2011年の3月10日に掲載された『Caw-Goの基本』からhappymtgのコラムは始動し、2014年10月の現在ではほぼ毎日のようにコラムが掲載されるようになった。
戦略、カバレージ、エンターテイメント。
様々なトピックについての面白いコラムが日々掲載されているが、そのハイペースな積み重ねはいつしか過去の名記事を埋め立ててしまってもいたらしい。
しかし、時は経ても面白いものは面白いのだ。それが読まれずに埋もれてしまうのはもったいない。
そんな成り行きで、ある日僕に”発掘作業”の依頼がきたのだった。
「らっしゅのおすすめでもいいから、面白いコラムやカバレージをいくつか発掘しておいてよ」
その場では適当にオーケーと言ったものの、実のところ、次の日には困り果ててしまっていた。
想像していた以上に面白いものばかりだったのだ。
「全部面白かったよ」
そんな答えを返そうものなら叩かれそうなので、それらの中からなんとか選りすぐってみたのが以下の面々だ。
気に入ったものがあれば、是非ともその連載シリーズのバックナンバーを読んでみてほしい。
これまで読んだことがある人も、これから初めて読む人にも。
楽しい時間を過ごせますように!それではどうぞ!
◆「プレイング」というブラックボックスに迫る。
インターネットが普及してからというものの、トッププレイヤーたちの強さの秘密は次第に明らかにされてきた。プロツアーの翌日には好成績のデッキリストはすべて掲載され、そのリストに隠されたロジックや意図すら詳細なレポート記事で補完される。
しかし、これらの情報公開が進んでもなおトッププレイヤーたちの地位は揺るがない。
それは「プレイング」という根本的な技術がいまだ秘密のヴェールに覆われているからだ。
そして、その強者たちの最後の一線ともいえる「プレイング」の秘密に迫ろう、という挑戦的な記事こそが、”不屈のストイシズム”こと高橋 優太による『高橋 優太のプレイングの極み』である。
ジェイスを制する者はスタンダードを制す【質問編】
http://www.hareruyamtg.com/article/category/detail/1100
ジェイスを制する者はスタンダードを制す【回答編】
http://www.hareruyamtg.com/article/category/detail/1099
記事下部のコメント欄には多くのプレイヤーからの意見が寄せられ、興味深い議論が活発に交わされていた。記事本編も興味深いが、是非ともコメント欄にも目を通してみてほしい。
happymtg.com当時はコメント欄がありましたが、現在は見ることができません。あらかじめご了承ください。
一つの状況を前に、強者はどのように判断し、行動を決断するのか。
あなたは彼らの秘密を暴くことができるだろうか?
◆強者が強者たる理由はどこに?
『プレイングの極み』に続いて、トッププレイヤーたちの秘密に迫る連載シリーズはこれだ。語り部・浅原 晃の口から、渡辺 雄也や八十岡 翔太といったトッププレイヤーたちが素顔のまま居酒屋でポロリと漏らした話が魅力たっぷりに語られる。
浅原×八十岡「TOP8までか、TOP8からか」
http://www.hareruyamtg.com/article/category/detail/890
浅原×津村「努力か、才能か。」
http://www.hareruyamtg.com/article/category/detail/891
しかし、ただの面白い井戸端会議で終わらないのがこの連載の素晴らしいところだ。
彼らのゲームへの取り組み方やシビアな戦術眼にはハッとさせられる。
魅力的なキャラクターの会話劇にもぐいぐいと引き込まれる名連載シリーズである。
◆追い求める理想と現実のギャップ。そこにはクソデッキがいる。
「明日の俺はプロツアーを優勝して、トロフィーを掲げて喝采を浴びるんだ。」
そんな夢と幾夜を共にした少年たちは勝利を願いながらもクソデッキを手にしてしまう。
誰よりも真剣で誰よりも渇いているはずなのに。なんで?
そんな誰しもが経験した苦いトラウマと”まつがん”こと伊藤 敦が向き合う。
あの日見たクソデッキの名前を僕達はまだ知らない。
vol.1 PT京都09 -青白GAPPO-
http://www.hareruyamtg.com/article/category/detail/540
プロツアーの初戦で手札に《エスパーゾア》が鎮座しているという悲劇。
それを避けるために僕たちは何をすべきなのか?
