MTG Just Now! vol.15 -白日の下に etc.-

晴れる屋メディアチーム

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情報を制す者はマジックを制す。

特にSNSによる情報交換が盛んな現代、口コミがその後のメタゲームに与える影響は計り知れない。
すなわち、バズってる(話題になっている)カードを知ることは、メタゲームの把握と予測の大いなる助けとなることだろう。
当企画では、そんな「今、バズってるカード」を週刊で追っていきたいと思う。


カードの紹介に入る前に、先週行われたイベントやマジック関連の主な出来事を簡単におさらいしよう。



【『戦乱のゼンディカー』発売】

2015年10月2日、ついに待ちに待った『戦乱のゼンディカー』が発売された。

TwitterやFacebookで続々とZendikar Expeditionsが当たったという報告が相次いでいる中、筆者は有識者の間で新時代の《蒼ざめた月》と騒がれている《プリズム結界》のFoilを手に入れた。みなさんも素敵なレアカードを手に入れることができただろうか?


プリズム結界蒼ざめた月


11月には【GP神戸】、12月には【The Last Sun】など、年末にかけて国内イベントはますます盛り上がっていくだろう。

ぜひ、お近くのショップや晴れる屋で、仲間たちとマジックを楽しもう!



【SCGO Indianapolisが開催される】

Jory White
※画像は【StarCityGames.com】より引用させていただきました。
『戦乱のゼンディカー』発売週だった先週末には【SCGO Indianapolis】が開催された。

スタンダードでは下馬評も高かった【アタルカレッド】や新進気鋭の【白日の下に】など、さまざまなデッキが入り乱れていた。


来週末には【プロツアー『戦乱のゼンディカー』】が控えている。はたしてローテーション後のメタゲームはこれからどのような様相を呈するのか目が離せない。



主要な出来事はこのくらいだろうか。
さて、それでは今大きな話題を呼んでいるカードたちを紹介しよう。



1. 白日の下に

【SCGO Indianapolis】にて、早速『戦乱のゼンディカー』のとあるカードが活躍し、話題を呼んでいる。


白日の下に


【vol.11】「待機」呪文と相性がよいことでも取り上げた、《白日の下に》だ。



Gerry Thompson「Five-Color Bring to Light」
SCGO Indianapolis (5位)

2 《森》
1 《島》
1 《平地》
1 《沼》
1 《梢の眺望》
1 《燃えがらの林間地》
1 《大草原の川》
1 《燻る湿地》
1 《窪み渓谷》
4 《溢れかえる岸辺》
4 《汚染された三角州》
3 《血染めのぬかるみ》
2 《吹きさらしの荒野》
1 《樹木茂る山麓》
2 《伐採地の滝》
1 《乱脈な気孔》

-土地(27)-

4 《ヴリンの神童、ジェイス》
2 《巨森の予見者、ニッサ》
1 《賢いなりすまし》
4 《包囲サイ》
1 《光り葉の選別者》
1 《漂う死、シルムガル》

-クリーチャー(13)-
2 《軽蔑的な一撃》
2 《魂裂き》
4 《アブザンの魔除け》
1 《破滅の道》
1 《スゥルタイの魔除け》
1 《完全なる終わり》
1 《衰滅》
4 《白日の下に》
2 《残忍な切断》
1 《命運の核心》
1 《ウギンの洞察力》

-呪文(40)-
1 《先頭に立つもの、アナフェンザ》
1 《漂う死、シルムガル》
3 《光輝の炎》
2 《強迫》
2 《軽蔑的な一撃》
1 《光輝の粛清》
1 《シルムガルの命令》
2 《氷固め》
2 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス》

-サイドボード(15)-
hareruya


『戦乱のゼンディカー』リリース直後のスタンダードは、現時点では前環境から頭ひとつ抜けたパワーカードであった《包囲サイ》《ヴリンの神童、ジェイス》を最もうまく活用した者が勝つといった環境だ。


包囲サイヴリンの神童、ジェイス


その点において、この【白日の下に】《包囲サイ》《ヴリンの神童、ジェイス》も採用され、その両方が最大限活かされた理論上最強のデッキと言えるだろう。特にこの凶悪な4/5トランプルは実質的に(《賢いなりすまし》含め)9枚も入っているのだ。

このデッキにおける《白日の下に》は概ね5~8枚目の《包囲サイ》と思われるが、状況に応じて《賢いなりすまし》《光り葉の選別者》などをサーチしたり、インスタントやソーサリーをシルバーバレットすることもできる。

さらに《ヴリンの神童、ジェイス》が「変身」すれば、その「-3」能力で再利用することも可能で、より環境が煮詰まってくればメタゲームに合わせて採用されたクリティカルなカウンターカードにアクセスすることもできるようになっていくだろう。


悲劇的な傲慢苦痛の公使過去に学ぶ


まだまだ未知数の新アーキタイプだが、今後一大勢力となりうる可能性は大いにある。何より、シルバーバレット戦略を用いたデッキは調整やプレイが非常に楽しいので、まだ新環境に何を組もうか悩んでいるというプレイヤーは組んでみてはいかがだろうか?



