MTG Just Now! vol.16 -ゼンディカーの同盟者、ギデオン etc.-

晴れる屋メディアチーム

晴れる屋メディアチーム


 情報を制す者はマジックを制す。

 特にSNSによる情報交換が盛んな現代、口コミがその後のメタゲームに与える影響は計り知れない。
すなわち、バズってる(話題になっている)カードを知ることは、メタゲームの把握と予測の大いなる助けとなることだろう。
当企画では、そんな「今、バズってるカード」を週刊で追っていきたいと思う。


 カードの紹介に入る前に、先週行われたイベントやマジック関連の主な出来事を簡単におさらいしよう。



【BIG MAGIC OPEN vol.5】

 先週末(2015年10月10-11日)には、【BIG MAGIC OPEN vol.5】が開催された。

 特に注目が高かったのはBIG MAGIC Open Standardだろう。『戦乱のゼンディカー』発売以来初となる国内トーナメントで、実に様々なデッキが活躍を見せていた。

 本大会で優勝を収めたのは《ドラーナの使者》が3枚採用された【マルドゥビートダウン】駆る佐藤 健治(神奈川)! 他にも【トップ8】には個性的なデッキが多く入賞している。ぜひデッキリストをご覧いただきたい。


ドラーナの使者ドラーナの使者ドラーナの使者




【第5期レガシー神挑戦者決定戦】

 2015年10月12日、晴れる屋主催のシリーズイベントである【第5期レガシー神挑戦者決定戦】が開催された。

 【青黒緑アグロ】を操り見事に優勝を収め、現レガシー神・川北 史朗への挑戦権を得たのは土屋 洋紀(東京)! 華麗なる勝利の公式、【ボルト算】の伝道者・土屋にはもはや《稲妻》すら不要ということか。




 《時を越えた探索》が禁止され、レガシーの光景はどのように変化したのか? カバレージやデッキテクなど、盛りだくさんの観戦記事で当日の熱を体感しよう。



 主要な出来事はこのくらいだろうか。

 さて、それでは今大きな話題を呼んでいるカードたちを紹介しよう。



1. 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》

 さて、《白蘭の騎士》を4枚採用した白単アブザンとでも呼べそうなデッキや、《ズーラポートの殺し屋》によって新たな形を示された《先祖の結集》コンボなど、数々の新デッキが姿を見せた【BIG MAGIC OPEN vol.5】

 対して横浜から約11000km離れたアメリカ・ジョージア州アトランタで先週末に開催された【SCGO Atlanta】では、【白緑ビートダウン】(白緑大変異)と【多色ジェスカイ】(あるいは純正ジェスカイ)の2デッキがトップ8を占めるという、まるで環境末期のような様相を呈していた。


ゼンディカーの同盟者、ギデオン


 そのトップ8の中で、採用枚数合計22枚という驚異的な記録をマークしたのが《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》だ。(ちなみに【BMO vol.5】トップ8でも17枚採用されている)

 【プロツアー『戦乱のゼンディカー』】ではどのような活躍を見せてくれるのか。目が離せない1枚だ。



2. 《始まりの木の管理人》

 【白緑ビートダウン】をはじめとした緑白系のデッキで、《羊毛鬣のライオン》の抜けた低マナ域のクリーチャー枠を埋めるべく採用され活躍しているのが《始まりの木の管理人》だ。


始まりの木の管理人


 特に緑白系のデッキでは2ターン目にプレイされた《ヴリンの神童、ジェイス》に対処しにくいという弱点があったが、1ターン目に《始まりの木の管理人》をプレイし、2ターン目に《ドロモカの命令》「+1/+1」カウンターを乗せつつ格闘することで除去が可能となる。

 中盤以降引いた場合も腐りにくく、非常に強力な構築で4枚使われる神話レアである。『戦乱のゼンディカー』のイベントデッキに収録されたこともあり比較的入手は容易だが、まだ持っていないならなるべく早めに集めたい。

 また、余談だが3つ目の起動型能力を複数回起動することで延々と強化することができる。そのような状況が実際に発生するかは疑問だが、使う側も使われる側も一応このことを念頭に入れたうえでプレイするとよいだろう。



