(スマートフォンの方は【こちら】)
こんにちは!
『ゲートウォッチの誓い』の発売日が迫ってまいりましたが、誠に、誠に遺憾ながらこのセットにも《引き裂かれし永劫、エムラクール》はいないようです……。
【若月さんの記事】によると、どうやら彼女だけは一足早く『ゼンディカー』の世界を旅だってしまった模様。世界中の《引き裂かれし永劫、エムラクール》ファンの方は、次回以降のセットに期待しましょう!
さて、そんなわけで気持ちを切り替えて新セットプレビューに移りたいと思います!今回は「エルドラージ」をフィーチャーしたセット&モダンプロツアーが迫っているということで、モダンの「エルドラージ」デッキに入りそうなカードを多めにピックアップしてみました。
それでは、この度も最後までお付き合いのほどよろしくお願いいたします!
(※各カードは順位ではなく、カード番号順に並んでおります)
■ 1.《エルドラージのミミック》
1ターン目→《ウギンの目》から《エルドラージのミミック》2体。2ターン目→《ファイレクシアン・ドレッドノート》=勝利!
スタックを上手く積めば、《エルドラージのミミック》を12/12にした後に《ファイレクシアン・ドレッドノート》の能力を解決することもできちゃいます!
■ 2.《大いなる歪み、コジレック》
スタンダードからモダンまで、マナが出るデッキ全般に朗報と言える《大いなる歪み、コジレック》。《絶え間ない飢餓、ウラモグ》ほど万能ではないと思いますが、昨今では《ウギンの聖域》や《ウギンの目》といった便利なサーチカードがあるので、1枚ずつ散らす可能性は高いと思われます。
特にスタンダードのマナ加速デッキは、マナ加速だけして息切れという展開が悩みの種だったので、息切れを解消しつつ、後半に余ったマナ加速呪文をカウンター呪文に変換できる点は秀逸です。
■ 3.《現実を砕くもの》
おぉ《スキジック》や……しばらく見ない間にこんなに立派になって。
モダンの「エルドラージ」デッキの5マナ域は、《コジレックの媒介者》と《荒廃を招くもの》が一般的ですが、後述の《難題の予見者》も出たことですし、《現実を砕くもの》が輝くような、もっと前のめりなタイプの「エルドラージ」デッキの登場にも期待が持てます。
■ 4.《難題の予見者》
ど、どんだけー!
モダンの「エルドラージ」デッキの問題点は、3~4マナのクリーチャーが不足していることでした。これまでは、2ターン目に《エルドラージの寺院》・《ウギンの目》・《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》のうちの2種類が揃ってもビッグアクションがありませんでしたが、これからは《難題の予見者》が降臨します。
これだけのスペックであれば、「エルドラージ」デッキ以外での活躍も期待してしまいますね。間違いなく今セット1番の注目株!
■ 5.《歪める嘆き》
モダンの《欠片の双子》対策にもなり、なおかつ……と書こうと思っていたら【モダンで<欠片の双子>が禁止】になってしまいました。
それでもスタンダード環境なら《コラガンの命令》と《オジュタイの命令》に臆することなく《ヴリンの神童、ジェイス》を「追放」できるので、無色マナが問題なく出るデッキで、なおかつ《苦い真理》のような強いソーサリーが幅を利かせる環境ならチャンスがありそうです。
■ 6.《変位エルドラージ》
究極のタッパー兼《ちらつき》付きのクリーチャー。攻守に渡って役に立つのはもちろん、《包囲サイ》や《ピア・ナラーとキラン・ナラー》とのコンボも魅力的な1枚。
『戦乱のゼンディカー』ブロックであれば、《空中生成エルドラージ》や《不毛の地の絞殺者》、《保護者、リンヴァーラ》とも相性が良いですね。
なお、クリーチャーになった「プレインズウォーカー」を消すと、もう一度各能力を使いなおすことができるので、《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》や《龍語りのサルカン》と併用しても面白そうです。
そしてそして、《ズーラポートの殺し屋》+《血統の観察者》で瞬殺コンボにもなります!
