高橋優太のSCGインビテーショナル・WMCQ2015東京予選レポート

高橋 優太


これまでのあらすじ

「強い奴に会いに行く!」

そう言って、アメリカニュージャージー州で開催されるSCGインビテーショナルに旅立ったタカハシ。

まだ見ぬ強豪たちとの、熱い戦いが彼を待ち受ける……。


※SCGインビテーショナルとは?

アメリカの大手ショップ、【StarCityGames】が毎週開催している大規模な大会「SCGオープン」。
そのOpenでの上位者、および該当大会の優勝者のみが参加できる招待イベント、それが「SCGインビテーショナル」で、「SCGオープン」よりも更に大規模な賞金イベントである。
私は2月に開催された【StarCityGames.com Invitational Challengeで優勝】し、その権利を獲得。【Hareruya Pros】【BIGMAGIC】の力で【SCG】に参加する運びとなった。

(BIGMAGICさんありがとうございます!)




■ 8/27 移動日


前日20時にアメリカ着。

ニューヨークのすぐ近く、ニューアーク駅から電車を1時間乗り継ぎ、目的の「Bound Brook」駅へ。

ニューヨークと聞くと都会のイメージがあるが、電車で一時間もすると広大な森、森、森!
駅に着いたのは21時半だったのだが、梟と虫の声がこだまする自然豊かな場所だった。

Googleマップを頼りに歩いて30分、宿に到着。この日は早めに就寝。



■ 8/28 SCGインビテーショナル・初日


10:00開場、12:00試合開始だが、せっかく来たので早めに会場へ。




9:50に着くと、すでに人だかりが。




そして開場。グランプリ会場並みに広い!




奥に飲食ブースも見える。




レジストを済ませて、早速バイヤーブースへ。




ブース前には、トレードやカード売却ですでに人が並んでいる。




ブースは状態の悪いプレイド品がメインだが、全体的に安い!足りないカードを何点か購入。

ブースはSCG以外もいくつか出店していたので、店巡りをしつつ大会開始を待つことに。
開場で何人かに「OH,タカハシ!なんでここにいるんだ!?」と驚かれた。
どうやら日本人参加者は私だけだったようだ。

奥のフードコートで昼食を摂り、いよいよ大会が開始する。

最初の4ラウンドはレガシー、次の4ラウンドがスタンダードで、4勝4敗以上が2日目に進出できる。
どうやらプロツアーと同じ大会の構成のようだ。



● レガシー・奇跡コントロール



高橋 優太「奇跡コントロール」
SCG Invitational Season 3

4 《島》
1 《平地》
2 《Tundra》
2 《Volcanic Island》
4 《溢れかえる岸辺》
2 《汚染された三角州》
2 《沸騰する小湖》
1 《霧深い雨林》
2 《Karakas》
2 《不毛の大地》

-土地(22)-

2 《ヴェンディリオン三人衆》
1 《造物の学者、ヴェンセール》

-クリーチャー(3)-
4 《渦まく知識》
3 《思案》
3 《剣を鍬に》
1 《紅蓮破》
2 《対抗呪文》
2 《天使への願い》
4 《Force of Will》
3 《終末》
2 《時を越えた探索》
4 《相殺》
4 《師範の占い独楽》
3 《精神を刻む者、ジェイス》

-呪文(35)-
2 《エーテル宣誓会の法学者》
2 《狼狽の嵐》
2 《赤霊破》
1 《造物の学者、ヴェンセール》
1 《剣を鍬に》
1 《解呪》
1 《紅蓮破》
1 《摩耗+損耗》
1 《紅蓮地獄》
1 《安らかなる眠り》
1 《血染めの月》
1 《墓掘りの檻》

-サイドボード(15)-
hareruya



環境はオムニ、デルバー、奇跡、土地単で【GP京都】前とあまり変わらない印象。

上位に行くにはオムニを倒すべきと思ったので、オムニメタの奇跡で参加。


ラウンド 対戦デッキ 勝敗
Round 1赤単バーン
【ビデオカバレージ】
 ×〇×
Round 2ジャンド 〇〇
Round 3リアニメイト 〇〇
Round 4RUGデルバー ××


