神が選ぶ『ラヴニカのギルド』注目カードトップ3!

晴れる屋メディアチーム

 今週末の10月5日(金)、いよいよ最新セット『ラヴニカのギルド』が発売されます!

湿った墓正義の模範、オレリアゴルガリの女王、ヴラスカ

 『ラヴニカ:ギルドの都』ブロック、『ラヴニカへの回帰』ブロックに続き、3度目となるラヴニカ次元。ラヴニカといえば「ショックランド(ギルドランド)」!ということで、今回のエキスパンションには5枚の「ショックランド」が再録されています。また《正義の模範、オレリア》《ゴルガリの女王、ヴラスカ》といった多色の超強力カードだけでなく、単色にも《神聖な訪問》《遁走する蒸気族》といった個性的なカードがあり、新環境に胸が踊りますね。

 魅力的なカードが揃った『ラヴニカのギルド』を見ると、どのカードやデッキが強いのか、どのカードを買えばいいのか、悩んでしまう方も多いのではないでしょうか?

 そこで各フォーマットを代表する実力者である第11期「神」、そして新たに創設されたリミテッド神の計6人に、「『ラヴニカのギルド』で注目するカード トップ3」を聞いてみました!

■ 「神」とは?

晴れる屋が主催している、「神決定戦」という大会の暫定王者。
スタンダード・フロンティア・モダン・ヴィンテージ・レガシー・リミテッドの6フォーマットそれぞれで行われており、予選大会 (挑戦者決定戦) と決勝大会 (神決定戦) を勝ち抜いた者だけが「神」になることができる。

詳しくはこちらをご覧ください。→神決定戦特設ページ

 各フォーマットを熟知した者ならではの視点から、鋭い意見が飛び交いました。「神」の目には何が映り、彼らは何を考えたのでしょうか。

◆ 第11期スタンダード神 岡井 俊樹

『ラヴニカのギルド』カードセット全体の印象

 3回目となるラヴニカですが、個人的には初めての来訪なので楽しみです。多色セットらしく強力なマルチカラーのカードが目立ち、スタンダードのローテーションも合わさってどのようなデッキが活躍するのか予想が難しいと思います。

 マナベースはローテーションにより単色デッキの力を底上げしていた砂漠は消え(元から消えているのもありましたが)、友好色サイクリングランドと対抗色ファストランドがショックランドに入れ替わる形となりました。基本土地タイプを参照するM10ランドと合わせてスムーズにアンタップ状態で2色土地を置き続けられるようになりますが、一方マナフラッドはしやすくなりそうです。

草むした墓聖なる鋳造所蒸気孔寺院の庭湿った墓

 また、『ラヴニカのギルド』時点では5つのギルドに合わしたカラーの土地しかないので他方の5つのギルドの2色やマルドゥのようなショックランドが1種類しか色の合わない3色のデッキは一時的に構築しにくくなっていそうです。

『ラヴニカのギルド』スタンダード注目カードトップ3!

1位 《正義の模範、オレリア》

正義の模範、オレリア

 戦闘開始時の誘発型能力がキーワード能力の「教導」と綺麗にシナジーしていて、すぐにデッキを組みたくなるボロスの目玉クリーチャーです。

 タフネス5で火力全般に耐性があるだけでなく警戒をつけられるので《封じ込め》、伝説のクリーチャーなので《喪心》も効かずと条件付きの除去に引っ掛かりにくく、出てすぐに打点を稼げることも相まって4マナのクリーチャーなのにかなりテンポ損しにくいのは魅力的です。

 シンボルも厳しくないので《ゴブリンの鎖回し》タッチ白の形でもなんとか回りそうですし、ごっそり抜けた赤の低マナ域を補う形で《ボロスの挑戦者》などの新たな戦力や《アダントの先兵》《ベナリア史》といった白の強力なカードも合わせて使ったボロスアグロは、除去もありフィニッシャーもありマナカーブは整っているとスタンダードらしい強力なデッキになりそうです。