■ 7.《保護者、リンヴァーラ》
コントロールデッキのフィニッシャーに必要とされるのはゲームを掌握する、またはゲームをひっくり返す力。近頃では《龍王オジュタイ》や《龍王シルムガル》がその役割を担っていますが、《保護者、リンヴァーラ》はそこに割って入ることができるだけの可能性を秘めています。
《シルムガルの嘲笑》が環境にある関係でどうしても「ドラゴン・クリーチャー」が優遇されがちですが、ビートダウンデッキ耐性で《保護者、リンヴァーラ》の右に出るものはいません。そのため、「エスパー・ドラゴン」のメインかサイドボードに1~2枚採用されることもあるでしょうし、Reid DukeやPatrick Chapinが環境初期に使用していた【エスパー・コントロール】が再び活躍できるフィールドになれば、《保護者、リンヴァーラ》は最高のフィニッシャーとして居場所を見つけられるでしょう。
ライフをリソースに変える《苦い真理》と相性が良いのも、スタンダード的には◎。
■ 8.《ギデオンの誓い》
今回の《誓い/Oath》シリーズで最も大きな話題となっているのは《ニッサの誓い》ですが、個人的には《ギデオンの誓い》に注目しております。
このカードから《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》や《真面目な訪問者、ソリン》に繋げる動きは想像するだけでも強そうですし、新カードの《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》とも相性抜群!
【Sam Blackのトークンデッキ】に「プレインズウォーカー」を増やしたような、新感覚のトークンデッキがお目見えするかもしれませんね!
■ 9.《空間の擦り抜け》
このカードだけでなく、《促進》や《大自然の反撃》のようなカードも登場したため、《ジェスカイの隆盛》コンボが一花咲かせるのではないかと噂になっておりますが、このカードはモダンの「感染」などで使用される可能性があります。
「感染」デッキにはかつて《ひずみの一撃》が採用されていたこともあるので、このカードにもチャンスがあると思います。パワーが上がらないのは残念ですが、その分序盤から気軽に使えるのがいいですね。
■ 10.《終止符のスフィンクス》
《ザルファーの魔道士、テフェリー》を彷彿とさせるむちゃくちゃ生物。
ご丁寧に「呪禁」まで付いているので、あとは《忌呪の発動》のようなカードを避ける手段さえ用意すれば完璧!ぜひともこいつから《苦い真理》や《時を越えた探索》を連発したいもんです。
■ 11.《静寂を担うもの》
《龍王オジュタイ》対策として重宝する1枚。メタゲーム次第ではありますが、【白緑オーラ】デッキ対策にもなるので、モダンの「エルドラージ」に入る可能性も?
■ 12.《鞭打つ触手》
みんなが待ち焦がれていた《悲哀まみれ》が帰ってきました!もう《湧き上がる瘴気》に頼らなくてもいいんです!《ドラゴンの餌》と《軍族童の突発》に好き放題されていた日々ともこれでおさらば。
《復活の声》・《台所の嫌がらせ屋》対策としても優れているため、モダンでもお呼びがかかるスペックだと思います。
■ 13.《ゲトの裏切り者、カリタス》
追加の《先頭に立つもの、アナフェンザ》として、スタンダードでの活躍が期待できる1枚。【こちらの記事】をご覧いただければ分かるように、今現在のスタンダード環境は「《先祖の結集》コンボ」デッキが上位を独占しています。
《ゲトの裏切り者、カリタス》は「絆魂」要らんやん!とつっこみたくなるほどに能力も非常に強力なので、サイドボードカードとして多くのデッキで使用されることでしょう。
■ 14.《コジレックの帰還》
スタンダードでもモダンで環境でも使用されそうな期待の全体除去。インスタントなのでエンド前に適当にキャスト→「エルドラージ・クリーチャー」の流れは奇襲性があって◎。
モダンだと「親和」デッキの《刻まれた勇者》、そして《墨蛾の生息地》や《ちらつき蛾の生息地》も除去しやすい点が評価できます。
