Translated by Nobukazu Kato
(掲載日 2020/03/11)
今こそティムール再生を使うべきとき?
みなさん、こんにちは!
見出しに掲げた問題への回答はおそらく答える人によって変わってくるでしょう。ティムール再生はやや人を選ぶデッキであり、嫌いな人は嫌いですし、好きな人は好きになる傾向にあります。私は大量のマナで大量のドローをするのが好きな人間なので、胸を張って後者の一員であると言えます。
それはさておき、これまでのメタゲーム変遷を見ていくことにしましょう。
世界選手権2019のメタゲーム
DreamHack Arena Openのメタゲーム
世界選手権2019の翌週、DreamHack Arenaによる初の大会であるDreamHack Arena Openが開催されました。本大会のメタゲームは以下のとおりです。
アーキタイプ | 使用者数 | 割合 |
---|---|---|
アゾリウスコントロール | 27 | 28.7% |
ジェスカイファイアーズ | 20 | 21.3% |
赤単アグロ | 15 | 15.9% |
シミックランプ | 4 | 4.3% |
ジャンドサクリファイス | 4 | 4.3% |
ティムールアドベンチャー | 3 | 3.2% |
ティムール再生 | 3 | 3.2% |
その他(選択者1名のアーキタイプ)」 | 18 | 19.1% |
見事に優勝したのはティムールアドベンチャーを使用したアーロン・ガートラー/Aaron Gertler。ミシック1位に登りつめた際に使っていたものと全く同じデッキでした。
4 《島》
2 《山》
4 《繁殖池》
4 《踏み鳴らされる地》
3 《蒸気孔》
2 《奔放の神殿》
1 《天啓の神殿》
1 《神秘の神殿》
-土地 (27)- 4 《エッジウォールの亭主》
4 《願いのフェイ》
4 《砕骨の巨人》
4 《厚かましい借り手》
4 《恋煩いの野獣》
4 《豆の木の巨人》
-クリーチャー (24)-
Congratulations to @AaronGertler, our DreamHack Anahiem Arena Open Champion!! 🎉
— Magic Esports (@MagicEsports) February 24, 2020
Aaron, LittleBeep, Gertler is #1 ranked on the Arena leader boards, in this tourney, and in our hearts!
He takes home a whopping $30,000 and an invitation to our next #MythicInvitational.🏆 pic.twitter.com/n7IJuAdwl7
DreamHack Anahiem Arena Openの王者は@AaronGertler!おめでとう!
アーロン”LittleBeep”ガートラーはランキングも本大会でも、そして我々のなかでもナンバーワン!
ミシック・ポイント・チャンレンジ – 新勢力の登場
今からおよそ2週間前、初のミシック・ポイント・チャンレンジが行われました。ご存知でない方に説明しますと、参加資格を有するプレイヤーたちがミシック・ポイントを懸けて争う新たな大会です。10勝するか3敗するまで対戦を続け、勝利数に応じてミシック・ポイントが獲得できます。
来期のマジック・プロリーグやライバルズ・リーグを争ううえで、今年初の重要なアリーナの大会です。懸かったものが大きい一大イベントと言えるでしょう。
ミシック・ポイント・チャンレンジの週は、世界選手権とDreamHack Arena Openによる大きな変化に注目が集まっていました。いくつかの新たなデッキが登場し始めたのです。
世界選手権が終わっても1週間ほどハワイに滞在していたため、本大会の調整には自分が理想とするほどの時間がありませんでした(ハワイは最高でしたね)。そのため、デッキ選択に残された時間はわずか数日。
最終的にバントランプを選択しました。アルゼンチンの良き友人(Magic Online:petomartinez、Twitter:@MartinezPeto)が前週のスタンダード・チャンレンジを優勝する際に使用していたデッキです。
本番は3敗を喫するまでに5勝しか達成できませんでした。対戦したデッキは以下の通りです。
回戦数 | 対戦相手 | 対戦結果 |
---|---|---|
1回戦 | 赤単アグロ | × |
2回戦 | 赤単アグロ | ○ |
3回戦 | ティムールアドベンチャー | ○ |
4回戦 | ラクドスサクリファイス | ○ |
5回戦 | 赤単アグロ | ○ |
6回戦 | ティムールアドベンチャー | × |
7回戦 | ティムールアドベンチャー | ○ |
8回戦 | バントランプ | × |