2位 《薬術師の眼識》

薬術師の眼識

 《天才の片鱗》《ヒエログリフの輝き》と入れ替わる新たな4マナのインスタントドロースペルで、イゼットのキーワード能力「再活」がついています。

 まだリミテッドでしか使っていないのですが、1枚で一気にアドバンテージ差を生み出す強力なカードで驚きました。これまでも競っているときに青いコントロールに使われる《天才の片鱗》の絶望感はかなりのものでしたが、恐らくこのカードはそれ以上にげんなりすると予想しています。

 「再活」が付いていることにより手札破壊やカウンターに強いこともとても嬉しいですね。ビートダウン側のサイドボード後に繰り出してくる《強迫》《否認》にジリ貧になってしまうことが少なくなりそうです。

3位 《パルン、ニヴ=ミゼット》

パルン、ニヴ=ミゼット

 一見とんでもない色拘束と出てすぐには仕事をしないシステムクリーチャーであることが気になるものの、相手のインスタント・ソーサリーにも反応するので悪くても1:2交換に持ち込みやすく、生き残ってターンを迎えたときは凄まじいアドバンテージと盤面制圧が望めます。

 打ち消されない能力もついてるので、コントロール相手にカウンターを構えながら出すことができれば、たとえ除去+カウンター合戦を挟んで対処されても確実に3枚も引くことができます。ただし、プレインズウォーカーには反応しないので、返しに出てそのまま対処してくる《ドミナリアの英雄、テフェリー》《ビビアン・リード》は天敵となりそうです。

 《イゼット副長、ラル》と合わせて青赤コントロールを組むのが素直な使い方ですが、《火の血脈、サルカン》との組み合わせも面白そうです。6マナのドラゴンなのでストレートに繋がる上に、次のターンには通常ドローと「+1」能力のドローで合わせて2点は確定するので一気に優位を広げられそうな展開ができます。

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◆ 第11期フロンティア神 石渡 康一

『ラヴニカのギルド』カードセット全体の印象

 私がマジックに触れたのは『基本セット2015』から。ラヴニカはストーリーでも重要な位置にあるため、存在を知っていても詳しいことはよく分かっておらず、今回の再訪は非常に嬉しいですね。

 都市!ギルド!多色!

 そんな漠然としたイメージに違わず、強力なマルチカラーカードが何枚も収録されています。

協約の魂、イマーラ万面相、ラザーヴ轟音のクラリオン

 フロンティアは多色化が容易な環境のため、幅広いアーキタイプに影響が及ぶことでしょう。キーワードでは「諜報」や「再活」に注目しています。「探査」とのシナジーは疑いようもなく、大いに組み合わせてみたいなあ。

 今から新環境が楽しみでしょうがないです。

『ラヴニカのギルド』フロンティア注目カードトップ3!

1位 ショックランド5種

草むした墓聖なる鋳造所蒸気孔寺院の庭湿った墓

 2018年10月、フロンティアのマナベースは崩壊した……! というのは決して冗談ではありません。

 何せ今までフェッチランドのお供をしていたのがいわゆる「バトルランド」。しかもこれには友好色しか無かったものですからもう大変。『ラヴニカのギルド』以前のフェッチランド1種から引っ張れる特殊地形は、友好色として隣接する3種類のみでした。

 しかしこれからはその縛りを解かれてどの色でも出せるどころか、ライフさえ払えば幾らでもアンタップイン可能なわけです。これによってフロンティアのデッキほぼ全てが、マナベースを総入れ替えしなければいけません。

 もちろん、モダン同様に赤単系のデッキも警戒する必要があるでしょうね。《ラムナプの遺跡》があなたのショックランドを見つめてる、なんてのもこれからよく見る光景になりそうです。

2位 《暗殺者の戦利品》

暗殺者の戦利品

 超強力パーマネント破壊がついにフロンティア参戦。

 フロンティアでは、対クリーチャーや対アーティファクト、対プレインズウォーカーそれぞれに優れたカードは数あれど、パーマネントの種類を問わずに対処できる物は存在しませんでした。強いて言うならば《苦渋の破棄》。何なら《ドミナリアの英雄、テフェリー》が挙がってもおかしくないようなカードプールです。