■ 15.《炎呼び、チャンドラ》
正直なところ、初見では馬鹿にしていましたが、「+1」能力が強力なので十分に可能性がありそうです。「-X」能力は飛行クリーチャーにも効果を及ぼすため《龍王オジュタイ》を殺したりもできますし、ミッドレンジデッキやマナ加速デッキのフィニッシャーにうってつけではないでしょうか。
■ 16.《ゴブリンの闇住まい》
スタンダード環境で大活躍間違いなしの期待の新鋭。《コラガンの命令》・《はじける破滅》が使える「ダーク・ジェスカイ」や「マルドゥ」はもちろんのこと、《ジェスカイの魔除け》との組み合わせも強そうですね。
ひとつだけ残念なのは、今をときめく《苦い真理》を再利用できないこと。そのため、《ゴブリンの闇住まい》が3枚以上採用されたデッキならば、《苦い真理》よりも《骨読み》を優先することがあるかもしれません。
■ 17.《無謀な奇襲隊》
ゴブリンだーーーー!!実はこれまでの歴史で、《奇襲隊/Bushwhacker》と名の付くカードはこいつと《ゴブリンの奇襲隊》だけだそうです。
モダンで「ゴブリン」デッキと何度か対戦しましたが、《ゴブリンの奇襲隊》が増えればデッキの強さが大きく底上げされると思いますし、懐かしの《ゴブリンの奇襲隊》+《壊滅的な召喚》コンボを使ったデッキも再評価されるのではないでしょうか。
■ 18.《世界を壊すもの》
《この世界にあらず》ばりに名前がかっこいいカードですが、能力はスタンダードの「エルドラージランプ」対決で重宝しそうです。ミラーマッチは《虚空の選別者》か《絶え間ない飢餓、ウラモグ》を先に出した方が勝つことが多いため、それよりも軽いマナ域で《見捨てられた神々の神殿》を追放しながら展開できるフィニッシャーとあらば、検討に値すると思います。
■ 19.《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》
トークン戦術に特化した新ニッサ。一見地味に見えますが、《搭載歩行機械》→《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》→《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》という流れは考えただけで頭が痛くなりそうです。
《荒野の確保》や《エメリアへの撤退》のようにトークンを出すカードと相性が良く、それでいて「奥義」が強いのがこのカードの良いところ。トークンで圧倒してしまうも良し、トークンでいなしている間に「奥義」を起動するも良しというわけですね。ただし、「奥義」を目指す場合には、途中で《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》が対処されてしまうと残った0/1トークンたちが無力すぎるので、デッキ全体としてトークンを生かせるような構成にしたいですね。
■ 20.《さまよう噴気孔》
打点の高さと、優秀なブロッカーという側面を併せ持つ《さまよう噴気孔》。一度「0」能力を起動してしまうと、どうやっても火力で死んでしまうので、対戦相手が火力を持っていそうなときはそのままにしておきましょう。
【MTG Just Now! vol.28 -ウギンの目 etc.-】では《消えざる焼け刃》との無限パワーコンボが紹介されていたりも。
■ おまけ・『ゲートウォッチの誓い』注目度トップ5
1位: 《難題の予見者》
2位: 《ゴブリンの闇住まい》
3位: 《保護者、リンヴァーラ》
4位: 《ギデオンの誓い》
5位: 《さまよう噴気孔》
1位はもちろん《難題の予見者》!どちらかというとモダンのエースかもしれませんが、前述の通りスタンダードでも活躍できるだけのポテンシャルを秘めています。
2位はスタンダードで大注目の《ゴブリンの闇住まい》さんを!スタンダードに限った話をすれば、新たな《瞬唱の魔道士》と言っても差支えないはず!?
