津村健志オススメの『カラデシュ』注目カード20選

津村 健志


 『イニストラード』でエルドラージたちとの熾烈を極める戦いを終え、次なる次元『カラデシュ』へと舞台を移した【Magic Story -未踏世界の物語-】

 背景ストーリーでも大きな変化を迎えましたが、スタンダードもそれと同様の大幅な様変わりを見せています。


集合した中隊


 そうなんです。明日のローテーションで『タルキール龍紀伝』と『マジック・オリジン』がスタンダードから姿を消してしまうんです。これにより長きに渡ってスタンダードを牽引していた《集合した中隊》もスタンダードから去ることになり、当然ながらこれまでとは全く違ったメタゲームが展開されることになります。

 僕自身もまだ新環境に取り組めていないので、確信めいたことは言えませんが、「エネルギー・カウンター」「機体」、そして豪華4種類もの「プレインズウォーカー」と、実に見所が多く楽しそうなセットですね!

 この記事でそんな新セットの魅力が少しでもお伝えできれば幸いです!各フォーマットの【神が選ぶ『カラデシュ』注目カードトップ3!】もございますので、お時間のある方はぜひそちらもご覧になってみてください!
 

(※各カードは順位ではなく、カード番号順に並んでおります)



■ 1.《空中対応員》

空中対応員


 いきなりなんの面白味もないチョイスで申し訳ございませんが、こういった1枚で軽量ビートダウンデッキを抑え込めるカードは大好きです。飛んでいるので各種「プレインズウォーカー」への牽制になるのもいいですね。



■ 2.《発明の天使》

発明の天使


 あるときは《雲山羊のレインジャー》に。またあるときはちょっと重い《折れた刃、ギセラ》になれる便利なクリーチャー。基本的には全体強化能力を生かしてトークン系統のデッキで使うと良さそうですが、《変位エルドラージ》で再利用したり、《空中対応員》《折れた刃、ギセラ》《発明の天使》でビートダウン泣かせのデッキを作ってみるのも面白そうです。



■ 3.《模範的な造り手》

模範的な造り手


 《野生のナカティル》しかり、《秘密を掘り下げる者》しかり、2ターン目にパワーが3に到達する1マナ域のクリーチャーはこれまでにいくつもの歴史を紡いできました。《発明者の見習い》《経験豊富な操縦者》、さらには《模範操縦士、デパラ》といったカードを眺めていると、これだけでデッキがひとつできそうですね。

 問題はアーティファクトをどのようにデッキに組み込むかですが、幸いにも《密輸人の回転翼機》《高速警備車》などの優秀な「機体」であったり、《スレイベンの検査官》《ピア・ナラー》のように無理なくアーティファクトを調達できる手段も豊富なので、デッキ構築も比較的スムーズに行えそうです。



■ 4.《天才の片鱗》

天才の片鱗


 今セットで新たに登場した「エネルギー・カウンター」ギミック。《蓄霊稲妻》《つむじ風の巨匠》を筆頭に、構築でも十分に活躍できそうなカードがたくさんありますが、《天才の片鱗》もその一角を担う存在です。

 ただのドローサポートとしては些か力不足に感じてしまうので、いかにして「エネルギー・カウンター」を有効活用するかが焦点となります。《蓄霊稲妻》といった小回りの利く除去から《霊気池の驚異》のような一撃必殺まで、夢は広がるばかりですが、爆発力だけでなく安定性をどこまで追求できるかが「エネルギー・デッキ」を構築する上での鍵になると思います。



■ 5.《革命的拒絶》

革命的拒絶


 《シルムガルの嘲笑》《意思の激突》の跡を継ぐカウンター呪文。スタンダードは大ぶりなアクションが多いので、中盤戦や終盤戦でも役立つでしょうし、次にご紹介する《奔流の機械巨人》で再利用できるのもグレート!