 そこへ来て、色拘束とデメリットこそ厳しいものの、2マナインスタントでありとあらゆるパーマネントと交換可能というのは非常に強力。

 フロンティアの緑黒というのはあまり人気とは言いづらいカラーリングでしたが、これからはその評価も改まりそうですね。

3位 《秋の騎士》

秋の騎士

 フロンティアには《クァーサルの群れ魔道士》のような、メインから《帰化》の役割を担えるクリーチャーが居ませんでした。しかしこれからはこのモード選択型クリーチャーがその枠を埋めてくれます。

 《集合した中隊》を主軸にしたクリーチャーが重要視されるデッキでは、《密輸人の回転翼機》などのアーティファクト・エンチャントに手を焼かされる事も少なくありません。

 どんな相手にも腐らない優良クリーチャーとして、八面六臂の大活躍をしてくれるでしょう。

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◆ 第11期モダン神 小田 光一

『ラヴニカのギルド』カードセット全体の印象

 私は『ラヴニカへの回帰』でマジックに復帰したので、ラヴニカ次元に対しては思い入れがあります。《至高の評決》《ゴブリンの電術師》《死儀礼のシャーマン》《突然の衰微》などなど……モダンに大きく影響を与えたセットでした。

大集団の行進千年嵐漂流自我

 今回のセットもラヴニカの名に恥じぬ強力な多色カードが盛り沢山になっています。過去のカードの完全上位互換ではなく互換としての調整がされているものが多いため、デッキ内の選択の幅が広がり読み合いが複雑になると予想します。

『ラヴニカのギルド』モダン注目カードトップ3!

1位 《秋の騎士》

秋の騎士

 内定が決まっているということは良いです。

 カンパニー系のサイドボードに入っていた《再利用の賢者》と間違いなく入れ替わる、というよりメインに採用するレベルです。「モダンのサイドボードは15枚では足りない」とよく言われますが、これ1枚で置物対策とバーン対策を両方兼ねることができてスペース削減。更にメインから置物対策もできる、とカンパニー系の欲しかった要素がこれでもかと詰め込まれたカードです。

2位 《暗殺者の戦利品》

暗殺者の戦利品

 テキストを確認した時の衝撃は忘れられません。《秋の騎士》もそうですが、メインボードからの万能なパーマネント対策が可能になりました。

 《突然の衰微》だとコントロールや土地コンボ相手では撃つ対象に困りましたが、もうその心配はありません。3ターン目のトロン達成を眺めているだけにはなりません。最近おとなしかったBG系待望の強化です。

 非常に強力なカードではありますが、あくまで単体除去カードに過ぎず、これだけで環境が変わるか……と言われると微妙なところです。BG系が苦手としていた土地コンボとの絶望的な相性差が、少しだけ縮まるに過ぎないかもしれません。

 何事も試すことが大事なので、私は4枚積んで自ら確認してみます。

3位 《霊廟の秘密》

霊廟の秘密

 サーチ対象が黒限定ですが黒の低マナ域には後から引いてもよい優秀なカードが多く、中盤から状況に合ったカードを探せる動きは強力です。グリクシスシャドウは自ら墓地肥やししつつ、1マナ域にハンデス除去クリーチャーと全て揃っているため相性が良いです。

 他には《死せる生》をサーチすることに価値のある「青黒《予言により》」もいいですね。

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◆ 第11期ヴィンテージ神 鳥海 貴

『ラヴニカのギルド』カードセット全体の印象

 多色がフィーチャーされるカードセットの場合、カードパワーが高めに調整される傾向がありますが、これまでと同様マルチカラーを中心にカードパワーの高いカードが多数用意されているように感じます。

 今回は下に紹介したカード以外にもヴィンテージで試してみたいと思わせるカードがあり、どのカードを紹介しようか迷ったほどです。もちろん他のフォーマットにおいても多くのカードをトーナメントシーンで見かけることになりそうです。

 また、あくまで個人的な印象としてですが、「ゴルガリ絡みのカードは、環境に大きな影響を与える」というイメージを持っています。

ゴルガリの墓トロール死儀礼のシャーマン突然の衰微

 『ラヴニカ:ギルドの都』においては、ヴィンテージでもメタの一角を担うドレッジの根幹である「発掘」というメカニズムが登場し、『ラヴニカへの再帰』では、レガシーを長きにわたって支配した結果に禁止となった《死儀礼のシャーマン》、汎用性の高い除去として第一線で活躍する《突然の衰微》が登場しました。

 そして3度目の来訪となる『ラヴニカのギルド』、今回も何か起こるのかと戦々恐々としていたのですが…。

『ラヴニカのギルド』ヴィンテージ注目カードトップ3!