2-2。

赤バーンは練習段階で少し不利さを感じていたものの、大規模な大会では当たらないと割り切ってサイドを取らなかった。

ライフ6で手札に《Force of Will》あり、場にジェイスの状況でギリギリ勝てるかなと思いきや、《極上の炎技》《蛮族のリング》打ち消せない火力で6点受けて負け。
《神聖の力線》を取るべきだっただろうか。


極上の炎技蛮族のリング


5ラウンド目からはスタンに移行。



● スタンダード・アブザン大変異



高橋 優太「アブザン大変異」
SCG Invitational Season 3

2 《平地》
2 《森》
4 《吹きさらしの荒野》
4 《砂草原の城塞》
4 《疾病の神殿》
4 《ラノワールの荒原》
3 《静寂の神殿》
1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》

-土地(24)-

4 《サテュロスの道探し》
4 《棲み家の防御者》
4 《死霧の猛禽》
4 《クルフィックスの狩猟者》
4 《包囲サイ》

-クリーチャー(20)-
4 《思考囲い》
2 《ドロモカの命令》
4 《アブザンの魔除け》
2 《英雄の破滅》
2 《衰滅》
2 《太陽の勇者、エルズペス》

-呪文(16)-
4 《究極の価格》
2 《羊毛鬣のライオン》
2 《風番いのロック》
1 《黄金牙、タシグル》
1 《神聖なる月光》
1 《ドロモカの命令》
1 《悲哀まみれ》
1 《衰滅》
1 《悲劇的な傲慢》
1 《精霊龍、ウギン》

-サイドボード(15)-
hareruya



エスパードラゴンを使っての感想は、現環境の《衰滅》が強いこと。クリーチャーデッキが多く、《搭載歩行機械》や赤黒ドラゴンにも効果覿面だ。

赤いデッキにも取りこぼしが少なく、《衰滅》が最も強く使えるデッキであるアブザン大変異を選択。


ラウンド 対戦デッキ 勝敗
Round 5ジェスカイ 〇〇
Round 6アブザンラリー 〇×〇
Round 7赤黒ドラゴン ×〇〇
Round 8アブザンアグロ ××


3-1。

12時スタートの8回戦だったが、スムーズな運営で21時には大会が終了していた。

計5-3で2日目へ。



■ 8/29 SCGインビテーショナル・2日目

SCG2日目。

またレガシーからスタート。


ラウンド 対戦デッキ 勝敗
Round 9UBRGコントロール ××
Round 10RUGデルバー 〇××
Round 11赤単バーン ××
Round 12オムニテル 〇〇


1-3!!!

UBRGコンは《時を越えた探索》4枚、《対抗呪文》4枚で、とても相性の悪い相手。

そしてまたバーンに負け!《神聖の力線》取ればよかった!

オムニテルに当たったときは少し安心感があった。


スタンへ。

ラウンド 対戦デッキ 勝敗
Round 13赤黒ドラゴン ×〇×


ここで6-7でトップ64も目無しになってしまったのでドロップ。

敗因はレガシーのデッキ構築で、練習時間も取らなかったため惨敗する結果となってしまった。

コンボだけでなく、もっとビートダウンを見るべきだったかも知れない。



■ 8/30 Modern 5K Premier IQ

【WMCQ】に備えて、サイドイベントのModern 5K Premier IQに参加。

※5K Premier IQとは?

小規模のSCGオープン。
サイドイベントにも関わらず、非常に多くの人で賑わっていた。
毎週末にグランプリ並みのイベントを開催するなんて……SCG、やりおる!






