By Atsushi Ito
【速報!Round 6上位卓のデッキ分布】で見たとおり、今回のPPTQはローグが多く上位に食い込む混戦模様となっている。
だが、その中でも一際注意を引くであろうこの文字列。
「ゴブナイト」?
はたしてモダンにそんなデッキがあっただろうか。
これはデッキテクをとらないわけにはいくまい。
というわけでここでは針生 大地 (宮城)の手による、あの【Super Crazy Zoo】に勝るとも劣らないモダン環境最速のビートダウンについてのインタビューをお届けしよう。
--「このデッキはどういった経緯で生まれたんでしょうか?」
針生 「このモダンPPTQシーズンが始まったときに、何とかして《アタルカの命令》を使いたいと思ったんですよね。それで最初は《若き紅蓮術士》を入れたバーンを試したんですが弱くて解体、次に普通にクリーチャーを横に並べるアタルカレッドを作ったんですがそれだと《アタルカの命令》が重く感じて。そのあたりで『ゴブナイト』と呼ばれる、《カルドーサの再誕》を主軸に据えたゴブリンと親和のハイブリッドみたいなビートダウンの存在を知って、これだ!と思ったんです」
--「なるほど。《アタルカの命令》をモダンで使うには、マナを極限まで使わずに横に並べるしかない、という結論に至ったわけですね」
針生 「はい。それもあってこのデッキには何と土地が12枚しか入っていません」
--「《オパールのモックス》もあるとはいえ、モダンでもここまで土地が少ないデッキはほとんど見たことがないですね」
針生 「正直今日勝てたのはデッキがよく回ったから、というのはありますw」
--「このデッキのキーパーツは、やはり《カルドーサの再誕》や《ゴブリンの奇襲隊》になるんでしょうか?」
針生 「もちろんそれらはコンセプト上外せないところですが、個人的にはこのデッキを縁の下で支えているのは《軍勢の忠節者》だと思っています。単なる《怒り狂うゴブリン》にとどまらず、『大隊』で付く『先制攻撃』は『絆魂』持ちクリーチャーとの戦闘に際して先に対戦相手に脇からダメージを与えて削り切れたりしますし、同じように横並べで展開するエルフやマーフォークとの戦闘が有利になります。また、『トークンのブロック不可』はこのデッキが苦手とする《未練ある魂》を素通りすることを可能になるなど、多種多様な局面で役立つ能力です」
--「なるほど。あとは《骨の鋸》はあまり見かけないカードですが……」
針生 「《羽ばたき飛行機械》が複数枚引くと弱かったので、代わりに今日お試しで《骨の鋸》を入れてみたんです。0マナアーティファクトの中ではこれが一番マシという採用理由ですが、後半余ったマナを活用できたりして思ったより強かったですね」
--「サイドボードもマニアックなカードが多いですよね。一番目を引くのはやはり《一日のやり直し》ですが、これは一体どういった用途なのでしょうか?」
針生 「ジャンドやトリコなど、消耗戦になる相手に対してサイドインします。ライフは残り5点くらいまで削れたものの戦線を全て捌かれてしまった……みたいな状況で撃つと最大の効果を発揮しますね」
--「《斑点の殴打者》と《トンネルのイグナス》はどういった採用意図でしょうか?」
針生 「《斑点の殴打者》は単純にライフを得るデッキが厳しいので入れています。主に《台所の嫌がらせ屋》に対して強いですね。地味に《軍勢の忠節者》で『先制攻撃』を付けると、『萎縮』がいつもより輝きます。《トンネルのイグナス》はメインの相性差が厳しいアミュレットブルーム対策ですね」
--「最後に、このデッキの魅力を教えてください」
針生 「2ターンキルも可能なところですかね。とにかく相手に何もさせずに勝てるので、気持ちがいいですよ!」
--「ありがとうございました」
針生は地元宮城のPPTQを主戦場とし、このシーズンの間ずっとこのデッキを調整していたという。そのかいあってか、今日は見事トップ8に進出している。
魂がこもった熱いビートダウンで、戦場を最速で駆け抜けてみるのも一興だろう。
2 《山》 1 《踏み鳴らされる地》 1 《蒸気孔》 4 《血染めのぬかるみ》 4 《樹木茂る山麓》 -土地(12)- 4 《メムナイト》 3 《羽ばたき飛行機械》 4 《ゴブリンの先達》 4 《僧院の速槍》 4 《軍勢の忠節者》 4 《信号の邪魔者》 4 《ゴブリンの奇襲隊》 -クリーチャー(27)- |
4 《カルドーサの再誕》 4 《稲妻》 4 《アタルカの命令》 2 《ゴブリンの手投げ弾》 1 《強大化》 4 《オパールのモックス》 2 《骨の鋸》 -呪文(21)- |
3 《トンネルのイグナス》 3 《斑点の殴打者》 3 《引き裂く流弾》 3 《一日のやり直し》 2 《粉々》 1 《古えの遺恨》 -サイドボード(15)- |