3. 《乱撃斬》

 さて、最後に筆者が個人的におすすめするカードを上げさせていただこう。


乱撃斬


 「なぜ今さら《乱撃斬》?」と思った方もいれば、「なるほど、《乱撃斬》か」と思った方もいらっしゃるだろう。実は私がこのカードを勧める理由は、すでにこの記事の中に登場しているカードと関連がある。








 もうお分かりになっただろうか? そう、この《乱撃斬》《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》対策として機能する(可能性を秘めている)のだ。

 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》の「+1」能力を見てほしい。


[+1]:ターン終了時まで、ゼンディカーの同盟者、ギデオンは破壊不能を持つ5/5の人間(Human)・兵士(Soldier)・同盟者(Ally)クリーチャーになる。これはプレインズウォーカーでもある。このターン、これに与えられるすべてのダメージを軽減する。


 このすべてのダメージを”軽減”するという文言が肝だ。つまり、「獰猛」を達成した《乱撃斬》ならば軽減の影響を受けずにダメージを与えることができるのだ。

 「たったの2点で何が対策か、《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》の初期忠誠度は4で、『+1』能力を使用した直後ならほとんどの場合、その忠誠度は5もあるんだぞ」と突っ込みたくなる方は今一度、次は《乱撃斬》のテキストを読み返してみてほしい。


獰猛-あなたがパワーが4以上のクリーチャーをコントロールしているなら、このターン、ダメージは軽減できない。
クリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とする。乱撃斬はそれに2点のダメージを与える。


 そう。《乱撃斬》が軽減を封じるのは、《乱撃斬》が与える2点のダメージだけではない。そのターン中に与えられるすべてのダメージを軽減されなくするのだ。

 つまり、あなたの対戦相手が《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》の「+1」能力を使用して攻撃してきたとしよう。あなたはそのギデオンの脇にいるであろう2/2の騎士・同盟者・クリーチャー・トークンを対象に「獰猛」を達成した《乱撃斬》を撃ち込みつつ、あなたのコントロールする屈強なクリーチャーでギデオンをブロックし、打ち取ることができるのだ。




 「はて、クリーチャー化したギデオンは破壊不能を持っているぞ。仮に致死量のダメージを与えたとしても、打ち取ることはできないじゃないか」と考えた読者の方は非常に察しがいい。

 しかし白のプレインズウォーカーとして、歴戦の戦士でありながら理性を併せ持ったギデオンは、自身を戦場に投じようとも同時にプレインズウォーカーでもあるのだ。

 プレインズウォーカーにダメージが割り振られる場合、その点数に等しい忠誠度カウンターを取り除く。そして、その上に乗っている忠誠度カウンターがすべて失われた場合、それは状況起因処理のチェック時に墓地に送られる。すなわち、事実上戦闘によって破壊が可能なのである。


龍語りのサルカン


(ちなみにギデオン同様クリーチャー化する能力を持った《龍語りのサルカン》は、自身の能力によってクリーチャー化するとプレインズウォーカーではなくなるので注意。そのため、サルカンは上述のテクニックを用いても忠誠度カウンターが取り除かれることはない。このサルカンとギデオンの微妙な差異が、二人のキャラクター性を表しているように思える。)


 果たしてあなたの戦場に5/6以上のサイズを持ったクリーチャーがいる状況で《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》が攻撃してくるかは不明だが、もし無警戒に攻撃してきたならチャンスかもしれない。

 実践であまり見かける状況ではない上、直観的には分かりにくい、マジックのルールとカードのテキストを応用したテクニックではあるものの、覚えておいて損になることはないだろう。《はじける破滅》《破滅の道》以外にも、こういった工夫で《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》に対抗できるのだ。






 いかがだっただろうか?

 今週もまた多くのカードがプレイされ、注目され、議論を呼ぶのだろう。

 次回の記事も楽しみにしていただけたら幸いである。



この記事内で掲載されたカード

Twitterでつぶやく

Facebookでシェアする

関連記事

このシリーズの過去記事