■ 6.《奔流の機械巨人》

奔流の機械巨人


 今セットの注目株。次期環境のインスタント呪文を調べ直してみて思いのほか少なくて驚きましたが、5/6という頼れるサイズにこれだけのおまけが付いているのですから、コントロールフリークとして期待せずにはいられません。ちなみに再利用して気持ちいいランキングで圧倒的な支持を得たのは《荒廃の一掴み》でした。

 また、かつての《瞬唱の魔道士》もそうでしたが、サイドボードカードなど特定のカードの枚数を水増しできる点はこの手のクリーチャーの大きな強みです。惜しむらくは《思考掃き》のように《奔流の機械巨人》をより一層使いやすくなる相棒が欠けていることですが、ひょっとすると《偏った幸運》などは良き候補になるかもしれません。



■ 7.《陰謀の悪魔》

陰謀の悪魔


 環境次第で強さが左右されそうなものの、小型クリーチャーが多い環境なら無双しそうな《陰謀の悪魔》。黒単色では難しいかもしれませんが、「エネルギー・カウンター」をしっかりと用意できるなら《再活性》能力も驚異的です。

 《墓後家蜘蛛、イシュカナ》対策としても上々ですし、小型クリーチャー対策としてだけでなく、「昂揚」デッキに対しても良い働きが期待できます。



■ 8.《安堵の再会》

安堵の再会


 モダンの「ドレッジ」デッキで間違いなく活躍するであろう1枚。最近では定番になりつつある《苦しめる声》の枠と入れ替わることになりそうです。『カラデシュ』加入前ですら相当に危険視されていたアーキタイプなので、今後しばらくの間は可能な限り多めに墓地対策を確保しておきたいですね。



■ 9.《反逆の先導者、チャンドラ》

反逆の先導者、チャンドラ


 神々しいイラストに4つの能力を持つことから、《精神を刻む者、ジェイス》の再来ではないかと噂される《反逆の先導者、チャンドラ》。実際にどんなデッキで活躍できるのかを不安視する声もあるようですが、これだけの潜在能力を秘めたカードがプロツアーで使用されないはずがないでしょう。

 「赤緑ランプ」のマナ加速として。「赤黒除去コントロール」のアドバンテージ獲得手段として。今はまだどの形が最良か判断することができませんが、最適な《反逆の先導者、チャンドラ》デッキを探すことは、プロツアーに向けたスタートラインと言えそうです。



■ 10.《ラスヌーのヘリオン》

ラスヌーのヘリオン


 「エネルギー・カウンター」にはトリッキーなカードもあれば、《牙長獣の仔》《通電の喧嘩屋》のように「エネルギー・カウンター」を直接攻撃力に変換するカードも多数存在します。この《ラスヌーのヘリオン》もそれに該当する1枚で、安定して「エネルギー・カウンター」さえ供給できればとても3マナのカードとは思えないほどの打点を稼ぎ出してくれます。

 「赤緑」の組み合わせは今すぐにでも試したくなるほど戦力が充実しており、ビートダウンデッキが強いとされる新環境で真っ先に試してみたいアーキタイプです。



■ 11.《生命の力、ニッサ》

生命の力、ニッサ


 攻防一体の能力に加え、尋常でない「忠誠度」の高さを持ち合わせている新ニッサ。《棲み家の防御者》よろしく、2枚揃えば延々とループし続ける点も秀逸ですし、「-6」能力から《ニッサの復興》へと繋げる動きも楽しそうですね。

 《新緑の機械巨人》との熾烈な5マナ域争いを制することができるかどうかが気になるものの、《新緑の機械巨人》がある程度のクリーチャーを必要とするのに対し、《生命の力、ニッサ》にはそういった制限がありません。ビートダウン・ミッドレンジ・コントロール、緑であればありとあらゆるデッキで活躍が期待できる1枚です。



■ 12.《新緑の機械巨人》

新緑の機械巨人


 《生命の力、ニッサ》に勝るとも劣らない強力な5マナ域。なぜ割り振れちゃうの!?なぜあなたはトランプルをお持ちなの!?と疑問は尽きませんが、世の中の理不尽さを心ゆくまで教えてくれる極悪クリーチャー。攻めるデッキのマナカーブの頂点はこいつで決まり!



■ 13.《ドビン・バーン》

ドビン・バーン


 コントロール好きにはたまらない1枚。ライフ回復とドローさえできれば、もうそれだけでお腹いっぱいです。「奥義」が少し控えめなのが残念ではありますが、《ドビン・バーン》で過剰にクリーチャーを展開させて《燻蒸》でポン!という古典的な「青白コントロール」を作ってみたいですね。



■ 14.《無許可の分解》

無許可の分解


 3点はおまけと言うにはあまりにも大きすぎる数字です。それが条件付きとは言え、クリーチャー除去呪文についてるなんて……こいつは事件です!