これから勝ちたい人、これまで勝てなかった人。
すべての敗北者のために語られるストーリーがここにある。
◆僕たちは楽しむためならMADになれる。
マジックの魅力の一つに「自由度の高さ」がある。
他のゲームにあるような定石はなく、各々が好きな戦略で楽しむことができる。
ただ、いくら自由とはいえ、僕たちはどこかで遠慮をし、勝手に限度を感じてしまう。
「さすがにこれはデッキじゃないかな?」
「マナベースに無理があるかな?」
そんな迷いや逡巡のブレーキを吹っ飛ばした連載こそが、井川 良彦による『レガシーMADデッキ開発室』だ。
井川が山田で愉快に大冒険
http://www.hareruyamtg.com/article/category/detail/1056
ブレーキをかけるべき場面でこそアクセルを踏む。
現在も大好評連載されている『だらだらクソデッキ』にも通ずる狂気の発端はここにある。
◆マジックの面白さはゲームだけじゃない?魅力ある背景世界への招待。
実を言うと、僕はラースサイクルのカードのファンだ。
《適者生存》や《生ける屍》といった楽しくて強力なカードがあることも理由の一つだが、なによりも背景世界のストーリーがわかりやすくてカードやキャラクターに親しみが持てたことが大きいと思っている。
《好奇心》を見てはミリーの尾行の結末が気にかかってそわそわし、後の『メルカディアン・マスクス』で《暴露》にヴォルラスが描かれた時には「お前かよ!」と驚いたものだった。
このような背景世界のストーリーは、とても面白いファンタジーかつ、これまで気にも留めていなかったカードが魅力的に見えてきたりもするスパイスなのだ。
そんな背景世界の素晴らしさを教えてくれる大人気連載シリーズこそが若月女史の『あなたの隣のプレインズウォーカー』である。
あなたの隣のプレインズウォーカー
~第21回 勇者エルズペスは休めない~
http://www.hareruyamtg.com/article/category/detail/336
あなたの隣のプレインズウォーカー
~第22回 勇者エルズペス、旅の果てに~
http://www.hareruyamtg.com/article/category/detail/337
この2回はみんな大好きな《太陽の勇者、エルズペス》のストーリーに触れた回だ。6マナのプレインズウォーカーってだけではない彼女の姿が気になる方には是非とも読んでほしい。
ちょっと難しいゲームに疲れたときは、背景世界で羽を休めてはいかがだろうか?
◆昨年末を飾った最強決定戦
今年末も開催されることが決まった年末最強決定戦である『The Last Sun』。
昨年末の優勝者は、その勢いのままプラチナレベルを獲得したHareruya Prosの山本 賢太郎だった。
そして、山本を準々決勝で苦しめたのは、その後に2連続でプロツアーのTop8に入賞した市川 ユウキだったことで会場は大いに盛り上がった。
【レガシー】Round 8:山本 賢太郎(埼玉) vs. 市川 ユウキ(Magic Online)
http://www.hareruyamtg.com/article/category/detail/632
【レガシー】準々決勝:山本 賢太郎(埼玉) vs. 市川 ユウキ(Magic Online)
http://www.hareruyamtg.com/article/category/detail/614
奇しくも同じトーナメントで2回マッチアップした彼らの試合を予期していたかのような強烈な前振りからのオチには思わずクスリとしてしまう。
真剣味あり、技術あり、笑いありと三拍子揃ったカバレージはいつだって読み返したい僕のお気に入りだ。
◆面白いコラムはあったかな?
以上、らっしゅが選んだ「happymtgのコラム傑作選」である。
はたして気に入った連載は見つかっただろうか?
ここで紹介した多くの連載はすでに終了してしまっているが、コメントの反応次第では再開するかもしれない。
今回の傑作選には載っていなかったあなたのおすすめコラムや、これから読みたいジャンルのコラムについてなど、コメント欄に気軽に意見を寄せてほしい。
僕もいち読者として面白いコラムと出会えることを楽しみにしている!