1位 《暗殺者の戦利品》

暗殺者の戦利品

 プレビュー解禁初日にいきなり自分の目を疑った、汎用除去カードです。

 ヴィンテージには「墓荒らし」と呼ばれるBUG系のデッキが存在しますが、汎用除去として主に《突然の衰微》が採用されています。 《突然の衰微》は非常に優秀なカードではありますが、4マナ以上のパーマネントに触ることができない欠点があり、4マナ以上のカードが多数採用されるMUDや《精神を刻む者、ジェイス》《ドミナリアの英雄、テフェリー》といったカードの対処に困る場面がありました。

 《暗殺者の戦利品》は基本地形をサーチされる欠点こそありますが、上記のパーマネントに対して対処が可能になることに加え、土地にも触れる点は大きな利点であり、今後はヴィンテージに限らず様々なフォーマットで見かけることになるでしょう。

 ただし《ドルイドの誓い》《Time Vault》といった即座に対処しないと負けにつながるパーマネントに対しては、カウンターされない《突然の衰微》のほうが対処しやすいため、枠がそのまま入れ替わるのではなくメタに合わせて併用されていくことになると思われます。

2位 《這い寄る恐怖》

這い寄る恐怖

 今回ついに初登場した《ナルコメーバ》と同様の、誘発条件で効果を得ることが可能な3点ダメージ(&回復)呪文です。(文章がおかしい?『未来予知』版の《ナルコメーバ》は未来からの再録という設定なので……)

 となれば、採用されるのは《ナルコメーバ》同様にドレッジに……と言いたいところですが、変わり種として《隠遁ドルイド》デッキやThe Spyで採用してみるのも面白そうです。

 どちらもライブラリーのすべてのカードを直接墓地に送り込むタイプのデッキですので、《這い寄る恐怖》の誘発条件をクリアすることができ、12点のダメージを与えることが可能です。

 ここで、残りの8点のライフはどうするの?という話になるわけですが、そこは併せて採用しているはずの《ナルコメーバ》を利用して、《戦慄の復活》を「フラッシュバック」し、同じく今回初登場の《ロッテスの巨人》を釣り上げることで残りのライフを削りきりましょう。

3位 《正気泥棒》

正気泥棒

 スタンダードでも活躍した《豪華の王、ゴンティ》を彷彿とさせる能力を持ったスペクターです。

 本来この類のカードは手札を捨てさせることでアドバンテージを得る場合が多いのですが、今回は相手のライブラリーからカードを奪い、疑似的に手札を増やすことでアドバンテージを得る形をとっています。

 相手のデッキに依存することになるので、ドレッジなどの一部のデッキに対しては能力が活かしにくいという欠点はありますが、青系のデッキを相手にした場合は、《Ancestral Recall》をはじめとするドロー呪文を奪うことでアドバンテージを得たり、奪ったカウンターを構えたりといろいろなプランを立てることができると思われます。

 ヴィンテージというフォーマットの特徴として、除去の枚数が比較的少ないという傾向があるため、一度着地してしまった《正気泥棒》がアドバンテージを稼ぎ続けるいった場面を見ることがあるかもしれません。なお一度奪ったカードは《正気泥棒》が除去された場合でも唱えることが可能なため、すでに得たアドバンテージを失わない点も利点です。

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◆ 第11期レガシー神 嘉藤 裕樹

『ラヴニカのギルド』カードセット全体の印象

 《死儀礼のシャーマン》《突然の衰微》といった、レガシー環境にも大きな影響を与えたカードを生み出した(《死儀礼のシャーマン》は影響を与えすぎて禁止されてしまいましたが……)『ラヴニカの回帰』ブロック以来、6年ぶりのラヴニカ再訪ということで、否が応でも期待が高まります

 カード全体の評価としては、スタンダードだけでなく、下の環境やEDHでも活躍が期待できそうなカードパワーの高いカードや面白いギミックを持つカードが多数収録されているという印象です。

万呪文の達人獣に囁く者記憶の裏切り

 新たなキーワード能力もいくつか登場しており、その中でも「諜報」は未来のドローを操作することで潜在的なアドバンテージを生みつつ、「占術」と異なりカードを墓地に置くことができ、墓地も重要なリソースの一つであるレガシーにおいて特に使い勝手が良い能力となっています。

『ラヴニカのギルド』レガシー注目カードトップ3!