《保護者、リンヴァーラ》は、思いのほか多くのデッキで採用されそうなので3位に。特に《苦い真理》と併用できるデッキなら使用頻度が高くなるのではないでしょうか。
《ギデオンの誓い》は「エスパー・トークン」や「エスパー・メンター」で、《さまよう噴気孔》はモダンやスタンダードの様々なデッキで採用されることでしょう。
今回の注目ポイントは、《ニッサの誓い》を入れなかったことです。このカードは非常に評価が難しいですが、今のところ上手く使えるデッキが少ないと思うので外してみました。
■ おまけのおまけ・津村健志オススメの『戦乱のゼンディカー』注目カード20選・反省会
最後に、すっかり存在を忘れていた【反省会】を。
『戦乱のゼンディカー』の【20選】は全然外してない!気合いを入れた甲斐があった!!
と思いきや、すごいのが2枚抜け落ちていました……。まだまだ完璧な20選には程遠いようです。
・《忘却蒔き》
そんなに土地が捲れるわけがない。運が良くても2枚が限界。
確かにその通りです。ただし、それはあくまで何の工夫もしなければの話でした。
7 《沼》 4 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》 1 《ボジューカの沼》 4 《エルドラージの寺院》 4 《ウギンの目》 4 《幽霊街》 -土地(24)- 4 《不毛の地の絞殺者》 4 《荒廃を招くもの》 4 《忘却蒔き》 2 《絶え間ない飢餓、ウラモグ》 -クリーチャー(14)- |
1 《殺戮の契約》 4 《コジレックの審問》 2 《思考囲い》 2 《四肢切断》 1 《全ては塵》 4 《大祖始の遺産》 3 《ひっかき爪》 3 《探検の地図》 2 《精神石》 -呪文(22)- |
3 《太陽のしずく》 2 《呪文滑り》 2 《見栄え損ない》 2 《喉首狙い》 2 《記憶殺し》 2 《死の支配の呪い》 1 《思考囲い》 1 《悲哀まみれ》 -サイドボード(15)- |
人類には《大祖始の遺産》・《ひっかき爪》という英知がありました。モダン環境は「フェッチランド」で勝手に土地が墓地に落ちるため、それを「追放」していけば自然と《忘却蒔き》の威力が増すという仕組みですね。
仮にその「フェッチランド」が自身のデッキの色と合っていなくとも、そこは4枚採用された《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》のおかげで無理なく有効活用できる親切設計付き。
この「エルドラージ」デッキはモダン環境で一大旋風を巻き起こしており、来月のプロツアー『ゲートウォッチの誓い』での活躍も大いに期待されています。
・《苦い真理》
前回の「やっちまった大賞」……。とにもかくにも凄まじい物量差を生み出すお化けカードで、モダンやレガシーでも採用されていることからも、そのポテンシャルの高さを垣間見ることができます。そしてそして、スタンダードでは3~4枚搭載するデッキがいくつも登場し、結果を残しています。
2 《山》 2 《沼》 2 《燻る湿地》 1 《梢の眺望》 1 《大草原の川》 3 《血染めのぬかるみ》 2 《汚染された三角州》 1 《樹木茂る山麓》 4 《遊牧民の前哨地》 4 《乱脈な気孔》 3 《戦場の鍛冶場》 -土地(25)- 4 《ケラル砦の修道院長》 4 《道の探求者》 2 《魂火の大導師》 3 《僧院の導師》 -クリーチャー(13)- |
4 《焦熱の衝動》 1 《荒野の確保》 4 《苦い真理》 4 《はじける破滅》 2 《コラガンの命令》 3 《残忍な切断》 4 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》 -呪文(22)- |
4 《光輝の炎》 3 《蔑み》 2 《アラシンの僧侶》 2 《フェリダーの仔》 2 《強迫》 1 《無限の抹消》 1 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス》 -サイドボード(15)- |
本当にただただ強いカードなので、今後もフォーマットを問わず存在感を放ってくれそうです。
というわけで、津村健志オススメの『ゲートウォッチの誓い』注目カード20選&『戦乱のゼンディカー』反省会は以上です。
みなさんもぜひお気に入りのカードや注目のカードを探してみてくださいね!
それでは、また次回の記事で。
Twitterでつぶやく
Facebookでシェアする