ゴンティ》
1 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス》

-サイドボード (15)-
hareruya


ブラッド・ネルソン「ジェスカイコントロール」
プロツアー『霊気紛争』

5 《島》
3 《平地》
4 《霊気拠点》
4 《港町》
4 《さまよう噴気孔》
3 《感動的な眺望所》
3 《尖塔断の運河》

-土地 (26)-

4 《奔流の機械巨人》

-クリーチャー (4)-
2 《ショック》
4 《予期》
4 《蓄霊稲妻》
2 《鑽火の輝き》
2 《否認》
1 《神聖な協力》
4 《不許可》
4 《天才の片鱗》
2 《燻蒸》
3 《電招の塔》
1 《隔離の場》
1 《秘密の解明者、ジェイス》
-呪文 (30)-
3 《氷の中の存在》
3 《払拭》
3 《光輝の炎》
2 《竜使いののけ者》
2 《否認》
2 《グレムリン解放》

-サイドボード (15)-
hareruya

この二つの内、僕が想定していたものより良いもので、自分のプレイスタイルに合った「ジェスカイコントロール」を使うことにしました。理由として、僕のメタゲーム予想では「ジェスカイサヒーリコンボ」と「黒緑『昂揚』/カウンター」が多いと思ったからです。

ですが、ふたを開けてみるとトップテーブルには「マルドゥ機体」ばかり。「ジェスカイコントロール」との相性は、お世辞にも良いとは言えません。それに対してブラッド・ネルソンの「黒緑デッキ」は素晴らしく良い相性だったのですが、そううまく行かないことはよくあることです。

トーナメント本選に話を移すと、僕はプロツアー直前に体調を崩してしまい、プロツアーの間も体調が万全ではありませんでした。それでもファーストドラフトでは感触のよい「赤黒『即席』」を組み上げたのですが、悪運と微妙なプレイが重なり1-2という芳しくない結果になりました。ですがこのときは、まだ楽観的に捉えていたのです。

構築戦では最初の2マッチを落とし、会場に「マルドゥ機体」が多いと気づくまでは気分がよかったのです。「マルドゥ機体」が多いとなれば、僕のデッキ選択は悪く、落ち込みましたが、なんとか次の3ラウンドをすべて勝つことができ、4-4で二日目に進出しました。



2nd ドラフトではとてもうまく進行し、今までにないくらいのベストデッキで、ゲーム中の引きも素晴らしく3-0できることを望んでいました。結果は最初の2マッチを勝つことができましたが、最終戦で負けてしまいました。かなり完成度の高いデッキを組めましたが、わずかに悪い部分があるとすれば“自分のプレイング”です。 それでもこのデッキは本当に強く、3ゲーム目は接戦の末負けて、トータル6-5で終えました。


Sick and Tired


そして最後の構築戦、僕は本当に疲れていて自信もなく、結果2-3してしまい最終成績を8-8というノーマネーノープロポイントでプロツアー『霊気紛争』は幕を閉じました。決してベストなトーナメントではありませんでしたが僕は学んだことがあります。それは「スタンダードの大会が開催される度にブラッド・ネルソンへ聞け」です。

それでは、今日はここまでです。次の大会も頑張りましょう。ありがとうございました。

Martin Muller

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