殿堂 《暗殺者の戦利品》

暗殺者の戦利品

 あえてランク付けするのも憚られるほど強力なため別枠で。

 《突然の衰微》の亜種ですが、対象にとれる範囲が大幅に拡大しており、汎用性の高さから見て過去最高レベルの除去だと思います。

 特にBUGカラーにはこれまで《精神を刻む者、ジェイス》をテンポ良く対処できるカードがなく、その点で《紅蓮破》を採用できるグリクシスカラーに後塵を拝していましたが、このカードの登場により、スゥルタイコントロールなどのBUGカラーのデッキの復権も期待できます。

 レガシー環境にはそもそも基本地形を搭載していないデッキも多く、入っていても《不毛の大地》ケアで序盤に持ってくることが多いため、デメリット効果もそこまで気にならないのではないでしょうか。

 もちろんリアニメイトやBGデプスといったコンボデッキのサイド要員としても非常に優秀で、《突然の衰微》では対処ができなかった、《カラカス》《虚空の力線》といった致命的なパーマネントにも触れるため、確実に採用が検討されることになると思います。

1位 《漂流自我》

漂流自我

 《失われた遺産》の亜種ですが、なんと基本地形まで選ぶことができます。(《暗殺者の戦利品》然り、「土地でない」という定型文をつけ忘れた可能性はないでしょうか……)

 実際には4枚までしか抜けないため基本地形を指定する場面は少ないかと思いますが、強力な土地が多いレガシーにおいて土地を指定できるメリットは非常に大きいです。

 《暗黒の深部》《演劇の舞台》《雲上の座》といった土地を、「《不毛の大地》《外科的摘出》」といった手順を踏むことなくゲームから追放することができるため、特にマナベースの都合上《不毛の大地》を搭載できなかったグリクシスコントロールなどのサイド要員として採用が検討されることになりそうです。

 本家同様、ANTやSNTといったコンボデッキに対する効果は絶大であり、このカードの採用率次第では、コンボ側もパーツを散らすなりウィッシュボードを活用するといった対応が必要になるかもしれません。

2位 《任務説明》

任務説明

 スペル版《瞬唱の魔道士》。墓地のスペルを再利用できる強さはあのポルトガル人により十分知れ渡っているため割愛しますが、《瞬唱の魔道士》と比較して、

 といった点で優れています。

 《瞬唱の魔道士》との両立は難しいため、採用されるデッキは限られるかと思いますが、個人的には「諜報」と相性の良い、ミラクルで試してみたいカードです。(「諜報」の能力で相手のスペルを《相殺》した後、墓地の《予報》で2ドローできれば相手の心が折れること間違いなしです!)

 《瞬唱の魔道士》も当然強力ですが、腐った除去の的になるだけのケースも多々あるため、いっそこのカードに全て置き換え、相手の除去を手札で腐らせつつ《精神を刻む者、ジェイス》単騎での勝利を目指す、男らしいノンクリーチャーのミラクルが登場する日も近いかもしれません。

3位 《霊廟の秘密》

霊廟の秘密

 あの《Demonic Tutor》がインスタントとなって帰ってきました! (当然種々制限がありますが……) 色々悪用できそうなカードですが、既存のデッキにおいてはリアニメイトでの活躍が期待できると思います。

 リアニメイトの負け筋の一つとして、「ハンドに釣竿が大量にあるものの墓地に落とすカードがない」といったように役割が同じカードの偏りが挙げられますが、《霊廟の秘密》は状況に応じてどちらにも化けることができるためこの問題を解消してくれます。(場合によってはハンデスや、それこそ《暗殺者の戦利品》などを持ってくることも可能です。)