残念ながら本大会のメタゲームに関するデータはなく、どのデッキが好成績を収めたのかもわかりません。そのため、以降の記述はほぼ私の推測になりますが、今週末のミシックチャンピオンシップ予選(MCQ)までどのようにメタゲームが変遷していくのか、私なりの考えを示していきましょう。
再生の時
新たなトップメタデッキであるティムールアドベンチャーに苦戦を強いられるアゾリウスコントロールと赤単アグロは勢いが衰えると予想しています。他方、ジャンドサクリファイスやラクドスサクリファイスは正反対の理由から使用者が増えることでしょう。
さて、ここで本記事の冒頭に掲げた問題に戻りますが、今こそ親愛なるティムール再生を使用する格好のときかもしれません。
勢力が衰えると評価した赤単アグロはおそらく最悪の相性のデッキです。特にデッキが公開されない大会においてはそうでしょう。1ゲーム目は非常に苦しく、2ゲーム目以降は相性が大幅に改善しますが、往々にして後手で迎える3ゲーム目に命運をゆだねることになります。後手であるなら相性とは無関係に負けてもおかしくありません。
アゾリウスコントロールも簡単な相手ではありませんが、対戦したい相手であることは認めねばなりません。
赤単アグロとアゾリウスコントロールが勢力を縮小する一方で、先ほど述べたようにティムールアドベンチャー、ジャンドサクリファイス、ラクドスサクリファイス(いずれもティムール再生に簡単には勝てないデッキ)が勢力を拡大していくとすれば、《荒野の再生》を使うプレイヤーにとって風向きが良くなる可能性があるのです。
ジェスカイファイアーズとバントランプの存在も忘れてはなりません。一定数の使用者がいるでしょうし、ティムール再生にとってあまり好ましい相手ではありませんが、適切なサイドボードとゲームプランがあれば少なくとも互角に渡り合えるようになるでしょう。
デッキリスト
では、今現在私が使用しているリストをご覧いただきましょう。
2 《山》
1 《森》
4 《繁殖池》
4 《蒸気孔》
4 《踏み鳴らされる地》
2 《寓話の小道》
3 《天啓の神殿》
2 《神秘の神殿》
1 《奔放の神殿》
2 《ヴァントレス城》
-土地 (27)- 4 《厚かましい借り手》
3 《自然の怒りのタイタン、ウーロ》
-クリーチャー (7)-
カード選択
固定枠
世界選手権で《選択》を4枚採用しなかったのはミスでした(2枚のみで、《海の神のお告げ》を3枚採用していました)。今思えば、1マナと2マナの速度の差はあまりにも大きいですし、即座に墓地に行く《選択》と《自然の怒りのタイタン、ウーロ》の相性が良い点も実に重要なことでした。
変更可能な枠
《嵐の怒り》の適正枚数が3枚なのか4枚なのかは決めかねています。現状の3枚で確定させたわけではないので、調整を重ねて経過をみるしかないですね。
《霊気の疾風》はメインデッキに2枚入れてよい環境でしょう。有効なマッチアップが多いだけでなく、サイドボードの枠を空けることができます。
《薬術師の眼識》と《タッサの介入》は枠を争います。しばらくこの構成で回していますが、今の比率で確かな手ごたえを感じています。
《神秘の論争》もサイドボードの枠を空けることができます。また、打ち消し呪文が他に《タッサの介入》1枚しかないため、勝利を盤石にする打ち消し呪文を追加で持っておくことは重要です。青いデッキには文句なしの呪文であり、青以外のデッキにも何かしらの役割を果たして有用になる場面も少なくありません。
それでは気になる人も多いであろうサイドボードガイドへと移りましょう。
サイドボードガイド
本題に移る前にお断りしておきたいのですが、私は試合ごとに異なるサイドボーディングをすることが一般的です。絶対的な入れかえだとは捉えないようにしてください。
それぞれのマッチアップへのアプローチ方法はひとつではなく、これからご紹介するサイドボーディングは私が手ごたえを感じているものです。みなさんにとっては適切ではないかもしれません。スタート地点として利用し、みなさんなりの形に発展させてみてください。
また、試合中に目の当たりにしたカードや相手の戦い方によっても、入れかえが変動することがあります。
アゾリウスコントロール
対 アゾリウスコントロール
赤単アグロ
対 赤単アグロ
ティムールアドベンチャー
対 ティムールアドベンチャー
ラクドスサクリファイス
対 ラクドスサクリファイス
ミラーマッチ
対 ミラーマッチ
バントランプ
対 バントランプ
ジェスカイファイアーズ
対 ジェスカイファイアーズ
(相手のサイドボードプランはさまざまなので、それに応じて調整するようにしてください。上記の入れかえは参考用のものです。)
おわりに
読んでいただきありがとうございました。みなさんの役に立てていれば幸いです。何か疑問点や意見を交わしたいという方は、お気軽にTwitterでコンタクトをとってください。
みなさんの活躍をお祈りしています。ではまた!