1.5 苦い真理

4~5色のデッキが今後も活躍するようであれば、「収斂」能力を持ったカードは軒並みパッと見の印象以上に使いやすいものとなっていくことだろう。


苦い真理


そこで私が現在注目しているのが、この《苦い真理》だ。筆者自身、黒をタッチしたジェスカイで、コントロール系相手へのサイドボードカードとして使用していたのだが、これが非常に強力だった。

これだけ多色土地に恵まれていると3ドローができないことはまずない上に、コントロール相手ならばさほどペイライフも気にならない。《宝船の巡航》などと比較しても、《ヴリンの神童、ジェイス》で使い回しやすい点が好印象だった。

カードを引くことが嫌いなプレイヤーはいないだろう。《龍王の大権》が重すぎて苦い心境に陥ったことがあるというプレイヤーには、ぜひこの甘美な3ドローを体験してみてほしい。メインボードに採用できないか検討しはじめるほど病み付きになること請け合いだ。



2. ティムールの激闘強大化

【SCGO Indianapolis】で優勝を収めたのは、【スーパークレイジーズー】の必殺コンボ要素である《ティムールの激闘》《強大化》の2枚を採用した【アタルカレッド】だった。


ティムールの激闘強大化


【ワールド・マジック・カップ2015東京予選】などで活躍していた【スーパークレイジーズー】の実力を疑う者はもはやいないだろうが、そもそも《ティムールの激闘》《強大化》もスタンダードリーガルのカードである。

【欠片の双子コンボ】【死せる生】といった凶悪なデッキがひしめくモダン環境でも通用する組み合わせであるこの2枚が、スタンダードで活躍できない道理はないだろう。

火力や軽量クリーチャーでライフを攻め立てつつ、隙を見て《僧院の速槍》9/10トランプル・二段攻撃に膨れさせて一瞬でライフを奪い去るような二枚岩の構成に対しては対策も工夫する必要がある。

《マキンディの滑り駆け》のような優秀な軽量クリーチャーを得たことで、さらに研ぎ澄まされた【アタルカレッド】はこのまま【プロツアー『戦乱のゼンディカー』】でも勢いを失わず活躍を見せるだろうか。ますます目の離せないアーキタイプである。



3. ヴリンの神童、ジェイス

すでに本連載の【vol.4】でも取り上げた《ヴリンの神童、ジェイス》

もはやスタンダードを代表する1枚となった彼だが、ついにマジックの歴史を塗り替える大記録に到達したのである。


ヴリンの神童、ジェイス精神を刻む者、ジェイス


そう。彼の需要はついにZEN~SOM期の《精神を刻む者、ジェイス》を超えたのだ。

この伝説の2マナ0/2もまた「神」と「ジェイス」の単語を名に持つ存在。《オジュタイの命令》をはじめとした呪文とのクリーチャーならではシナジーもあり、わずか3ヶ月にしてすでに第二期神ジェイスと呼んでも差し支えない実績を残している。

間違いなく現行スタンダード最強カードの一角を担う存在である。使用感がまったく異なることと、当時と現在とではレジェンドルールが異なっていることから《精神を刻む者、ジェイス》との比較は困難だが、今後も元祖神ジェイス同様、多くのデッキで使われることになるであろう。



4. Eureka

古代ギリシアの数学者であり物理学者であるアルキメデス。彼が風呂に浸かっているとき、ひょんなことから「アルキメデスの原理(浮力)」を発見し、感激のあまり裸のまま風呂から飛び出し「Eureka! Eureka!(私は発見したぞ!)」と叫びながら市内を走り回ったという。


Eureka


これは、そんなアルキメデスの逸話で有名な単語《Eureka》をそのカード名とする呪文だ。(ちなみにイラストに描かれている方程式はアインシュタインの特殊及び一般相対性理論に登場する「E=mc^2」である。)

さて、先日の【SCGO Indianapolis】ではこの《Eureka》を使用した、少し変わった【実物提示教育】デッキが結果を残した。



Joseph Herrera「Eureka-Tell」
SCGO Indianapolis (3位)

2 《島》
4 《Tropical Island》
4 《霧深い雨林》
4 《沸騰する小湖》
2 《古えの墳墓》
2 《すべてを護るもの、母聖樹》
1 《裏切り者の都》

-土地(19)-

2 《引き裂かれし永劫、エムラクール》
3 《グリセルブランド》

-クリーチャー(5)-
4 《渦まく知識》
4 《思案》
4 《定業》
2 《目くらまし》
4 《実物提示教育》
4 《Eureka》
4 《Force of Will》
4 《全知》
4 《水蓮の花びら》
2 《精霊龍、ウギン》

-呪文(36)-
2 《灰燼の乗り手》
2 《ザンティッドの大群》
2 《残響する真実》
2 《狼狽の嵐》
4 《神聖の力線》
1 《花の絨毯》
1 《真髄の針》
1 《精霊龍、ウギン》

-サイドボード(15)-
hareruya



実はこの《Eureka》パーマネントならば好きな数だけ、なんでも戦場に出すことができる。つまり《実物提示教育》では不可能な、プレインズウォーカーの踏み倒しも可能なのだ。

対戦相手も同様に好きな数だけパーマネントカードを戦場に出すことができるのだが、おそらくこのデッキが唱える《Eureka》が解決されるとき、対戦相手が自分よりも強力なパーマネントをコントロールしているということはそうそうないだろう。

いわばスーパー《実物提示教育》といった《Eureka》。非常に派手な挙動の呪文なので、普通の【実物提示教育】に飽きたという方は一度試してみてはいかがだろうか?






いかがだっただろうか?

今週もまた多くのカードがプレイされ、注目され、議論を呼ぶのだろう。

次回の記事も楽しみにしていただけたら幸いである。



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