 墓地にクリーチャーを送る下準備が必要になるため、真価を発揮するためには、《不運な研究者》《傲慢な新生子》、あるいは《通りの悪霊》といった能動的に墓地に送り込めるカードと組み合わせて使うことになると思います。もちろん《グリセルブランド》が墓地にいるだけで、最低限《再活性》《思考囲い》を持ってくることができますので、それだけでも試す価値は十分にあるのではないでしょうか。

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◆ リミテッド神 加藤 健介

『ラヴニカのギルド』注目のキーワード能力やメカニズム

 今回のセットではギルドごとに特徴的なキーワード能力が追加されていますが、リミテッド視点では「諜報」に最も注目しています。

 これは占術に似た能力で、見たカードをボトムに送るのでなく墓地に落とすことができ、実質的な強化版占術という見方をすることができます。単純に不要なカードを排除し、事故防止に貢献する以外にも墓地に落とせるというのは「再活」ではカードアドバンテージに繋がり、「宿根」では各種数値の効果を高める働きをします。

ディミーアの密告者致命的な訪問概念の雨

 個人的には《概念の雨》が非常に気に入っており、シールドの際はディミーア(青黒)のデッキを組むときだけでなく、イゼット(青赤)やゴルガリ(黒緑)のデッキを組むときも「ギルド門」などを採用してタッチできないか検討するようにしています。

『ラヴニカのギルド』リミテッド注目カード!

コモン: 《巧みな叩き伏せ》

巧みな叩き伏せ

 4マナというコストや効果からなんとなく「クリコマ!」と言いながら唱えたいこのカード。本家には当然遠く及びませんが、このカードも攻めにも守りにも活躍するトリッキーなカードです。

 自ターンに除去しつつ攻撃を通すために唱えたり、相手の戦闘開始ステップに時間を稼ぐ目的や、次ターンを見据え終了ステップに唱えるなど、使いどころの選択肢が非常に多く、使用者の腕が出るカードとなっています。

 このために色をタッチしてでも使う価値ありです。ディミーア(青黒)相手や「ギルド門」でタッチしている雰囲気を相手から感じた場合、相手が4マナ構えているときはこのスペルの存在は常に意識しておきましょう。

アンコモン: ギルド毎の「ダブルシンボル×2」のカード(ゴルガリ除く)

議事会の騎兵弾けるドレイク夜帷の捕食者真火の隊長

 厳しいマナシンボルに見合うだけの強力なカード達です。その唱えづらさから敬遠しがちかもしれませんが、各種ギルド門などを駆使し4ターン目に出すことができればぐっと勝利を引き寄せることができます。

 ゴルガリ(黒緑)に関しては4ターン目に出しても恩恵が少なく、戦闘能力も高いわけではないので弱くはないがそこまで強くはないといった評価です。

 シールドではデッキの核として、ドラフトではうまくギルドがハマったときの上振れ期待で最序盤にピックしたいこれらのカード達。ややリスキーですが、「先にギルド門や多色サポートを確保して、2~3パック目に色が合わずに流れてくるこれらの強力カードをかき集める」という戦略もアリかもしれませんね。

レア: 《実験の狂乱》

実験の狂乱

 プレリリースなどでこのカードを引いても、その奇抜な効果からそもそも試すことすらしなかった方は意外と多いのではないでしょうか。

 もちろん手札の充実している4ターン目にプレイして強いカードではないのですが、ゲームが終盤に差し掛かかりマナが余り始めたあたりで設置することができれば恐るべきアドバンテージをもたらしてくれます。(私は1ターンに4回デッキの上からカードをプレイしたことがあります。)

 手札からは唱えられなくなるというデメリットも自身で解除できるので実際はほとんど気になりません。私はシールドなら絶対にタッチして入れますし、ドラフトなら恐らく初手でピックします。百聞は一見に如かず、ぜひ一度お試しください。

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 「神」ならではの柔軟な発想と鋭い着眼点から、各フォーマットの『ラヴニカのギルド』の注目カードをレビューしてもらいました。

 彼らは、そして世界中のプレイヤーたちは、これらのカードをどう使うのでしょうか?

 今後の各フォーマットの大会結果をお楽しみに!!

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