MTG Just Now! vol.11 -精力の護符 etc.-

晴れる屋メディアチーム

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情報を制す者はマジックを制す。

特にSNSによる情報交換が盛んな現代、口コミがその後のメタゲームに与える影響は計り知れない。すなわち、バズってる(話題になっている)カードを知ることは、メタゲームの把握と予測の大いなる助けとなることだろう。

当企画では、そんな「今、バズってるカード」を週刊で追っていきたいと思う。


カードの紹介に入る前に、先週行われたイベントやマジック関連の主な出来事を簡単におさらいしよう。



【『戦乱のゼンディカー』公式プレビュー開始】

本日より、10月2日に発売される新セット『戦乱のゼンディカー』の公式プレビューが開始された。

すでに【PAX Prime】などでも《ゼンディカーの同盟者、ギデオン/Gideon, Ally of Zendikar》や《怒りの座、オムナス/Omnath, Locus of Rage》といった強力なカードが公開されていたが、これからプレリリースの日まで順次カードが公開される運びとなるだろう。




待望の対抗色ミシュラランドなどが収録されている。

なお、この対抗色ミシュラランドはMTGのチーフディベロッパーである【Mark Rosewalter氏のTumblrエントリ】にて”『戦乱のゼンディカー』と次のエキスパンション『ゲートウォッチの誓い』で分割収録される”と明言されている。



【ワールド・マジック・カップ2015東京予選】

先週末には【ワールド・マジック・カップ予選(WMCQ)東京】が開催された。


8月22-23日に開催された【WMCQ大阪】で優勝を収めた玉田 遼一選手(和歌山)に続いて日本代表の座をもぎ取ったのは楊 塑予選手(東京)

フルFoilの【精力の護符ランプ】で華麗にライバルたちを葬り去っていった楊選手。突如として現れたライジングスターのWMC本戦での活躍にも期待したい。



主要な出来事はこのくらいだろうか。
さて、それでは今大きな話題を呼んでいるカードたちを紹介しよう。



1. 精力の護符

【WMCQ東京】で最も高いトップ8進出率を誇り、優勝を収めたのは【精力の護符ランプ】だった。


楊 塑予「精力の護符ランプ」
WMCQ2015 東京予選(優勝)

2 《森》
4 《宝石鉱山》
4 《シミックの成長室》
2 《セレズニアの聖域》
2 《グルールの芝地》
1 《ボロスの駐屯地》
1 《魂の洞窟》
1 《マナの合流点》
1 《神秘の神殿》
3 《トレイリア西部》
1 《カルニの庭》
1 《幽霊街》
1 《光輝の泉》
1 《処刑者の要塞》
1 《軍の要塞、サンホーム》
1 《ヴェズーヴァ》

-土地(27)-

2 《迷える探求者、梓》
4 《原始のタイタン》
1 《猛り狂うベイロス》

-クリーチャー(7)-
4 《召喚士の契約》
2 《否定の契約》
1 《殺戮の契約》
4 《古きものの活性》
4 《血清の幻視》
4 《花盛りの夏》
2 《集団意識》
4 《精力の護符》
1 《彩色の灯籠》

-呪文(26)-
2 《スラーグ牙》
2 《白鳥の歌》
2 《炎渦竜巻》
2 《原基の印章》
1 《呪文滑り》
1 《鷺群れのシガルダ》
1 《龍王アタルカ》
1 《仕組まれた爆薬》
1 《墓掘りの檻》
1 《真髄の針》
1 《ボジューカの沼》

-サイドボード(15)-
hareruya



精力の護符

《精力の護符》《シミックの成長室》をはじめとするバウンスランド、《花盛りの夏》を組み合わせて莫大なマナを生み出す【精力の護符ランプ】

土地が手札と戦場をピョンピョンと行き来する様子から、“Cangaroo(カンガルー)”という愛らしい呼称もあるこのデッキだが、モダンフォーマットにして禁断の2ターンキルが可能なのだ。


花盛りの夏シミックの成長室原始のタイタン


【死せる生】【白緑オーラ】といったオールインコンボに類するアーキタイプで、この手のデッキは通常、対策カード1枚の前に勝ち手段が潰えることが多く、安定性も低いため長丁場では実力を発揮し続けることが難しいとされていた。

そのためか、”モダン最速のコンボデッキ”としてプロツアー準優勝を遂げてからも、【欠片の双子コンボ】【親和】といった古くから存在する定番のコンボデッキに比べるとあまり注目度は高くなかった。


しかし、熱心な愛好者たちの手によってそのデッキリストは日々研ぎ澄まされてゆき、さらに比較的仮想的として意識されていないという強みから、アメリカでもゴールドレベル・プロのTom MartellがWMCQサンノゼ(【WMCQ東京】と同日にアメリカで開催された)でこのデッキを使用して優勝するなど一線級での活躍が見られる。


