上達に必要な、5つのステップ

Marc Tobiasch

Translated by Takuma Kusuzawa

原文はこちら
(掲載日 2018/08/17)

はじめに

今日は、一つ上のプレイングへ上達する方法について話そうと思うんだ。このサイトを訪れて、戦略記事を読みに来ている君は、こういう話題に興味があるだろうし、同時に、目標に向かって良い方向に進んでいると思うよ。最初の一歩は、探求だからね

1st ステップ -探求-

君にどれだけゲームの才能があって、どんな問題も頭の中で考えるだけで答えを出せるとしても、新しい知識や経験を探求せず、それらを得ないままさらに強くなることはありえない。実際にプレイするのもそうだし、戦略記事を読んだり、他の人がプレイしているのを見たりしなければね。新しいデッキを組むことも、ここに含まれる。そうやって何かしらに触れていることで、新しいことを学ぶ機会が来やすくなるんだ。

Careful Study

ここで大事なのは、まだ分かっていないことを積極的に探し、自分の中で違う選択肢を検討して、その中から自分とは異なっている要素に気付き、”なぜ異なっているのか”と疑問を持つことなんだ。君が間違っていたのか、それとも正しかったのかは、この時点では大きな問題じゃない。間違っていたなら上達できる方法に気付けたわけだし、正しかったなら自分とは違う考え方を学べたことになる。この、”自分とは違う考え方”というのが重要で、たとえ今は間違った結論へ誘導してしまったとしても、そういう考えを知っていることでメリットになることも多いんだ。

他の人の考え方を得られるのは、例えば”対戦相手に意表を突かれたとき”だ。デッキ構築でもプレイングでもあり得る話だね。

2nd ステップ -反復-

次は、僕が「反復/Reflection」と呼んでいることだ。自分が負けたゲームを「ああ、相手の運が良かっただけさ」とか「こっちの運が悪かったんだ」で済ますのは簡単だ。極稀にそういったゲームもあるだろうけど、ほとんどのゲームでは、振り返ることでより良いプレイを見つけることができるものだ。ゲームの結果が変わらなかったとしても、学ぶ機会にはなっているはずだよ。

Hareruya Table

ゲーム内には何度も分岐点があり、それらをくぐり抜けた先に勝ちへつながる道筋がある。記憶を辿ったり、Magic Onlineでプレイしたなら実際にリプレイを見て、違った視点で観察してみるんだ。プレイ中にすべての可能性を計算するのは大変だけど、あとで見返した上で将来的に同じ状況になることがあれば、そこで得た情報を活かせば良い。積極的に自分のミスを探して、見つけられたなら最高さ。落ち込んだり、自分を攻めたりしないようにね

過去を変えることはできないけど、未来は変えられる。そして、自分の失敗を見つけておくことで正していくこともできる。見つけられた失敗1つ1つが、将来の失敗を減らすことになるんだ!

3rd ステップ -質問-

次のステップは、質問すること。他のプレイヤーと話す機会があって、特に自分よりうまいと思える人なら、可能な限り質問してみることだ

Questions

次の大会でプレイするデッキに悩んでいたり、特定の場面で正しい道筋が分からなかったり、マリガン判断で悩むこともある。自信がないことなら他の人がどう考えているか、その人ならどうするかを聞いてみるんだ。多くの場合、質問されたことについて議論をすると、聞かれた方も理解が深まるはずだ。それに、そのプレイヤーの意見を評価していると表明することにもなり、次のステップであるネットワークを構築することに繋がっていく。

4th ステップ -ネットワーク-

ネットワークを構築する、というのは、マジックを通じて友達のグループを作り、思いついたアイディアを投げ合ったり、共に大会に出たり、ただ集まったりするってことだ。僕としては、マジックを遊ぶ上で一番大事な要素だと思う。マジックが楽しくなる一番の理由だし、ゲームでのレベルアップにも繋がるからね。

同じ目標がある友達同士で繋がりができるのは大きな資産だし、これに関してはお互い様だ。大会で使うカードを揃えるのに助け合えるし、使ってみたいデッキについて既にプレイして知っていることがあれば、その人に聞くこともできる。他にも色々なことができるよね。

一番大事なのは、大会の最中や終わったあとに一緒に過ごせる友達がいる、ということ。これは、大会の結果がどうであっても、大会自体が良い経験になる。これは自分が”ティルト”に陥ったとき、特に大事なんだ。

例えば悪いことが続いたあと、その過去悪い経験が目の前のゲームに影響したりすることを、ティルトと呼ぶ。ティルトになったときはいつもどおりのプレイができず、すぐにボロボロの成績になってしまうんだ。似たような軸で、ゲームでうまくなるというのは終わりのない、本当に長い道のりだ。いつでも学ぶことはたくさんあるし、新しい環境もどんどんやってくる。大会の結果であっても、上達するということも、長い期間を経てはじめて実感できるものだ。

マジックは、1マッチごとの分散が重要な役割を果たすゲームなんだ。複数の大会結果を辿っていくと、安定して結果が出せることで成長を実感できると思うよ。うまくプレイし、どれほど準備して、どれだけデッキがよくできていたとしても、大会に出たなら、うまくいかない上にどうしようもないことがたくさん出てくる。これは上達する上では受け入れないといけないことなんだ。だからこそ、友達と最高だったことも最低だったことも共有できれば、うまくいかなかった大会を乗り越えるときにとても助かるよ。

5th Step -忍耐-

最後は基本的なことだ。「忍耐/Persistence」って呼んでいる。ゲームを何度もプレイし、他のプレイヤーと競い、大会に出て、新しい発見を追い続ける。こういったことを仲間と話して意識し続けることで、もっと成長できる。今どれだけうまいかは大きな問題じゃなくて、常に学ぶことがあって、学ぶ方法もある。ただ、それにしがみつかないといけない

Oliver, Pierre, and Dagen

実力が1回の大会に反映されないこともある、ということを受け入れて、自分やその試合に対して苛立たないようにしよう。諦めなければ、いずれ君の頑張りと粘りの結果を見ることができるはずさ。試合結果を記録すれば、過去に負けたり間違えたりした点に気付くことができて、小さくても確実な成長に喜べるはずだ。自分なりの目標を立てて、ゆっくりハードルを上げていこう

このステップにきっちりと沿ってやりとおせば、いずれ目標にたどり着くことができると約束するよ。

おまけ: 青単ストーム

さて、僕が以前に作ったスタンダードの青単ストームが結果を残して、使う人も増えているね。

練達飛行機械職人、サイ

モダンでも見られる《練達飛行機械職人、サイ》がすごく大きな影響を与えている。今のスタンダードなら強者であり続けられると思うし、試してみることを勧めるよ。

今のリストがこれだ:

以前の記事で説明したこのデッキのプレイパターンは、今でも相変わらず通用する。大きな変化は、相手が最速の動きでコンボを封じようとしても《練達飛行機械職人、サイ》がコンボを決めるまでの時間を十分に作ってくれるということかな。

このデッキを楽しんで欲しい。そして、君が目標に到達できることを祈っているよ

マルク・トビアシュ

この記事内で掲載されたカード

関連記事