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【Super Crazy Zoo】というデッキを覚えているだろうか。
モダンがエルドラージの氾濫する環境になった今、存在を忘れている人も多いかもしれない。【プロツアー『ゲートウォッチの誓い』】でも海外のプロチーム「EUreka」がチームでシェアして持ち込んでいたものの、エルドラージの隆盛に押されて記憶に残るような活躍はしていなかったからだ。
しかしそれも当然といえば当然だ。3ターン目に《現実を砕くもの》が走ってくるような状況で、ライフを自ら10点以上も支払うデッキが勝てるはずもない。かくして【Super Crazy Zoo】はエルドラージの登場とともにモダン環境の深淵、Tier5以下の有象無象に紛れて消え去る運命にある……と思われた。
だが。
そんな中でも《死の影》と《ティムールの激闘》を愛し、構わず使い続ける男がいた。
【BMOモダン vol.5】で独自に改良した【Super Crazy Zoo】を駆り準優勝したこともある堀川 純(神奈川)だ。
ここでは堀川に最新のSCZ事情について聞いてみることにしよう。
--「堀川さんが使っているのはグリクシス (青黒赤) カラーのSuper Crazy Zooということですが、これはどういった経緯で使用されているんでしょうか?」
堀川 「【津村 健志さんのプロツアーレポート】を読んで存在を知ったのがきっかけです。元々の緑入りバージョンだと《虚空の杯》で詰みだったり《強大化》《ティムールの激闘》をケアされると厳しかったりで弱点が多かったのですが、青黒赤ベースにすることで《血清の幻視》がとれることはもちろん、それらの弱点が緩和されていて良さそうだなと思いました」
--「元のレシピと比べるといくつか変更点がありますよね。まず白をタッチしている理由についてはいかがでしょう?」
堀川 「サイドの《石のような静寂》が主な理由ですが、メインにもエルドラージ用の単体除去として《流刑への道》と、お守りとして《信仰の盾》をとっています」
--「《石のような静寂》は《古えの遺恨》、《信仰の盾》は《使徒の祝福》ではダメなんでしょうか?」
堀川 「《石のような静寂》と《古えの遺恨》は難しいところですが、《呪文滑り》を置かれてもまとめて封殺できる点を評価しています。《信仰の盾》については、やはり『窮地』のモードの強さが捨てがたいですね。複数のクリーチャーを一気に守ったり、ブロッカーの色が揃っていれば2体に一度に回避能力を付与することもできます」
--「《魔力変》についてはいかがでしょうか?」
堀川 「《ミシュラのガラクタ》だと《窯の悪鬼》と相性が悪いのと、《血清の幻視》で積み込んだ《ティムールの激闘》をすぐドローできるのが良いですね。あと地味に《血染めの月》対策にもなります」
--「肝心のエルドラージとの相性という点ではどうなんでしょうか?」
堀川 「ぶん回られたらどうしようもないですが、そこそこの回りなら別に問題なく戦えると思います。相手にも《四肢切断》はありますがこちらも《思考囲い》や《頑固な否認》で対抗できますし、こちらも単体除去をとっているので、干渉手段は豊富にあります」
--「総合的には、このグリクシスのバージョンは前の緑入りのバージョンより強くなっている、という評価でよろしいでしょうか?」
堀川 「そうですね。《血清の幻視》がとれるようになって安定性が大きく向上するとともに、青と黒の呪文で相手に干渉しやすくなっているので、今のモダンだとこちらの方が勝ちやすいかなと思います。エルドラージが暴れている今のモダン環境でも、十分通用するデッキだと思いますよ」
--「ありがとうございました」
1 《血の墓所》 1 《神無き祭殿》 1 《聖なる鋳造所》 1 《蒸気孔》 1 《湿った墓》 4 《血染めのぬかるみ》 4 《溢れかえる岸辺》 2 《乾燥台地》 2 《湿地の干潟》 -土地(17)- 4 《死の影》 4 《窯の悪鬼》 4 《グルマグのアンコウ》 -クリーチャー(12)- |
4 《血清の幻視》 4 《ギタクシア派の調査》 4 《思考囲い》 3 《頑固な否認》 3 《変異原性の成長》 2 《流刑への道》 1 《信仰の盾》 4 《ティムールの激闘》 4 《魔力変》 2 《終止》 -呪文(31)- |
2 《呪文滑り》 2 《外科的摘出》 2 《摩耗+損耗》 2 《四肢切断》 2 《コジレックの帰還》 2 《石のような静寂》 1 《島》 1 《強迫》 1 《ファイレクシアの非生》 -サイドボード(15)- |