 【プロツアー『カラデシュ地域予選』】では、菅谷 裕信さんが「赤黒バーン」で見事に予選を突破されていましたが、ここに上手くアーティファクト要素と《無許可の分解》を落とし込めれば良デッキの予感が!

 幸いにも「マッドネス」エンジンを兼ねる《街の鍵》という便利なアーティファクトが登場していますし、《ドロモカの命令》のなくなった今こそ、「バーン」デッキが光り輝くとき!



■ 15.《霊気池の驚異》

霊気池の驚異


 《絶え間ない飢餓、ウラモグ》《約束された終末、エムラクール》のお供に。理想としては出したターンに即起動できることですが、前述の通り「エネルギー・カウンター」を捻出するカードには優秀なものが多いことから、十分に実現可能な動きだと思われます。

 《霊気池の驚異》経由でキャストして嬉しいカードの枚数分配など、デッキ構築には繊細なバランスが求められるでしょうが、強さと面白さの両面で期待のかかる一品。



■ 16.《静電気式打撃体》

静電気式打撃体


 《静電気式打撃体》《撃砕確約》《放たれた怒り》=20点!



■ 17.《金線の使い魔》

金線の使い魔


 「現出」デッキのお供に。「現出」デッキには「昂揚」ギミックも組み込まれることが多いので、アーティファクトである点も◎。



■ 18.《パンハモニコン》

パンハモニコン


 《サリアの副官》《墓後家蜘蛛、イシュカナ》などなど、夢と希望に満ち溢れた《パンハモニコン》《反射魔道士》《雲先案内人》、さらには《本質の変転》を組み合わせるとゴキゲンなデッキができそうです。

 《改革派の霊気砲手》《つむじ風の巨匠》など、大量の「エネルギー・カウンター」を生み出すカードと併用すれば、「エネルギー・カウンター」富豪も夢じゃない!?



■ 19.《密輸人の回転翼機》

密輸人の回転翼機


 《耕作者の荷馬車》《高速警備車》《領事の旗艦、スカイソブリン》。どの「機体」を選出するか悩みましたが、序盤から終盤まで万遍なく活躍が見込める《密輸人の回転翼機》を。

 クリーチャー主体のデッキであればどんなアーキタイプであれ問題なく運用できるでしょうが、《模範的な造り手》《経験豊富な操縦者》と併用したり、《血管の施し》《癇しゃく》を「マッドネス」するためのエンジンとして活用したりと、構築に工夫を施すことでより一層効果的に使用できるでしょう。



■ 20.《霊気拠点》

霊気拠点


 《氷の橋、天戸》が泣いていると評判の《霊気拠点》。「エネルギー・カウンター」を使用するデッキではもちろんのこと、「ダメージランド」の退場に伴い供給が難しくなった無色マナ源としても重宝しそうです。



■ おまけ・『カラデシュ』注目度トップ5

1位: 《奔流の機械巨人》

2位: 《ドビン・バーン》

3位: 《金線の使い魔》

4位: 《反逆の先導者、チャンドラ》

5位: 《安堵の再会》


奔流の機械巨人


 今回の1位は《奔流の機械巨人》さん!

 【前回の5枚は手堅すぎて自分でひいた】ので、今回はちょっとだけ遊び心のある5枚にしてみました(^_^;)

 《奔流の機械巨人》《ドビン・バーン》と組み合わせて、ぜひとも本格的なコントロールデッキを完成させてみたいところ。3位と4位は期待を込めてのチョイス。《反逆の先導者、チャンドラ》がプロツアーでどれくらい暴れるのか、今のところこれが1番の楽しみです。

 5位は主にモダンでの活躍に期待して選びましたが、スタンダードでも「マッドネス」エンジンとして日の目を浴びる機会があるかもしれません。





 『カラデシュ』の【20選】は以上です。

 みなさんもぜひお気に入りのカードを見つけてくださいね!

 それでは、また次回の連載で!



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