《トレイリア西部》《ボロスの駐屯地》で手札に戻しつつ、浮かせたマナで「変成」し《召喚士の契約》を探す、などトリッキーなプレイが可能で、その特殊な挙動は見ているだけでも楽しめる。

変わったデッキを使ってみたい!というプレイヤーには、ぜひオススメしたいデッキだ。



2. 宝物探しゾンビの横行

まずはこのデッキリストを見ていただこう。


Simon Nielsen「Zombie Hunt」
WMCQ Faraos Copenhagen (Top4)

24 《島》
20 《沼》
3 《陰鬱な僻地》
4 《聖遺の塔》
3 《フェアリーの集会場》

-土地(54)-


-クリーチャー(0)-
4 《宝物探し》
2 《ゾンビの横行》

-呪文(6)-
7 《島》
4 《払拭》
4 《強迫》

-サイドボード(15)-
hareruya




宝物探しゾンビの横行


デッキリストの表示がバグっているのかと疑い、思わずブラウザの更新ボタンをクリックした方もいるのではないだろうか。お使いのPCやスマートフォンに異常はない。もちろん幻覚を見ているわけでもない。

ヨーロッパ北部、デンマーク王国の首都・コペンハーゲンで開催された参加者120名のWMCQ Faraos Copenhagenで4位に入賞したこのデッキ。


回し方は解説するまでもないだろう。強いて言うなら《聖遺の塔》《ゾンビの横行》が戦場に出ていない状況で《宝物探し》をプレイするなら、そのターンはなるべく土地を置かないほうがよい。

モダン環境の懐の深さ……いや、闇が垣間見えるこのデッキ。
シーズンは過ぎ去ったが、可能性は無限に広がるモダン。今後も目が離せないフォーマットの一つであることは間違いなさそうだ。



●2015年9月8日掲載「MTG Just Now! vol.11 -精力の護符 etc.-」のお詫びと訂正


平素は、「MTG Just Now!」をご愛読いただき誠にありがとうございます。

2015年9月8日に掲載しました「MTG Just Now! vol.11 -精力の護符 etc.-」に掲載されている内容に誤りがありました。読者のみなさまならびに関係者のみなさまにご迷惑をおかけしましたことを深くお詫びするとともに、訂正させていただきます。


(誤)
「2. 宝物探しとゾンビの横行」の項目にあるデッキリスト

(正)
WMCQコペンハーゲン・トップ4のSimon Nielsen氏が使用していたデッキリストは正しくは【こちら】の「精力の護符ランプ」でした。


当記事は【MTG Decks.net】の情報をもとに作成しておりましたが、本日こちらのデッキリストが誤っていたことが分かりました。

このたびは情報元の精査を怠り、読者のみなさまに大変ご迷惑をお掛けいたしましたこと、深くお詫び申し上げます。

今後このような事態が発生しないよう「MTG Just Now!」編集体制の一層の強化に取り組む所存です。

引き続き「晴れる屋メディア」では読者のみなさまに楽しんでいただけるコンテンツを発信していけるよう尽力して参ります。今後とも「晴れる屋」ならびに「晴れる屋メディア」をご愛顧いただけましたら幸いです。


2015年9月9日追記 晴れる屋メディアチーム一同拝





3. 白日の下に

冒頭でもチラリと画像だけお見せした『戦乱のゼンディカー』の新カード、《白日の下に/Bring to Light》

現段階までに公開されたカードのなかでも、筆者が個人的に最も注目している呪文だ。




《白日の下に/Bring to Light》 (3)(G)(U)
ソーサリー
収斂/Converge-あなたのライブラリーから、点数で見たマナ・コストが白日の下にを唱えるために支払われたマナの色の総数以下であるクリーチャー・カード1枚かインスタント・カード1枚かソーサリー・カードを1枚を探し、そのカードを追放し、その後、あなたのライブラリーを切り直す。あなたはそのカードを、そのマナ・コストを支払うことなく唱えてもよい。



このカードのこのテキストからこういうことをしろというメッセージを受け取ったのは私だけだろうか?


超起源均衡の復元死せる生


モダンでは《超起源》が禁止されているが、レガシーであれば上記のいずれの「待機」呪文も使用可能である。さらにこの《白日の下に/Bring to Light》というカードは青いので《Force of Will》のコストに充てられる。まさにレガシーのために生まれてきたような呪文である。


というのは半分冗談だが、実際EDHなどでは活躍が期待できそうなコンボである。ハイランダー構築では《白日の下に/Bring to Light》が単体で仕事をしやすいということもある。

「続唱」と異なり、これらの「待機」呪文をデッキの構造を歪めることなく唱えることができるようになる。

実際にプレイアブルかどうかは蓋を開けてみるまで分からないが、唯一無二の能力を持ったこの新カードがもたらす可能性に期待せずにはいられない。






いかがだっただろうか?

今週もまた多くのカードがプレイされ、注目され、議論を呼ぶのだろう。

次回の記事も楽しみにしていただけたら幸いである。



この記事内で掲載されたカード

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