デッキはジャンド。



高橋 優太「ジャンド」
Modern Premier IQ Somerset

2 《沼》
1 《森》
2 《草むした墓》
1 《血の墓所》
1 《踏み鳴らされる地》
4 《新緑の地下墓地》
4 《血染めのぬかるみ》
1 《樹木茂る山麓》
4 《黒割れの崖》
3 《怒り狂う山峡》
1 《銅線の地溝》

-土地(24)-

4 《闇の腹心》
4 《タルモゴイフ》
3 《漁る軟泥》
2 《黄金牙、タシグル》

-クリーチャー(13)-
4 《稲妻》
4 《コジレックの審問》
2 《思考囲い》
2 《突然の衰微》
2 《終止》
3 《コラガンの命令》
2 《大渦の脈動》
4 《ヴェールのリリアナ》

-呪文(23)-
4 《大爆発の魔道士》
3 《古えの遺恨》
2 《高原の狩りの達人》
2 《部族養い》
1 《見栄え損ない》
1 《強迫》
1 《思考囲い》
1 《悲哀まみれ》

-サイドボード(15)-
hareruya




ラウンド 対戦デッキ 勝敗
Round 1グリクシス双子 〇×△
Round 2グリクシスコントロール 〇×〇
Round 3グリクシス双子 ×〇〇
Round 4青白コントロール 〇〇
Round 5青赤双子 〇×〇
Round 6親和 〇〇
Round 7マーフォーク 〇×〇
Round 8青白コントロール 〇×〇
Round 9グリクシスコントロール 〇〇



8-0-1でトップ8へ。最初に引き分けたせいか、苦手な赤単バーンに当たらなかったのが大きい(バーンが引き分けラインにいたら驚きだ)。


ラウンド 対戦デッキ 勝敗
準々決勝グリクシスコントロール 〇×〇
準決勝親和 〇×〇
決勝青白コントロール ×〇×


最後ミスで負けてしまい、2位。賞金600$獲得。


今後3ヶ月ほどアメリカに滞在して、SCGオープンめぐりをするのも良いかも。そう思えるほど楽しいイベントだった。

マジックが好きな人間・旅が好きな人間にとって、3日間マジック尽くしの旅が楽しくないわけがない!また参加したいものだ。



■ 9/5 WMCQ東京

モダンに手ごたえがあったので、デッキはそのままジャンド。

ラウンド 対戦デッキ 勝敗
Round 1青赤双子 〇〇
Round 2トロン ×〇×
Round 3バント中隊 〇〇
Round 4白黒トークン 〇×〇
Round 5バーン ×〇〇
Round 6アミュレットブルーム ×〇×



4-2でドロップ。

土地コンボに対して、後手で手札破壊のない初手をキープして負けているので、もっと厳しくマリガンすべきだった。



■ プレイングの極み

ジャンドで面白いシチュエーションがあったので、久々に出題しよう。


あなたはジャンドを使用し、対戦相手はバーンを使用している。現在は相手のターン終了時。

《大歓楽の幻霊》によりライフが追い詰められているが、このターンは《溶岩の撃ち込み》《裂け目の稲妻》「待機」だったため生き延びることができた。

とはいえあなたの場の《闇の腹心》が残っており、めくれ方次第ではライフが0になってしまう上、墓地にクリーチャーもいない。次のターンには確実に勝ちたいところだ。

さて、この場面でどうプレイするのが正解だろうか。


対戦相手 (バーン)

ライフ:6

戦場
《大歓楽の幻霊》

《山》(タップ)
《聖なる鋳造所》(タップ)
《踏み鳴らされる地》

《裂け目の稲妻》(待機:1)

手札:なし

墓地:クリーチャーなし
あなた (ジャンド)

ライフ:3

戦場
《漁る軟泥》(3/3・タップ)
《闇の腹心》

《踏み鳴らされる地》(タップ)
《森》(タップ)
《草むした墓》
《沼》
《黒割れの崖》

手札
《闇の腹心》
《コラガンの命令》
《稲妻》

墓地:クリーチャーなし



ヒント:時には損すること




ではまた。


高橋優太



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